ROCK'A'TRENCHの山森大輔(Vo)が、自身の近況を語り、K-POPが躍進する理由を分析した。
山森が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。ここでは1月7日(金)のオンエアをテキストで紹介する。
ROCK'A'TRENCHは2021年12月3日に10年ぶりの新曲『RISE AGAIN/Greatest Days』をデジタルリリースした。
この番組ではゲストが、ビールに合う“おみや”を持ち寄る。山森は、沖縄の両親から送られてきたという、球根から育った「雲南百薬」のおひたしを持参。健康にいいおつまみをビールとともに楽しんだ。
クリス:(前回の出演から)ずいぶん世の中が違いますよね。
山森:特にこうやって自分の音楽部屋から(リモートで)クリスさんとお話できるのはすごいことだなと。
クリス:(リモートで見えている映像では)ギターに混ざって帽子がかなりありますね。
山森:ROCK'A'TRENCHでデビューするときにキャラクターを乗せたい気持ちがあって、「帽子キャラにしようか」と安易な気持ちで帽子を被り始めたんです。でもすごく好きになって、人生でのべ100個ぐらいは買ったと思います。
クリス:そうなんだ。じゃあ帽子コレクションもギターに勝るぐらい。
山森:家を建てたときにギターハングに加えて帽子ハングも絶対につけたいと思って、音楽部屋に帽子ハングを備え付けています。
クリスは改めて「すごい時代ですよね、家で番組ができちゃうって。僕は家から出なくても仕事ができるのはうれしいです」と話す。
山森:先日、家からボーカルディレクションをしました。音楽プロデュースの仕事で歌を録音するときにディレクションをするんですけど、「もうちょっと明るい声にしてみようか」とか「ピッチが惜しかったね」とか、そういうのを今(ラジオで)やっているのと同じようなシステムをつないでやって。本当に時代が変わったのを感じましたね。
クリス:もう常識というか、このやり方でいけちゃう感じですか?
山森:音楽の録音の現場では、まだスタンダードではないんですけど、けっこう先駆的なスタジオに試してもらったところ、すごくよかったので、ぜひこれをスタンダードにしていきたい、提唱していきたいなと思っています。
クリス:ほかのミュージシャンの話を聞くと、録音はまだ、いわゆるジャムセッションみたいなのはどうしても若干のズレやラグが生じるらしいですけど。
山森:そうなんですよね。合奏はまだ難しいですね。レコーディングスタジオに行ってもらって、こっちでディレクションするのはできるんですけど。
クリス:人類に多大な被害を与えている迷惑な新型コロナですけれども、だからこそ「災い転じて……」というと変な言い方ですが……。
山森:そうですね、ただでは転ばない精神が人類にあっていいのかなと思います。
クリス:山森さんも小さいお子さんがいますね。僕も2021年に初孫のような娘が生まれまして。娘がBTS大好きで、1歳になったくらいから特に、いわゆる昔のごりごりヒップホップのBTSではなく、パステル調の『Dynamite』以降のBTSが大好きなんです。大躍進ですよね。このあいだのアメリカン・ミュージック・アワードでもBTSが最優秀アーティスト3部門を獲得。これはアジア人として……。
山森:誇らしいですよね、本当に。すばらしいことだと思います。
クリス:「アメリカではこうなんじゃないか」と固定観念があったのを完ぺきに彼らが吹き飛ばしてくれたなという。
山森:数年前には想像もできなかったことですよね。
クリスは「なぜだと思います? 日本業界はみんなそのあたりをすごく研究していると思います。BTSだけじゃなくてBLACKPINKもそうですし」と問いかける。
山森:ひとつ確実にあるのは、本当に正攻法で、ないがしろにしていないところ。歌がちゃんとうまくて、踊りがすごくうまくて、かっこよくて美しい。そしてファンを愛する、という正攻法を全部ちゃんと押さえています。音楽的には欧米市場を目指しているのかなって数年前までは思っていたんですけど、最近思うのは、それをさらに煮詰めてアジア的なおもしろさをまぶしてオリジナリティができていますよね。「これってK-POPっぽいよね」というのがちゃんとできているのが本当にすばらしいなと思います。
山森:ストイックさのケタが違う感じがします。
クリス:どういうところで違うと思います?
山森:OKテイクのハードルの高さ。「かなりいいじゃん。あとでちょっとエディットしてズラせば全然OKだよ」って思っても、「違うよ、それだと心がこもってない。歌詞をもう1回読んでごらん?」みたいな感じで、ディレクションでとことん詰める。本当にクラフトマンシップがある。
クリス:なるほどねえ。世界的に見て日本はビッグマーケットであるにもかかわらず、何十年も前から日本でビッグになったアーティストはビルボードで1位をとりたいとか、アメリカのグラミー賞をとりたいとか、僕もラジオをやっていて「なにが目標なの?」と訊くと「グラミー!」というアーティストがすごく多かったんだけど、なかなかポップスではいないですよね。最近でいうと上原ひろみさんがグラミー賞をとられていて、クラシックやジャズではあるけど、ポップスでいないのはなぜだと思います?
山森:不思議な点でもありますよね。だってすばらしいクオリティの音楽が日本にも当然あって、海外でもすごく評価されています。山下達郎さんをはじめ、すごいミュージシャンたちはたくさんいるので、K-POP勢の躍進の近くに僕たちもいると気づいていいのかなとは思います。やっぱり彼らと僕らの違いは、さきほど申し上げた正攻法の鍛錬や努力の量、あともうひとつ語学があるかなと思います。
クリス:BLACKPINKはほぼ全員英語ができますもんね。
山村は、1月14日(金)の同番組でも引き続きトークする。
また、番組の公式サイトに過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。
・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html
山森が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。ここでは1月7日(金)のオンエアをテキストで紹介する。
ROCK'A'TRENCHは2021年12月3日に10年ぶりの新曲『RISE AGAIN/Greatest Days』をデジタルリリースした。
RISE AGAIN
ステイホームしながらボーカルディレクション
山森が同番組に前回出演したのは2015年10月。ソロアーティストとしての出演だったが、今回は10年ぶりに活動休止から復活したROCK'A'TRENCHのフロントマンとしてクリスとトークを繰り広げた。クリス:(前回の出演から)ずいぶん世の中が違いますよね。
山森:特にこうやって自分の音楽部屋から(リモートで)クリスさんとお話できるのはすごいことだなと。
クリス:(リモートで見えている映像では)ギターに混ざって帽子がかなりありますね。
山森:ROCK'A'TRENCHでデビューするときにキャラクターを乗せたい気持ちがあって、「帽子キャラにしようか」と安易な気持ちで帽子を被り始めたんです。でもすごく好きになって、人生でのべ100個ぐらいは買ったと思います。
クリス:そうなんだ。じゃあ帽子コレクションもギターに勝るぐらい。
山森:家を建てたときにギターハングに加えて帽子ハングも絶対につけたいと思って、音楽部屋に帽子ハングを備え付けています。
クリスは改めて「すごい時代ですよね、家で番組ができちゃうって。僕は家から出なくても仕事ができるのはうれしいです」と話す。
山森:先日、家からボーカルディレクションをしました。音楽プロデュースの仕事で歌を録音するときにディレクションをするんですけど、「もうちょっと明るい声にしてみようか」とか「ピッチが惜しかったね」とか、そういうのを今(ラジオで)やっているのと同じようなシステムをつないでやって。本当に時代が変わったのを感じましたね。
クリス:もう常識というか、このやり方でいけちゃう感じですか?
山森:音楽の録音の現場では、まだスタンダードではないんですけど、けっこう先駆的なスタジオに試してもらったところ、すごくよかったので、ぜひこれをスタンダードにしていきたい、提唱していきたいなと思っています。
クリス:ほかのミュージシャンの話を聞くと、録音はまだ、いわゆるジャムセッションみたいなのはどうしても若干のズレやラグが生じるらしいですけど。
山森:そうなんですよね。合奏はまだ難しいですね。レコーディングスタジオに行ってもらって、こっちでディレクションするのはできるんですけど。
クリス:人類に多大な被害を与えている迷惑な新型コロナですけれども、だからこそ「災い転じて……」というと変な言い方ですが……。
山森:そうですね、ただでは転ばない精神が人類にあっていいのかなと思います。
K-POP躍進の理由は?
ふたりは家族の話題からBTSやBLACKPINKなどK-POPの話題へと移っていった。クリス:山森さんも小さいお子さんがいますね。僕も2021年に初孫のような娘が生まれまして。娘がBTS大好きで、1歳になったくらいから特に、いわゆる昔のごりごりヒップホップのBTSではなく、パステル調の『Dynamite』以降のBTSが大好きなんです。大躍進ですよね。このあいだのアメリカン・ミュージック・アワードでもBTSが最優秀アーティスト3部門を獲得。これはアジア人として……。
山森:誇らしいですよね、本当に。すばらしいことだと思います。
クリス:「アメリカではこうなんじゃないか」と固定観念があったのを完ぺきに彼らが吹き飛ばしてくれたなという。
山森:数年前には想像もできなかったことですよね。
クリスは「なぜだと思います? 日本業界はみんなそのあたりをすごく研究していると思います。BTSだけじゃなくてBLACKPINKもそうですし」と問いかける。
山森:ひとつ確実にあるのは、本当に正攻法で、ないがしろにしていないところ。歌がちゃんとうまくて、踊りがすごくうまくて、かっこよくて美しい。そしてファンを愛する、という正攻法を全部ちゃんと押さえています。音楽的には欧米市場を目指しているのかなって数年前までは思っていたんですけど、最近思うのは、それをさらに煮詰めてアジア的なおもしろさをまぶしてオリジナリティができていますよね。「これってK-POPっぽいよね」というのがちゃんとできているのが本当にすばらしいなと思います。
韓国アーティストは「OKテイクのハードルが高い」
韓国アーティストへの楽曲提供もしたことがある山森は、ディレクションの現場で驚いたことがあるという。山森:ストイックさのケタが違う感じがします。
クリス:どういうところで違うと思います?
山森:OKテイクのハードルの高さ。「かなりいいじゃん。あとでちょっとエディットしてズラせば全然OKだよ」って思っても、「違うよ、それだと心がこもってない。歌詞をもう1回読んでごらん?」みたいな感じで、ディレクションでとことん詰める。本当にクラフトマンシップがある。
クリス:なるほどねえ。世界的に見て日本はビッグマーケットであるにもかかわらず、何十年も前から日本でビッグになったアーティストはビルボードで1位をとりたいとか、アメリカのグラミー賞をとりたいとか、僕もラジオをやっていて「なにが目標なの?」と訊くと「グラミー!」というアーティストがすごく多かったんだけど、なかなかポップスではいないですよね。最近でいうと上原ひろみさんがグラミー賞をとられていて、クラシックやジャズではあるけど、ポップスでいないのはなぜだと思います?
山森:不思議な点でもありますよね。だってすばらしいクオリティの音楽が日本にも当然あって、海外でもすごく評価されています。山下達郎さんをはじめ、すごいミュージシャンたちはたくさんいるので、K-POP勢の躍進の近くに僕たちもいると気づいていいのかなとは思います。やっぱり彼らと僕らの違いは、さきほど申し上げた正攻法の鍛錬や努力の量、あともうひとつ語学があるかなと思います。
クリス:BLACKPINKはほぼ全員英語ができますもんね。
山村は、1月14日(金)の同番組でも引き続きトークする。
また、番組の公式サイトに過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。
・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html
radikoで聴く
2022年1月14日28時59分まで
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番組情報
- SAPPORO BEER OTOAJITO
-
毎週金曜23:00-23:30