小袋成彬とYaffleが「コライト」を解説! 海外での楽曲制作でびっくりしたことは?

J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。番組では、毎回ゲストを迎え、様々なテーマを掘り下げていく。

4月1日(木)のオンエアでは、「コライトってどうやるの?」をテーマにお届け。ゲストに、Yaffleと小袋成彬が登場。

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コライトのメリット・デメリット

現在TOKYOの音楽シーンを語る上で、欠かせない存在である小袋成彬とYaffle。番組では、そんな二人に「コライトとは? そして何をやろうとしているのか?」、話を訊いた。

あっこゴリラ:早速ですが、コライトって何ですか?
Yaffle:一緒に曲を作ることをカッコつけて言うことですね(笑)。アーティストやプロデューサーが一同に集まり、スタジオで直接アイデアを交換しながら作曲を行うような感じです。
あっこゴリラ:このコライトのメリット、デメリットってありますか?
Yaffle:いろんな人が集まって同じものを作るので、違うアイデアが出てきたりするおもしろさがあって、自分の幅が広がるっていうのがメリットかな。デメリットは、自分の予想したようにはならないこと。あとめちゃくちゃやりすぎるとだんだんできあいになってくるっていうのも、各々の意識の問題ですけどありますね(笑)。
小袋:まあ、合う人、合わない人がいるからね。
Yaffle:そうそう。人が多すぎると安パイになるっていうのはあるあるですね。
あっこゴリラ:なるほど~。
小袋:持ち回りが違うんですよ。トップライナーとかビートメイカーとか、そういういろんな専門性に特化した人たちが集まって作るのが楽しいよね。
あっこゴリラ:お二人は、こういうスタイルでの楽曲制作はよくされるんですか?
Yaffle:そうですね。Tokyo Recordings(二人が主宰するクリエイティブ・カンパニー。現TOKA。)を始めたばっかりのときは、僕がビートメイカーで、小袋くんがトップライナーみたいな感じでよく提供とかしてましたね。

制作現場の人間としてYaffleが感じている危機感

そんなTOKAは、5月25日(火)から5月27日(木)までの3日間、東京都内の音楽スタジオで「TOKA Songwriting Camp」を行う。TOKAやフジパシフィックミュージックと繋がりのあるアーティストやプロデューサーたちが参加し、様々な組み合わせでコライトを行うソングライティング・キャンプとなる。こちらについて訊いてみた。

小袋:まあ、“みんなで曲作ろう!”って話です。でも、あんまりそういうのって日本で見かけたことなくて。HIPHOPとかではよくあるかもしれないけど、それをもっとポップスの方まで広げてみようって感じかな。
あっこゴリラ:めっちゃいいですね。
小袋:日本のJ-POPって、伝統的にアコギで作ったり、ピアノで弾き語りして自分で完結することが多いんだけど、そうじゃなくて本当にいろんな人が集まって曲を作ってみようっていうキャンプです。キャンプっていうかセッションみたいな。
Yaffle:いろんな組を組むんだけど、2~3人くらいの小さなユニットを臨時で組んで、そのユニットも同じ場所に集まってみんな各々曲を書くみたいなことが、キャンプっぽいからそう言ったりするのかな。
あっこゴリラ:すごい楽しそう! 確かにJ-POPではなかなか聞かないですよね。やっぱりきっかけは、国内でこういう現場が少ないってところに危機感を感じてるからなんですか?
Yaffle:めちゃめちゃ感じてる。アイドル文化がすごく流行ったせいか、曲を作って誰かにアレンジ任せて終わり、みたいなのがやっぱりけっこう多くて。
あっこゴリラ:うんうん。
Yaffle:みんなでオープンマインドになって一つの部屋で音楽を作るっていう場所がすごく少なくなってて。本来はそうあるべきだなって思うところもあるし、やっぱり音楽において制作が一番だから、そういうカルチャーをどうにか作り上げたいなって思ってるんだよね。

ここで、ワールドヒット中のジャスティン・ビーバーのニューアルバム『ジャスティス』から『Peaches』をオンエアした。この曲の作曲にも、歌っているジャスティン・ビーバー、ダニエル・シーザー、ギヴオンのほかに4人の名前がクレジットされている。

小袋が海外のコライトでびっくりしたこと

続いて、ゲストの二人に海外で得たコライトの経験を訊いた。

あっこゴリラ:海外でのコライトでびっくりしたことってありますか?
小袋:イギリスで、とあるバンドの作曲セッションに三日間くらい行ったんですけど、そのセッションは一ヶ月続けてたらしく、スタジオに毎日違う人がきて驚いた。
あっこゴリラ:え~!
小袋:で、俺が行ったときは3人くらいトップライナーの人が来てて、ちょっとしたデモにみんなで歌い出したの、入った瞬間(笑)。それで1時間くらいで曲が出来ちゃって、“このバイブス、やべ~!”って思って。それが一番びっくりしたかな。
あっこゴリラ:それって、バンドメンバーじゃない人ですよね?
小袋:そう、バンドメンバーじゃない人たちが毎日来るの。で、出来た曲をバンドが演奏するっていう。あはははは。でも、いい曲出来れば別にいいじゃんってそのとき思ったんだよね。
あっこゴリラ:間違いない。
小袋:しかも歌った後、バンドの人たちが「今日のはちょっと微妙だったね」とか言ってた(笑)。
あっこゴリラ:あはははは! でも、毎日違う人が来てっていうのが衝撃なんだけど。
小袋:なんかそういう日もあるんだ、俺だけじゃないんだって刺激になった。
あっこゴリラ:Yaffleさんはどうですか?
Yaffle:いまの話じゃないけど、無自覚なことに対する信頼性の問題だと思うんですよね。要はこもりがちな人って、パッとできたものよりも長い時間考えたものの方が高尚なアイデアだっていう前提があって、フラッシュアイデアに対して不信感があると思うんです。でもたぶんパッと出たものって無自覚に自分がやってるもので、それは今までのキャリアの総括したものでもあるわけだから、そこをおもしろがれるのがいいのかもしれない。
あっこゴリラ:確かにその感覚は、国民性っていうのもあるかもしれないですよね。
小袋:やっぱりそこはオープンマインドだよね。マジで刺激受ける!

最後にゲストの二人に、若い世代で活躍するミュージシャンに、音楽制作において伝えたいことを訊いた。

小袋:Be yourself! Believe yourself!
あっこゴリラ:間違いない!
小袋:マジでそれ以外ないな~。あっ、でも一個。DAWは触れた方がいい。
Yaffle:音楽ソフトのね。
小袋:本当にちょっとでもいいから触れたほうが絶対に幅は広がる。DAWに触れれば、言語一つゲットみたいなものだから。これはガチアドバイス(笑)。

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