小島よしおが藤原しおりと教育について語りあった。
小島が登場したのは、藤原が「チーフ」としてナビゲートする、ラジオを「ラボ」に見立てたJ-WAVEの番組『HITACHI BUTSURYU TOMOLAB. ~TOMORROW LABORATORY』通称トモラボ。「SDGs」「環境問題」などの社会問題を「私たちそれぞれの身近にある困りごと」にかみ砕き、未来を明るくするヒントを研究。知識やアイデア、行動力を持って人生を切り拓いてきた有識者をラボの仲間「フェロー」として迎えて、解決へのアクションへと結ぶ“ハブ”を目指す。
1月29日(土)の「ラボ」にフェローとして登場した小島は藤原と一緒に「学ぶということ」をテーマに研究することに。
藤原:世の中には勉強が嫌いという子どもたちもたくさんいると思います。なんで勉強嫌いになっちゃうんでしょうね?
小島:子どもって「〇〇しなさい」とか言われることに関して、脊髄反射的に「嫌だ」と言ったりするんです。食べ物もそうだけど「これ食べなさい」とか言うと、本当に食べたくないわけじゃないけど、言われた反射で「嫌い」とかいうことがある種特徴でもあるような気がして。そう考えたときに「勉強しなさい」と言われたことに対して反射的に「嫌い」って言っちゃうのかなと思います。
藤原:だから本当に、勉強自体が完全に嫌いなわけじゃないんじゃないかと。
小島:そうそう。だからもしかしたら教え方だったり、教える人が変わったら好きになるものかもしれないかな? みたいな。
藤原:それは小島さんのYouTubeチャンネルのなかでも意識されていることなんですか?
小島:とにかく自分が楽しみながら授業をやるということを念頭に置いてやってるんです。けっこう「授業に集中できないうちの子がすごく食いついて観てます」って。なかなか学校で海パンで教えることって難しいじゃないですか。
藤原:確かに(笑)。
小島:僕は海パンでやっているので、子どもがそういうところから興味を持って楽しく観てくれている人もいるのかなという。
藤原:子どもの好きな要素が入っている気がします。
小島:子ども向けのライブというのを2011年からやってきたんです。そこで参加型だったり動きを分かりやすくということを心がけていたりしていたので、その要素かな。その要素を今の授業には取り入れて、撮影しているときに画面の向こう側に向かって訊いてみたりとか、話すスピードをゆっくりにしてみたりとか、ライブでやっていたものを勉強でわかりやすくという形なんです。周りの評判はすごく変わりましたけどね。
藤原:どんな声が届いてますか?
小島:以前はPTAで禁止されるぐらいでしたから、どちらかというと、(自分は)親が見せたくないコンテンツだったんです。だけどいまの授業動画とかは「見せたい!」みたいな。本当に180度違う評価になりました。
藤原:なにがどうなるかわからないですね。
藤原:小島さんはこのトピックスを聞いて率直になにを思いましたか?
小島:25歳以上の割合が2.4というのが少ないんだというのが、海外の事情を知らなかったので。僕が大学のときには夜間の第二文学部に入っている人たちはけっこう大人の人たちが多かったんですが、ほかの学部は基本フレッシュというか、大体24歳以下の人たちだったから。海外の事情はこういうことなんだというのが勉強になりました。
藤原:私は大学を中退した組なんです。私の場合は「意外と暇だな」とか「やることないな」とかなっちゃって、やめちゃったんですよね。
小島:お笑いを始める前に?
藤原:前なんですけど。なんかこのまま4年間もこんな感じですごせないかもと思って。「休学にしたら」とも言われたんですけど、休学しても帰ってこないかもと思ってやめちゃったんです。
小島:何年生のときに?
藤原:3年の夏なので……(笑)。
小島:あと少しでゴールのところで?
藤原:そうです(笑)。だから本当に周りもそんな反応でしたよ。「えー! あともうちょっと頑張ったら?」って。
小島:単位は取れてたの?
藤原:取れてたんです。
小島:えー!
藤原:全然問題ないし、やめる理由もないんですけど。地元に帰ってそれこそ劇団に入ったりしたんです。そっちのエンタメのほうに進んでいきたい気持ちがあってそっちに進んじゃったんですけど。
小島:それはそれでいいんじゃないの。
藤原:これはこれでよかったなと。だからいまの感じになっているんだろうなと思うんですけど。「大学って入る意味あったんだろうか」と、いまでも私のなかで考えたりすることがあるんです。小島さんは大学の時間は有意義なものでしたか?
小島:僕の場合は大学に入ったことによって、お笑いサークルとの出会いがあり、お笑い芸人としての活動が始まったので。逆に言うと大学に入っていなかったらたぶん、お笑い芸人になっていなかったかな。
小島:ええ! 20分!?
藤原:(芸人の)営業の時間よりも長くないですか?
小島:15分ステージだとしたらそれよりも長い時間を?
藤原:1人でもたせなきゃいけないって大変ですよね。
小島:すごいなあ……俺落ちちゃうよ、こんな受験。
藤原:小学生がこれをやるわけですからね。回答を考えるだけじゃなくてプレゼンまでしないといけないという試験です。
小島:これを300字でしょ?
藤原:回答を見る側も大変ですよね、学校側も大変だなと思います。
小島:先生方もきっと、これはディスカッションして、ああでもないこうでもないということをしているんでしょうから、そういう意味ではすごくいいかもしれない。考えるということがなにかを前に進めるでしょうから。
藤原:答えを出すまでの過程が大事だよ、ということを伝えているのかもしれません。
藤原:確かに気づけは命令形が多かったかな? という感じです。
小島:すばらしいですね、この3つのキーワードで生徒さんと。考える力がつきますもんね。たまにどうしようもない質問を投げかけられるときってあるんですよ。「なんでできなかったの?」とか、できなかったことはもう、できなかったんだよなあ、みたいな(笑)。
藤原:たとえば電気消し忘れを何回言われても忘れちゃう子がいたとして、「なんで僕はこんなことを何回も言われているのにできないんだろう」というのがコンプレックスになっちゃったら「簡単なことでも忘れちゃうんだ」とか、そういうだめな刷り込みが生まれちゃうかもしれないですよね。
小島:けっこう「Why」はそうなりがちかもね。「なんで宿題忘れたの」とか。そう言われると委縮に繋がるじゃないけど、ちょっと怒りの要素もあったりするじゃない?
藤原:「なんで?」っていうのは。
小島:「なんでこんなに残しているの?」というよりは「どうしたの?」とかのほうが言葉としてやわらかい。
藤原:「Why」じゃなくて「How」のほうなんですかね。「どうしていく?」という方向で進めていくほうが、変なコンプレックスが生まれなかったり、自己肯定感が上がっていくということなのか。
小島:そういう大人がふと投げかける質問は、けっこう大事にしていかないといけないのかなと思ったりします。
藤原:ふいにかける言葉が意外と子どもにとってはグサッときたりすることがありますよね。
J-WAVE『HITACHI BUTSURYU TOMOLAB. ~TOMORROW LABORATORY』は毎週土曜20時から20時54分にオンエア。
小島が登場したのは、藤原が「チーフ」としてナビゲートする、ラジオを「ラボ」に見立てたJ-WAVEの番組『HITACHI BUTSURYU TOMOLAB. ~TOMORROW LABORATORY』通称トモラボ。「SDGs」「環境問題」などの社会問題を「私たちそれぞれの身近にある困りごと」にかみ砕き、未来を明るくするヒントを研究。知識やアイデア、行動力を持って人生を切り拓いてきた有識者をラボの仲間「フェロー」として迎えて、解決へのアクションへと結ぶ“ハブ”を目指す。
1月29日(土)の「ラボ」にフェローとして登場した小島は藤原と一緒に「学ぶということ」をテーマに研究することに。
勉強を教える動画で、本人も「180度違う評価になりました」
小島は沖縄生まれ、千葉育ち。1年間の浪人生活ののち、2000年に早稲田大学教育学部に入学。教員の道も考えたが、大学1年生より芸人としての活動を開始。2007年の「新語・流行語大賞」に「そんなの関係ねぇ、ハイ、オッパッピー」がノミネートしてブレイクを果たす。新型コロナウイルスにより全国の小学校が臨時休校になっていた2020年4月、小学5年生の算数の学習に存在する壁を楽しく克服させたいという想いから、YouTubeチャンネル「おっぱっぴー小学校」をスタート。現在登録者数は12万2000人を越えている。藤原:世の中には勉強が嫌いという子どもたちもたくさんいると思います。なんで勉強嫌いになっちゃうんでしょうね?
小島:子どもって「〇〇しなさい」とか言われることに関して、脊髄反射的に「嫌だ」と言ったりするんです。食べ物もそうだけど「これ食べなさい」とか言うと、本当に食べたくないわけじゃないけど、言われた反射で「嫌い」とかいうことがある種特徴でもあるような気がして。そう考えたときに「勉強しなさい」と言われたことに対して反射的に「嫌い」って言っちゃうのかなと思います。
藤原:だから本当に、勉強自体が完全に嫌いなわけじゃないんじゃないかと。
小島:そうそう。だからもしかしたら教え方だったり、教える人が変わったら好きになるものかもしれないかな? みたいな。
藤原:それは小島さんのYouTubeチャンネルのなかでも意識されていることなんですか?
小島:とにかく自分が楽しみながら授業をやるということを念頭に置いてやってるんです。けっこう「授業に集中できないうちの子がすごく食いついて観てます」って。なかなか学校で海パンで教えることって難しいじゃないですか。
藤原:確かに(笑)。
小島:僕は海パンでやっているので、子どもがそういうところから興味を持って楽しく観てくれている人もいるのかなという。
藤原:子どもの好きな要素が入っている気がします。
小島:子ども向けのライブというのを2011年からやってきたんです。そこで参加型だったり動きを分かりやすくということを心がけていたりしていたので、その要素かな。その要素を今の授業には取り入れて、撮影しているときに画面の向こう側に向かって訊いてみたりとか、話すスピードをゆっくりにしてみたりとか、ライブでやっていたものを勉強でわかりやすくという形なんです。周りの評判はすごく変わりましたけどね。
藤原:どんな声が届いてますか?
小島:以前はPTAで禁止されるぐらいでしたから、どちらかというと、(自分は)親が見せたくないコンテンツだったんです。だけどいまの授業動画とかは「見せたい!」みたいな。本当に180度違う評価になりました。
藤原:なにがどうなるかわからないですね。
大学に入っていなかったら、芸人の道に進まなかったかも
文部科学省や総務省統計局によるデータを紹介。直近の調査で、大学に入学した学生のうち25歳以上の割合は2.4パーセントで、経済協力開発機構OECDに加盟している諸外国の平均16.6パーセントよりも下回っていることなどが明かされた。藤原:小島さんはこのトピックスを聞いて率直になにを思いましたか?
小島:25歳以上の割合が2.4というのが少ないんだというのが、海外の事情を知らなかったので。僕が大学のときには夜間の第二文学部に入っている人たちはけっこう大人の人たちが多かったんですが、ほかの学部は基本フレッシュというか、大体24歳以下の人たちだったから。海外の事情はこういうことなんだというのが勉強になりました。
藤原:私は大学を中退した組なんです。私の場合は「意外と暇だな」とか「やることないな」とかなっちゃって、やめちゃったんですよね。
小島:お笑いを始める前に?
藤原:前なんですけど。なんかこのまま4年間もこんな感じですごせないかもと思って。「休学にしたら」とも言われたんですけど、休学しても帰ってこないかもと思ってやめちゃったんです。
小島:何年生のときに?
藤原:3年の夏なので……(笑)。
小島:あと少しでゴールのところで?
藤原:そうです(笑)。だから本当に周りもそんな反応でしたよ。「えー! あともうちょっと頑張ったら?」って。
小島:単位は取れてたの?
藤原:取れてたんです。
小島:えー!
藤原:全然問題ないし、やめる理由もないんですけど。地元に帰ってそれこそ劇団に入ったりしたんです。そっちのエンタメのほうに進んでいきたい気持ちがあってそっちに進んじゃったんですけど。
小島:それはそれでいいんじゃないの。
藤原:これはこれでよかったなと。だからいまの感じになっているんだろうなと思うんですけど。「大学って入る意味あったんだろうか」と、いまでも私のなかで考えたりすることがあるんです。小島さんは大学の時間は有意義なものでしたか?
小島:僕の場合は大学に入ったことによって、お笑いサークルとの出会いがあり、お笑い芸人としての活動が始まったので。逆に言うと大学に入っていなかったらたぶん、お笑い芸人になっていなかったかな。
「小学生が20分間プレゼン」驚愕の試験
オンエアでは、朝日新聞の記事を紹介。東京立正中学校では2021年、SDGsに特化した入試を取り入れた。試験を前にした保護者向けの入試説明会で紹介されたサンプル問題は「キャンプ場にゴミが散乱、川にはポリ袋が浮かび、たばこをポイ捨てする人もいる。こんなイラストを見て『私に何ができるか』を300字程度で書いてください」というもので、面接では資料持ち込み自由。受験生が感じている社会課題と解決策を約20分間でプレゼンするというものだ。小島:ええ! 20分!?
藤原:(芸人の)営業の時間よりも長くないですか?
小島:15分ステージだとしたらそれよりも長い時間を?
藤原:1人でもたせなきゃいけないって大変ですよね。
小島:すごいなあ……俺落ちちゃうよ、こんな受験。
藤原:小学生がこれをやるわけですからね。回答を考えるだけじゃなくてプレゼンまでしないといけないという試験です。
小島:これを300字でしょ?
藤原:回答を見る側も大変ですよね、学校側も大変だなと思います。
小島:先生方もきっと、これはディスカッションして、ああでもないこうでもないということをしているんでしょうから、そういう意味ではすごくいいかもしれない。考えるということがなにかを前に進めるでしょうから。
藤原:答えを出すまでの過程が大事だよ、ということを伝えているのかもしれません。
「自分で決める経験」が自己肯定感を高める
また、プレジデントオンラインの記事も紹介。日本の学校教育は「起立、気を付け、礼、着席」と、すべて命令形。これでは主体性は育たない。2014年から6年間、千代田区立麹町中学校の校長を務めた工藤勇一さんは宿題、定期テスト、クラス担任制を廃止。また、中学生の自主性を育てるために、工藤校長は3つの魔法の質問を繰り返し言葉にした。学校でトラブルが起きたとき頭ごなしに叱ったりせず「どうしたの?」「じゃあこのあと君はどうしたいの?」「なにか手伝えることはある?」必ずこの3つの言葉を使って生徒と対話。すべて質問系になっている点がポイントで、自分で決めるという経験を積み重ねるうちに、子どもたちの自己肯定感はどんどん上がっていったという。藤原:確かに気づけは命令形が多かったかな? という感じです。
小島:すばらしいですね、この3つのキーワードで生徒さんと。考える力がつきますもんね。たまにどうしようもない質問を投げかけられるときってあるんですよ。「なんでできなかったの?」とか、できなかったことはもう、できなかったんだよなあ、みたいな(笑)。
藤原:たとえば電気消し忘れを何回言われても忘れちゃう子がいたとして、「なんで僕はこんなことを何回も言われているのにできないんだろう」というのがコンプレックスになっちゃったら「簡単なことでも忘れちゃうんだ」とか、そういうだめな刷り込みが生まれちゃうかもしれないですよね。
小島:けっこう「Why」はそうなりがちかもね。「なんで宿題忘れたの」とか。そう言われると委縮に繋がるじゃないけど、ちょっと怒りの要素もあったりするじゃない?
藤原:「なんで?」っていうのは。
小島:「なんでこんなに残しているの?」というよりは「どうしたの?」とかのほうが言葉としてやわらかい。
藤原:「Why」じゃなくて「How」のほうなんですかね。「どうしていく?」という方向で進めていくほうが、変なコンプレックスが生まれなかったり、自己肯定感が上がっていくということなのか。
小島:そういう大人がふと投げかける質問は、けっこう大事にしていかないといけないのかなと思ったりします。
藤原:ふいにかける言葉が意外と子どもにとってはグサッときたりすることがありますよね。
J-WAVE『HITACHI BUTSURYU TOMOLAB. ~TOMORROW LABORATORY』は毎週土曜20時から20時54分にオンエア。
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2022年2月5日28時59分まで
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番組情報
- HITACHI BUTSURYU TOMOLAB. TOMORROW LABORATORY
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毎週土曜20:00-20:54