大沢伸一(MONDO GROSSO)が、新アルバムの収録曲に坂本龍一が参加した経緯を語った。
大沢が登場したのはJ-WAVEで放送中の番組『SAISON CARD TOKIO HOT 100』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ここでは、2月13日(日)のオンエア内容をテキストで紹介する。
大沢:みなさんからは「アルバムタイトル大きくきましたね」って言われるんですけど、『BIG WORLD』という楽曲をアルバムタイトルに採用したので「いろんなものを詰め込んでやろう」という野心の元で付けられたものではないんですよ。
クリス:なるほど。
大沢:「このアルバムを体現したタイトルだな」って感じたんですよ。
今作は「変わってしまった世界、さらに変わっていく世界のなかで、心の在処を探し続ける音楽の旅」をテーマに掲げている。
大沢:この何年間、パンデミックの状況のなかで物事を考えたり行動を制限されたりと、いろんなことが変わっていますよね。僕は元々、音楽とかアルバムにメッセージやテーマを込めるのって好きじゃないんですけど、音楽家としてこの数年間で感じたことを切り取るのは、このタイミングでしかできないと感じたんです。だから、テーマを設定してリリースしたいと思ったんですよね。
クリス:大沢さんは音楽を文学としてではなく、あくまでも音楽として捉えたい思いがあるんですね。
大沢:そうですね。あからさまに文学的なテーマならば、僕は文章で表現したほうがいいような気がしています。やっぱり音楽って、国境とか言葉を超えたところで共感し合えるものだと思うんですね。(音楽は)あくまでも受け手の自由であってほしいという考えです。
クリス:大沢さんは作品づくりで作曲に携わることが多かったと思うんですけども、今作はかなりの曲数の歌詞をお書きになられていますよね?
大沢:そうなりましたね。これは非常に自然な流れでした。
作詞に多く携わることになったのは、フォトグラファー・アートディレクターのワタナベアニの影響を受けたためだと大沢は語る。
大沢:彼はフォトグラファーですがけっこう文章を書く人で、本も出版されているんですね。彼から「本業は他にありながらも面白い文章を書く人はいるんだ」ということを知ったんです。僕が文章を書き始めるきっかけとなりましたね。
クリス:そうなんですね。
大沢:それからは、noteというSNSを使って文章を書き溜めるようになりました。そこから作詞に移行することは、そんなに抵抗はなかったですね。
クリス:ということは、将来的にはもっと歌詞を書くかもしれない?
大沢:どうでしょうね。歌詞というよりは文章を書くモードが自分のなかで芽生えているので、「音楽と一緒じゃなくてもいいからもっと文章は書きたい」という気持ちです。
クリス:すごい布陣ですね。教授(坂本龍一)がピアノを弾くという。オファーは大沢さんが?
大沢:そうなんですけども、たぶんみなさんが解釈されているものとは違うと思います。最初から僕がキャスティングを考えて曲を書き始めたわけではないんですよ。「どの歌詞でどのメロディーをやるか」っていうのを決めていない“スケッチ”が存在していて、その対処に困っている状況があったんですね。「どうしたものかな」と思いながら他の曲づくりを進めていたら、制作スタッフから「坂本さんにこのメロディーを弾いてもらうのってどうですか?」という提案があったんです。そのあとに満島ひかりちゃんに歌ってもらうという提案が出たので、実は全部あとからできたアイデアなんですよ。
クリス:へえ!
大沢:僕は坂本さんに他人の作ったメロディーを弾いてもらえるなんて思ってもいなかったので、ダメもとでお願いしたんです。そうしたら快諾いただけました。
クリス:大沢さんのメロディーを坂本さんがそのまま弾いてくれたんですか?
大沢:そうです。非常に珍しいことだと思います。
クリス:教授がピアノを弾いているから作曲に関係していると思いきや、大沢さんの作ったメロディーのみなんですね。UAが作詞を担当したのは、どういう成り行きなんですか?
大沢:ピアノとボーカルのお2人が快諾していただいたタイミングで「UAに作詞を頼もう」という声はあがっていたんですよね。みんな、三者三様のコンビネーションというところに“魅力”を感じていたんだと思います。みんな「作詞はUAしかいないんじゃないの?」って感じでしたね。
クリス:そうなんですね。UAって、デビュー当時大沢さんがプロデュースしていましたよね?
大沢:はい。けっこう付き合いは長いですし、「一番好きなシンガーは?」と聞かれるとUAって答えるときもあります。
クリス:歌詞も絶妙ですよね。
大沢:UAって頼まれて歌詞を書いたとき、天才肌だから「修正してくれ」って言われないと思うんですよ。今回の歌詞は僕が「ここはこうしてほしい」ってけっこうお願いしたんですけど、真摯に対応してくれて。結果的に素晴らしいものを作ることができました。タイトルも一緒に考えてくれたんですよ。
クリス:『BIG WORLD』のテーマ性と繋がってくるお話ですね。
大沢:本当に。テーマをきちっと体現してくれたと思いますね。
ゲストが一問一答に挑戦するコーナーでは、大沢が食生活にまつわるエピソードを語った。
クリス:質問です。好きな寿司ネタは最初に食べる? あとに食べる?
大沢:僕は現在95パーセントヴィーガンになって2年ぐらい経っているので、お寿司となると食べられるものが限られるんです。リクエストを入れてよく作ってもらうのがアボカドをマッシュしてたくあんと一緒に巻いてもらう寿司、「アボたく」。それを最初に食べますね。
クリス:ヴィーガンになってからお酒を飲む量も減ったんですか?
大沢:けっこう減らしましたね。以前と比べたら10分の1ぐらいになっています。
クリス:すごいなあ。お酒の量が減って体調って変わりました?
大沢:元々、自分の体と合ってなかったからお酒はなくても全然平気です。(酒量が減ったことで)たまに飲むとすごく酔うようになりました。
クリス:そうなんですね。アーティストたるもの、体に入れるものは気にしないといけないという意識なのでしょうか?
大沢:どうですかね。アーティストに限らず、この時代に差し掛かって「何が安全で何を本質的に求めているのか」を考えていきたいと思うようになりました。
MONDO GROSSOの最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
『SAISON CARD TOKIO HOT 100では、J-WAVE全番組のオンエアチャート、インターネット投票、東京都内主要のCDショップのセールスチャート、ストリーミングを集計。J-WAVEのオフィシャルチャートとして、毎週100曲のオリジナルランキングをオンエアする。放送は毎週日曜日の13時から。
大沢が登場したのはJ-WAVEで放送中の番組『SAISON CARD TOKIO HOT 100』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ここでは、2月13日(日)のオンエア内容をテキストで紹介する。
作詞に注力するようになったきっかけ
大沢伸一のソロプロジェクトであるMONDO GROSSOは、2月9日にニューアルバム『BIG WORLD』をリリースした。大沢:みなさんからは「アルバムタイトル大きくきましたね」って言われるんですけど、『BIG WORLD』という楽曲をアルバムタイトルに採用したので「いろんなものを詰め込んでやろう」という野心の元で付けられたものではないんですよ。
クリス:なるほど。
大沢:「このアルバムを体現したタイトルだな」って感じたんですよ。
今作は「変わってしまった世界、さらに変わっていく世界のなかで、心の在処を探し続ける音楽の旅」をテーマに掲げている。
大沢:この何年間、パンデミックの状況のなかで物事を考えたり行動を制限されたりと、いろんなことが変わっていますよね。僕は元々、音楽とかアルバムにメッセージやテーマを込めるのって好きじゃないんですけど、音楽家としてこの数年間で感じたことを切り取るのは、このタイミングでしかできないと感じたんです。だから、テーマを設定してリリースしたいと思ったんですよね。
クリス:大沢さんは音楽を文学としてではなく、あくまでも音楽として捉えたい思いがあるんですね。
大沢:そうですね。あからさまに文学的なテーマならば、僕は文章で表現したほうがいいような気がしています。やっぱり音楽って、国境とか言葉を超えたところで共感し合えるものだと思うんですね。(音楽は)あくまでも受け手の自由であってほしいという考えです。
クリス:大沢さんは作品づくりで作曲に携わることが多かったと思うんですけども、今作はかなりの曲数の歌詞をお書きになられていますよね?
大沢:そうなりましたね。これは非常に自然な流れでした。
作詞に多く携わることになったのは、フォトグラファー・アートディレクターのワタナベアニの影響を受けたためだと大沢は語る。
大沢:彼はフォトグラファーですがけっこう文章を書く人で、本も出版されているんですね。彼から「本業は他にありながらも面白い文章を書く人はいるんだ」ということを知ったんです。僕が文章を書き始めるきっかけとなりましたね。
クリス:そうなんですね。
大沢:それからは、noteというSNSを使って文章を書き溜めるようになりました。そこから作詞に移行することは、そんなに抵抗はなかったですね。
クリス:ということは、将来的にはもっと歌詞を書くかもしれない?
大沢:どうでしょうね。歌詞というよりは文章を書くモードが自分のなかで芽生えているので、「音楽と一緒じゃなくてもいいからもっと文章は書きたい」という気持ちです。
坂本龍一、満島ひかり、UAの豪華メンバーがMONDO GROSSOに協力
番組ではアルバム収録曲である『IN THIS WORLD feat. 坂本龍一[Vocal:満島ひかり]』をオンエア。ピアノを坂本龍一、ボーカルは満島ひかり、作詞をUAが担当する1曲となっている。大沢は楽曲の制作エピソードを語った。大沢:そうなんですけども、たぶんみなさんが解釈されているものとは違うと思います。最初から僕がキャスティングを考えて曲を書き始めたわけではないんですよ。「どの歌詞でどのメロディーをやるか」っていうのを決めていない“スケッチ”が存在していて、その対処に困っている状況があったんですね。「どうしたものかな」と思いながら他の曲づくりを進めていたら、制作スタッフから「坂本さんにこのメロディーを弾いてもらうのってどうですか?」という提案があったんです。そのあとに満島ひかりちゃんに歌ってもらうという提案が出たので、実は全部あとからできたアイデアなんですよ。
クリス:へえ!
大沢:僕は坂本さんに他人の作ったメロディーを弾いてもらえるなんて思ってもいなかったので、ダメもとでお願いしたんです。そうしたら快諾いただけました。
クリス:大沢さんのメロディーを坂本さんがそのまま弾いてくれたんですか?
大沢:そうです。非常に珍しいことだと思います。
クリス:教授がピアノを弾いているから作曲に関係していると思いきや、大沢さんの作ったメロディーのみなんですね。UAが作詞を担当したのは、どういう成り行きなんですか?
大沢:ピアノとボーカルのお2人が快諾していただいたタイミングで「UAに作詞を頼もう」という声はあがっていたんですよね。みんな、三者三様のコンビネーションというところに“魅力”を感じていたんだと思います。みんな「作詞はUAしかいないんじゃないの?」って感じでしたね。
クリス:そうなんですね。UAって、デビュー当時大沢さんがプロデュースしていましたよね?
大沢:はい。けっこう付き合いは長いですし、「一番好きなシンガーは?」と聞かれるとUAって答えるときもあります。
クリス:歌詞も絶妙ですよね。
大沢:UAって頼まれて歌詞を書いたとき、天才肌だから「修正してくれ」って言われないと思うんですよ。今回の歌詞は僕が「ここはこうしてほしい」ってけっこうお願いしたんですけど、真摯に対応してくれて。結果的に素晴らしいものを作ることができました。タイトルも一緒に考えてくれたんですよ。
クリス:『BIG WORLD』のテーマ性と繋がってくるお話ですね。
大沢:本当に。テーマをきちっと体現してくれたと思いますね。
時代の移り変わりとともに食生活を見直すように
ゲストが一問一答に挑戦するコーナーでは、大沢が食生活にまつわるエピソードを語った。
クリス:質問です。好きな寿司ネタは最初に食べる? あとに食べる?
大沢:僕は現在95パーセントヴィーガンになって2年ぐらい経っているので、お寿司となると食べられるものが限られるんです。リクエストを入れてよく作ってもらうのがアボカドをマッシュしてたくあんと一緒に巻いてもらう寿司、「アボたく」。それを最初に食べますね。
クリス:ヴィーガンになってからお酒を飲む量も減ったんですか?
大沢:けっこう減らしましたね。以前と比べたら10分の1ぐらいになっています。
クリス:すごいなあ。お酒の量が減って体調って変わりました?
大沢:元々、自分の体と合ってなかったからお酒はなくても全然平気です。(酒量が減ったことで)たまに飲むとすごく酔うようになりました。
クリス:そうなんですね。アーティストたるもの、体に入れるものは気にしないといけないという意識なのでしょうか?
大沢:どうですかね。アーティストに限らず、この時代に差し掛かって「何が安全で何を本質的に求めているのか」を考えていきたいと思うようになりました。
MONDO GROSSOの最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
『SAISON CARD TOKIO HOT 100では、J-WAVE全番組のオンエアチャート、インターネット投票、東京都内主要のCDショップのセールスチャート、ストリーミングを集計。J-WAVEのオフィシャルチャートとして、毎週100曲のオリジナルランキングをオンエアする。放送は毎週日曜日の13時から。
radikoで聴く
2022年2月20日28時59分まで
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
番組情報
- SAISON CARD TOKIO HOT 100
-
毎週日曜13:00-16:54