J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。
4月9日(金)のオンエアでは、ジャズピアニストの桑原あいが登場。エレクトーンにのめり込んだ幼少期の思い出や、ピアノに転向するきっかけ、4月7日にリリースしたニューアルバム『Opera』について語った。
桑原:幼いときって(エレクトーンの)いろんな音が出ることが魅力的で。だから私は、ピアノから始めてたら音楽をやってたんだろうかと思うことがありますね。私がエレクトーンで好きだったのは足鍵盤でした。当時小学4年生のときに、リー・リトナーさんの『キャプテン・フィンガーズ』を聴いて、ジャズ・フュージョンにのめり込んでいきました。この曲のベースはベーシストのアンソニー・ジャクソンなんですけど、ベースパターンがカッコよすぎてエレクトーンで再現したくて、(足鍵盤で)ベースの練習ばっかりしてました。だから当時は、足鍵盤を特技としていました。
クリス:そうすると小さいときから国語の教科書を読むように、譜面を読んでいたんですね。
桑原:耳コピも小学4年のときから始めて。リー・リトナーさんのギターフレーズをコピーして弾くことから始めたので、耳コピすることと譜面を読むことに対しては免疫がついちゃいましたね。
桑原:そのオファーを受けて、エレクトーンで演奏をしました。ミュージカルなので何人もの子どもたちと一緒にひとつの作品を作り上げるわけじゃないですか。それまでの私の人生は5分くらいの曲をコンクールで1位を獲りたいがためにひとりで弾く世界で生きていたので、2時間くらいの作品を何人もの人たちで作り上げる感覚がすごく楽しくて、こんな世界がいいと思って。それでコンクールで1位を獲るよりも、誰かと音楽をしたいと方向転換しました。
桑原はエレクトーンから、ある1枚のCDをきっかけにピアノの世界に踏み入れるようになったと振り返る。
桑原:小学4年でジャズ・フュージョンに出会っているので、やっぱりピアニストの演奏をCDでどんどん聴いていくし、コンサートも行くんですよ。そうするとジャズピアニストになりたいと思ってしまうんですよね。なぜかというとCD屋さんにエレクトーンのコーナーはないんですよね。
クリス:そうか。
桑原:ピアノとキーボードのコーナーしかないんですよ。それで小学5年生のときにオスカー・ピーターソン・トリオの『ウエスト・サイド・ストーリー』のCDにノックアウトされちゃって。それでピアノトリオをやりたい、ピアニストになりたいという思いと、コンクールでやるより誰かと演奏したいって思いが重なって、私はどこかでエレクトーンをやめてピアニストにならなきゃいけないって思って、中学2年のときにエレクトーンを完全にやめてピアノに移行しました。
桑原:エレクトーンから始めて、ピアノのタッチが弱いとか、ピアノ一本でどこまで自分が表現できるかと苦戦をしている時期が長かったので、20歳前後のとき、いったん10年を目処に、30歳になるまでに少しは納得できるピアノを弾けるようになって、ソロピアノを録りたいって、ずっと夢だったんです。それで今回コロナ禍の制作のなかで次のアルバムはソロピアノで録りませんかってレーベルの方から言われて、今だろうなって思って録ることにしました。だからちょっとすっきりしましたね。
クリス:コロナ禍の制作は影響がありましたか?
桑原:選ぶ曲が変わった気がしますね。『Opera』は自分の曲は1曲しかなくて、あとはカバー曲なんですけど、コロナ禍じゃなかったら選ばなかった曲はおそらくありますね。それが全面に出ているわけじゃないけど、なんとなく気分的に沈んでたので、メッセージ性という意味で今しか選ばないような曲はあったと思います。
クリス:エンニオ・モリコーネの『ニュー・シネマ・パラダイス』や、ボン・ジョヴィの『リヴィン・オン・ア・プレイヤー』、ザ・モンキーズ『デイドリーム・ビリーヴァー』も収録されていて、バリエーションにとんでますよね。
ニューアルバム『Opera』に収録されている楽曲のうち5曲は、桑原の音楽を愛する著名人に選曲を依頼。山崎育三郎、シシド・カフカ、立川志の輔、社長(SOIL&”PIMP”SESSIONS)、平野啓一郎が参加した。
桑原:自分がソロピアノで弾くとなると、今までのレパートリーもありますし、やっぱり凝り固まってしまう部分が出てきやすいから、選曲してもらうのも絶対におもしろいと思って。私は「できないかもしれない」ってことに燃えるし、チャレンジしたいなって思うタイプなので、そういう企画をしたほうが私はたぶん燃えるだろうなと思って。だから(シシド)カフカさんからボン・ジョヴィの曲がきたときは、「マジかよ」って思ったと同時に、興味しかなくて。
桑原:しかも『リヴィン・オン・ア・プレイヤー』なんて“ザ・バンド”って曲で、「ボーカルがないと成り立たないんじゃない?」って思ってたし。(イントロの)ベースラインをピアノでそのまま左手で弾いたら、すごくダサいんです。
クリス:そうなんですか(笑)。
桑原:本当にボン・ジョヴィさんに申し訳ない気持ちになるくらいヒドくてダサくなってしまうんですよね。それをいかにカッコよくピアニズムにまとめるかってところを今回は考えて、ベースラインが「ミ・ミ・シ・レ」「ミ・ミ・シ・レ」ってラインなんですけど、その「ミ・ミ・シ・レ」を使ってアレンジをしたんです。
クリス:なるほど。
桑原:最初は倍のテンポで弾いて、どんどん崩していってアドリブのときはそのラインのまま弾くんですけど。そういうふうに構築していったりして、おもしろかったですね。
同番組の4月16日(金)のオンエアにも、桑原が登場する。
桑原あいの最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
4月9日(金)のオンエアでは、ジャズピアニストの桑原あいが登場。エレクトーンにのめり込んだ幼少期の思い出や、ピアノに転向するきっかけ、4月7日にリリースしたニューアルバム『Opera』について語った。
ピアノから始めていたら音楽をやっていなかった?
千葉県出身の桑原。幼少期は2人の姉の影響からエレクトーンを始め、4歳頃から音楽教室に通い始めたそうだ。桑原:幼いときって(エレクトーンの)いろんな音が出ることが魅力的で。だから私は、ピアノから始めてたら音楽をやってたんだろうかと思うことがありますね。私がエレクトーンで好きだったのは足鍵盤でした。当時小学4年生のときに、リー・リトナーさんの『キャプテン・フィンガーズ』を聴いて、ジャズ・フュージョンにのめり込んでいきました。この曲のベースはベーシストのアンソニー・ジャクソンなんですけど、ベースパターンがカッコよすぎてエレクトーンで再現したくて、(足鍵盤で)ベースの練習ばっかりしてました。だから当時は、足鍵盤を特技としていました。
クリス:そうすると小さいときから国語の教科書を読むように、譜面を読んでいたんですね。
桑原:耳コピも小学4年のときから始めて。リー・リトナーさんのギターフレーズをコピーして弾くことから始めたので、耳コピすることと譜面を読むことに対しては免疫がついちゃいましたね。
コンクールで1位を獲るよりも、誰かと音楽をしたい
その後、エレクトーンのコンクールでいい成績をとることを目指していた桑原だが、中学1年の頃に、それに疲れてしまったそうだ。同時期に小椋 佳が企画するジュニアミュージカル「アルゴミュージカル」の演奏者のオファーをもらい、それが桑原にとって転機になったという。桑原:そのオファーを受けて、エレクトーンで演奏をしました。ミュージカルなので何人もの子どもたちと一緒にひとつの作品を作り上げるわけじゃないですか。それまでの私の人生は5分くらいの曲をコンクールで1位を獲りたいがためにひとりで弾く世界で生きていたので、2時間くらいの作品を何人もの人たちで作り上げる感覚がすごく楽しくて、こんな世界がいいと思って。それでコンクールで1位を獲るよりも、誰かと音楽をしたいと方向転換しました。
桑原はエレクトーンから、ある1枚のCDをきっかけにピアノの世界に踏み入れるようになったと振り返る。
桑原:小学4年でジャズ・フュージョンに出会っているので、やっぱりピアニストの演奏をCDでどんどん聴いていくし、コンサートも行くんですよ。そうするとジャズピアニストになりたいと思ってしまうんですよね。なぜかというとCD屋さんにエレクトーンのコーナーはないんですよね。
クリス:そうか。
桑原:ピアノとキーボードのコーナーしかないんですよ。それで小学5年生のときにオスカー・ピーターソン・トリオの『ウエスト・サイド・ストーリー』のCDにノックアウトされちゃって。それでピアノトリオをやりたい、ピアニストになりたいという思いと、コンクールでやるより誰かと演奏したいって思いが重なって、私はどこかでエレクトーンをやめてピアニストにならなきゃいけないって思って、中学2年のときにエレクトーンを完全にやめてピアノに移行しました。
「できないかもしれない」ってことに燃える
桑原は4月7日にニューアルバム『Opera』をリリースした。この作品は自身のキャリア初の全編ソロピアノアルバムとなる。桑原:エレクトーンから始めて、ピアノのタッチが弱いとか、ピアノ一本でどこまで自分が表現できるかと苦戦をしている時期が長かったので、20歳前後のとき、いったん10年を目処に、30歳になるまでに少しは納得できるピアノを弾けるようになって、ソロピアノを録りたいって、ずっと夢だったんです。それで今回コロナ禍の制作のなかで次のアルバムはソロピアノで録りませんかってレーベルの方から言われて、今だろうなって思って録ることにしました。だからちょっとすっきりしましたね。
クリス:コロナ禍の制作は影響がありましたか?
桑原:選ぶ曲が変わった気がしますね。『Opera』は自分の曲は1曲しかなくて、あとはカバー曲なんですけど、コロナ禍じゃなかったら選ばなかった曲はおそらくありますね。それが全面に出ているわけじゃないけど、なんとなく気分的に沈んでたので、メッセージ性という意味で今しか選ばないような曲はあったと思います。
クリス:エンニオ・モリコーネの『ニュー・シネマ・パラダイス』や、ボン・ジョヴィの『リヴィン・オン・ア・プレイヤー』、ザ・モンキーズ『デイドリーム・ビリーヴァー』も収録されていて、バリエーションにとんでますよね。
ニューアルバム『Opera』に収録されている楽曲のうち5曲は、桑原の音楽を愛する著名人に選曲を依頼。山崎育三郎、シシド・カフカ、立川志の輔、社長(SOIL&”PIMP”SESSIONS)、平野啓一郎が参加した。
桑原:自分がソロピアノで弾くとなると、今までのレパートリーもありますし、やっぱり凝り固まってしまう部分が出てきやすいから、選曲してもらうのも絶対におもしろいと思って。私は「できないかもしれない」ってことに燃えるし、チャレンジしたいなって思うタイプなので、そういう企画をしたほうが私はたぶん燃えるだろうなと思って。だから(シシド)カフカさんからボン・ジョヴィの曲がきたときは、「マジかよ」って思ったと同時に、興味しかなくて。
Livin’ On A Prayer
クリス:そうなんですか(笑)。
桑原:本当にボン・ジョヴィさんに申し訳ない気持ちになるくらいヒドくてダサくなってしまうんですよね。それをいかにカッコよくピアニズムにまとめるかってところを今回は考えて、ベースラインが「ミ・ミ・シ・レ」「ミ・ミ・シ・レ」ってラインなんですけど、その「ミ・ミ・シ・レ」を使ってアレンジをしたんです。
クリス:なるほど。
桑原:最初は倍のテンポで弾いて、どんどん崩していってアドリブのときはそのラインのまま弾くんですけど。そういうふうに構築していったりして、おもしろかったですね。
同番組の4月16日(金)のオンエアにも、桑原が登場する。
桑原あいの最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
この記事の続きを読むには、
以下から登録/ログインをしてください。
radikoで聴く
2021年4月16日28時59分まで
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
番組情報
- SAPPORO BEER OTOAJITO
-
毎週金曜23:00-23:30
-
クリス・ペプラー