数々の楽曲にスティールパンで参加しているアーティストの小林うてなが、スティールパンの魅力を語った。
小林が登場したのはJ-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。番組では、毎回ゲストを迎え、様々なテーマを掘り下げていく。ここでは、「謎楽器探訪! 魅惑のスティールパン! 」をテーマにお届けした3月30日(火)のオンエア内容をテキストで紹介する。
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ゲストには、ソロやユニット「Black Boboi」での活動と並行してKID FRESINO、D.A.N.、蓮沼執太フィルなど数々の楽曲にスティールパンで参加している、アーティストの小林うてなが登場。
あっこゴリラ:だいぶ珍しい打楽器だけど、スティールパンを演奏するようになったきっかけは?
うてな:もともとは音楽大学でガムランをやってて、残響音が長い楽器が好きで。大学3年生の途中で大学はやめちゃったんだけど、それを機にスティールパンをちゃんとやってみようと思って始めたのがきっかけですね。
あっこゴリラ:いろんな楽器があるなかで、なんでスティールパンだったの?
うてな:ガムランは集団で演奏することで成り立つ楽器だったけど、スティールパンは一台で12音出せて一人で弾けるっていうことが、今後音楽を続けていく上で可能性があるかもしれないっていう、けっこう現実的な理由で始めました(笑)。
あっこゴリラ:そういう流れだったんだね。それから独学で勉強したの?
うてな:一年くらい師匠に習ったんだけど、厳しくてずっと音階練習みたいな基礎錬しかできなかった。
あっこゴリラ:そうだったんだ~。うてなちゃんは、様々な楽曲にスティールパンで参加しているけど、これまでで特に思い入れの強い楽曲ってありますか?
うてな:FRESINOくんの曲は思い出深いですね。数年前になるんですけど、レコーディングしたときに発熱しててちょっと体調悪かったんですよ。それで一発テイクで録ったんですけど、何も考えられず朦朧としながら弾いて(笑)。普段の自分とはちょっと違う手癖になってて、それがすごく興味深いです。
あっこゴリラ:あはははは。私も元ドラマーだからわかるけど、そのときの体調とか気分でグルーヴって変わるからね。
うてな:それに初めて気づいたかも。
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あっこゴリラ:いろんなアーティストのサポートを務めるようになった経緯は?
うてな:なんだったかな~。もとは昔のちょっとしたサポートから繋ぎに繋がって、でも蓮沼執太さんとか権藤知彦さんとかとやるようになってから、だんだん繋いでいってもらってる感じかな。
あっこゴリラ:すごい気になるんだけどさ、スティールパン奏者ってどのくらいいるの?
うてな:少なそう(笑)。
あっこゴリラ:そうだよね。私たち世代だと、うてなちゃんしか知らないから、引っ張りだこだね。スティールパン奏者として、うてなちゃん自身の特徴って何だと思いますか?
うてな:それって、超難しい質問だね~(笑)。昔、誰かに「暖かい国の楽器なのに冷たい国の楽器みたいに聴こえる」と言われたことがあって、それを自分の中ではキーワードにしてるかも。
あっこゴリラ:確かに、うてなちゃんの楽曲はわかりやすく暖かい感じではないよね。
うてな:そうだね。ひんやりしてるっていうのは癖かもしれない。
【D.A.N.『SSWB』を聴く】
ここからは、「日本で数人しかいない、スティールパンの製作者、調律師」である兵庫県養父市で「IKUTA STEELPAN」を営む生田明寛さんに話を訊いた。
あっこゴリラ:「IKUTA STEELPAN」では、主にどんなことをされていますか?
生田:スティールパンの製作、販売とチューニングのメンテナンスの2つが主な内容になります。基本的に受注生産で、ドラム缶から一台一台手作業で作っていきます。
あっこゴリラ:すごい! スティールパンって、もとがドラム缶っていうのがかっこいいんだよね~。
生田:あはははは。その辺に転がっているものから、こんなにきれいな音の楽器が作れるっていうことが魅力かなと思いますね。
あっこゴリラ:日本にはスティールパンの職人さんって数人しかいないそうですが、生田さんはなぜスティールパンを製作しようと思われたんですか?
生田:スティールパンという楽器の存在をいつ知ったのかは正直覚えてないんですけど、十数年前、京都に住んでたときに民族楽器屋さんで見たのがスティールパンとの出会いです。
あっこゴリラ:うんうん。
生田:その後、スティールパン教室に通ったんですけど、上手に弾けるようになりたいというより、楽器そのものに強烈に興味がわいて。ドラム缶が形を変えるだけでこんなきれいな音が鳴る楽器になるって、いったいどうなっているんだろうってワクワクしたんですよね。それでインターネットとかで調べ出したら、どうしても作ってみたくなってしまって、自分で工具を買って作ったのがきっかけです。
あっこゴリラ:おお~! そこまで、独学でされたんですか?
生田:はい。でも製作に行き詰まり、作りたい一心で発祥国のトリニダード・トバゴへ作り方を学びに行きました。2週間くらい現地の職人の元でホームステイしながら修業させてもらいました。
【John Lennon『Beautiful boy』を聴く】
あっこゴリラ:ホームページを見るといろんな種類のスティールパンがありますが、「IKUTA STEELPAN」では何種類くらいあるんですか?
生田:だいたい15種類くらいですね。
あっこゴリラ:例えば、どんなものがあるんですか?
生田:ソプラノの音域が一番高い楽器からそれよりも低いアルトとかチェロのパートのものとか、キーによって様々ですね。あとは、いくつものドラム缶を並べて演奏するような低音の楽器もあったりします。
あっこゴリラ:そうなんですね。それで言ったらうてなちゃんとか何個くらい持ってるの?
うてな:3つ! でもほとんど1つしか使ってない(笑)。
あっこゴリラ:あはははは。人によって、いろんなパターンがあるからね。
うてな:個体によって、全部音が違うからたどり着くって感じ。
あっこゴリラ:なるほど~。ちなみに「IKUTA STEELPAN」ならではの特徴ってあるんですか?
生田:強みとしては、輸入品とは違って、できるだけ要望に合わせて製作していくことができるってことですね。
あっこゴリラ:最後に、生田さんが思うスティールパンの魅力を教えて下さい。
生田:独特で、特徴的な響きですかね。それとバンドとか他の楽器とのセッションで、より華やかな世界が広がる楽器なんじゃないかなと思います。
J-WAVE『SONAR MUSIC』は月~木の22:00-24:00にオンエア。
小林が登場したのはJ-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。番組では、毎回ゲストを迎え、様々なテーマを掘り下げていく。ここでは、「謎楽器探訪! 魅惑のスティールパン! 」をテーマにお届けした3月30日(火)のオンエア内容をテキストで紹介する。
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小林うてなが打楽器「スティールパン」を選んだ理由
カリプソなど、南国ムードあふれる音楽に使われることが多い、カリブ海、トリニダード・トバゴ発祥の打楽器「スティールパン」。番組では、そんな魅惑の打楽器スティールパンにフォーカスした。ゲストには、ソロやユニット「Black Boboi」での活動と並行してKID FRESINO、D.A.N.、蓮沼執太フィルなど数々の楽曲にスティールパンで参加している、アーティストの小林うてなが登場。
あっこゴリラ:だいぶ珍しい打楽器だけど、スティールパンを演奏するようになったきっかけは?
うてな:もともとは音楽大学でガムランをやってて、残響音が長い楽器が好きで。大学3年生の途中で大学はやめちゃったんだけど、それを機にスティールパンをちゃんとやってみようと思って始めたのがきっかけですね。
あっこゴリラ:いろんな楽器があるなかで、なんでスティールパンだったの?
うてな:ガムランは集団で演奏することで成り立つ楽器だったけど、スティールパンは一台で12音出せて一人で弾けるっていうことが、今後音楽を続けていく上で可能性があるかもしれないっていう、けっこう現実的な理由で始めました(笑)。
あっこゴリラ:そういう流れだったんだね。それから独学で勉強したの?
うてな:一年くらい師匠に習ったんだけど、厳しくてずっと音階練習みたいな基礎錬しかできなかった。
あっこゴリラ:そうだったんだ~。うてなちゃんは、様々な楽曲にスティールパンで参加しているけど、これまでで特に思い入れの強い楽曲ってありますか?
うてな:FRESINOくんの曲は思い出深いですね。数年前になるんですけど、レコーディングしたときに発熱しててちょっと体調悪かったんですよ。それで一発テイクで録ったんですけど、何も考えられず朦朧としながら弾いて(笑)。普段の自分とはちょっと違う手癖になってて、それがすごく興味深いです。
あっこゴリラ:あはははは。私も元ドラマーだからわかるけど、そのときの体調とか気分でグルーヴって変わるからね。
うてな:それに初めて気づいたかも。
【KID FRESINO『No Sun』をradikoで聴く】
あっこゴリラ:いろんなアーティストのサポートを務めるようになった経緯は?
うてな:なんだったかな~。もとは昔のちょっとしたサポートから繋ぎに繋がって、でも蓮沼執太さんとか権藤知彦さんとかとやるようになってから、だんだん繋いでいってもらってる感じかな。
あっこゴリラ:すごい気になるんだけどさ、スティールパン奏者ってどのくらいいるの?
うてな:少なそう(笑)。
あっこゴリラ:そうだよね。私たち世代だと、うてなちゃんしか知らないから、引っ張りだこだね。スティールパン奏者として、うてなちゃん自身の特徴って何だと思いますか?
うてな:それって、超難しい質問だね~(笑)。昔、誰かに「暖かい国の楽器なのに冷たい国の楽器みたいに聴こえる」と言われたことがあって、それを自分の中ではキーワードにしてるかも。
あっこゴリラ:確かに、うてなちゃんの楽曲はわかりやすく暖かい感じではないよね。
うてな:そうだね。ひんやりしてるっていうのは癖かもしれない。
【D.A.N.『SSWB』を聴く】
製作に行き詰まり、発祥国のトリニダード・トバゴで修行
ここからは、「日本で数人しかいない、スティールパンの製作者、調律師」である兵庫県養父市で「IKUTA STEELPAN」を営む生田明寛さんに話を訊いた。
あっこゴリラ:「IKUTA STEELPAN」では、主にどんなことをされていますか?
生田:スティールパンの製作、販売とチューニングのメンテナンスの2つが主な内容になります。基本的に受注生産で、ドラム缶から一台一台手作業で作っていきます。
あっこゴリラ:すごい! スティールパンって、もとがドラム缶っていうのがかっこいいんだよね~。
生田:あはははは。その辺に転がっているものから、こんなにきれいな音の楽器が作れるっていうことが魅力かなと思いますね。
あっこゴリラ:日本にはスティールパンの職人さんって数人しかいないそうですが、生田さんはなぜスティールパンを製作しようと思われたんですか?
生田:スティールパンという楽器の存在をいつ知ったのかは正直覚えてないんですけど、十数年前、京都に住んでたときに民族楽器屋さんで見たのがスティールパンとの出会いです。
あっこゴリラ:うんうん。
生田:その後、スティールパン教室に通ったんですけど、上手に弾けるようになりたいというより、楽器そのものに強烈に興味がわいて。ドラム缶が形を変えるだけでこんなきれいな音が鳴る楽器になるって、いったいどうなっているんだろうってワクワクしたんですよね。それでインターネットとかで調べ出したら、どうしても作ってみたくなってしまって、自分で工具を買って作ったのがきっかけです。
あっこゴリラ:おお~! そこまで、独学でされたんですか?
生田:はい。でも製作に行き詰まり、作りたい一心で発祥国のトリニダード・トバゴへ作り方を学びに行きました。2週間くらい現地の職人の元でホームステイしながら修業させてもらいました。
【John Lennon『Beautiful boy』を聴く】
あっこゴリラ:ホームページを見るといろんな種類のスティールパンがありますが、「IKUTA STEELPAN」では何種類くらいあるんですか?
生田:だいたい15種類くらいですね。
あっこゴリラ:例えば、どんなものがあるんですか?
生田:ソプラノの音域が一番高い楽器からそれよりも低いアルトとかチェロのパートのものとか、キーによって様々ですね。あとは、いくつものドラム缶を並べて演奏するような低音の楽器もあったりします。
あっこゴリラ:そうなんですね。それで言ったらうてなちゃんとか何個くらい持ってるの?
うてな:3つ! でもほとんど1つしか使ってない(笑)。
あっこゴリラ:あはははは。人によって、いろんなパターンがあるからね。
うてな:個体によって、全部音が違うからたどり着くって感じ。
あっこゴリラ:なるほど~。ちなみに「IKUTA STEELPAN」ならではの特徴ってあるんですか?
生田:強みとしては、輸入品とは違って、できるだけ要望に合わせて製作していくことができるってことですね。
あっこゴリラ:最後に、生田さんが思うスティールパンの魅力を教えて下さい。
生田:独特で、特徴的な響きですかね。それとバンドとか他の楽器とのセッションで、より華やかな世界が広がる楽器なんじゃないかなと思います。
J-WAVE『SONAR MUSIC』は月~木の22:00-24:00にオンエア。
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