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フジファブリック・志村正彦は「凛とした目をして」 山内総一郎が出会いを語る

フジファブリック・志村正彦は「凛とした目をして」 山内総一郎が出会いを語る

フジファブリックの山内総一郎が10月2日(土)、衝撃を受けたギターとの出会いや、志村正彦との初対面などフジファブリックの思い出を語った。

山内が登場したのは、J-WAVE発の一大音楽祭「ギタージャンボリー」と連動した、音楽の原点と魅力を再認識する新番組『TOKYO GUITAR JAMBOREE EXTRA』。毎年、両国国技館にて開催している「ギタージャンボリー」の出演者がマンスリーでナビゲーターを担当。10月のマンスリーナビゲーターはフジファブリックの山内総一郎が担当する。

友人になり家族になっていった

フジファブリックは2000年に志村正彦を中心に結成。山内は2003年からサポートメンバーとして参加し、2004年に正式加入した。そして同年4月にシングル『桜の季節』にてメジャーデビュー。

山内:僕にとって最初、バンドとは闘いの場でもありました。音楽でちゃんと生活していきたいという気持ちもあったし、いい音楽を残していきたいというのもあったので、闘う集団みたいなところもあって。デビューして20年近くなっても闘い続けているのですが、友人として仲良くなり、今やいよいよ家族だなと思っています。

フジファブリックは2009年に志村が急逝。そこからギタリストの山内がボーカル・ギターを担当することになり今に至る。

山内:バンドは音楽を作る以外にもいろんな苦難に立ち向かったり、いろんな喜びを共有することによっていよいよ家族になるんだなって2021年に知ることができました。昨今なかなかライブがやりにくい時期ではありますが、コロナ禍であってもフジファブリックは「早く一緒にお酒が飲みたいね」とか言いながら、リモート会議をしたり曲作りをしたり、そんなことを変わらず続けています。

フジファブリックは3月にアルバム『I Love You』をリリース。その後、全国ツアー「フジファブリックLIVE TOUR 2021“I Love You”」を開催した。

「LOVE YOU / SHINY DAYS」Official live clip

フジファブリックの『若者のすべて』が2022年度の音楽の教科書に掲載されることが発表された。

フジファブリック (Fujifabric) - 若者のすべて(Wakamono No Subete)

山内:おもに高校1年生が使う音楽の教科書に掲載されるということで、幅広い世代に聴いていただけることが本当に誇らしいことですし、今まで応援してくれているみなさんにとっても誇りに思ってもらえるようなニュースだなと思います。これを知ったときに、音楽室で先生と生徒がこの曲について音を発したり何かが語られたりする姿が想像できて、すごく胸が熱くなりました。作詞作曲した志村くんも本当に喜んでいるんじゃないかなと思います。

また、フジファブリックがNHK『みんなのうた』に書き下ろした新曲『音の庭』が10月〜11月に放送されることが決定した。

「本当に衝撃が走った」ギターとの出会い

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番組では、山内がこれまでの音楽遍歴を語る場面も。山内は子どもの頃「世の中が全てグレーがかったような感じ」とたとえるほど何にも興味を持てなかったという。しかしサッカーと出会って突然、色味を帯びて今までとは違う人生が始まったと当時を振り返る。

山内:でも中学生になると年頃ですから、いろんな誘惑がありますよね。それに脇目も振らずサッカーにのめり込めたらよかったんですけど、高校にあがる少し前になると、ひとり暮らしをしている友だちの家に行って夜な夜な漫画を読んだり、セクシーなビデオを見たり、バスフィッシングをしたり。そういうことをしていたら将来サッカー選手になりたかったはずなのに、その日その日で情熱をあちこちに注いでいたらよくわからなくなって、サッカーへの情熱は明らかに薄れていきました。

その頃、山内はギターと出会う。趣味でバンドをやるほど大の音楽好きだった山内の父のアコースティックギターを弾いたことがきっかけだった。

山内:Gのコードを弾いたときに本当に衝撃が走って、今まで散漫だった気持ちがすっと一本筋が通るような、「これで生きていこう」と。よく言う「稲妻に撃たれた」みたいな経験だと思うんですけど、それまで逃げていたことに立ち向かっていこうというような気持ちにさせてくれました。

高校へ入学した山内は、入学直後にサッカー部を退部し、ギターに専念することを決意した。

大阪府茨木市出身の山内は高校卒業後、レコーディングなどの仕事で東京を訪れることも多く、そういった仕事の知り合いから「ギタリストを探しているバンドがいる」と相談された。それがフジファブリックだった。

山内:フジファブリックのライブを観に行って。ボーカルの志村くんはとにかく目がきれいでした。僕もライブを観ているときに吸い込まれそうになるくらい凛とした目をしていて、そこから放たれる音楽がすごく魅力的でした。そのサイドを固めるベースの加藤(慎一)さん、キーボードのダイちゃん(金澤ダイスケ)の個性というか。大阪にいたときにはああいうバンドは観たことがなくて、みんなの個性がぶつかり合うわけではなく、それが調和になっているというか。誰も遠慮しないプレイがアンサンブルを生んでるのがカッコよくて、レッド・ツェッペリンみたいだなって思いました。

ライブを観終わった山内は志村に「バランスがすごくいいから、ギター必要かな?」と問いかけたという。

山内:そうしたら志村くんは「いや、いるんです」って強気な発言だったので、一度入ってみようと。みんなそれぞれのメロディーを奏でていくなかでひとつの音楽になるというレッド・ツェッペリン的ななかに僕も入って、今のフジファブリックのサウンドが2004年、2005年くらいにどんどん育まれていった感じがしますね。

「ギタージャンボリー」は弾き語りで幸せを感じる瞬間

番組後半では山内が「ギタージャンボリー」の思い出を語る場面もあった。
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山内総一郎/フジファブリック(Photo by 上飯坂一)

【写真】山内総一郎(フジファブリック)、氣志團カバーで会場が歓喜

コロナ禍以前は、出演者みんなが大部屋の楽屋を使っていたそうで、その時間がすごく印象的だったと言う。

山内:集中して準備をする人もいれば、ずっと弁当を食べている人もいたり、それぞれの姿を見るのがすごく楽しくて。いろんなアーティストの楽屋での過ごし方の違いが一目瞭然で、そういうところも「ギタージャンボリーの醍醐味だなと思います。

山内はその後の打ち上げも壮絶だったと笑い、「そういうところも『ギタージャンボリー』の思い出でもある」と当時を振り返り、「今の状況が落ち着いて安心できるようになったら、みんなでお酒を酌み交わしたい」と語った。

山内は弾き語りをするときに大事にしていることについて、「表現としてはすごくシンプルなかたちなので、音楽や言葉を率直に届けることが大事」と語る。

山内:「ギタージャンボリー」で心掛けていることは、「土俵ステージに上がっているときにいちばん緊張するぞ、気を付けろよ」です。楽屋ではよくしていただいている先輩だったりスタッフの方々だったりとか、めちゃくちゃリラックスできる雰囲気がそこにはあるんですけども、やっぱり両国国技館の360度(見渡せる)土俵ステージは緊張します。でも弾き語りをやっていていちばん幸せを感じる瞬間ですね。

番組では、山内が思い出の一曲として昨年の「ギタージャンボリー」で披露した氣志團の『One Night Carnival』のカバーをオンエアした。

【radikoで聴く】https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20211002164529(2021年10月9日28時59分まで)

フジファブリックは10月25日(月)、Zepp Hanedaで山内総一郎の40歳の生誕を祝う「フジファブリック山内総一郎生誕祭~October Ensemble~」を開催。その他の情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。

『TOKYO GUITAR JAMBOREE EXTRA』はさまざまなゲストを迎えて、お互いの音楽人生の系譜を辿りながら、時には生演奏を交えつつ展開する貴重なトーク&ライブセッションを放送。ラジオの中の追加公演=エクストラを発信していく。放送は土曜16時から。

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2021年10月9日28時59分まで

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番組情報
TOKYO GUITAR JAMBOREE EXTRA
毎週土曜
16:00-16:54