ジュディマリの歌詞は切なさとパワフルさが混じり合う。魅力をGLIM SPANKY・松尾レミらが熱弁

GLIM SPANKY・松尾レミ、SCANDAL・MAMI、ReiがJUDY AND MARYの魅力を語った。

松尾、MAMI、Reiが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。番組では、毎回ゲストを迎え、様々なテーマを掘り下げていく。ここでは3月24日(水)のオンエア内容をテキストで紹介する。

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どんな時代に見たとしてもキャッチーに新鮮に映る

いまから20年前の2001年3月7日・8日、東京ドーム2daysのライブをもって解散したJUDY AND MARY。1993年9月メジャーデビューし、活動期間はおよそ7年半。その間には1年間のバンド休止期間もあった。解散から20年、いまなお多くの人を魅了し続けるJUDY AND MARYを特集した。

番組では、JUDY AND MARYに強く影響を受けた3人のアーティストが、その魅力を語ってくれた。一人目のアーティストは、GLIM SPANKYのギター/ボーカル、松尾レミ。ジュディマリは、少女時代の松尾レミに何を与えたのだろうか。

松尾:私がジュディマリを聴き始めたきっかけは、小学生のころにYUKIさんのソロを聴いたことです。そこから過去の作品を掘り出した感じなので、リアルタイムではなかったんですよ。中学生くらいのときは、けっこう周りの友達もYUKIさんファンが多かったので、みんなでジュディマリ聴いてカラオケで歌ったりしてましたね。とにかくYUKIさんのキュートさ、強さがもうめちゃめちゃいいバランスで表現されていますよね。誰よりも強い魂を感じるし、ステージのアプローチもメンバーそれぞれの個性があって、見せ方がすごい面白い。そういうところもいろんな人たちを巻き込んで、さらにカルチャーとしても巻き込んでいった感じがあるなと思っています。

松尾が思うジュディマリの歌詞の世界観とは……。

松尾:メロディーと歌詞が切ない部分も持ち合わせつつも、とてもパワフルな部分もあって。本当ジュディマリにしか出せない独特な世界を作っているなってすごく思います。そんなに切ないことを歌っているわけじゃないのに切なさを感じたり、逆にめちゃめちゃ元気な言葉を歌っているのになんか寂しさを感じたり。それはやっぱり歌詞とメロディー、サウンド、音楽が絡み合って生まれるミラクルだと思っています。いまなお人々を魅了する理由は、音楽も含めて表現など当時もきっと新しかったと思うし、いま見てもとても挑戦的なことをしてるから、どんな時代に見たとしてもキャッチーに新鮮に映るんじゃないかなと私は思ってます。

そんな松尾レミにJUDY AND MARYの曲を1曲選んでもらった。

松尾:『Brand New Wave Upper Ground』です。この曲はさっき言った通り、切なさとパワフルさ、夜の匂いと昼の匂いが組み合わさってるような、そういう独特の匂いや空気を感じるんですよね。あと、Aメロの時点でいろんな名詞が出てくるんです。普通、名詞をいっぱい出すと世界観を固定してしまいがちですが、この曲に関しては名詞がいっぱい出てるはずなのに、聴く時間や環境によっていろんな捉え方ができるし、自分の世界を作ることができる不思議な力を持っているなと思って、昔からよく聴いていました。

【JUDY AND MARY『Brand New Wave Upper Ground』を聴く】

真似できない唯一無二の存在

二人目のアーティストは、今年、結成15周年を迎えるSCANDALのギタリスト、MAMI。ジュディマリは、少女時代のMAMIに何を与えたのだろうか。

MAMI:私がJUDY AND MARYに出会ったのは、小さい頃からずっと家で流れていたというのが一番大きいです。母がJUDY AND MARYがすごく好きで、家の中でルンルンで歌っていたので、私もジュディマリを聴くたび、楽しい気分になっていたのを覚えています。ジュディマリの曲は小さいながらに確実に気分を上げる曲だったなという印象がありますね。もちろん自分たちの作る楽曲もすごく影響受けています。特に私が作る曲で、ポップでアッパーな曲を作りたいなというときは、ほとんどと言っていいほど参考にしているかもしれないです。

SCANDALは2009年3月、デビュー15周年を記念したトリビュートアルバム『JUDY AND MARY 15th Anniversary Tribute Album』で、JUDY AND MARYの3枚目のシングル『Daydream』をカバーしている。

MAMI:カバーするにあたって音源を聴き返していたんですけど、そのときに思ったのが、いつ聴いても知ってる曲のはずなのに新しい発見があるなと思いました。本当にいつの時代に聴いても、もちろんいま聴いても新しい音楽な気がしています。楽曲だけでなくバンドとしても人としても自由でキュートで、しなやかであどけなくてパンクで、あげたらキリがないです。本当に素敵なグループだと思うし、真似できない唯一無二の存在だと思います。

SCANDAL のMAMIにもJUDY AND MARYの曲を一曲選んでもらった。

MAMI:すごく迷うんですけど、『散歩道』にしたいと思います。この曲こそ本当にずっと母が歌っていたので、公園に行ったり、外に遊びに行くときの私のテーマソングでもありました。いま聴いてもどんな気分のときでも そっと寄り添ってくれるような歌詞がすごく好きです。

【JUDY AND MARY『散歩道』を聴く】

これからも大切にずっと聴いていきたい音楽

三人目のアーティストは、シンガーソングライター/ギタリストのRei。ジュディマリは、少女時代のReiに何を与えたのだろうか。

Rei:私もジュディマリに多大な影響を受けた1人ですが、小学校の高学年ぐらいになるときにはすでに聴いていたと思います。もう本当に気づいたら身近にあった音楽ですね。ジュディマリの魅力はたくさんありますが、あえて一言で表すとすれば、その“自由さ”だと思います。バンドメンバーそれぞれの個性が爆発していますし、それをまとめようというよりは肯定しようみたいなそういう音楽に感じます。

自分の幼い声にコンプレックスをもっていたというRei。そんなときにYUKIの声に出会い、元気をもらっていたという。

Rei:歌詞にもすごくジュディマリの影響を受けています。情景描写も多いですが、文章として不思議な文脈というか、普段の日本語でこういう言い回しないだろうみたいな歌詞もたくさんあるんですけど、なんだか意味がわかるというか(笑)。多分それはメロディーとか全体のアレンジメントとかの力もあると思います。あとは言い方、歌い方のニュアンスで文章にしたら意味がわからないような言葉も音楽と合わさると心に刺さる歌詞があって、そういうところにすごく影響を受けていますね。すごく色彩豊かに感じる歌詞だと思います。これからも、大切にずっとずっと聴いていきたい音楽です。

そんなReiが選ぶJUDY AND MARYの一曲は……。

Rei:本当に難しいんですけど、『くじら12号』を選びたいと思います。この曲はすごくユニークな展開で、どんどん曲の色合いが変わっていく感じ。ベースラインもすごく秀逸ですし、それぞれの楽器が際立っているのに飛び込んでくるのは、歌だったり言葉だったり、そういうメンバーのみなさんのバランス感覚、不思議な唯一無二のバランス感覚が活かされたパワフルな曲じゃないかなと思います。

【JUDY AND MARY『くじら12号』を聴く】

J-WAVE『SONAR MUSIC』は月~木の22:00-24:00にオンエア。
番組情報
SONAR MUSIC
月・火・水・木曜
22:00-24:00

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