小松菜奈が思わず号泣、「すぐに次の仕事には進めないくらい」燃え尽きた作品

W主演の小松菜奈と坂口健太郎、共演の山田裕貴、奈緒、黒木華、原日出子、松重豊、そして藤井道人監督が、映画『余命10年』（3月4日公開）のジャパンプレミアに出席した。



“涙よりも切ない”恋愛小説として発売以来SNSを中心に反響が広がり続けているベストセラーを映画化。20歳で不治の病にかかり、もう恋はしないと心に決めた茉莉（小松菜奈）。生きることに迷いながらも茉莉と出会い、恋に落ちていく和人（坂口健太郎）。二人の人生が交わるとき、ありふれた毎日が嘘のように輝き出す。



冒頭から小松は感極まった。「この企画のお話しをいただいたときから……本当に色々な物語があって完成し、今こうしてこの舞台に立っていることを嬉しく思いますし、感無量です。この1年みんなで前を向いて生き続けました。映画『余命10年』がたくさんの人に届くように、届いて欲しいと心から願っています。この日を迎えられて幸せです」と何度も涙をぬぐいながら思いを語った。



約1年をかけての撮影に臨んだことに「茉莉という役を演じ終えた後は抜け殻状態で燃え尽きました。すぐに次の仕事には進めないくらい不思議な時間でした。自分の人生と役の人生が重なって、ふたつの人生を歩み続けたのは今までになかったですし、すごく大好きな現場でしたし、皆さんと一緒にひとつの大切な作品を作れたのはかけがえのない、自分にとってすごく宝物になりました」と思いもひとしおだった。



坂口は「この作品は桜がすごく印象的なところで映っていて、夜桜のシーンは風が吹いて、目が合って、すごく2人の美しい関係性のスイッチが入ったような気がしました。四季の美しい映像を美しい作品の中に、僕らもそこに身体を預けて撮影できたので、景色に感情移入しちゃうような感覚の中で撮影していましたね」と回想した。

映画のタイトルにちなみ「これからの10年間でやっておきたいこと」を聞かれると「日本一周。まず日本を知らないので、日本を知っていくことから始めたい。日本には沢山の魅力がありますよね。そこで会う人とか、色々な話を色々な人から聞きたいです。日本の良いところを知っていきたいです」とコロナ収束後への期待を込めた。



一方の坂口は「断捨離」を希望し「ちょうど30歳で、沢山お仕事を頂いて、勝手に変なメッキを付けていることがあるんですよね。10年後はちょうど40歳。それまでに手放せる力が必要かなと思っていて、これからもお仕事をしていく中で、自分に付いてしまったメッキをいつでも捨てられる考えでいられるようにしたいです」と成長への意気込みを明かした。



（取材＝石井隼人）