「若者のラジオ離れ」と言われて久しい今も、熱心な若いリスナーはいる。音楽、映画などエンターテインメントのアクセスが容易になったこの時代に、彼らはなぜラジオを愛するのだろうか?
J-WAVE の大学生・専門学生コミュニティ「J-WAVE WACODES」がラジオの思い出を語る連載「わたしとラジオ」。家族と車のなかで、災害時の情報源として、深夜にこっそり夜更かしして……それぞれのラジオとの思い出から、世代を問わないラジオの普遍的な価値を探る。
今回担当するのは、大学4年生のすみ。新型コロナウイルスの流行で大きく変化した大学生活。大学は休講、バイト先も休業、家族にも友人にも会えない……そんな孤独な日々を過ごした大学生に、ラジオはどのように手を差し伸べられるのだろうか。コロナ禍でラジオを習慣化して聴くようになったすみが、その出会いと思い出を振り返る。(J-WAVE NEWS 編集部)
日常がひっくり返った2020年4月。大学の講義開始が5月末になったことで空白の2カ月が生まれた。バイトもなくなり、何かやらなくてはいけないことがあるわけでもない。自分のなかの何かが壊れたと感じたのは2週間を過ぎたあたりだっただろうか。ニュースを見ていると不安な気持ちばかりが大きくなっていくので、テレビやSNSを見ることができなくなった。1Kの小さな部屋から一歩も出ず、情報を全く収集せず、誰とも連絡を取らない私は完全に社会から切り離されていた。いま、この部屋のなかで私が死んだら、誰がいつ気づいてくれるんだろうか、なんてことも考えていた気がする。
『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』を特によく聴いていた。番組が始まってすぐに今日の天気やJ-WAVEのスタジオから見える東京の様子を別所哲也さんが伝えてくれる。部屋の中にずっと引きこもっていて全く気がついていなかった季節の変化に声を通じて触れた。日本や世界のニュースも教えてくれるラジオはまさに私と社会を繋ぐ「窓」だった。それに、紹介されるメールを通じて、私と同じように不安な気持ちを抱えている人がたくさんいることを知った。そんな私たちの背中を、今日も素敵な1日にしようと別所さんが、明るく、優しく押してくれる。
番組の中でよく別所さんが口にする「ご機嫌は自分で作るもの」という言葉がすごく好きだ。突然訪れた非日常の中でも日常は続く。お気に入りのラジオを聴きながら、今日はいつもより少し手間をかけて朝ごはんを作ろう。それだけでいい。どんな1日にするのかは自分次第、ということを教えてもらった。
それに音楽の趣味も広がった。J-WAVEでは古今東西最新のヒット曲から不動の名曲まで、様々な音楽との出会いがある。それまでひねくれて流行りのアーティストの音楽をまったくと言っていいほど聴いていなかったが、ラジオを通じて聴いてみると流行るだけの理由がわかる名曲ばかりだった。
ラジオを聴くことで、再び社会とつながることができただけでなく、これまでよりも自分の社会を広げることができた。気がついたらラジオ中心の生活を送るほど、ラジオの魅力にどっぷりとつかっていた。対面での大学の講義が増えてきて日常が戻ってくるのはとても喜ばしいことだが、リアルタイムで昼間の番組が聴けなくなってしまうのはものすごく悲しい。再びラジオ漬けの毎日を過ごすことができる夏休みが来るのがいまから待ち遠しい。
ホームページ:https://www.j-wave.co.jp/special/wacodes/
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J-WAVE の大学生・専門学生コミュニティ「J-WAVE WACODES」がラジオの思い出を語る連載「わたしとラジオ」。家族と車のなかで、災害時の情報源として、深夜にこっそり夜更かしして……それぞれのラジオとの思い出から、世代を問わないラジオの普遍的な価値を探る。
今回担当するのは、大学4年生のすみ。新型コロナウイルスの流行で大きく変化した大学生活。大学は休講、バイト先も休業、家族にも友人にも会えない……そんな孤独な日々を過ごした大学生に、ラジオはどのように手を差し伸べられるのだろうか。コロナ禍でラジオを習慣化して聴くようになったすみが、その出会いと思い出を振り返る。(J-WAVE NEWS 編集部)
突然訪れた空虚な日々
高校生の頃からラジオは好きだったが、生活の中心だったわけではない。1日中ラジオをつけっぱなしにしていて「あ、このコーナーが始まるってことは今〇時くらいか~そろそろお風呂に入ろうかな~」と番組内容を時報代わりに使っているいまとは大違い。私の生活がラジオ中心になったのは、皮肉にもコロナのおかげだ。日常がひっくり返った2020年4月。大学の講義開始が5月末になったことで空白の2カ月が生まれた。バイトもなくなり、何かやらなくてはいけないことがあるわけでもない。自分のなかの何かが壊れたと感じたのは2週間を過ぎたあたりだっただろうか。ニュースを見ていると不安な気持ちばかりが大きくなっていくので、テレビやSNSを見ることができなくなった。1Kの小さな部屋から一歩も出ず、情報を全く収集せず、誰とも連絡を取らない私は完全に社会から切り離されていた。いま、この部屋のなかで私が死んだら、誰がいつ気づいてくれるんだろうか、なんてことも考えていた気がする。
ラジオを聴いて「社会」とつながる
何がきっかけだったかははっきりと覚えていないが、1日中ラジオをつけるようになった。選んだのは、漠然と音楽に強いというイメージを持っていたJ-WAVE。『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』を特によく聴いていた。番組が始まってすぐに今日の天気やJ-WAVEのスタジオから見える東京の様子を別所哲也さんが伝えてくれる。部屋の中にずっと引きこもっていて全く気がついていなかった季節の変化に声を通じて触れた。日本や世界のニュースも教えてくれるラジオはまさに私と社会を繋ぐ「窓」だった。それに、紹介されるメールを通じて、私と同じように不安な気持ちを抱えている人がたくさんいることを知った。そんな私たちの背中を、今日も素敵な1日にしようと別所さんが、明るく、優しく押してくれる。
番組の中でよく別所さんが口にする「ご機嫌は自分で作るもの」という言葉がすごく好きだ。突然訪れた非日常の中でも日常は続く。お気に入りのラジオを聴きながら、今日はいつもより少し手間をかけて朝ごはんを作ろう。それだけでいい。どんな1日にするのかは自分次第、ということを教えてもらった。
それに音楽の趣味も広がった。J-WAVEでは古今東西最新のヒット曲から不動の名曲まで、様々な音楽との出会いがある。それまでひねくれて流行りのアーティストの音楽をまったくと言っていいほど聴いていなかったが、ラジオを通じて聴いてみると流行るだけの理由がわかる名曲ばかりだった。
ラジオを聴くことで、再び社会とつながることができただけでなく、これまでよりも自分の社会を広げることができた。気がついたらラジオ中心の生活を送るほど、ラジオの魅力にどっぷりとつかっていた。対面での大学の講義が増えてきて日常が戻ってくるのはとても喜ばしいことだが、リアルタイムで昼間の番組が聴けなくなってしまうのはものすごく悲しい。再びラジオ漬けの毎日を過ごすことができる夏休みが来るのがいまから待ち遠しい。
すみ プロフィール
大学4年生。一人暮らしを始める時に、部屋が狭いから本は買わないと決意したはずなのに、気がついたらどんどん増えていく本に部屋が圧迫されている今日この頃。だって好きな本は手元に置いておきたいじゃない……。J-WAVE WACODES
大学生・専門学生コミュニティ「J-WAVE WACODES」は、J-WAVEの主催する各種イベントに参加、特別番組の企画、番組と連動したアンケート調査など、さまざまな活動を行っています。詳しい活動は下記からチェック!ホームページ:https://www.j-wave.co.jp/special/wacodes/
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