MIYAVIとSKY-HIがJ-WAVEで対談。MIYAVIが難民問題とウクライナの現状について語ったほか、「サムライギタリスト」と呼ばれるようになった経緯を振り返った。
MIYAVIが登場したのは、J-WAVEの番組『DIVE TO THE NEW WORLD』(ナビゲーター:SKY-HI)。オンエアは毎週土曜23:00-23:54。ここでは、4月9日(土)のオンエア内容をテキストで紹介する。
SKY-HI:MIYAVIさんとは楽曲でのコラボだったり、こっちのライブに出てもらったり、あっちのライブに出たりしたことがあります。MIYAVIさんとのステージは楽しいんですよ。バイブスがとんでもなくはち切れます。MIYAVIさんは世界に向けての活動も本当にいろいろとされています。「人生面白い人ランキング」で相当上位の方でいらっしゃいますので、聞ける限り聞いていきたいなと思います。それでは、今回のゲストをお呼びしましょう。MIYAVIさんです!
MIYAVI:よろしくね。元気?
SKY-HI:元気ですよ。コロナ禍で1回、ビルボードライブ東京でお会いしましたよね。
MIYAVI:そうだね。世界難民の日(6月20日)のイベントに出てもらった。あのときはありがとうございました。
SKY-HI:楽しかったです。俺、あのイベントのためにアコースティックセットを作ったんです。だから、今年アコースティックライブをやりますよ。
MIYAVI:いいじゃん。
MIYAVI:「難民」という言葉ってさ、やっぱりちょっと距離を置いちゃうじゃない。でも、SKY-HI君もそうだし、いろんなアーティストが声をあげてくれることで(活動が)もっと広がるしね。でも、なかなか難しい。
SKY-HI:日本が島国っていうのもあるんでしょうね。受け入れも難しいし、日本から難民として出ていく人も少ないんで。あんまり実感が湧かない人が多いとは思うんですね。
MIYAVI:そうだね。ヨーロッパ、アフリカ、レバノン、ケニア、バングラデシュといろんな国に行ってきたけど、実際自分たちの生活に響かないとさ。日本ってそれだけ平和な国だし守られているしね。だけど、世界でこういうことが起こっているっていうのを意識するだけで、日頃の生活の仕方は変わってくる。
SKY-HI:うんうん。
MIYAVI:なので、これからも世界のことを広めていけたらなと思っています。お力添えありがとうございます。
SKY-HI:いえいえ。「当たり前」は本当に場所によって違いますもんね。
MIYAVI:今、平和な国のなかで僕たちアーティストが何を歌っていくのかっていうのはすごく大事なことだと思いますね。
SKY-HI:日本でニュースを観ていると画面の向こうにロシアとかウクライナとかが見えますけど、SpotifyとかApple Musicを使うと「どこの国の人が今何を聴いているか」が出るじゃないですか。リアルタイムでモスクワとかウクライナって言葉が出てくると「すげえな」って気持ちになりますよね。
MIYAVI:そうだね。難民と言ってもさ、みんなスマホを持っているし、お医者さんとか有名人もいるわけで。その状況で住むところを追われて、どこかの国に逃げなきゃいけない。これってさ、「俺たちだったらどうする?」ってことなんだよ。
SKY-HI:そうですよね。
MIYAVI:俺たちの場合、船便になるわけじゃない。
SKY-HI:飛行機が止められたら、けっこう詰む状況になりますよね。
MIYAVI:立地にもよるけどさ、(他国だと)歩いて他の国に行くよね。
MIYAVIはイベントと難民キャンプの訪問のため、先日セルビアに出向いたことを語った。
MIYAVI:難民キャンプで「みんなはどこから来たの?」って聞いたら、「MIYAVI、レバノンで見たよ」って言う子がいたわけ。
SKY-HI:おお。
MIYAVI:俺がレバノンに行ってたとき、その子は当時いたんだよね。トルコ、ブルガルア、いろんな国を渡ってセルビアに着いたと。「このあとクロアチアを抜けてドイツに行く」と言ってた。徒歩、ラッキーなときはバスだと思うけど、その状況で見ず知らずの国に行くってさ……。しかも子どもだよ?
SKY-HI:子どもの頃からその体験をしてしまうと、その子にとって「当たり前」になっちゃいますよね。
MIYAVI:そうなんだよね。そういう意味で、もっともっと世界のことを知った上で発信していくってことが大事だなと思う。
難民たちの多くは自国の近くに避難することが多いとMIYAVIは語る。
MIYAVI:なぜなら、みんな帰りたいから。だってさ、自分の家に帰りたいじゃん。
SKY-HI:そうですよね。「帰れるとき」を待ちたいですよね。
MIYAVI:そう。そういう気持ちのなか、難民キャンプで10年20年と過ごしている人たちがいる。特にタイの国境にいる方たちは長い期間いるわけ。そこで生まれて育った子たちのほうが多かったりするのね。重い問題だよ。仕事ができなくて家族を食べさせることができないから、子どもたちが野菜を作りに行って生計を立てている現状がある。僕はそこに行って「音楽で何ができるのか」を考えるわけだけども、子どもたちが生き生きしている顔ってさ、世界共通なんだよ。子どもたちは英語を喋れないからコミュニケーションも取れない。だけど、音楽とスポーツ(で繋がれる)。俺、昔はサッカーをやっていたから。ギターを弾いて、みんなで歌って、そのあとにサッカーをやる。そうしたら子どもたちはすぐに笑顔になる。そういう光景を世界中の人たちに見て欲しいし、「学校に行きたい」と願う子どもたちの思いをみんなで守るべきだと思う。音楽とスポーツの力があれば、子どもたちの思いを“可視化”することができるんだよね。楽しいけど、すごくヘビーなことだよ。
SKY-HI:自分はコミュニケーションが取れない子どもたちと触れ合ったのは、マサイ族のところに行ったときですね。学校は基本的に行けないし、一族30人ぐらいの兄弟のなか、一番優秀な子一人だけが学校に行きます。学費はヤギやウシを売って捻出します。
MIYAVI:そういう現実があるんだよな。
SKY-HI:学校に行った子は、家に帰ってから学んだことを30人ぐらいの兄弟たちに教えるっていうのを繰り返しているんですね。その結果、片言の英語はみんな喋れるようにはなっていました。
MIYAVI:先進国の子たちと比べてさ、みんなの“学びたい欲”がハンパないよね。
SKY-HI:すごいですよね。
MIYAVI:その現実をみんなに見せてあげるのも僕たちの仕事だし、「自分の国だけよければいい」と思うのはなんだかなって思う。
コロナ禍によって、MIYAVIの価値観に変化が生じたそうだ。
MIYAVI:結局、一つの国だけがよくなるってことは無理じゃん。人と人とが共存していく社会のなかで、自分のところだけがOKていうのが成り立たないってことを、(世界の人たちは)コロナ禍で学んだはず。
SKY-HI:そうですね。
MIYAVI:それって難民問題も一緒で。どこかで助け合って、受け入れるってことが大事。何よりもさ、子どもたちを“見ない振り”なんてできないよね。
SKY-HI:そこらへんの気持ちって、MIYAVIさんは子どもができてから変わりました?
MIYAVI:変わるね。子どもができると自分の人生が延長、長くなるわけだから、その先にある未来への責任を感じる。単純に「ちゃんとしないとな」って思う。人間だし完璧じゃないから、子どもと一緒に成長していくのも親の醍醐味だと感じるしね。「自分たちがいなくなったあとの地球はどうなるのか」を考えるのは責任というか、使命なんじゃないかなと思う。
SKY-HI:MIYAVIさんが海外での活動を積極的にやればやるほど、ナショナリズムというか、サムライっていうワードもですけど、“日本”っていうものを強く感じるときがあります。
MIYAVI:そうだね。まずさ、日本でサムライって言葉を使うことってないよね?
SKY-HI:なかなか使わないですね。
MIYAVI:(言葉を使う)責任も重いしさ。俺の場合、たまたまRock Steady Crewのラスベガスのイベントに出させてもらって、そのときに司会から「サムライギタリスト」って紹介してもらったからなんだよね。
SKY-HI:そうなんだ!?
MIYAVI:ベガスっぽい話だよね。でも日本で同じことを言うと反応が違うわけじゃん。海外と日本では“クールなこと”って違かったりするから。
SKY-HI:そうですね。
MIYAVI:日本にいても、海外でクールなことを感覚として感じていたいなとは思いますね。
SKY-HI:なるほど。
MIYAVIの最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
MIYAVIが登場したのは、J-WAVEの番組『DIVE TO THE NEW WORLD』(ナビゲーター:SKY-HI)。オンエアは毎週土曜23:00-23:54。ここでは、4月9日(土)のオンエア内容をテキストで紹介する。
さまざまなフィールドで活躍するMIYAVIが出演
『DIVE TO THE NEW WORLD』では、国内外で活躍する各界のゲストが週替わりで登場し、ゲストが成し遂げた偉業の数々や、その原動力に迫る。今回のオンエアではMIYAVIが登場した。SKY-HI:MIYAVIさんとは楽曲でのコラボだったり、こっちのライブに出てもらったり、あっちのライブに出たりしたことがあります。MIYAVIさんとのステージは楽しいんですよ。バイブスがとんでもなくはち切れます。MIYAVIさんは世界に向けての活動も本当にいろいろとされています。「人生面白い人ランキング」で相当上位の方でいらっしゃいますので、聞ける限り聞いていきたいなと思います。それでは、今回のゲストをお呼びしましょう。MIYAVIさんです!
MIYAVI:よろしくね。元気?
SKY-HI:元気ですよ。コロナ禍で1回、ビルボードライブ東京でお会いしましたよね。
MIYAVI:そうだね。世界難民の日(6月20日)のイベントに出てもらった。あのときはありがとうございました。
SKY-HI:楽しかったです。俺、あのイベントのためにアコースティックセットを作ったんです。だから、今年アコースティックライブをやりますよ。
MIYAVI:いいじゃん。
UNHCR親善大使として活動する理由
MIYAVIはUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)親善大使を務めており、世界中の難民キャンプを訪れ、音楽の素晴らしさを伝える活動に尽力している。MIYAVI:「難民」という言葉ってさ、やっぱりちょっと距離を置いちゃうじゃない。でも、SKY-HI君もそうだし、いろんなアーティストが声をあげてくれることで(活動が)もっと広がるしね。でも、なかなか難しい。
SKY-HI:日本が島国っていうのもあるんでしょうね。受け入れも難しいし、日本から難民として出ていく人も少ないんで。あんまり実感が湧かない人が多いとは思うんですね。
MIYAVI:そうだね。ヨーロッパ、アフリカ、レバノン、ケニア、バングラデシュといろんな国に行ってきたけど、実際自分たちの生活に響かないとさ。日本ってそれだけ平和な国だし守られているしね。だけど、世界でこういうことが起こっているっていうのを意識するだけで、日頃の生活の仕方は変わってくる。
SKY-HI:うんうん。
MIYAVI:なので、これからも世界のことを広めていけたらなと思っています。お力添えありがとうございます。
SKY-HI:いえいえ。「当たり前」は本当に場所によって違いますもんね。
音楽活動を通じて“世界の現状”を伝えたい
2人はロシアによるウクライナ侵攻を取り上げ、「他人事にしてはいけない」と語る。MIYAVI:今、平和な国のなかで僕たちアーティストが何を歌っていくのかっていうのはすごく大事なことだと思いますね。
SKY-HI:日本でニュースを観ていると画面の向こうにロシアとかウクライナとかが見えますけど、SpotifyとかApple Musicを使うと「どこの国の人が今何を聴いているか」が出るじゃないですか。リアルタイムでモスクワとかウクライナって言葉が出てくると「すげえな」って気持ちになりますよね。
MIYAVI:そうだね。難民と言ってもさ、みんなスマホを持っているし、お医者さんとか有名人もいるわけで。その状況で住むところを追われて、どこかの国に逃げなきゃいけない。これってさ、「俺たちだったらどうする?」ってことなんだよ。
SKY-HI:そうですよね。
MIYAVI:俺たちの場合、船便になるわけじゃない。
SKY-HI:飛行機が止められたら、けっこう詰む状況になりますよね。
MIYAVI:立地にもよるけどさ、(他国だと)歩いて他の国に行くよね。
MIYAVIはイベントと難民キャンプの訪問のため、先日セルビアに出向いたことを語った。
MIYAVI:難民キャンプで「みんなはどこから来たの?」って聞いたら、「MIYAVI、レバノンで見たよ」って言う子がいたわけ。
SKY-HI:おお。
MIYAVI:俺がレバノンに行ってたとき、その子は当時いたんだよね。トルコ、ブルガルア、いろんな国を渡ってセルビアに着いたと。「このあとクロアチアを抜けてドイツに行く」と言ってた。徒歩、ラッキーなときはバスだと思うけど、その状況で見ず知らずの国に行くってさ……。しかも子どもだよ?
SKY-HI:子どもの頃からその体験をしてしまうと、その子にとって「当たり前」になっちゃいますよね。
MIYAVI:そうなんだよね。そういう意味で、もっともっと世界のことを知った上で発信していくってことが大事だなと思う。
難民たちの多くは自国の近くに避難することが多いとMIYAVIは語る。
MIYAVI:なぜなら、みんな帰りたいから。だってさ、自分の家に帰りたいじゃん。
SKY-HI:そうですよね。「帰れるとき」を待ちたいですよね。
MIYAVI:そう。そういう気持ちのなか、難民キャンプで10年20年と過ごしている人たちがいる。特にタイの国境にいる方たちは長い期間いるわけ。そこで生まれて育った子たちのほうが多かったりするのね。重い問題だよ。仕事ができなくて家族を食べさせることができないから、子どもたちが野菜を作りに行って生計を立てている現状がある。僕はそこに行って「音楽で何ができるのか」を考えるわけだけども、子どもたちが生き生きしている顔ってさ、世界共通なんだよ。子どもたちは英語を喋れないからコミュニケーションも取れない。だけど、音楽とスポーツ(で繋がれる)。俺、昔はサッカーをやっていたから。ギターを弾いて、みんなで歌って、そのあとにサッカーをやる。そうしたら子どもたちはすぐに笑顔になる。そういう光景を世界中の人たちに見て欲しいし、「学校に行きたい」と願う子どもたちの思いをみんなで守るべきだと思う。音楽とスポーツの力があれば、子どもたちの思いを“可視化”することができるんだよね。楽しいけど、すごくヘビーなことだよ。
SKY-HI:自分はコミュニケーションが取れない子どもたちと触れ合ったのは、マサイ族のところに行ったときですね。学校は基本的に行けないし、一族30人ぐらいの兄弟のなか、一番優秀な子一人だけが学校に行きます。学費はヤギやウシを売って捻出します。
MIYAVI:そういう現実があるんだよな。
SKY-HI:学校に行った子は、家に帰ってから学んだことを30人ぐらいの兄弟たちに教えるっていうのを繰り返しているんですね。その結果、片言の英語はみんな喋れるようにはなっていました。
MIYAVI:先進国の子たちと比べてさ、みんなの“学びたい欲”がハンパないよね。
SKY-HI:すごいですよね。
MIYAVI:その現実をみんなに見せてあげるのも僕たちの仕事だし、「自分の国だけよければいい」と思うのはなんだかなって思う。
コロナ禍によって、MIYAVIの価値観に変化が生じたそうだ。
MIYAVI:結局、一つの国だけがよくなるってことは無理じゃん。人と人とが共存していく社会のなかで、自分のところだけがOKていうのが成り立たないってことを、(世界の人たちは)コロナ禍で学んだはず。
SKY-HI:そうですね。
MIYAVI:それって難民問題も一緒で。どこかで助け合って、受け入れるってことが大事。何よりもさ、子どもたちを“見ない振り”なんてできないよね。
SKY-HI:そこらへんの気持ちって、MIYAVIさんは子どもができてから変わりました?
MIYAVI:変わるね。子どもができると自分の人生が延長、長くなるわけだから、その先にある未来への責任を感じる。単純に「ちゃんとしないとな」って思う。人間だし完璧じゃないから、子どもと一緒に成長していくのも親の醍醐味だと感じるしね。「自分たちがいなくなったあとの地球はどうなるのか」を考えるのは責任というか、使命なんじゃないかなと思う。
「サムライギタリスト」誕生秘話
MIYAVIは「サムライギタリスト」の異名を持ち、音楽活動以外にも映画、ファッション業界など多岐に渡って活動している。SKY-HI:MIYAVIさんが海外での活動を積極的にやればやるほど、ナショナリズムというか、サムライっていうワードもですけど、“日本”っていうものを強く感じるときがあります。
MIYAVI:そうだね。まずさ、日本でサムライって言葉を使うことってないよね?
SKY-HI:なかなか使わないですね。
MIYAVI:(言葉を使う)責任も重いしさ。俺の場合、たまたまRock Steady Crewのラスベガスのイベントに出させてもらって、そのときに司会から「サムライギタリスト」って紹介してもらったからなんだよね。
SKY-HI:そうなんだ!?
MIYAVI:ベガスっぽい話だよね。でも日本で同じことを言うと反応が違うわけじゃん。海外と日本では“クールなこと”って違かったりするから。
SKY-HI:そうですね。
MIYAVI:日本にいても、海外でクールなことを感覚として感じていたいなとは思いますね。
SKY-HI:なるほど。
MIYAVIの最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
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