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眞島秀和がすごいと思った「声の調整」 スガ シカオとのドラマ共演を振り返る

眞島秀和がすごいと思った「声の調整」 スガ シカオとのドラマ共演を振り返る

俳優の眞島秀和とスガ シカオがJ-WAVEで対談。ふたりがドラマ共演時の思い出を振り返ったほか、眞島が出身地・山形での高校生活や、俳優として転機となった作品を語った。

J-WAVEで放送中の『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』(ナビゲーター:スガ シカオ)。その時代、その場所で、どんな音楽を聴きたいか―――時代を越えて、国境を越えて、ナビゲーターのスガ シカオが旅好き・音楽好きのゲストと共に音楽談義を繰り広げる、空想型ドライブプログラム。

眞島は現在放送中のドラマ『#居酒屋新幹線』(MBS、TBS系)に出演中。1月9日(日)の放送では、眞島をゲストに招いて2人でトークを繰り広げた。

俳優としてのスガ、眞島が「すごい」と思った点は?

眞島は1976年生まれ、山形県出身。大学在学中に俳優を志すようになり、1999年に李 相日初監督作『青~chong~』でデビュー。ぴあフィルムフェスティバルアワード2000でグランプリを含む4つの賞を受賞した作品だ。

その後は映画『フラガール』『愚行録』『夏への扉 ―キミのいる未来へ―』、ドラマ『ハゲタカ』『海峡』『おっさんずラブ』、連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』、大河ドラマ『麒麟がくる』など、硬派な経済ドラマからコメディ、時代劇まで数多くの作品で活躍している。2019年には『サウナーマン~汗か涙かわからない~』で、連続ドラマ初主演も果たした。

スガと眞島の出会いはWOWOWで放送されたドラマ『プラージュ ~訳ありばかりのシェアハウス』での共演。スガの俳優デビューとなる同作品の思い出を2人で振り返った。

眞島:ものすごく印象に残ってるんですよ、スガさんが。

スガ:あはは! なにをどうしていいのやら、っていう。

眞島:あのときスガさんが「すごい緊張します」っておっしゃってたじゃないですか。撮影が本格的に始まる前に、作品の見どころなどを語る取材を受けたりしている時間があったんです。そのときちょっと見てたんですけど、ものすごく流ちょうに自分の役柄から見どころから話をされていて「全然緊張してねえじゃん!」と思って(笑)。

スガ:だってそれは緊張しているからこそちゃんと喋れるんですよ(笑)!

眞島:僕は取材とか本当苦手なので「緊張してるって嘘だな」と思って。

スガ:いやいや。俺、いまでも覚えてますけど、一番最初のシーン。机をみんなと一緒に並べるシーンが、本当に初めての出演のシーンだったから「みんなと動きを合わせなきゃいけない」と思って、すっげーキョロキョロしながら……。

眞島:はっはっは(笑)。

スガ:「あ、あのぐらいの速度で歩くんだ!」みたいな(笑)。もうそんな話ですよ。

眞島:全然そんな雰囲気出てなかったですよ!

スガ:どうでした? プロから見て。

眞島:プロから見てって、そんなもう。本当にやめてください(笑)。スガさんは「ほんとに緊張する」と毎回言ってましたけど、僕がすごいなと思ったのは、ドラマの世界観に合う声のトーンというか、キーというか、それがスッと入ってきて。ずっと音楽もやってらっしゃるから、“なにかある”ところに入っていく音の調整の仕方ってすごいなと思ったんです。

スガ:いやいやいや。それは、監督に言われたんです。「まず演技は声からだ」って言われたし、あと監督が本の読み合わせをしたときに「(役の)友樹ってそんな早口じゃないんだよね。そんな滑舌よくないんじゃないかなと思うんだけど」って言われて。「そっか、滑舌とかも演技になるのか」と思って、グッとトーンを落としてしゃべるようにしたんですよ。

眞島:そこの掴み方が、やっぱり早いんじゃないですか?

スガ:いやいやそんなもう、やめて(笑)。

眞島:だって、その感覚は何年もかかることですから。僕ら役者はある程度、形があるというか、台本をいただいて仕事をするじゃないですか。でも、アーティストの方ってゼロから立ち上げるでしょう。その違いってとてつもなく大きいなと思います。

スガ:ゼロが普通なので、なんでもゼロから作らなきゃって思っちゃうのはありますね。そっか……、本当にあの頃はみんなの一挙手一投足を、自分が休みのときも撮影を見てましたね。

眞島:それにしてもすごい、取材は滑らかに……。

スガ:取材のことはいいんだよ! 本当やめて(笑)。

眞島:(笑)。

山形での高校生活と、上京した頃の「性格」

高校まで山形で暮らした眞島。東京出身のスガは、地方の高校生がどう過ごすのかに興味津々。

スガ:俺が高校生のときは、「今日は池袋に遊びに行こうか」みたいに、東京中をうろうろしたり。制服をロッカーに入れてみんなに遊びに行っちゃう感じ。

眞島:まず、それ移動で電車に乗ったりするじゃないですか。僕らは自転車ですからね。冬になったら、雪国なので、そんなに移動できない。バス。「今日は池袋だ、明日は新宿だ」なんて生活はしてないですよ(笑)!

スガ:ははは! すいません(笑)。

眞島によると、ごくたまに仙台に行くのが一大イベントだったそうで、そのときだけは服装に気合を入れていたのだとか。

眞島:普段制服とか部活のジャージとか着ているんですが、そういうときだけ私服になるっていうのが、すごくドキドキするんですよ。

スガ:ははは(笑)。

眞島:やっぱり山形といってもオシャレな同級生もいますから「コイツなんでこんなオシャレなんだろうな」とか。

スガ:山形では売ってないようなものを着てるんじゃない?

眞島:なんかそういうのを持ってるんですよね。「カッケーなこいつ」って思ったりとか。

スガ:なるほどねえ。だいたい俺らは新宿の巨大喫茶? ルノアールとかデカい喫茶店があって。一番奥の席まで行っちゃうと店員さんも目が届かないから、みんなそこで集合してずっと放課後だべってましたね。

眞島:ああ、なんかカッコいいっすねえ。

スガは制服について、パンツを仕立て屋に出して裾を補足してもらい「イタリアンカジュアルスタイル」にしていたことを明かした。

スガ:で、俺軽音楽部だったので行き帰りはギターを持って。

眞島:絶対にモテるタイプですよね。

スガ:いや、モテないんですよ。みんなそうだから、みんなカッコいい格好しようとしているから。全然モテはしないんだけど、そういう東京ライフな感じの高校生でしたね。

眞島:いいですねえ。そういうのとは真逆です。

スガ:山形は田舎だといっても、眞島さんのそのキャラクターと身長でバスケやってたら大変じゃないですか。

眞島:いや、本当に……僕45なんですけど、45年かかってようやく、こういうなんか、なんでしょうね? 人とコミュニケーションをとれるようになってきたというと変ですけど。

スガ:そうなんだ(笑)。

眞島:上京した当時とかはものすごい人見知りでした。だんだんこの仕事をやっているうちに「人見知りなんで」なんて言ってられないじゃないですか。いろいろな方とコミュニケーションをとらなきゃいけないし。本当に時間かかりましたよ、こうやって話せるようになるまで。

スガ:なるほどねえ。失礼いたしました(笑)。

漫画『ハチミツとクローバー』の豆知識

この日のドライブテーマは「1995年の東京」。眞島は18歳、山形から上京してきた頃で、思い出の楽曲としてJUDY AND MARY『OVER DRIVE』を選曲。東京で暮らしたのは、山形県近郊から出てきた学生が20人以上集まる寮だったという。全員が慣れない東京生活の中、方言が通じることもあり、濃密な関係が築かれるのだとか。仲間たちと遊びに行くことも多く、北海道で「北の国から資料館」を訪れたことなど、思い出を明かした。

他には、スピッツの『愛のことば』をセレクト。スガからは思わぬトリビアが飛び出した。

眞島:懐かしいですよね。ちょうど大学の1年か2年で『白線流し』という連続ドラマがあって。その主題歌がスピッツだったんです。

スガ:『空も飛べるはず』! あのドラマがすごかったですよね、みんな観てました。

眞島:どハマリですね。

スガ:ちなみに『愛のことば』は、1995年にミリオンセラーで170万枚を記録した大ヒットアルバム『ハチミツ』に収録されている曲です。余談ですが、映画化もされた羽海野チカさんの人気漫画『ハチミツとクローバー』のタイトルは、この『ハチミツ』というスピッツのアルバムと、僕のアルバム『Clover』がレコード屋さんに並んでいるのを見た羽海野さんがそこからつけたそうです。

眞島:へー!

スガ:で、登場人物の真山(巧)くんは、僕がモチーフになってまして。メガネの形から洋服まで当時着ていたものそっくりそのまま転写されているぐらいソックリに描かれております。

眞島:それは知らなかったです。

俳優としての転機「あれがなかったら、いまはない」

眞島は20代のころ「生きていくのも大変なぐらいお金もなかった」と回顧。30歳のときに、長谷川京子主演のNHKドラマ『海峡』のオーディションを受けたのが転機になったという。

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眞島:長谷川さんの相手役をオーディションで決めるというのがあって、それはぜひやりたいと。3次、4次とオーディションがあって「これはだいぶ、人がしぼられてきてるんじゃないかな」なんて思っていたら、最後の4回目のときに「いま、もう1人の方と僕でどちらか迷ってるんだ」と。

スガ:おお!

眞島:もうここまできたから絶対にこの役はつかみたいと思って。結局その役をいただけることになったんです。

スガ:自分的にも「つかんだぞ」みたいな?

眞島:そうです。それまではドラマのなかでも短いシーンだったりとか、出演シーンもかなり限られたものだったんですけど、それは本当に主演の相手役ですから。年代も若いときから特殊メイクでおじいさんになるところまで長い時間やりました。あれがなかったら、いまはないだろうと思いますね。

スガ:そうなんだ、スゲー! 役者ってプロでもオーディションをするけど、ミュージシャンはプロだとあまりなくて。役者さんと話してると、全てが違うから。舞台に出るためのシステムも、自分の心の持って生き方も。すごい面白いんですよね。

俳優という職業に興味津々のスガだったが、自身の「俳優業」についてイジられてしまう展開に。ある失敗談についても語った。

眞島:スガさんはもうプロフィールに「俳優」って書いてあるんじゃないですか?

スガ:書いてないですよ(笑)。

眞島:WOWOWの連ドラにバシッと出たということで。

スガ:マジでぶん殴られますよ(笑)。

眞島:いやいや(笑)。もう載せてくださいよ、俳優。一番右端のほうに堂々と書いてくださいよ。

スガ:実はあのあとね、1回主題歌をやったドラマのカメオ出演みたいなのがあって。本当に一言二言出るというのがあったんです。俺も1回WOWOWでみんなとドラマやってるし「バッチリなんじゃないかな」と思って行ったら……話す相手が柳葉敏郎さんだったんですけど、俺もう全然なにもしゃべれなくて。

眞島:けっこう台詞のやりとりがあったんですか?

スガ:全然ないんですけど、もうただただ圧倒されて(笑)。

眞島:ははは(笑)。

スガ:目で殺されて終わるみたいな。

眞島:飲み込まれちゃって。

スガ:もうヘビににらまれたカエルですよ、カエル。だからもうね、俳優は難しいなと思っております。

眞島秀和の最新情報は、所属事務所の公式SNSまで。

スガが空想ドライブをナビゲートする『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』のオンエアは、毎週日曜21時から。

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2022年1月16日28時59分まで

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毎週日曜
21:00-21:54