育児や家事に有意義な情報をメインに、暮らしに役立つトピックスをお届けしている、J-WAVEの番組『KURASEEDS』。子育て世代に人気のWEBマガジン「kufura」と連動して、毎週月曜~木曜、5時~6時に放送中だ。
ナビゲーターは自身も子育てに奮闘中の山中タイキ。J-WAVEナビゲーターをはじめとする声の仕事のほか、海外絵本専門店を運営している。リスナーと同じ視点で語る姿勢が支持される山中に、番組を通じて得られる発見や、大人も楽しめる絵本、そして子育てについての考え方を訊いた。
【NAVIGATOR'S VOICE】
環境問題、日本に足りない意識は? 『STEP ONE』ナビゲーターのノイハウス萌菜に訊く
ラジオはリスナーの「居場所」になる。グローバーが心がける、“会話をリラックスして楽しむ”届け方
玄理が語る、「女優がラジオ番組を持つ」ことで生まれるいい作用
ラジオで暮らしのトピックを一つ紹介するとき、通常の番組だと10分くらいのコーナーになりがちですが、『KURASEEDS』は1時間たっぷりとお届けできるのが長所だなと思っています。リスナーのみなさんや専門家と一緒に深掘りすることで、それぞれが日々の暮らしのなかでの“当たり前”がほかの人には新鮮に感じられるんだ、というような発見もあっておもしろいですね。
もうひとつ、チームで番組をお届けする楽しさも感じています。3月まで担当していた番組『ZAPPA』はワンマンで放送していましたが、『KURASEEDS』はスタッフのほかに、共にナビゲーターを務める「kufura」編集長・佐藤明美さんもいるから、自分の考え以外のところからネタが芽生えてくる感覚があるんです。ラジオとWEBマガジンという媒体の違いはあれど佐藤さんは編集のプロなので、考え方や切り口などがすばらしく、とても信頼しています。いいチームで番組に挑めていますね。
――番組のトピックは、山中さんも提案されているんですね。
はい。「暮らし」を衣食住だけではなく仕事など含めた24時間すべてととらえれば、取り上げられるものはたくさんあります。日々の中で、「これを深掘りしたらおもしろいんじゃないかな」と思いついたら、会議のときに「このネタ、どうですか?」と提案しています。
――放送中はインスタライブも配信しています。ほかの番組にはあまり見られない取り組みですよね。
「インスタライブを通じてラジオに初めて触れた」とメッセージをいただくこともあるので、知ってもらうきっかけになっているなと感じます。例えば「トマトを植えた」という話をしたときに、ひたすらその植えたトマトの映像を流したことがあって。トークを映像で補う、新たなラジオの届け方ができているなと感じています。
『ZAPPA』では、リスナーのみなさんからのメッセージを読むことがあまりなかったので、最初は「どれだけ送ってくれるだろう」と不安に思っていたんです。でも、実際にやってみるとトピックによってはすごい量のメッセージが来ることもあってうれしいですね。
――ちなみに、どの回が印象的でしたか。
「ブロッコリー」ですかね。ブロッコリーって食卓でメインになることは少ない食材ですが、「なんとなく好き」という人はけっこういますよね。その「なんとなく好き」な人からたくさんメッセージをいただいて、読み比べると、いろんなこだわりがあると知ったんです。そうやって、ちょっと参加したくなる番組になっているとうれしいなと思います。
僕はJ-WAVEナビゲーターのほかに、リポーターやナレーター、イベントMCなどをしているんですが、仕事は“いただく”ことが多くて、自分から生み出せることが少ないんです。だから、自分で発信できるものをつくれたらいいなとずっと思っていました。そんななかで、たまたま絵本をつくる機会があって。いろんな絵本に触れ、アートの視点で見てもすごく魅力的なものが多いと感じたのですが、そういう絵本が書店に並んでいるのを見かける機会も、専門店も少ない。「ないなら自分でやっちゃおうかな」と始めたのがきっかけでした。
――絵本は子どもに読み聞かせる印象も強いですが、メディアでは“大人も楽しめる”という切り口で紹介されることも多いですね。
そうなんです。特に海外のアーティストの方々はあまり子ども向けと考えずに自分の表現方法で絵を描いて一冊の本にしたりします。絵だけで読み取るというのは、美術館で絵を見ることとあまり変わらないですよね。「美術館で絵を見るのに、絵本の絵は見ないのかな」と疑問に感じたとき、すごく絵本の可能性を感じました。
――おすすめの一冊を挙げるとしたら?
僕が絵本を選ぶとき、基本的にはビジュアル重視なんですよ。自宅でインテリアとして絵を飾るように置いても素敵な作品が好きです。
そういった視点で最近、斬新だなと思ったのは、イギリスのイラストレーター、ダニエル・フロストが描いた『HAIRCUTS OF HACKNEY』。タイトルは「HACKNEY(ハックニー)の髪型・ヘアスタイル」という意味。ハックニーはイギリスの東側のすごくおしゃれな地域で、そこで見かけた面白いヘアスタイルをバリエーション豊かに描いています。それぞれのヘアスタイルにつけられているタイトルがユニークでおもしろいんですよ。
――たしかにインテリアとして置いても、すごく素敵ですね。
そうなんです。本って、四六時中ページをめくっているわけではないですよね。だから棚の上とかに置いておくとインテリアの一つになるような絵本が好きです。価格的にも絵より手に取りやすいので、「自分の部屋に置くとしたら」という観点で探してみると、いい出会いがあるかもしれません。
バランスはあまり考えたことがないですね。僕としては家族って、チームみたいに個々が集まっているという考えなんです。だから子どもには、生まれてすぐのころから「きみはきみだよ」と一人の人間として接していますね。親として子どもを守るという責任はありますが、放任主義的なところもあるんです。全部をしてあげていたら、親がいなくなったときに子どもは困りますよね。一人で生きていけなくなっちゃう。「きみはきみだよ」という関わり合いのなかで強く自然に育って、大人になって独り立ちしてくれたらうれしいなと思っています。
――なるほど。育児をする男性が「イクメン」ともてはやされることについて、「父親も子育てをするのが当たり前なのに、なぜ特別扱いのか?」と疑問視する動きもありますよね。山中さんは育児について、どう考えていますか。
僕はもともと「家のことは奥さんがやって、仕事は僕」という考えが好きではありません。だから、子育ても「奥さんがやるべき」とは思っていないし、そもそも「子育てはこうあるべき」という考えもないんです。子育ては、できるときにできるほうがやればいいと思う。そのほうがお互い楽しいじゃないですか。
南米の民族音楽・フォルクローレのアーティスト、フアン・フェルミン・フェラリスの『Arresei』です。僕が朝や午前中に聴きたいのは、日常生活に溶け込んでくれるような曲。この曲もピアノサウンドと街の音や人の声のサンプリングが合わさったものなんです。それに、テンポも頑張りすぎないぐらいの速さなので、朝の時間を心地よく過ごせるなと思いました。
この曲が入っているアルバム『35mm』も日常をフィルムの写真で切り取ったかのような音楽というコンセプトで作られたそうで、ぴったりだなと思いました。
――普段はどんなところで音楽を発見するんですか?
海外のラジオですかね。海外のラジオをランダムに流して、いい曲を見つけています。あとは、ファーストフード店やショッピングセンターとかに入ったときに流れている曲でいいなと思ったものをShazamしたり。僕はふと出会った音楽が一番いいなと思っているので、『KURASEEDS』でもリスナーのみなさんにそんな体験をしてもらえていたらうれしいです。
(取材・文・撮影=J-WAVE NEWS編集部)
■山中タイキプロフィール
1988年6月16日生まれ、東京都出身。
専門学校卒業後、ニューヨーク州立アルスター校に留学。 ロンドンでは美術学校でイラストレーションを学び、アートを通じたコミュニケーションを体感。
現在は、ラジオナビゲーター・イベントMC・ナレーションのほか、アート関連の仕事も行いながら暮らしを彩る音楽や芸術等を発信。
また、絵本専門店「yack yack books」を立ち上げ、世界中から集めた絵本の紹介や絵本制作も行っている。
ナビゲーターは自身も子育てに奮闘中の山中タイキ。J-WAVEナビゲーターをはじめとする声の仕事のほか、海外絵本専門店を運営している。リスナーと同じ視点で語る姿勢が支持される山中に、番組を通じて得られる発見や、大人も楽しめる絵本、そして子育てについての考え方を訊いた。
【NAVIGATOR'S VOICE】
環境問題、日本に足りない意識は? 『STEP ONE』ナビゲーターのノイハウス萌菜に訊く
ラジオはリスナーの「居場所」になる。グローバーが心がける、“会話をリラックスして楽しむ”届け方
玄理が語る、「女優がラジオ番組を持つ」ことで生まれるいい作用
自分には当然のことも他人には新鮮。暮らしの発見がある番組
――『KURASEEDS』が始まって、数カ月が経ちました。暮らしを豊かにするトピックスと朝時間と豊かに過ごせる選曲で、リスナーの生活にそっと寄り添う番組ですね。山中さんは日々どんな気持ちで声を届けていますか。ラジオで暮らしのトピックを一つ紹介するとき、通常の番組だと10分くらいのコーナーになりがちですが、『KURASEEDS』は1時間たっぷりとお届けできるのが長所だなと思っています。リスナーのみなさんや専門家と一緒に深掘りすることで、それぞれが日々の暮らしのなかでの“当たり前”がほかの人には新鮮に感じられるんだ、というような発見もあっておもしろいですね。
もうひとつ、チームで番組をお届けする楽しさも感じています。3月まで担当していた番組『ZAPPA』はワンマンで放送していましたが、『KURASEEDS』はスタッフのほかに、共にナビゲーターを務める「kufura」編集長・佐藤明美さんもいるから、自分の考え以外のところからネタが芽生えてくる感覚があるんです。ラジオとWEBマガジンという媒体の違いはあれど佐藤さんは編集のプロなので、考え方や切り口などがすばらしく、とても信頼しています。いいチームで番組に挑めていますね。
――番組のトピックは、山中さんも提案されているんですね。
はい。「暮らし」を衣食住だけではなく仕事など含めた24時間すべてととらえれば、取り上げられるものはたくさんあります。日々の中で、「これを深掘りしたらおもしろいんじゃないかな」と思いついたら、会議のときに「このネタ、どうですか?」と提案しています。
――放送中はインスタライブも配信しています。ほかの番組にはあまり見られない取り組みですよね。
「インスタライブを通じてラジオに初めて触れた」とメッセージをいただくこともあるので、知ってもらうきっかけになっているなと感じます。例えば「トマトを植えた」という話をしたときに、ひたすらその植えたトマトの映像を流したことがあって。トークを映像で補う、新たなラジオの届け方ができているなと感じています。
『ZAPPA』では、リスナーのみなさんからのメッセージを読むことがあまりなかったので、最初は「どれだけ送ってくれるだろう」と不安に思っていたんです。でも、実際にやってみるとトピックによってはすごい量のメッセージが来ることもあってうれしいですね。
――ちなみに、どの回が印象的でしたか。
「ブロッコリー」ですかね。ブロッコリーって食卓でメインになることは少ない食材ですが、「なんとなく好き」という人はけっこういますよね。その「なんとなく好き」な人からたくさんメッセージをいただいて、読み比べると、いろんなこだわりがあると知ったんです。そうやって、ちょっと参加したくなる番組になっているとうれしいなと思います。
家に“置く”だけでも素敵な絵本とは
――山中さんは、海外絵本専門店をオンラインで展開したり、イベントに出店したりしていますよね。その取り組みを始められたきっかけは何だったのでしょうか。僕はJ-WAVEナビゲーターのほかに、リポーターやナレーター、イベントMCなどをしているんですが、仕事は“いただく”ことが多くて、自分から生み出せることが少ないんです。だから、自分で発信できるものをつくれたらいいなとずっと思っていました。そんななかで、たまたま絵本をつくる機会があって。いろんな絵本に触れ、アートの視点で見てもすごく魅力的なものが多いと感じたのですが、そういう絵本が書店に並んでいるのを見かける機会も、専門店も少ない。「ないなら自分でやっちゃおうかな」と始めたのがきっかけでした。
――絵本は子どもに読み聞かせる印象も強いですが、メディアでは“大人も楽しめる”という切り口で紹介されることも多いですね。
そうなんです。特に海外のアーティストの方々はあまり子ども向けと考えずに自分の表現方法で絵を描いて一冊の本にしたりします。絵だけで読み取るというのは、美術館で絵を見ることとあまり変わらないですよね。「美術館で絵を見るのに、絵本の絵は見ないのかな」と疑問に感じたとき、すごく絵本の可能性を感じました。
――おすすめの一冊を挙げるとしたら?
僕が絵本を選ぶとき、基本的にはビジュアル重視なんですよ。自宅でインテリアとして絵を飾るように置いても素敵な作品が好きです。
そういった視点で最近、斬新だなと思ったのは、イギリスのイラストレーター、ダニエル・フロストが描いた『HAIRCUTS OF HACKNEY』。タイトルは「HACKNEY(ハックニー)の髪型・ヘアスタイル」という意味。ハックニーはイギリスの東側のすごくおしゃれな地域で、そこで見かけた面白いヘアスタイルをバリエーション豊かに描いています。それぞれのヘアスタイルにつけられているタイトルがユニークでおもしろいんですよ。
そうなんです。本って、四六時中ページをめくっているわけではないですよね。だから棚の上とかに置いておくとインテリアの一つになるような絵本が好きです。価格的にも絵より手に取りやすいので、「自分の部屋に置くとしたら」という観点で探してみると、いい出会いがあるかもしれません。
「家族は個々が集まったチーム」子育てへの考え方
――子育て世代の悩みとして、「仕事との両立が難しい」「自分の好きなことをする時間がない」という声がよく聞かれます。山中さんもお忙しいと思いますが、どうやって生活バランスを取っていますか?バランスはあまり考えたことがないですね。僕としては家族って、チームみたいに個々が集まっているという考えなんです。だから子どもには、生まれてすぐのころから「きみはきみだよ」と一人の人間として接していますね。親として子どもを守るという責任はありますが、放任主義的なところもあるんです。全部をしてあげていたら、親がいなくなったときに子どもは困りますよね。一人で生きていけなくなっちゃう。「きみはきみだよ」という関わり合いのなかで強く自然に育って、大人になって独り立ちしてくれたらうれしいなと思っています。
――なるほど。育児をする男性が「イクメン」ともてはやされることについて、「父親も子育てをするのが当たり前なのに、なぜ特別扱いのか?」と疑問視する動きもありますよね。山中さんは育児について、どう考えていますか。
僕はもともと「家のことは奥さんがやって、仕事は僕」という考えが好きではありません。だから、子育ても「奥さんがやるべき」とは思っていないし、そもそも「子育てはこうあるべき」という考えもないんです。子育ては、できるときにできるほうがやればいいと思う。そのほうがお互い楽しいじゃないですか。
朝に聴きたいのは、日常生活に溶け込む南米の民族音楽
――『KURASEEDS』は早朝の番組ということで、山中さんが朝時間に聴きたい一曲を教えてください。南米の民族音楽・フォルクローレのアーティスト、フアン・フェルミン・フェラリスの『Arresei』です。僕が朝や午前中に聴きたいのは、日常生活に溶け込んでくれるような曲。この曲もピアノサウンドと街の音や人の声のサンプリングが合わさったものなんです。それに、テンポも頑張りすぎないぐらいの速さなので、朝の時間を心地よく過ごせるなと思いました。
この曲が入っているアルバム『35mm』も日常をフィルムの写真で切り取ったかのような音楽というコンセプトで作られたそうで、ぴったりだなと思いました。
――普段はどんなところで音楽を発見するんですか?
海外のラジオですかね。海外のラジオをランダムに流して、いい曲を見つけています。あとは、ファーストフード店やショッピングセンターとかに入ったときに流れている曲でいいなと思ったものをShazamしたり。僕はふと出会った音楽が一番いいなと思っているので、『KURASEEDS』でもリスナーのみなさんにそんな体験をしてもらえていたらうれしいです。
(取材・文・撮影=J-WAVE NEWS編集部)
■山中タイキプロフィール
1988年6月16日生まれ、東京都出身。
専門学校卒業後、ニューヨーク州立アルスター校に留学。 ロンドンでは美術学校でイラストレーションを学び、アートを通じたコミュニケーションを体感。
現在は、ラジオナビゲーター・イベントMC・ナレーションのほか、アート関連の仕事も行いながら暮らしを彩る音楽や芸術等を発信。
また、絵本専門店「yack yack books」を立ち上げ、世界中から集めた絵本の紹介や絵本制作も行っている。
番組情報
- KURASEEDS
-
月・火・水・木曜5:00-6:00
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