「未来へつながる、これからのファッションの楽しみ方」を考える特別番組『J-WAVE SPECIAL ITOCHU DEAR FASHION, DEAR FUTURE』が放送された。ナビゲーターはSHELLY。
同番組には長谷川のほか、冨永 愛、TOMO KOIZUMIがゲストに登場し、「ファッションとは何か」を捉え直した。デジタル音声コンテンツを提供・配信するサービス「SPINEAR」でも配信中。SpotifyやApple Podcastsでも楽しめる。
・「SPINEAR」で聞く
https://spinear.com/shows/itochu-dear-life-dear-future/episodes/2022-02-21-4/
ここではオンエアの中から、開催中の「『未来の試着室』展」のレポートと、ゲストの長谷川ミラが語る自身のブランドにこめた思いをテキストでお届けする。
「『未来の試着室』展」は、衣服・ファッションをテーマにした体験型展示で、誰でも無料で楽しむことができる。試着室のような展示ブースが5つあり、それぞれのテーマは「地球環境への配慮」「リサイクル」「リユース」「ダイバーシティ&インクルージョン」「伝統文化の継承」。エントランスには「TOMO KOIZUMI」のドレスを纏った冨永愛の写真が飾られ、とても明るい雰囲気の会場だ。その様子を、SHELLYがレポートした。
リユースがテーマの「KUROZOME REWEAR PROJECT “K”」ブースは、100年以上「黒染め」を追求してきた京都紋付が展開する、着古した服屋アパレルの在庫を黒染めで蘇らせるサービスの展示。汚れが気になるため、子ども服には白を選ばないというSHELLY。このブースで黒く染められた衣服を見て感動したそう。
SHELLY:染め直したものを見ると、本当にかっこいい黒なんです。これは服の楽しみ方として新しいなあ、「気に入ってるけどシミがついちゃって」っていうものを、染めて楽しむ発想はなかったなあ、と思って。これ、私もちょっと使ってみたいサービスだなあ。
地球環境への配慮がテーマの「Kuura」ブースは、環境にやさしい針葉樹由来のセルロース繊維の展示。成長・伐採・植林がすべて管理されたこの繊維は、フィンランドの森林から生まれた次世代の素材ブランドとして、注目を集めている。
SHELLY:色使いもほんとに、「天然ものをまとってます」「森を着ちゃってます」という感じ。でも、すごく柔らかい素材感もあって。「着ていてもとても気持ちいいんだろうなあ」っていう洋服が飾られてます。
ダイバーシティ&インクルージョンがテーマの「UNITED CREATIONS 041 with UNITED ARROWS LTD.」ブースは、障害や病気を抱える方の服の悩みに徹底的に向き合うことで、結果的にすべての人に心地いい服を生み出すという取り組みの展示。そこには、部分的に取り外せるレインコートなどが展示されていたそう。
SHELLY:例えば車椅子の方が着ると、どうしても背中のほうがタイヤに引っかかっちゃったりもつれたりするので危険ということで。展示されているコートは、後ろの長い部分が取り外せるようになってて。その後ろの部分だけ取り外すことによって、服も濡れないし、おしゃれにコートが着られる。もちろんその後ろをつけたままにしていても、ちょっとデザイン性があってかっこいい。
他にも、ある要望に応えることで、結果的に多くの人にとって魅力的になった服が複数飾られているという。
伝統文化の継承がテーマの「Pheeta」ブースは、世界中の優れた服飾技術を継承し、時を経ても愛される“繋ぐ服”がコンセプトのブランドの展示。
SHELLY:見て触ったりすると「あ、こういう風にできてるんだ!」っていうのが、すごくわかりやすいブース。
リサイクルがテーマの「RENU」ブースは、衣料品の生産時に出た切れ端や裁断くず、いらなくなった服を糸まで戻し、生地や服、製品に生まれ変わらせることで、“サーキュラーエコノミー”を実現するプロジェクトの展示。
SHELLY:「これランドセルだよね? えっ、違うの?」っていうリュックがあって。もちろん子どもはランドセルとして使えるし、大人でもちょっとしょいたくなるっていう、機能性たっぷりの。「もともと別のものだったのが、こんな風に新たな商品に生まれ変わってるんだ!」って、すごく感動できるブース。
5つのブースを紹介したSHELLYは、「1個1個の技術だったり考え・発想に、全部感動できるブースになっている。ぜひみなさんにも体験していただきたいな」と締めくくった。
「『未来の試着室』展」は、2022年2月27日(日)まで開催されている。詳細は以下の特設ページまで。
■展示の詳細
https://www.itochu.co.jp/ja/corporatebranding/sdgs/20220121.html
番組ゲストの一人として、モデルでJ-WAVE『START LINE』のナビゲーターもつとめる長谷川ミラが登場。2017年にオールジェンダーブランド「JAMESIE」を立ち上げ、2021年10月に「JAM APPAREL」へリブランドした背景をSHELLYが訊いた。
ブランド立ち上げ当時は、Tシャツのグラフィックなどを通じてジェンダー等に関する表現をしていた長谷川。より多くの人に伝えたいとリサーチを進めた際に、ファッションの裏にある負荷を知ったという。
長谷川:実はTシャツ作るのに、水を2900リットル使うっていう事実があったり。1枚ですよ? ものすごい量じゃないですか。
SHELLY:ねえー。
長谷川:労働環境が本当に悪い中、洋服を作ってくださっている人がいるのを知ったりとか。ファッションってきらびやかで、私にとっては自己表現だったのに、その裏で苦しんでる人もめちゃくちゃいるんだ、っていう。かつ、自分はそれを100枚、200枚、ときには1000枚っていう数を売ってて。一番自分が環境に悪いことをしてるなって、反省したんですよ。
販売を一旦やめた長谷川は、世界に通用するファッションを学ぼうと、名だたるデザイナーも通ったロンドンのセントラル・セント・マーチンズ大学に入学した。
長谷川:イギリスっていう国自体がエコ大国なので。そこから急速に環境、ジェンダー、いろんな社会問題、政治に関する興味関心が、ぐわっと上がった。上がらざるを得ない環境にいたんですよね。
SHELLY:うんうん。
環境問題や社会問題についてイギリスで発信する長谷川のもとには、様々な人からの連絡が届いた。
長谷川:興味があるって言い始めたら、どんどん環境系の人から連絡が来るようになって。つながりがつながりを生んで、サステナブルな生地を出してる工場さんとかと知り合うことができて、そこで洋服を作ったり。
SHELLY:へえー!
長谷川:今私がやっている会社、このJAMをコアに、いろんな社会問題を楽しく発信する。あとは、今、いろんな情報があるので、みんなインプットできると思うんですけど。アウトプットする場所があんまりないなと思って。そういう場が、JAMっていう……クリエーションから広がっていたらいいなという思いで、「JAM APPAREL」として、再始動しました。
長谷川:新潟県にある就労継続支援A型事業所の皆さんに、サステナブルなリサイクル生地をカットしてもらって、キャンパスバッグを作ったんです。マイボトルがずれないようにするホルダーがバッグの中にあったり、ノートパソコンが入れられるところがあったり、学生ならではの視点で(企画して)。即完売したんですよ。
SHELLY:すごーい!
長谷川:AFAの皆さんと一緒に取り組むことで、どんどん「自分の声は届くんだ」「自分が作ったものがちゃんと社会を変えられるんだ」とかっていう風に思ってもらいたいなと。今後も継続的にやりたい活動です。
SHELLY:みんなの声が通ったら、自信にもつながるしね。
長谷川:そうだと思うんですよね。
「JAM APPAREL」でやりたいことを尋ねられた長谷川は、継続を目標に掲げた。
SHELLY:今後、ミラちゃんがやりたいこと? ここでも声に出しておいてもらっていいですか? ふふふ(笑)。
長谷川:そうですねえ……。この間渋谷でポップアップやらせていただいたときも、全て1万円以下で、若者が買いやすいような価格帯で抑えていたんですね。
SHELLY:うん、うん。
長谷川:イコール私、1円もお金が入ってこなかったんですよ(笑)。
SHELLY:なるほどね。
長谷川:だけど、「サステナブルファッションって楽しいんだ」「おしゃれなんだ」「我慢しなくていいんだ」っていう感覚を、引き続き若い世代に持ってもらいたいなと思うので。なるべく低価格で……低価格っていうのは、激安じゃなくって、正規の値段で。ただ、1万円以下とか学生でも手に取りやすい値段で、売り続けること。続けることが、意外と一番の目標かなっていう風には。
SHELLY:いやあー、企業としては難しいよね、すっごく。ハードル高いと思う。
長谷川:なので続けることで、例えば大手ブランドさんとかとのコラボレーションで、「あ、JAMとコラボしたから、よりサステナブルになろうとしてるんだね」とか(思ってもらえたら)。他のブランドさんともどんどん協力していきたいので、業界全体で変わっていけたら。そういうポジティブな動きにつながるブランドになったらいいなあと思います。
■ITOCHU SDGs STUDIO公式サイト
https://www.itochu.co.jp/ja/corporatebranding/sdgs/about.html
(制作:ピース株式会社、構成:佐々木優樹)
同番組には長谷川のほか、冨永 愛、TOMO KOIZUMIがゲストに登場し、「ファッションとは何か」を捉え直した。デジタル音声コンテンツを提供・配信するサービス「SPINEAR」でも配信中。SpotifyやApple Podcastsでも楽しめる。
・「SPINEAR」で聞く
https://spinear.com/shows/itochu-dear-life-dear-future/episodes/2022-02-21-4/
ここではオンエアの中から、開催中の「『未来の試着室』展」のレポートと、ゲストの長谷川ミラが語る自身のブランドにこめた思いをテキストでお届けする。
衣服の可能性を感じる「『未来の試着室』展」
東京・青山にあるITOCHU SDGs STUDIO。本番組も収録したこの場所で、「『未来の試着室』展」が開催中だ。「『未来の試着室』展」は、衣服・ファッションをテーマにした体験型展示で、誰でも無料で楽しむことができる。試着室のような展示ブースが5つあり、それぞれのテーマは「地球環境への配慮」「リサイクル」「リユース」「ダイバーシティ&インクルージョン」「伝統文化の継承」。エントランスには「TOMO KOIZUMI」のドレスを纏った冨永愛の写真が飾られ、とても明るい雰囲気の会場だ。その様子を、SHELLYがレポートした。
SHELLY:色使いもほんとに、「天然ものをまとってます」「森を着ちゃってます」という感じ。でも、すごく柔らかい素材感もあって。「着ていてもとても気持ちいいんだろうなあ」っていう洋服が飾られてます。
技術や発想への感動が生まれる展示
SHELLY:例えば車椅子の方が着ると、どうしても背中のほうがタイヤに引っかかっちゃったりもつれたりするので危険ということで。展示されているコートは、後ろの長い部分が取り外せるようになってて。その後ろの部分だけ取り外すことによって、服も濡れないし、おしゃれにコートが着られる。もちろんその後ろをつけたままにしていても、ちょっとデザイン性があってかっこいい。
他にも、ある要望に応えることで、結果的に多くの人にとって魅力的になった服が複数飾られているという。
伝統文化の継承がテーマの「Pheeta」ブースは、世界中の優れた服飾技術を継承し、時を経ても愛される“繋ぐ服”がコンセプトのブランドの展示。
SHELLY:「これランドセルだよね? えっ、違うの?」っていうリュックがあって。もちろん子どもはランドセルとして使えるし、大人でもちょっとしょいたくなるっていう、機能性たっぷりの。「もともと別のものだったのが、こんな風に新たな商品に生まれ変わってるんだ!」って、すごく感動できるブース。
5つのブースを紹介したSHELLYは、「1個1個の技術だったり考え・発想に、全部感動できるブースになっている。ぜひみなさんにも体験していただきたいな」と締めくくった。
「『未来の試着室』展」は、2022年2月27日(日)まで開催されている。詳細は以下の特設ページまで。
■展示の詳細
https://www.itochu.co.jp/ja/corporatebranding/sdgs/20220121.html
ファッションによる環境負荷を知り、ロンドンで学ぶ
番組ゲストの一人として、モデルでJ-WAVE『START LINE』のナビゲーターもつとめる長谷川ミラが登場。2017年にオールジェンダーブランド「JAMESIE」を立ち上げ、2021年10月に「JAM APPAREL」へリブランドした背景をSHELLYが訊いた。
ブランド立ち上げ当時は、Tシャツのグラフィックなどを通じてジェンダー等に関する表現をしていた長谷川。より多くの人に伝えたいとリサーチを進めた際に、ファッションの裏にある負荷を知ったという。
長谷川:実はTシャツ作るのに、水を2900リットル使うっていう事実があったり。1枚ですよ? ものすごい量じゃないですか。
SHELLY:ねえー。
長谷川:労働環境が本当に悪い中、洋服を作ってくださっている人がいるのを知ったりとか。ファッションってきらびやかで、私にとっては自己表現だったのに、その裏で苦しんでる人もめちゃくちゃいるんだ、っていう。かつ、自分はそれを100枚、200枚、ときには1000枚っていう数を売ってて。一番自分が環境に悪いことをしてるなって、反省したんですよ。
販売を一旦やめた長谷川は、世界に通用するファッションを学ぼうと、名だたるデザイナーも通ったロンドンのセントラル・セント・マーチンズ大学に入学した。
長谷川:イギリスっていう国自体がエコ大国なので。そこから急速に環境、ジェンダー、いろんな社会問題、政治に関する興味関心が、ぐわっと上がった。上がらざるを得ない環境にいたんですよね。
SHELLY:うんうん。
環境問題や社会問題についてイギリスで発信する長谷川のもとには、様々な人からの連絡が届いた。
長谷川:興味があるって言い始めたら、どんどん環境系の人から連絡が来るようになって。つながりがつながりを生んで、サステナブルな生地を出してる工場さんとかと知り合うことができて、そこで洋服を作ったり。
SHELLY:へえー!
長谷川:今私がやっている会社、このJAMをコアに、いろんな社会問題を楽しく発信する。あとは、今、いろんな情報があるので、みんなインプットできると思うんですけど。アウトプットする場所があんまりないなと思って。そういう場が、JAMっていう……クリエーションから広がっていたらいいなという思いで、「JAM APPAREL」として、再始動しました。
「自分の取り組みで社会は変えられる」と思ってほしい
長谷川のブランドでは、青山学院大学のファッションサークルAFAに所属する学生100名ほどと共に、リアルな要望を聞きつつキャンパスバッグの制作に取り組んだという。長谷川:新潟県にある就労継続支援A型事業所の皆さんに、サステナブルなリサイクル生地をカットしてもらって、キャンパスバッグを作ったんです。マイボトルがずれないようにするホルダーがバッグの中にあったり、ノートパソコンが入れられるところがあったり、学生ならではの視点で(企画して)。即完売したんですよ。
SHELLY:すごーい!
長谷川:AFAの皆さんと一緒に取り組むことで、どんどん「自分の声は届くんだ」「自分が作ったものがちゃんと社会を変えられるんだ」とかっていう風に思ってもらいたいなと。今後も継続的にやりたい活動です。
SHELLY:みんなの声が通ったら、自信にもつながるしね。
長谷川:そうだと思うんですよね。
サステナブルファッション=我慢ではない
SHELLY:今後、ミラちゃんがやりたいこと? ここでも声に出しておいてもらっていいですか? ふふふ(笑)。
長谷川:そうですねえ……。この間渋谷でポップアップやらせていただいたときも、全て1万円以下で、若者が買いやすいような価格帯で抑えていたんですね。
SHELLY:うん、うん。
長谷川:イコール私、1円もお金が入ってこなかったんですよ(笑)。
SHELLY:なるほどね。
長谷川:だけど、「サステナブルファッションって楽しいんだ」「おしゃれなんだ」「我慢しなくていいんだ」っていう感覚を、引き続き若い世代に持ってもらいたいなと思うので。なるべく低価格で……低価格っていうのは、激安じゃなくって、正規の値段で。ただ、1万円以下とか学生でも手に取りやすい値段で、売り続けること。続けることが、意外と一番の目標かなっていう風には。
SHELLY:いやあー、企業としては難しいよね、すっごく。ハードル高いと思う。
長谷川:なので続けることで、例えば大手ブランドさんとかとのコラボレーションで、「あ、JAMとコラボしたから、よりサステナブルになろうとしてるんだね」とか(思ってもらえたら)。他のブランドさんともどんどん協力していきたいので、業界全体で変わっていけたら。そういうポジティブな動きにつながるブランドになったらいいなあと思います。
<オンエアをお届けした、青山のITOCHU SDGs STUDIO>
(制作:ピース株式会社、構成:佐々木優樹)
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2021年2月18日28時59分まで
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番組情報
- J-WAVE SPECIAL ITOCHU DEAR FASHION, DEAR FUTURE
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2022年2月11日(金・祝)18:00-19:55