フジロックで「電気を自給自足」する人も登場! “未来の可能性”を示したJackery Japanの取り組みに迫る

提供:株式会社Jackery Japan

「FUJI ROCK FESTIVAL ’25」(以下、フジロック)が、2025年7月25日(金)〜27日(日)に新潟県湯沢町・苗場スキー場で開催された。今年の動員数は、24日(木)を含めた4日間で122,000人。10万人を超えたのはコロナ禍以来、6年ぶりとなった。

熱気に包まれた苗場の会場で、ひとときの“涼”を提供した空間がある。ポータブル電源とソーラーパネルのリーディングカンパニーとして世界的に知られるJackeryの日本支社である株式会社Jackery Japanのブースだ。「グリーンエネルギーをあらゆる人に、あらゆる場所で提供する」という企業ミッションを、フジロックの地でどのように体現したのか? ブースの工夫や、そこに込められた思いに迫った。

フジロッカーと自然への配慮が光るブース

今年はヘッドライナーとしてFRED AGAIN..、VULFPECK、VAMPIRE WEEKENDが出演。邦楽勢からは、RADWIMPS、Vaundy、Creepy Nuts、Suchmosといった人気アーティストが名を連ねた。なかでも注目を集めたのは、2日目に初出演を果たしたレジェンド・山下達郎。約40,000人を収容できるGREEN STAGEは、後方まで人で埋め尽くされるほどの超満員となった。

<チケットがソールドアウトした2日目のOASISエリア。青々と茂る森林にヴェールをかけるような砂埃からも、賑わいが感じられる>

<暑さもあってか、川で涼む人も例年以上に目立った>

フジロッカーの熱量に呼応するような猛暑続きの3日間だったが、スコールに見舞われるタイミングも。そんなフジロックらしい天候のなかで賑わっていたのが、Jackery Japanのブースだ。場所はイエロークリフの端で、入場ゲートが目前。場内でライブを楽しんだあとにもアクセスしやすい立地だ。

大きな氷のオブジェが飾られた目にも涼しいブースは、フォトスポットやベンチが設置され、エアコンやサーキュレーターによって心地よい風が循環。一息つける“避暑地”として、来場者の憩いの場になっていた。さらに、雨天時にはドライヤーの貸し出しも行われるなど、細やかな気配りも光っていた。

<ブース内のフォトスポット。装飾にはフジロックの廃材を使用。GREEN STAGEとWHITE STAGEを結ぶ場所にある、子どものための遊び場・キッズランドのアーティストが手がけたもの>

<氷のオブジェがすぐに溶けてしまわないほど、ブース内は涼しい空間となっていた>

その場で使える、手のひらサイズのポータブル電源を販売

ブースでは、ポータブル電源やソーラーパネル各種の販売も行われた。手のひらに収まるコンパクトな「Jackery Explorer 100Plus」は、スマートフォンを最大8回充電できる大容量で、あらかじめフル充電された状態で提供。フジロック限定ステッカーも付いているという、「実用性」と「思い出」を兼ね備えたアイテムだった。SNS投稿とくじ引きで同製品が当たるキャンペーンも実施され、フォトスポットも含めて、ブースには連日行列ができていた。

<1.8時間でフル充電できる「Jackery Explorer 100Plus」。機内持ち込みも可能なサイズで、わずか965gと持ち運びやすい軽さながら、USB-Cを2口、USB-Aを1口備えており、複数のデバイスを同時に充電することができる>

<左は、フジロックでのキャンプでも活躍する「Jackery ポータブル電源 300Plus」。スマートフォンは約14回充電可能。こちらもリュックに収納可能なサイズだ>

夜になると、ブースはオレンジ色のあたたかな光に包まれる落ち着いた空間に変化した。

写真を撮ってSNSに投稿すると、カラビナ付きのオレンジライトがその場でもらえるキャンペーンも展開。夜のフジロックに彩りを添える光からは、このブースの存在が、暑さに負けずフジロックを満喫するためのスポットになっていたことが伺えた。

<オレンジライトは充電式で、何度でも点灯させることができる>

「自分で電気を作って自分でまかなう」というメッセージ

このブースは、ただ快適なだけでなく、自然と共生するというフジロックの理念に共鳴した工夫も凝らされている。

Jackery Japanのフジロックへの出展は、2023年に続いて今回が2回目。前回はスマートフォンの充電ブースを構え、多くの来場者をサポートしていた。

<2023年のブースの様子>

今回のブースの企画運営を担当し、前回も携わっていたJackery Japanのコンテンツディレクターである鈴木広介さんは、「便利だった」という声よりも「助かった」という言葉のほうが多く寄せられたことが印象に残っていると語る。タイムテーブルの確認、仲間との連絡、そして思い出を残す写真や動画の撮影──スマホはフジロックを最大限楽しむための必需品であり、バッテリーの残量は命綱だ。「フジロックのホスピタリティの一端を担うことができてよかった」と、鈴木さんは振り返る。

そうした経験から、今年は「涼」を提供する空間へとアップデートしたという。自然環境への配慮として、ブース運営に使用する電力の多くは、Jackeryのソーラーパネルやポータブル電源でまかなわれた。このようなブース運営の出発点として、「2023年との違いとしては、やはり、どこに行っても暑すぎるという環境の変化があります」と鈴木さんは切り出す。

<鈴木広介さん◎株式会社Jackery Japanマーケティング本部マーケティング第一部コンテンツディレクター。フジロックに初めて訪れたのは、PUNPEEがソロとして初出演した2017年。仕事でも関わるようになり、「毎年毎年、知っている人がどんどん増えて、仕事でコラボする機会が出てくることも楽しいですね。いま着ているベストも、アウトドアファッションブランド・CHUMSの方との交流をきっかけに制作していただいたんです」>

「この苗場もそうですし、先日、北海道の稚内に行った際も30℃を超えていて、『もう逃げ場がないんだ』と肌で感じたんです。一方で、地球にやさしいとされる再生可能エネルギーを推進した結果、メガソーラーや大きな風車が自然環境や生物の生態系を破壊してしまうという課題も出てきましたよね。『最適解がないんじゃないか?』と思える状況の中で、自分で電気を作って自分でまかなう、つまり“個人レベルでできる再生可能エネルギーの活用”という選択肢を、Jackery Japanとして広く提案していきたいと考えたんです」

「地球、暑すぎるだろ」ライブMCから着想を得て

仕事でもプライベートでもフジロックを訪れてきたという鈴木さん。2023年にnever young beachのステージを観た際に、メンバーが放った「地球、暑すぎるだろ」という一言も印象に残っているそうだ。

「ときに過酷な自然環境を楽しむことはフジロックの醍醐味だと思います。ただ、猛暑や急な豪雨など、気候変動の影響は我々の想像をはるかに超えており、クーラーはもはや『命を守るために不可欠なもの』。そうした状況を踏まえて、このブースのアイデアが生まれました」

ブースの屋根に設置された黒いボードは、一見すると装飾のようだが、すべてソーラーパネルを用いている。

「ブースで涼みながら、ふと『この電気って、どうやって来てるんだろう?』と、Jackeryの存在に興味を持ってもらえたらと思ったんです。何もない場所でも、8枚のソーラーパネルと蓄電できるポータブル電源を持ち込むことで、これだけ快適な空間がつくれる。そしてその仕組みは、みなさんの普段の生活にも活かすことができます」

鈴木さんによると、Jackeryの製品はもともとアウトドア好きに支持されていたが、容量の向上とともに、防災アイテムとしての存在感も高まっていったそうだ。とくに近年の日本市場では、南海トラフ巨大地震への備えとして注目する人も増えているのだとか。

災害時に役立つポータブル電源やソーラーパネルだが、「それだけのために買うのは、なかなか手が出ない」と感じる人もいるかもしれない。車中泊やキャンプにも役立つが、アウトドアの趣味がない人もいる。

「そんな方に提案したいのが、“ソーラーパネルで電気を作って、ポータブル電源に蓄電し、夜になったら電力として活用する”という使い方です。電気代を下げながら、気候変動という地球の大きな課題への小さな一歩を踏み出せる。そうした『暮らしを豊かにするアイテム』として普段から活用でき、さらに非常時の停電対策にもなる──そうした利点を多くの方に知ってほしいと思っています」

テントサイトでは、電気を自給自足して過ごす人も!

ブースには、折り畳みのソーラーパネル「Jackery SolarSaga 40 Mini ソーラーパネル」も展開された。畳むとタブレットサイズになり、女性や子どもでも片手で持ち運べる程度の軽さだ。また、スマホの充電ケーブルを挿せるポートもついている。

<黒とオレンジを貴重としたスマートなデザイン。例えばリュックに装着したしたまま行動しても苦にならない、紙の資料を挟むバインダーのような軽さだ>

<折り畳みもスムーズで、ストレスがない>

ソーラーパネルとポータブル電源があれば、小さな発電所になる。実際、Jackery Japanが能登地震の被災地に製品の無償提供した際も、セットで活用されたのだという。フジロックにおいて、3日間で約1万5000人が利用するキャンプサイトでも、「Jackeryのソーラーパネルで発電して、ポータブル電源に溜めて、電気を自給自足して3日間過ごしている人がいました」と鈴木さんは話す。

「近年、苗場の日差しも強くなったので、この太陽を利用しない手はないと思います。ソーラーパネルをリュックに付けて発電しながら歩いている人がいたり、テントサイトにソーラーパネルをぶら下げていたり……そんな光景が当たり前になるほどフジロッカーのみなさんに定着すれば、Jackeryのミッションである『グリーンエネルギーをあらゆる人に、あらゆる場所で提供する』を実現するための大きな一歩になると思います」

苗場に灯ったオレンジの光は、自然に寄り添う暮らし方や、自分の手でエネルギーを生み出すという新しい可能性を、おだやかに示していた。“世界一クリーンなフェス”を謳うフジロックからはじまる、未来への一歩と言えるだろう。
■株式会社Jackery Japan公式サイト
https://www.jackery.jp

(取材・文=西田友紀、撮影=竹内洋平)

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