セリーヌ・ディオンの歌、すごさの理由は…平原綾香が気づいたこと

シンガーソングライターの平原綾香が、セリーヌ・ディオンの半生を描いた映画『ヴォイス・オブ・ラブ』の魅力を語った。

平原が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』のワンコーナー「MUSIC+1」(ナビゲーター:サッシャ・ノイハウス萌菜)。12月20日(月)のオンエア内容をテキストで紹介する。

セリーヌは同時代に生きていることがありがたい存在

世界的シンガー、セリーヌ・ディオンの半生を描いた映画『ヴォイス・オブ・ラブ』が12月24日(金)に一部映画館で先行公開となる。
平原は2007年にリリースしたさまざまな日本人アーティストがセリーヌのカバー曲を歌うトリビュートアルバム『TRIBUTE TO CELINE DION セリーヌ・ディオン・トリビュート』への参加や、フランスのスペクタクル・ミュージカル『十戒』のテーマソング(英語版はセリーヌが歌う)を担当するなど、セリーヌとつながりがある。

平原:セリーヌは憧れの人というか、彼女はディーバですし、同じ時代に生きていることがすごくありがたいと思える存在ですね。

『ヴォイス・オブ・ラブ』は、総売上が2億5千万枚を超える音楽史上最も人気のあるアーティストのひとりであるセリーヌの半生を初めて映画化した作品。さまざまな名曲とともにゴージャスなステージを完全再現した音楽エンターテインメント作品となる。

監督・脚本、そして主演を務めたのはフランスの国民的スターであるヴァレリー・ルメルシエ。セリーヌを大きくリスペクトしているからこそ、あえてフィクションにしているそうで、主人公の名前もセリーヌではなく「アリーヌ」。セリーヌ・ディオンの曲についてはフランスで活躍中の歌手、ヴィクトリア・シオがカバーしている。

サッシャ:このカバーが、本人そっくりでありながら、ものすごい迫力なんです。
平原:そうなんです。その情報を知らずにこの映画を観ていると、ルメルシエさんがセリーヌ本人に見えるくらい似ているんですよ。また歌声も似ているので、セリーヌって勘違いして観る方も多いんじゃないですかね。

映画で感じた、セリーヌの歌が素晴らしい理由

映画『ヴォイス・オブ・ラブ』のストーリーは、スターダムを駆け上がる中での不安や孤独、また愛する家族との別れ、そして才能を見いだしてくれたプロデューサーとの26歳差の大恋愛など、さまざまな困難を乗り越えて世界に羽ばたいたセリーヌの半生を描く。

一足先にこの映画を観た平原は「彼女の歌の素晴らしさの理由が分かった」と言う。

平原:声の出し方とか、そういうことが映画の中で出てくることはないんですね。その歌声は小さい頃からのもので、天才少女だった。練習しなくても歌えちゃう。それをインタビューで話すと「アリーヌ、人は誤解するから謙虚に生きなさい」って言われるシーンも映画にあって面白かったんですけど、たぶんそのくらいセリーヌって天才だったんですよね。だけど、なぜ彼女があんな歌声なのかって理由がひとつ分かったのは、セリーヌが大家族だったっていうことなんです。
サッシャ:なるほど。
平原:自分以外の家族のためにも自分は歌うんだとか、生きるんだとか。自分の歌ばかり考えて音楽をやっているとパニックになったり悩み過ぎちゃったりするんだけど、彼女は自分の歌よりも守りたいものがある。だからこそステージでも堂々としているし、彼女の持っている才能が120パーセント毎回ステージで出せていたんじゃないかなと思います。だから彼女の素晴らしさは、まずはその魂にあるんじゃないかなって。

世界を魅了する「輝き」のワケ

平原にセリーヌ・ディオンの「ここがすごい!」という魅力を訊くと、「やっぱり高音ですね」と語る。

平原:ハイトーンの歌声は彼女独特の発声なんですよね。地声とも違う、もちろんファルセットとも違う、ベルティングボイスと呼ばれるものとも何か違う。そういうものを取っ払って、あれはセリーヌボイスですね。それがおそらく彼女は自然にできていたことも分かりますし、自分の母国語(セリーヌはフランス語圏のカナダ・ケベック州出身)ではない英語を歌い始めてから強化されていった歌声だと思うんですよ。

平原によると、日本語は歌う言語として難しく、日本語だけで歌の練習をしていても限度を感じるときがあるのだという。

平原:だから英語を練習したり、イタリア語やフランス語で歌ったりして。言語ってそれぞれ文化だから、それぞれの声の出し方も文化なんですよね。
サッシャ:平原さんがライブで、英語も含めて歌っている理由が分かりました。
平原:だから性格も変わるというか。そういうのが言語のひとつの特徴なので、彼女はいろんな歌を「歌えない」とは断らずに、何でもチャレンジした方だと思うんです。だからこそ、何でも歌いこなせる彼女の歌声はひとつの才能だと。それはいろんな言語で歌っているから。それが彼女の特徴のひとつだと思います。

また、偉大な母に育てられたからこそではないか、と分析する。

平原:セリーヌはずっと天使みたいなイメージがないですか?
サッシャ:ありますね。
平原:母になっても少女みたいで。それは幼少期、そしていちばん大切な青春時代を音楽にかけたからこその輝きなんですよね。やっぱり遊びたい、何でもチャレンジしてみたい、そういうものを一旦置いて、音楽というものに身を置いたからこその輝きが今でもある。だからこそああいったセリーヌ・ディオン像というものが出来上がったと思います。彼女が母になって出した『ミラクル』っていうCDがあるんです。その中の『ミラクル~奇跡』という曲が好きで。母になったときに出す声がハイトーンではなく弱々しい声でもなく、お母さんの声というか。
サッシャ:包むんだけど力強さもあって、優しさもあるみたいなね。
平原:だから母になったセリーヌを観て、また一段階好きになりました。いろんな輝きをまとって歌っているんですよね。そういう歌声のある意味で進化が全て『ヴォイス・オブ・ラブ』に入っている。すごい映画なんです。

映画の魅力を語ってくれた平原は現在、ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』に出演中。また、12月31日(金)には長崎・ハウステンボスで開催される「ハウステンボス カウントダウン 30th~希望の光へ 2021-2022」スペシャルライブにも登場する。

平原綾香の最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。

J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「MUSIC+1」では、ゲストとして毎回話題のミュージシャンが登場する。放送は月曜~木曜の12時30分頃から。
radikoで聴く
2021年12月27日28時59分まで

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番組情報
STEP ONE
月・火・水・木曜
9:00-13:00

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