どんな体でも、美しい。写真家・花盛友里が撮る「一般女性のヌード」の世界

新しい「当たり前」を実践しながら、豊かな暮らしを実現するためのヒントやアイデアをシェアするJ-WAVEのスペシャルプログラム『J-WAVE HOLIDAY SPECIAL MOVIN' ON!!』(ナビゲーター:nico、武藤千春)が、2月11日(木)にオンエアされた。

場所を問わず仕事ができる今の時代、「どこでもできるラジオ放送」を実践するため、ウェブマガジン『HERO X(ヒーローエックス)』編集長・杉原行里とともにJ-WAVE MOBILE STATION(放送できる装置を掲載した車両)が出動した。車中泊予約サービスなどを展開する「Carstay」とのコラボレーション企画。

ここでは、写真家・花盛友里が、自身が撮影するヌード写真について語った部分を紹介する。「ありのままの姿が美しい」と伝える写真は、どのようにできあがるのか。

一般女性を「先着順」で撮影するヌード写真集が話題に

花盛は、2009年からフリーランスの写真家として活動。女性誌、音楽誌、広告などで主にポートレートの撮影を手がけている。写真集に『脱いでみた。』『寝起き女子 - girls in the morning』『寝起き男子 - boys in the morning』がある。2020年6月には『NUIDEMITA - 脱いでみた。2』(すべてワニブックス)が話題となり、多くの女性が花盛によるヌード写真の撮影を希望しているという。

武藤:どういった写真集なのでしょうか?
花盛:一般の女の子を募集して先着で撮影しているヌード写真集です。
武藤:ヌード写真を撮るようになったきっかけを聞かせてください。
花盛:もともとは、「モデルさんにかわいい下着を着せて写真を撮ると、なんかいいかな」ぐらいの軽い気持ちだったんです。だけど、撮影をするなかで「みんなコンプレックスを抱えているんだな」ってことを知れたんですね。なので、一般の子で撮影をしたほうが伝わるんじゃないかなと思ってはじめました。

事前に選考せず、先着順にこだわるのはなぜだろうか。

花盛:選考だったら「誰でもきれいなんだよ」ってことが言えないなって思ったんです。「どんな体でもどんな人でも絶対にきれいなところがあるよ」ってことが言いたいので、先着制にしました。(自分が)相手の体型も顔も知らない状態から撮影するのは、「それでもこんなにきれいでしょう?」ってことをみんなに見てもらいたいからです。
武藤:どんな人も「ありのままが美しいんだよ」ってことですよね。ありのままの姿を撮ることに対しては、どんな思いがありますか?
花盛:今はSNSで写真の加工がすごい時代になっていますよね。自分を隠すのが上手になっていると思うんです。だけど、隠したままだとどんどん生きづらくなるんじゃないかなって思ったんですよ。朝起きたばかりの自分でも「なんかいいかも」って思えるような、ポジティブな気持ちをみんなが持ってくれたらいいなと思って撮影しています。
武藤:SNSを更新するとき「ありのままの自分を知ってもらいたい」って思うんだけど、周りの人たちの写真がきれいだったりすると「きれいにしなきゃ」というスイッチがどうしても入ってしまうんですよね。
nico:加工することがスタンダードになっていくと残念な気持ちになりますか?
花盛:ちょっと残念かな。「そのままでもかわいいのに、なんでこんなにイジっちゃうかな」ってすごく思うんですよ。そういう意思を明確に伝えたいから先着順にこだわっています。

スタジオにて

撮影中に意識していること

被写体が緊張してしまうと、ありのままの姿は撮れない。花盛自身も「私自身、写真を撮られることが嫌いでめっちゃ緊張します」という性格で、だからこそ相手の気持ちがよくわかるそうだ。撮影時は「気づいたら脱いでいて、気づいたら笑いながら撮影が終わっていた」という雰囲気づくりを心がけている。

武藤:それって難しくないですか?
花盛:なんか得意かも(笑)。
nico:子どもに注射を打つような、「痛いよ」って言ったら怖がらせちゃうから、「当たり前なんだよ」と伝えるみたいな。
花盛:注射と似ていますね。注射するのがうまい先生っているじゃないですか。いつの間にか終わってたって。そういう感じになるように気をつけています。
武藤:リラックスした空気を作るために重視しているポイントはありますか?
花盛:やっぱり広い空間って緊張するじゃないですか。だから狭い場所で撮ることを大事にしていますね。おうちっぽいところとか。
nico:あとは角とか?
武藤:角、安心しますよね(笑)。
花盛:たしかに。今度やってみようかな(笑)。

「自分を好きになれました」という手紙がくることも

撮影は相手と会話をしながら進めていく。会話を重ねることで、その人の「自分らしさ」を見出していくそうだ。

nico:相手の素顔って、すぐにわかるものなんですか?
花盛:会って1秒でわかるっていうものではないですね。ずっとしゃべりながら撮影をしているので、その間に「この人はこういう感じで生きてきたんやな」「ここが嫌なところなのかな」とかがわかってきます。見せたくなさそうだなと感じるところは撮らないであげたり、あとに回したり、もしかしたらコンプレックスに感じているかもと思うようなところをそれと言わずに撮って「すごくきれいやで」って見せてあげたりします。
武藤:撮影後、相手の気持ちに変化が生じそうですね。自己肯定感が高まるというか「もっと自分らしく生きていこう」って。
花盛:そうなんです。「自分を好きになれました」というお手紙をもらったりするので、すごく嬉しいです。
nico:素を撮る喜びというものを花盛さんは感じるわけですね。

下着も制作中。今後の展望は?

「ボディポジティブ」という言葉が広まってから、写真を見てくれる人が増えたと花盛。ムーブメントがさらに拡大し、「私ってきれいなのかも、って感じる子たちが増えたらいいなあって思います」と願いを語る。

花盛:そういう子たちに着てもらえるような下着を現在作っています。
武藤:気になります。
花盛:3月から販売がはじまります。
武藤:絶対にチェックします!
nico:今後も写真は撮り続けていくんですよね?
花盛:最終目標は、産まれたときから死ぬときまでを撮れるような写真家になりたいと思っています。そのあいだにヌードが撮りたくなったら、撮りに来てほしいし、そういう場所をいつか作りたいなと思っています。

花盛の活動は公式Instagramまで。
radikoで聴く
2021年2月18日28時59分まで

PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

番組情報
J-WAVE HOLIDAY SPECIAL MOVIN' ON !!
2月11日(木)
9:00-17:55

関連記事