宮沢和史が、日々のルーティンやお気に入りのモノについてリモートで語った。
宮沢が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『RADIO DONUTS』(ナビゲーター:渡辺 祐・山田玲奈)のワンコーナー「CUSTOMLIFE DESIGN YOUR LIFE」。ここでは11月20日(土)のオンエアをテキストで紹介する。
宮沢:やっぱり音楽家って不規則じゃないですか。レコーディングを夜遅くまでやっていたり曲作りをしたり、「何時まで」っていう仕事じゃないから、本当に不規則な人生だったんですけど、この2年は1日のルーティンが決まっていて、朝8時、遅くとも9時に起きて、その次にやることも決まっています。
渡辺:コロナ禍の宮沢さんの朝のルーティンを一通り教えてください。
宮沢:まず起きますよね。で、布団を整えて夜に飲んでたコップを洗ってうがいをして、神棚と仏壇にお線香をあげてお願い事をして、みたいな感じですね。
渡辺:すごく正しい感じがする。
山田:本当ですね。朝ごはんは召し上がりますか?
宮沢:薬を飲まなきゃいけないので、サクサクっと食べられるお菓子とかですね。
宮沢:この2年間、自分たちの住んでいる場所からなかなか遠くへ行けなかったですよね。特に沖縄は感染者がすごく増えた時期もあって、旅行することもままならないなかで、「逆に沖縄を近くに寄せて、連れてきたらどうだろう」という発想が生まれました。僕と夏川りみさんと大城クラウディアさんの3人によるコンサートなんですけど、沖縄から風を吹かせて、民謡や近代の沖縄の曲、それぞれ沖縄をモチーフにして作った歌など、沖縄にまつわる曲たちを、僕ら歌い手が語り部として届けるみたいなコンセプトです。
渡辺:宮沢さんが沖縄に魅力を感じたり、パワーをもらったりというのは、どのあたりがきっかけだったんですか?
宮沢:沖縄民謡が好きで沖縄にハマっていったんですけど、あれだけ戦争とかいろんな負の歴史があるなかで、歌とか踊りとかお祭りっていう芸能を捨てずに、生活に結びついているところが音楽家としてとても惹かれました。
渡辺:宮沢さんから見た、夏川さんと大城さんの魅力は?
宮沢:人のライブでゲストに歌いに行くとか、ゲストに来てもらうことはあっても、3人がメインのコンサートって実はありそうでないんですよね。僕らを見て、僕らの歌を聴いてくれっていうよりは、ちょっと一歩下がって、沖縄の歌たちをメインとして、それを我々が伝えるっていう意味でいつもと雰囲気が違います。そのなかで、音楽自体は僕らも楽しんでいるし、夏川さんと大城さんの歌声のすばらしさ、混ざったときの美しさも本当に見てもらいたいです。
渡辺:宮沢さんは、三線(さんしん)の竿に使われる木の植樹活動もされているそうですね。やっぱりあれは決まった木なんですか?
宮沢:琉球黒檀っていう黒檀ですね。高級なピアノの黒鍵に使われている黒い木が三線に向いているんですけど、採り尽くしたのと、戦争があったので自給自足ができない状況で、今は100パーセント近くアジアから輸入しています。でもそれもいつ禁止になるかわからないので、「だったら植えていこう」って。でも200年くらいかかるんですよね。
渡辺:木だからけっこう大変ですよね。
山田:最後まで見届けることはなかなか……。
宮沢:地元の人や子どもたちに「『こういうことをしている』って伝えていってくれよ」ってことはしているんですよ。
渡辺:楽器もそうですし、いろいろな文化って、その土地の土や木から生まれてるところもありますもんね。
宮沢:その土壌が生み出す音ですからね。
渡辺は「2021年も終わろうとしていますが、ここからどんなふうに自身の活動を考えていますか?」と問いかける。
宮沢:東日本大震災のときは、当時「音楽家って無力だ」と思ったんですよ。でも1カ月くらいすると、だんだん音楽家の役割が回ってくるというか、音楽でみんなに楽しんでもらうみたいな時期が来ました。でもコロナ禍って本当に音楽家は無力で、2年間たいした演奏もできずに過ぎちゃったんです。でもようやくここへきて、そろそろ我々の出番、役割が来たのかなっていう段階なので、溜めていた気持ちや創作物を思いっきり発表していきたいです。
宮沢:そのときにウイスキーを1杯ひっかけたりしていたんですけど、最近、宮古島の多良川酒造という泡盛の会社がラム酒を作り出して、MAKUGAN(マクガン)っていうんです。これが本当においしくて。
渡辺:ヤシガニがボトルにデザインされていてきれいですね。
宮沢:減っていくのがツラいので、楽しみながらちびちび飲んでいます。
山田:なかなか手に入らないものなんですか?
宮沢:通販でも買えるんですけど、大事に大事に飲みたいお酒ですね。小さいショットグラスに入れてクイっと飲みながら、映画を観ています。
山田:絵になりますね。そのまま眠くなっちゃったら寝るって感じですか?
宮沢:そうですね。だから読みかけの本や観かけの映画もあったりします。
宮沢:ルーティン生活を送っていると、生活のなかでしっくりくる道具がほしいわけですよね。マグカップでコーヒーやジュースを飲んだり、氷を入れてアイスコーヒーを飲んだりするので、使い勝手のいいマグカップをずっと探していたんです。それで、たまたま見つけたのが長野県の木でできたマグカップで、漆が塗ってあるものです。持った感じもいいし、量もちょうどいいし、全てが探していた感じでした。まさか漆だとは自分で思わなかったですけど。
渡辺:そもそも漆のマグカップ自体が珍しいですよね。
宮沢:「マグカップなんかみんな一緒じゃん」と思うかもしれないけど、毎日使うとなると、しっくりくるものがいいですよね。
渡辺:わかります。長年使っていたお気に入りの陶器のマグカップを割ったときの衝撃たるや。
山田:同じのを2個ぐらい買っておかなきゃダメですね。
宮沢:僕も気に入ったのが割れちゃったので、それ以上のものじゃないと納得できないというか。それで長いこと見つけらずにいたんですけど、漆もいいもんだなと思って。
渡辺:お使いになるものや身に着けるものは、一つひとつこだわりをもって選ぶタイプですか?
宮沢:僕はどちらかというと挑戦していくというか、「使ったことがないから使ってみよう」というタイプですけど、この2年間、身の回りに置くものは友というか相棒というか……。
渡辺:それと共にいる時間が長くなりましたからね。じゃあお買い物は、わりと、面白そうだから買ってみようというタイプだったわけですね。
宮沢:そんなにはたくさんいろいろ買うほうではないですけど、初めてのものがあると気になりますよね。
そんな宮沢は、レコードやCDを集めるのが好きなのだそうだ。
宮沢:最近、沖縄民謡のアナログを集めているんですけど、もうなかなかないので見つけたら購入するようにしています。たぶん、買わないとどんどんレコード店のなかで風化していくと思うので、買って回してあげるのがいいかなと思って。
渡辺:宮沢さんだけじゃない、誰かが聴ける機会も増えるわけですからね。死蔵されていることほどモノにとって可哀想なことはないですよ。今後、買いたいなと思っているものはなんでしょう?
宮沢:先ほども三線は琉球黒檀が一番いいって言いましたけど、成長するのに100年、200年かかるので、その間は違う材料で作っていかなきゃいけません。いま、沖縄県内にある木で職人さんがいろいろと試しているんですよ。そういう三線でいくつか目についているものがあって、試し弾きをしたりしているので、そういう黒檀じゃない三線がほしいと思っています。
渡辺:やっぱりいい三線とそうでないものがあるんですよね?
宮沢:三線組合さんが調査したところ、購買のきっかけの第1位は「音がよかったから」なんですよ。値段や材料がいいんじゃなくて、自分の好みの音で買うんです。それがたとえ安くても、その人にとってはいい音だっていう。
渡辺:じゃあこれからは三線も増えそうじゃないですか。
宮沢:それがうまく回っていくと三線職人も喜ぶし、なりたい若手も育つと思うんですよ。高価すぎると育ちにくいじゃないですか。それも期待しています。
『RADIO DONUTS』のワンコーナー「CUSTOMLIFE DESIGN YOUR LIFE」では、ゲストのライフスタイルを構築しているルーティンを深堀りする。オンエアは毎週土曜日の9時10分頃から。
過去のゲストのトークは「カスタムライフ」WEBサイトにも掲載されているので、ぜひチェックしてほしい。
宮沢が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『RADIO DONUTS』(ナビゲーター:渡辺 祐・山田玲奈)のワンコーナー「CUSTOMLIFE DESIGN YOUR LIFE」。ここでは11月20日(土)のオンエアをテキストで紹介する。
コロナ禍を機に、規則正しい生活へ
長年シンガーソングライターや俳優として活躍する宮沢に、まずは朝のルーティンを訊いた。宮沢:やっぱり音楽家って不規則じゃないですか。レコーディングを夜遅くまでやっていたり曲作りをしたり、「何時まで」っていう仕事じゃないから、本当に不規則な人生だったんですけど、この2年は1日のルーティンが決まっていて、朝8時、遅くとも9時に起きて、その次にやることも決まっています。
渡辺:コロナ禍の宮沢さんの朝のルーティンを一通り教えてください。
宮沢:まず起きますよね。で、布団を整えて夜に飲んでたコップを洗ってうがいをして、神棚と仏壇にお線香をあげてお願い事をして、みたいな感じですね。
渡辺:すごく正しい感じがする。
山田:本当ですね。朝ごはんは召し上がりますか?
宮沢:薬を飲まなきゃいけないので、サクサクっと食べられるお菓子とかですね。
「沖縄を連れて行く」コンサートツアーを開催中
宮沢は現在、「沖縄からの風コンサート2021 ~宮沢和史、夏川りみ、大城クラウディアによるスペシャルコンサート~」のツアー真っただ中。ツアーのコンセプトについて、宮沢は次のように語る。宮沢:この2年間、自分たちの住んでいる場所からなかなか遠くへ行けなかったですよね。特に沖縄は感染者がすごく増えた時期もあって、旅行することもままならないなかで、「逆に沖縄を近くに寄せて、連れてきたらどうだろう」という発想が生まれました。僕と夏川りみさんと大城クラウディアさんの3人によるコンサートなんですけど、沖縄から風を吹かせて、民謡や近代の沖縄の曲、それぞれ沖縄をモチーフにして作った歌など、沖縄にまつわる曲たちを、僕ら歌い手が語り部として届けるみたいなコンセプトです。
渡辺:宮沢さんが沖縄に魅力を感じたり、パワーをもらったりというのは、どのあたりがきっかけだったんですか?
宮沢:沖縄民謡が好きで沖縄にハマっていったんですけど、あれだけ戦争とかいろんな負の歴史があるなかで、歌とか踊りとかお祭りっていう芸能を捨てずに、生活に結びついているところが音楽家としてとても惹かれました。
渡辺:宮沢さんから見た、夏川さんと大城さんの魅力は?
宮沢:人のライブでゲストに歌いに行くとか、ゲストに来てもらうことはあっても、3人がメインのコンサートって実はありそうでないんですよね。僕らを見て、僕らの歌を聴いてくれっていうよりは、ちょっと一歩下がって、沖縄の歌たちをメインとして、それを我々が伝えるっていう意味でいつもと雰囲気が違います。そのなかで、音楽自体は僕らも楽しんでいるし、夏川さんと大城さんの歌声のすばらしさ、混ざったときの美しさも本当に見てもらいたいです。
渡辺:宮沢さんは、三線(さんしん)の竿に使われる木の植樹活動もされているそうですね。やっぱりあれは決まった木なんですか?
宮沢:琉球黒檀っていう黒檀ですね。高級なピアノの黒鍵に使われている黒い木が三線に向いているんですけど、採り尽くしたのと、戦争があったので自給自足ができない状況で、今は100パーセント近くアジアから輸入しています。でもそれもいつ禁止になるかわからないので、「だったら植えていこう」って。でも200年くらいかかるんですよね。
渡辺:木だからけっこう大変ですよね。
山田:最後まで見届けることはなかなか……。
宮沢:地元の人や子どもたちに「『こういうことをしている』って伝えていってくれよ」ってことはしているんですよ。
渡辺:楽器もそうですし、いろいろな文化って、その土地の土や木から生まれてるところもありますもんね。
宮沢:その土壌が生み出す音ですからね。
渡辺は「2021年も終わろうとしていますが、ここからどんなふうに自身の活動を考えていますか?」と問いかける。
宮沢:東日本大震災のときは、当時「音楽家って無力だ」と思ったんですよ。でも1カ月くらいすると、だんだん音楽家の役割が回ってくるというか、音楽でみんなに楽しんでもらうみたいな時期が来ました。でもコロナ禍って本当に音楽家は無力で、2年間たいした演奏もできずに過ぎちゃったんです。でもようやくここへきて、そろそろ我々の出番、役割が来たのかなっていう段階なので、溜めていた気持ちや創作物を思いっきり発表していきたいです。
夜はお気に入りのラム酒でリラックス
続いて夜の過ごし方を訊くと、宮沢は「映画を観たり溜めていた本を読んだりします」と話す。宮沢:そのときにウイスキーを1杯ひっかけたりしていたんですけど、最近、宮古島の多良川酒造という泡盛の会社がラム酒を作り出して、MAKUGAN(マクガン)っていうんです。これが本当においしくて。
渡辺:ヤシガニがボトルにデザインされていてきれいですね。
宮沢:減っていくのがツラいので、楽しみながらちびちび飲んでいます。
山田:なかなか手に入らないものなんですか?
宮沢:通販でも買えるんですけど、大事に大事に飲みたいお酒ですね。小さいショットグラスに入れてクイっと飲みながら、映画を観ています。
山田:絵になりますね。そのまま眠くなっちゃったら寝るって感じですか?
宮沢:そうですね。だから読みかけの本や観かけの映画もあったりします。
長野県の木で作られた、漆のマグカップがお気に入り
このコーナーでは、ゲストに生活を彩るお気に入りのモノを訊く。宮沢は「木製のマグカップ」という。宮沢:ルーティン生活を送っていると、生活のなかでしっくりくる道具がほしいわけですよね。マグカップでコーヒーやジュースを飲んだり、氷を入れてアイスコーヒーを飲んだりするので、使い勝手のいいマグカップをずっと探していたんです。それで、たまたま見つけたのが長野県の木でできたマグカップで、漆が塗ってあるものです。持った感じもいいし、量もちょうどいいし、全てが探していた感じでした。まさか漆だとは自分で思わなかったですけど。
渡辺:そもそも漆のマグカップ自体が珍しいですよね。
宮沢:「マグカップなんかみんな一緒じゃん」と思うかもしれないけど、毎日使うとなると、しっくりくるものがいいですよね。
渡辺:わかります。長年使っていたお気に入りの陶器のマグカップを割ったときの衝撃たるや。
山田:同じのを2個ぐらい買っておかなきゃダメですね。
宮沢:僕も気に入ったのが割れちゃったので、それ以上のものじゃないと納得できないというか。それで長いこと見つけらずにいたんですけど、漆もいいもんだなと思って。
渡辺:お使いになるものや身に着けるものは、一つひとつこだわりをもって選ぶタイプですか?
宮沢:僕はどちらかというと挑戦していくというか、「使ったことがないから使ってみよう」というタイプですけど、この2年間、身の回りに置くものは友というか相棒というか……。
渡辺:それと共にいる時間が長くなりましたからね。じゃあお買い物は、わりと、面白そうだから買ってみようというタイプだったわけですね。
宮沢:そんなにはたくさんいろいろ買うほうではないですけど、初めてのものがあると気になりますよね。
そんな宮沢は、レコードやCDを集めるのが好きなのだそうだ。
宮沢:最近、沖縄民謡のアナログを集めているんですけど、もうなかなかないので見つけたら購入するようにしています。たぶん、買わないとどんどんレコード店のなかで風化していくと思うので、買って回してあげるのがいいかなと思って。
渡辺:宮沢さんだけじゃない、誰かが聴ける機会も増えるわけですからね。死蔵されていることほどモノにとって可哀想なことはないですよ。今後、買いたいなと思っているものはなんでしょう?
宮沢:先ほども三線は琉球黒檀が一番いいって言いましたけど、成長するのに100年、200年かかるので、その間は違う材料で作っていかなきゃいけません。いま、沖縄県内にある木で職人さんがいろいろと試しているんですよ。そういう三線でいくつか目についているものがあって、試し弾きをしたりしているので、そういう黒檀じゃない三線がほしいと思っています。
渡辺:やっぱりいい三線とそうでないものがあるんですよね?
宮沢:三線組合さんが調査したところ、購買のきっかけの第1位は「音がよかったから」なんですよ。値段や材料がいいんじゃなくて、自分の好みの音で買うんです。それがたとえ安くても、その人にとってはいい音だっていう。
渡辺:じゃあこれからは三線も増えそうじゃないですか。
宮沢:それがうまく回っていくと三線職人も喜ぶし、なりたい若手も育つと思うんですよ。高価すぎると育ちにくいじゃないですか。それも期待しています。
『RADIO DONUTS』のワンコーナー「CUSTOMLIFE DESIGN YOUR LIFE」では、ゲストのライフスタイルを構築しているルーティンを深堀りする。オンエアは毎週土曜日の9時10分頃から。
過去のゲストのトークは「カスタムライフ」WEBサイトにも掲載されているので、ぜひチェックしてほしい。
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2021年11月27日28時59分まで
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番組情報
- RADIO DONUTS
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毎週土曜8:00-12:00