音楽家の小袋成彬と上白石萌歌が対談。ふたりの出会いや小袋が今ハマっているもの、小袋の3枚目のアルバム『Strides』などを語った。
小袋がリモートで登場したのは、J-WAVEの放送中の番組『#LOVEFAV』(ナビゲーター:上白石萌歌)。音楽やアート、読書が好きな女優・上白石萌歌が、リスナー、ゲスト、そして世の中の人がLOVEなものやFAVORITEなものをお届けしている。ここでは10月23日(土)のオンエアをテキストで紹介する。
上白石は小袋について、すごく尊敬しているのにお友だちみたいな存在と表現。そんなふたりの出会いは、上白石が高校生のときだった。
上白石:私は制服を着て『ナラタージュ』のレコーディングをしました。
小袋:制服でスタジオに来てたもんね。
上白石:そう考えるとすごいですよね。
小袋:結構ヤバいよね(笑)。
上白石:レコーディングする前に歌を聴いてもらったりしました。スタンドマイクがスタジオにあって、うしろに小袋さんたちがいて。
小袋:それで(上白石)萌歌ちゃんが歌う。
上白石:初めて小袋さんに会ったときは圧倒的カリスマオーラが全身から出てたから緊張しちゃったのを覚えています。
当時の上白石の印象について小袋は「落ち着いているな」と感じたという。
小袋:今とあんまり変わらないんじゃない? 今いくつ?
上白石:21歳です。
小袋:どうなの、楽しい?
上白石:楽しいです。小袋さんとはなかなか顔を合わせていないですけど、なんだかんだ連絡はずっと取っていて。
小袋:くだらないLINEスタンプと動画ばっかり送られて。俺はだいたい新しいスタンプを仕入れたら萌歌ちゃんにとりあえず爆撃して、「これウケないんだ」とか試してる(笑)。
上白石:小袋さんってスタンプソムリエですよね。ヘンなスタンプばっかり(笑)。
小袋:ヘンなって言うなよ、めちゃめちゃ俺は気に入ってんだよ(笑)。
上白石:なんでボディビルなんですか?
小袋:そもそも体を鍛えるのが好きだから。高校のときから筋トレやってたし。
上白石:そうなんだ。
小袋:でもやったりやらなかったり。最近はちょっと暇だから体鍛えるかってことで体の鍛え方とかどんなサプリがいいかとか調べてたの。そしたらYouTubeがマッチョで埋まってきて、だんだん過激になっていって今ボディビルまでたどり着いちゃって。すっかりハマっちゃったよ。
上白石:特に誰が好きとかありますか?
小袋:ショーン・クラリダとかウィリアム・ボナックとか、絶対わからないだろうけど。
上白石:わかんないですね。
小袋:10月にボディビルの大きい大会がラスベガスであったのよ。それのチケットを購入して、オンラインで生視聴してたからね。
ボディビルの大会を観て小袋は「この人たちは何をしているんだろう」と思ったそうだ。
小袋:人間の魅力って内面とか優しさとか、友だちといい関係を築けてるかとかでしょう。そんなものを一切取っ払って筋肉の見た目だけで優劣を決めるっていう、その世界を知りたいオタク的精神をくすぐられて観ちゃうんだよね。俺とは違う価値観を持ってるってことにすごく興奮するわけよ。
上白石:なるほど。実際に会ったことは?
小袋:ジム行ってたときにめちゃめちゃ鍛えている人には何人かあったことがあって、その価値観で動いている社会が好き。ただそれだけ。
上白石:あそこまで自分の体と向き合うと価値観が変わりそうですよね。音楽も自分と向き合うことなのかなって思うと、筋トレとちょっと似ているかもしれないですよね。よりよく調整していく感じとか。
小袋:そうかもしれない。
上白石:一足先に小袋さんからこの曲を送ってもらって、なんてカッコいいんだってゾクゾクしました。小袋さんの曲で日本語の歌詞って珍しいなって思いました。
小袋:歌いたくなるような感じにしたね。口ずさみたくなるような日本語の並び。
上白石:小袋さんに提供してもらう曲のなかでも思うんですけど、すごく舌触りがいいというか。言葉を言いたくなる。繰り返すフレーズがたくさんあったり、『ダリア』は何回もサビを繰り返すし、すごくそぎ落とされたワードが並んでいる感じがすごく好きだなって思います。
小袋:ありがとう。うれしい。
上白石:さて『Strides』はどんなアルバムですか?
小袋:友だちとか好きな人とか、車のデートとかで聴いてほしいね。そういうアルバム。「Strides」って歩幅を合わせましょう、みたいな話だから。
上白石:小袋さんに「インスト曲って聴き方がわからない」って話をしたら「音楽は空気を震わせていくものだから」って言っていて、なるほどなって思いました。耳で聴くのもいいけどスピーカーから流して空気を伝って自分のなかに入っていくものをこのアルバムで(感じました)。
小袋:何にもないところで人の感情を空気の波で変えてしまうっていう。ほぼマジシャン。その波の形を意識するんだよね。たとえばヒップホップとかだと波が単純だからわかりやすくてノレるんだけど、「そういう波できたか!」みたいな、うまく言葉にできないんだけど、とにかく空気をうまく操ることを意識してるんだよね。どう聴こえるかっていうよりは、どう空気を振るわせて体感させるかというのがミュージシャンの本質だと思うんだよね。
『Strides』を全曲聴いた上白石は意外な感想を口にする。
上白石:小袋さんって乙女みたいな心もすごくもっているなって思う。初恋とか初めての感情に出会うときにすごく揺らいじゃう気持ちとか、そういう言葉の選び方とかサウンドが素敵だなって思いました。
小袋:ありがとう。萌歌ちゃんからもいろいろインスパイアを受けて、いろんな感性をもらってるから。
上白石:本当? うれしいです。
10月27日(水)には、小袋のセカンドアルバム『Piercing』のアナログ盤がリリースされる。
小袋成彬の最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
J-WAVEで放送中の『#LOVEFAV』では、上白石萌歌やリスナー、ゲスト、そして世の中の人がLOVEなものやFAVORITEなものをお届け。放送は毎週土曜日22時から。
小袋がリモートで登場したのは、J-WAVEの放送中の番組『#LOVEFAV』(ナビゲーター:上白石萌歌)。音楽やアート、読書が好きな女優・上白石萌歌が、リスナー、ゲスト、そして世の中の人がLOVEなものやFAVORITEなものをお届けしている。ここでは10月23日(土)のオンエアをテキストで紹介する。
制服でレコーディングスタジオに来ていた上白石
小袋は2018年にアルバム『分離派の夏』でソロアーティストとしてメジャーデビュー。2019年からロンドンに在住。宇多田ヒカルやDAOKOの楽曲をはじめ、アーティストのプロデューサーとしても活躍し、上白石萌歌による音楽プロジェクト・adieuには『ナラタージュ』の編曲、『天気』、『花は揺れる』、『ダリア』などの楽曲提供を行っている。上白石は小袋について、すごく尊敬しているのにお友だちみたいな存在と表現。そんなふたりの出会いは、上白石が高校生のときだった。
上白石:私は制服を着て『ナラタージュ』のレコーディングをしました。
小袋:制服でスタジオに来てたもんね。
上白石:そう考えるとすごいですよね。
小袋:結構ヤバいよね(笑)。
上白石:レコーディングする前に歌を聴いてもらったりしました。スタンドマイクがスタジオにあって、うしろに小袋さんたちがいて。
小袋:それで(上白石)萌歌ちゃんが歌う。
上白石:初めて小袋さんに会ったときは圧倒的カリスマオーラが全身から出てたから緊張しちゃったのを覚えています。
当時の上白石の印象について小袋は「落ち着いているな」と感じたという。
小袋:今とあんまり変わらないんじゃない? 今いくつ?
上白石:21歳です。
小袋:どうなの、楽しい?
上白石:楽しいです。小袋さんとはなかなか顔を合わせていないですけど、なんだかんだ連絡はずっと取っていて。
小袋:くだらないLINEスタンプと動画ばっかり送られて。俺はだいたい新しいスタンプを仕入れたら萌歌ちゃんにとりあえず爆撃して、「これウケないんだ」とか試してる(笑)。
上白石:小袋さんってスタンプソムリエですよね。ヘンなスタンプばっかり(笑)。
小袋:ヘンなって言うなよ、めちゃめちゃ俺は気に入ってんだよ(笑)。
オタク的精神をくすぐられて観ちゃう
続いてLOVEなものやFAVORITEなモノを訊くと、小袋は「ボディビル」と答えた。上白石:なんでボディビルなんですか?
小袋:そもそも体を鍛えるのが好きだから。高校のときから筋トレやってたし。
上白石:そうなんだ。
小袋:でもやったりやらなかったり。最近はちょっと暇だから体鍛えるかってことで体の鍛え方とかどんなサプリがいいかとか調べてたの。そしたらYouTubeがマッチョで埋まってきて、だんだん過激になっていって今ボディビルまでたどり着いちゃって。すっかりハマっちゃったよ。
上白石:特に誰が好きとかありますか?
小袋:ショーン・クラリダとかウィリアム・ボナックとか、絶対わからないだろうけど。
上白石:わかんないですね。
小袋:10月にボディビルの大きい大会がラスベガスであったのよ。それのチケットを購入して、オンラインで生視聴してたからね。
ボディビルの大会を観て小袋は「この人たちは何をしているんだろう」と思ったそうだ。
小袋:人間の魅力って内面とか優しさとか、友だちといい関係を築けてるかとかでしょう。そんなものを一切取っ払って筋肉の見た目だけで優劣を決めるっていう、その世界を知りたいオタク的精神をくすぐられて観ちゃうんだよね。俺とは違う価値観を持ってるってことにすごく興奮するわけよ。
上白石:なるほど。実際に会ったことは?
小袋:ジム行ってたときにめちゃめちゃ鍛えている人には何人かあったことがあって、その価値観で動いている社会が好き。ただそれだけ。
上白石:あそこまで自分の体と向き合うと価値観が変わりそうですよね。音楽も自分と向き合うことなのかなって思うと、筋トレとちょっと似ているかもしれないですよね。よりよく調整していく感じとか。
小袋:そうかもしれない。
口ずさみたくなる日本語の並びを意識
10月13日に小袋は3枚目のアルバム『Strides』を配信リリース。番組では収録曲『Butter』をオンエアした。上白石:一足先に小袋さんからこの曲を送ってもらって、なんてカッコいいんだってゾクゾクしました。小袋さんの曲で日本語の歌詞って珍しいなって思いました。
小袋:歌いたくなるような感じにしたね。口ずさみたくなるような日本語の並び。
上白石:小袋さんに提供してもらう曲のなかでも思うんですけど、すごく舌触りがいいというか。言葉を言いたくなる。繰り返すフレーズがたくさんあったり、『ダリア』は何回もサビを繰り返すし、すごくそぎ落とされたワードが並んでいる感じがすごく好きだなって思います。
小袋:ありがとう。うれしい。
上白石:さて『Strides』はどんなアルバムですか?
小袋:友だちとか好きな人とか、車のデートとかで聴いてほしいね。そういうアルバム。「Strides」って歩幅を合わせましょう、みたいな話だから。
上白石:小袋さんに「インスト曲って聴き方がわからない」って話をしたら「音楽は空気を震わせていくものだから」って言っていて、なるほどなって思いました。耳で聴くのもいいけどスピーカーから流して空気を伝って自分のなかに入っていくものをこのアルバムで(感じました)。
小袋:何にもないところで人の感情を空気の波で変えてしまうっていう。ほぼマジシャン。その波の形を意識するんだよね。たとえばヒップホップとかだと波が単純だからわかりやすくてノレるんだけど、「そういう波できたか!」みたいな、うまく言葉にできないんだけど、とにかく空気をうまく操ることを意識してるんだよね。どう聴こえるかっていうよりは、どう空気を振るわせて体感させるかというのがミュージシャンの本質だと思うんだよね。
『Strides』を全曲聴いた上白石は意外な感想を口にする。
上白石:小袋さんって乙女みたいな心もすごくもっているなって思う。初恋とか初めての感情に出会うときにすごく揺らいじゃう気持ちとか、そういう言葉の選び方とかサウンドが素敵だなって思いました。
小袋:ありがとう。萌歌ちゃんからもいろいろインスパイアを受けて、いろんな感性をもらってるから。
上白石:本当? うれしいです。
10月27日(水)には、小袋のセカンドアルバム『Piercing』のアナログ盤がリリースされる。
小袋成彬の最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
J-WAVEで放送中の『#LOVEFAV』では、上白石萌歌やリスナー、ゲスト、そして世の中の人がLOVEなものやFAVORITEなものをお届け。放送は毎週土曜日22時から。
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