J-WAVEで放送中の番組『GOOD NEIGHBORS』(ナビゲーター:クリス智子)のワンコーナー「TALK TO NEIGHBORS」。さまざまなゲストから「とっておきの話」を訊く。4月20日(火)のオンエアでは、料理研究家の土井善晴がゲストに登場。この春に食べたいものや春の食材を上手に活かす料理などを土井先生に訊いた。
【関連記事】土井善晴が伝授する「おいしいおむすびの作り方」 米の洗い方が肝心!
土井:雪が降ると全部一斉に殺菌されたようになって、灰汁の少ない、一段とおいしい山菜になります。
クリス:寒い地域の山菜は、一度苦みが抑えられる?
土井:そうですね。今も雪解けをしている地域では、ふきのとうが雪の下からポコッと出てきますよね。そういうふきのとうは淡くて黄色い色をしています。水にさらしたようなきれいなおいしさがあって、天ぷらにするとポコポコと食べられますよ。
クリス:ポコポコいっちゃうんですね(笑)。
土井:先日、家で久しぶりに焼肉をやりました。溶岩プレートという富士山の溶岩を削った鉄板プレートを持っているんですが、お肉の横でタラの芽や山菜を一緒に焼くんです。そして「ふきのとう味噌」をつけると、肉もなんでもおいしくなるんです。
ふきのとう味噌は、細かく刻んだふきのとうに味噌と砂糖を少し加えて火にかけて完成する。生のふきのとうを使ってもいいが、油で炒めるとマスキング(食材のくさみや苦みを抑える)されてちょうどいい味わいになるそうだ。
クリス:おいしそうですね~。
土井:たまりませんよ。豆腐につけてもご飯の上にそのままかけても、なんでもおいしくなります。
クリス:おにぎりにしてもいいですよね。
土井:そうですね。味噌をちょっと塗って焼くと最高ですわ。
土井:固いと生では食べられないでしょうから、私が山に行って袋一杯取れたときなどは、薄い衣のかき揚げにします。山椒だけのかき揚げ。佃煮にもできるんですが、なかなか難しいですよ。
クリス:難しそう。
土井:山椒を茹でるとションボリしちゃう。でも、濃いお醤油を入れておいて茹でるとショボショボしなくて、パリっとします。そこに味付けするんですよ。
番組ではリスナーからの料理に関する質問も紹介。ソラマメの食べ方について「どんな食べ方がありますか?」という質問が寄せられると、土井先生は「まずは切り込みを入れて塩茹でで楽しんで」と回答した。
土井:その次は同じように切り込みを入れて外側の皮は残して、水に煮干し、醤油、ちょっとお砂糖を入れて煮付けるんです。
クリス:煮てしまうんですね。
土井:色は悪くなるんですが、それはそれで日常のおかずになります。ソラマメの炒め物も、薄皮をむいてフライパンに並べて塩をパラっとふりかけるだけ。片方がほっぺたをぽっと赤く染めるようにあけぼの色の焼き色がついたら、ひっくり返してすぐ食べられますよ。
クリス:あけぼの色! いいですね~(笑)。
クリス:すごく体の巡りがよくなるような本でした。
土井:このコロナのあとに自分の生きる意味を探るヒントになると思いますね。
クリス:「料理学」というと構えそうですけど、相変わらず負担が軽くなる本でしたね(笑)。
土井:料理は毎日のことだから、苦しんだら人生負けみたいじゃないですか。ずっと毎日嫌な思いする。そこから逃れようと思ったら苦しみは追いかけてくるんですよ。でも軽い気持ちで迎えてください。そんなに無理せず、まずは一汁一菜でいいわけですから、逃げずにちゃんと受け取るとその次に楽しみがたくさんありますよ、という本です。
クリス;本当にそうですよね。
土井:家庭料理とプロの料理の違いや、外国料理と日本料理の違いなどをわからずに、あれもこれも食べていて、「おいしくないと料理じゃない」とまで言われている。「おいしい」の意味をきちんと理解すると、「毎日のおいしさ」と「ごちそうのおいしさ」が別なことだとわかります。
クリス:ごっちゃになっていますよね。
土井:それもごちゃごちゃになって、家で子どもまで「レストランのようなものを食べたい」と言い出すと大変でしょう。できないことを「やれ」といわれるだけでも嫌ですよね。やらないにしても(笑)。
土井先生は季節のものを食べる大切さも説く。「今晩は何を作ろうか」と思ったときも、そのときの天気や季節を見ると、自然がニコニコと教えてくれるそうだ。
クリス:本の中でも「もの喜びをする」という部分がすごく好きでした。
土井:同じ一汁一菜でも「魚がついた」「ふきのとう味噌がついた」など、いつもと違うことに自分で気が付く人のことを「もの喜びする人」というんです。
クリス:これ、素敵ですよね。その気づきのチャンスが食べるときにはあるんですよね。
土井:お料理に季節のものが出てくると、「こんな季節になったんだね」、柔らかいものが出てくると「歯が痛いから柔らかくしてくれたんだな」と気付く。人の気持ちや季節の変化に気付くには、まずは淡々と暮らすことが大事です。毎日パーティーじゃないですから(笑)。
J-WAVE『GOOD NEIGHBORS』のワンコーナー「TALK TO NEIGHBORS」では、さまざまなゲストから「とっておきの話」を訊く。放送は月曜~木曜の14時10分頃から。
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ふきのとう味噌は何につけてもおいしくなる
この春は山菜取りに行きたいと語る土井先生。おすすめは、長野県や新潟県など寒い地域の山菜だそうだ。土井:雪が降ると全部一斉に殺菌されたようになって、灰汁の少ない、一段とおいしい山菜になります。
クリス:寒い地域の山菜は、一度苦みが抑えられる?
土井:そうですね。今も雪解けをしている地域では、ふきのとうが雪の下からポコッと出てきますよね。そういうふきのとうは淡くて黄色い色をしています。水にさらしたようなきれいなおいしさがあって、天ぷらにするとポコポコと食べられますよ。
クリス:ポコポコいっちゃうんですね(笑)。
土井:先日、家で久しぶりに焼肉をやりました。溶岩プレートという富士山の溶岩を削った鉄板プレートを持っているんですが、お肉の横でタラの芽や山菜を一緒に焼くんです。そして「ふきのとう味噌」をつけると、肉もなんでもおいしくなるんです。
ふきのとう味噌は、細かく刻んだふきのとうに味噌と砂糖を少し加えて火にかけて完成する。生のふきのとうを使ってもいいが、油で炒めるとマスキング(食材のくさみや苦みを抑える)されてちょうどいい味わいになるそうだ。
クリス:おいしそうですね~。
土井:たまりませんよ。豆腐につけてもご飯の上にそのままかけても、なんでもおいしくなります。
クリス:おにぎりにしてもいいですよね。
土井:そうですね。味噌をちょっと塗って焼くと最高ですわ。
春の「山椒」「ソラマメ」はどう食べたらいい?
今年の春は暖かくなるのが早く、季節の食べ物も前倒しで時季が来ているそう。クリスは土井先生に、山椒の葉が育ちすぎて大きくなったときの食べ方を訊いた。土井:固いと生では食べられないでしょうから、私が山に行って袋一杯取れたときなどは、薄い衣のかき揚げにします。山椒だけのかき揚げ。佃煮にもできるんですが、なかなか難しいですよ。
クリス:難しそう。
土井:山椒を茹でるとションボリしちゃう。でも、濃いお醤油を入れておいて茹でるとショボショボしなくて、パリっとします。そこに味付けするんですよ。
番組ではリスナーからの料理に関する質問も紹介。ソラマメの食べ方について「どんな食べ方がありますか?」という質問が寄せられると、土井先生は「まずは切り込みを入れて塩茹でで楽しんで」と回答した。
土井:その次は同じように切り込みを入れて外側の皮は残して、水に煮干し、醤油、ちょっとお砂糖を入れて煮付けるんです。
クリス:煮てしまうんですね。
土井:色は悪くなるんですが、それはそれで日常のおかずになります。ソラマメの炒め物も、薄皮をむいてフライパンに並べて塩をパラっとふりかけるだけ。片方がほっぺたをぽっと赤く染めるようにあけぼの色の焼き色がついたら、ひっくり返してすぐ食べられますよ。
クリス:あけぼの色! いいですね~(笑)。
料理は「苦しまず、受け止める」と人生が楽しくなる
土井先生は3月25日に『くらしのための料理学』(NHK出版)を刊行。日本の食文化と世界中の食事を俯瞰してみることからとらえ直した一冊だ。『くらしのための料理学』(NHK出版)発売中
土井:このコロナのあとに自分の生きる意味を探るヒントになると思いますね。
クリス:「料理学」というと構えそうですけど、相変わらず負担が軽くなる本でしたね(笑)。
土井:料理は毎日のことだから、苦しんだら人生負けみたいじゃないですか。ずっと毎日嫌な思いする。そこから逃れようと思ったら苦しみは追いかけてくるんですよ。でも軽い気持ちで迎えてください。そんなに無理せず、まずは一汁一菜でいいわけですから、逃げずにちゃんと受け取るとその次に楽しみがたくさんありますよ、という本です。
クリス;本当にそうですよね。
土井:家庭料理とプロの料理の違いや、外国料理と日本料理の違いなどをわからずに、あれもこれも食べていて、「おいしくないと料理じゃない」とまで言われている。「おいしい」の意味をきちんと理解すると、「毎日のおいしさ」と「ごちそうのおいしさ」が別なことだとわかります。
クリス:ごっちゃになっていますよね。
土井:それもごちゃごちゃになって、家で子どもまで「レストランのようなものを食べたい」と言い出すと大変でしょう。できないことを「やれ」といわれるだけでも嫌ですよね。やらないにしても(笑)。
土井先生は季節のものを食べる大切さも説く。「今晩は何を作ろうか」と思ったときも、そのときの天気や季節を見ると、自然がニコニコと教えてくれるそうだ。
クリス:本の中でも「もの喜びをする」という部分がすごく好きでした。
土井:同じ一汁一菜でも「魚がついた」「ふきのとう味噌がついた」など、いつもと違うことに自分で気が付く人のことを「もの喜びする人」というんです。
クリス:これ、素敵ですよね。その気づきのチャンスが食べるときにはあるんですよね。
土井:お料理に季節のものが出てくると、「こんな季節になったんだね」、柔らかいものが出てくると「歯が痛いから柔らかくしてくれたんだな」と気付く。人の気持ちや季節の変化に気付くには、まずは淡々と暮らすことが大事です。毎日パーティーじゃないですから(笑)。
J-WAVE『GOOD NEIGHBORS』のワンコーナー「TALK TO NEIGHBORS」では、さまざまなゲストから「とっておきの話」を訊く。放送は月曜~木曜の14時10分頃から。
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2021年4月27日28時59分まで
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番組情報
- GOOD NEIGHBORS
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クリス智子