石原さとみ、刺激を求めた20代。そして変化した「幸せ」の形とは

俳優・石原さとみが、J-WAVEで、最近始めたことや人生の転機、30代で変わった価値観を語った。

石原が登場したのは、J-WAVEで7月23日(金・祝)に放送した特別番組『J-WAVE HOLIDAY SPECIAL Santen Hyalein (R) S presents MOISTURIZE YOUR LIFE』(ナビゲーター:クリス智子)。各界で活躍するさまざまなゲストを迎え、家時間、暮らし、ライフタイムを充実させ、「潤いある毎日」を送る秘訣をお届けした。ここではその一部をテキストで紹介する。

「1ヶ月の献立表」を作って、感動するほどの気づきを得た

ドラマや舞台、CMなどさまざまな場で活躍する石原。多忙なスケジュールの中でも、自分を潤わせることを心がけているという。

石原:自分で自分を鼓舞するしかないので。自分でメンテナンスだったり、心を鼓舞したり、口に入るものを考えて食べてみたり飲んでみたり、すごく考えて生活していますね。

大の料理好きである石原。最近、始めたことがあるという。

石原:食べること、料理をすることって、本当に“生活”ですよね。今までは仕事をするのがベースで、それ以外の時間に料理をしてストレス発散をしていたんですけど、今はごはんを食べたり料理を作ったりすることが生活のいちばんの部分になっています。一日三食作っていると、とてつもない種類を作ることになるじゃないですか。
クリス:そうですよね。
石原:それを考えている時間が大変で、ずっとレシピのアプリを見てるんです。でも、これはきりがないと思って家族と話して1カ月の献立表を作りました。
クリス:ええ!
石原:すごくおすすめです。それで(献立を考える)ストレスがなくなって。昨日はフレンチトーストとか、夜はチャーハンとか、朝昼兼用にしようとか。今まではその瞬間に考えないといけなかったところが、明日はこれだからと前日に用意したり、八百屋さんに行っても買わなくてすむものがたくさんできたり、余分なものを買わなくなったりして、冷蔵庫の中がすごくすっきりしたんです。それですごく感動して。冷蔵庫の使い方って、人生を表すような気がして(笑)。
クリス:大発見ですね。
石原:それが楽しすぎて。冷蔵庫がすっきりすると気持ちもすっきりするし、自分の消費量がわかるって、自分のことがわかるってことなので。自分の生き方がわかると思うと、なんて生きやすくなるんだろうって。

1カ月の献立表には1日だけ、今まで食べたことのない料理にチャレンジする「チャレンジデー」を設けているそうで、7月はロシア料理に挑むという。

石原:ロシア料理ってなんだろうと思って、自分で発したこともない料理名をまず検索するところから始めてみると、自分の知らないことをたくさん知ることができて楽しいです。
クリス:すごくいいですね。自分の好きなことに自分でスパイスを入れている感じが。
石原:無意識に続けられることって本当に好きだと思うんですけど、好きなものでも嫌いになりたくないので、なるべくストレスをなくす方法や、もっと楽しめる方法、飽きがこない方法が料理にあるとわかって、それがすごく発見でした。

20代に休暇でNYへ。「選ぶ」ことが自信になった

10代後半から活躍してきた石原は、20代で経験したニューヨーク滞在が人生の転機だったと振り返る。

石原:20代前半のときに、レギュラーであったラジオや雑誌、CMなどのお仕事を一気に卒業して。レギュラーが一切なくなるって自分は求められてないとか必要とされていないとか、思春期だったこともあり、ちょっと不安定になり、初めて挫折みたいなものを経験して自暴自棄になった時期もあったんです。そのときにマネージャーさんが変わって、「さとみは休んだほうがいい」と言われて。

それまでデビューしてから8年間ほとんど休んだことがなかった石原は「休暇がもらえたら海外に行きたい」と伝えた。すると、マネージャーは石原に1カ月間の休暇を調整した。

石原:留学というか、ほとんど遊びなんですけど、初めてマネージャーもいない、親もいない中で、ほとんど行ったことがないニューヨークに自分でチケットを取って、ホームステイ先も自分で決めて。
クリス:なぜニューヨークだったんですか?
石原:刺激的だけど、車がなくても動けて、エンタメもしっかり知りたいし、片言の英語でも伝わるところもあるので、ニューヨークを選びました。そこで、1カ月近く過ごして、初めて自分で行きたいところに行くとか、自分で選んだものを食べるとか、自分で選んだネイルをするとか、自分で初めていろんなメイクをしてみるとか、自分で好きな服を選んで買ってみるとか。初めてチョイスして経験して挑戦して、そこから自分の好きなものがわかってきて、好きなものがわかるとその好きなものを褒めてくれる人に対して素直に「ありがとう」って言える自分がいて、好きなものを否定されたとしても自分が好きだからいいやってなぜか強くなれて。そこから自信が初めて芽生えて。
クリス:自分が変わった、すごく必要な時間だったんでしょうね。
石原:そこで世界は広いと知りました。だけど、その上で自分は日本という場所を選んで、ここで俳優業を続けていきたいとあらためて思うことができて。自分の中の世界しか知らなかったのが、もっと広いってことも知れて、その中であえてここを選んでるってことを知った瞬間に、責任感というか自覚が芽生えて、そこからいろんなことが楽しくなりました。

「近くにある幸せ」に目を向けるようになった

20代の頃は刺激を求めて休日を過ごすことが多かったと話す石原は、「瞬間的な幸せをたくさん求めていてずっと忙しなかった」と語る。

石原:映画を観に行くのも仕事につながるものしか観ていないとか、海外に行くのも自分にとってプラスになるようにって。ネタになるようなものを探したり、仕事をいちばんに考えて、そこに対しての休日の過ごし方をしていたから、休めている感じがしなくて。30歳を超えて、1年前くらいからは、こういう状況だからこそだと思うんですけど、散歩がすごく好きになって、ずっと近所を散歩しています。でも私は歩くのが嫌いだったんです(笑)。スニーカーを持ってなかったんですけど、スニーカーを買って家族と歩いているときに、これだけ長く住んでいる街なのに知らないところがいっぱいあって。

石原は「今までは、遠くに行かないと刺激や幸せをもらえないとなぜか思っていて、いちばん近くにある幸せを発見できていなかった」と気づきを語る。

石原:最近は、より人の大切さに気づいて、昔よりも大切な人の大切な人を、大切にしていきたいと思うようになりました。前に親友のおばあちゃんが亡くなったんですけど、その前にお見舞いに行っていて。初めて会っていろんな話をして、たくさんコミュニケーションを取りました。その数週間後にお亡くなりになったんですけど、親友とおばあちゃんの話になったときに、私は親友のおばあちゃんの笑顔も声も香りも振る舞いも全部知っているからこそ、「おばあちゃんはいなくなっちゃったけど、私の心の中で生きているからね」って言ったときに親友がすごく喜んでくれて。それで、大切な人の大切な人を大切にする方法ってこういうことかもしれないと思いました。だからなるべく親友の大切な人にはちゃんと会って話したり、コミュニケーションを取ったりしていきたいなと、もっと思いました。
クリス:そういう気持ちでいたら、いろいろなことがつながって、もっと穏やかに生きられるのかもしれないですね。
石原:もっと親友のことを理解できて、もっと好きになれたので。逆に言うと、これだけ近くにいるのに伸びしろがあるくらい愛って深いんだなと思いました。

石原さとみは映画『そして、バトンは渡された』(2021年10月29日公開)に出演。初の母親役を演じる。その他の最新情報は、公式サイトまで。
radikoで聴く
2021年7月30日28時59分まで

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番組情報
J-WAVE HOLIDAY SPECIAL Santen Hyalein (R) S presents MOISTURIZE YOUR LIFE
7月23日(金)
9:00-17:55

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