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Omoinotakeが「ブラックミュージックの要素を、日本のポップスに昇華させた金字塔」と語る楽曲は

Omoinotakeが「ブラックミュージックの要素を、日本のポップスに昇華させた金字塔」と語る楽曲は

ピアノトリオバンドのOmoinotakeが、バンドのルーツとなる楽曲、そして新曲『心音』に込めた思いを明かした。

Omoinotakeが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』内のコーナー「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」。オンエアは4月18日(月)、19日(火)。同コーナーでは、アーティストたちの自身の楽曲に込めた想いと、彼らのアーティスト人生に大きく影響を与えた楽曲との出会いの話を通じて、音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けする。

“踊れて泣ける”自分たちらしいサウンドを追求

Omoinotakeは2012年に、島根県出身の藤井レオ(Vo, Key)、“エモアキ”こと福島智朗(B, Cho)、“ドラゲ”こと冨田洋之進(Dr)という中学の同級生3人によって結成された。東京・渋谷を中心に活動をスタートさせ、特にストリートでの演奏で人気を獲得してきた。インディーズながらその様子がテレビで特集させるなど注目を浴び、昨年11月に『EVERBLUE』でメジャーデビューを果たした。

そんな彼らは、4月13日にリリースされた『心音』にどんな思いを込めたのか。

レオ:『心音』は映画『チェリまほ THE MOVIE ~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~』の主題歌として書き下ろした楽曲です。まず原作の漫画を読んだ上で、エモアキが歌詞を書いたところから、この曲の制作が始まりました。どんな思いを込めましたか?

エモアキ:“心の音”をモチーフにして書かせていただきました。“バラバラで生まれた僕らなのに、同じリズムで刻む心の音”というものを掘り下げて、歌詞にしていきましたね。

レオ:パンチラインだらけですよね。

エモアキ:そう言ってもらえることが多くて本当にうれしいですね(笑)。

レオ:そんな“パンチラインだらけ”と言ってもらえる歌詞がエモアキから送られてきたので、素晴らしいメロディをつけるべく、試行錯誤を繰り返して楽曲を完成させました。全部で200パターンくらいのテイクを試したかな。

この楽曲に込めた“自分たちらしさ”は、まず1本軸としてあるのが“踊れて泣ける”ということ。それは、Omoinotakeらしさだと思っています。踊れる部分というのはビートだったり、いろんな楽器のリズムで表現していて、それに加え、演奏力を磨くことでグルーブ感を高めています。泣ける部分はエモアキが書く歌詞だったり、僕が作るメロディだったり、さまざまなサウンド感で構築していると思います。ほかに何か注目して欲しい点ってある?

ドラゲ:曲の途中で本当の“心音”が入っているよね。心臓のリズムというか、あれが一種の踊れるポイントになっていて。それがどこに入っているかわかった人がいたらぜひ、SNSで呟いて欲しいですね。

エモアキ:歌詞が先行してできあがった『心音』なんですけど、“バラバラ”とか“トクトク”“ドキドキ”などメロディに合いそうなフレーズが所々で散りばめられたので、それも踊れるポイントに関わっているのかなって思っています。

レオ:そうだね。それと“泣ける”というのは、いろんな種類の涙があると思うんですけど、切ないだけじゃない、あたたかくて泣けるみたいな感情が『心音』にはあると思っていて。そういう意味ではこれまでのOmoinotakeになかったメロディになっているんじゃないかな。そういったところにも注目して、皆さんには聴いて欲しいです。

ブラックミュージックの要素を、日本のポップスに昇華させた金字塔

独自の世界観を持つピアノトリオバンドとして活躍するOmoinotakeは、共通して影響を受けたバンドがあるという。自分たちのサウンドに新しい要素を入れたいと考えていた彼らが出会った1曲とは?

レオ:僕らのルーツとして選んだ1曲は、ceroの『Yellow Magus(Obscure)』です。アルバムバージョンで選ばさせてもらいました。そもそもこの曲を収録しているアルバム『Obscure Ride』に僕ら3人は、多大なる影響を受けています。アルバムが出たのは2015年。その当時、シティポップというジャンルがすごく流行っていたと思うんですけど、その流れで僕たちもceroを聴きました。ちょうどブラックミュージック経由の横ノリのリズムをやってみようと、いろいろ聴き漁っていた時期でしたね。『Obscure Ride』は、ブラックミュージックの要素を、日本のポップスに昇華させた金字塔の作品だと思います。衝撃を受けました。

ドラゲ:特に『Yellow Magus(Obscure)』は、当時僕らがやりたかったことを全部演ってみせてくれていました。その衝撃は強かったですね。

レオ:そうだね。憧れみたいなものというか、演りたいことを全部やっちゃっている大先輩のような感じだったよね。

ドラゲ:そうそう。

エモアキ:結構みんなでライブも観に行ったよね。

レオ:だいぶ観に行ったね。元々は僕ら、縦ノリの楽曲を演っていたんですけど、横ノリを演奏するきっかけ……というかバンドとして目指すべき方向性が見えたアルバムだったなと思います。中でも『Yellow Magus(Obscure)』はすごくかっこよくて、大好きな1曲なので、ぜひ皆さんにも聴いて欲しいと思います。



Omoinotakeの音楽性を広げた、cero『Yellow Magus(Obscure)』との出会い。その探究心が、“踊れて泣ける”という彼ららしいサウンドを追求する現在の道につながっているのだろう。

アーティストの話を通じて音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けするコーナー「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」は、J-WAVE『SONAR MUSIC』内で月曜~木曜の22時41分ごろからオンエア。Podcastでも配信しており、過去のオンエアがアーカイブされている。

・公式ページ
https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/opportunity/

(構成=中山洋平)

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