環境問題、日本に足りない意識は? 『STEP ONE』ナビゲーターのノイハウス萌菜に訊く

J-WAVEで放送中の音楽・情報ワイドプログラム『STEP ONE』(毎週月~木 9:00~13:00)。4月からサッシャの相棒としてノイハウス萌菜がナビゲーターに就任した。

イギリス育ちのドイツ人と日本人のハーフで、一児の母。会社員経験もあり、さらにプラスチックストローの代替品となるステンレスストローブランド「のーぷら No Plastic Japan」を設立するなど環境問題にも取り組んでいる。

初めてのラジオレギュラーにもかかわらず、落ち着いたトーンで番組をナビゲート。サッシャとの軽妙な掛け合いで相性の良さを発揮する彼女に、ナビゲーター就任の感想をインタビュー。また、環境問題の改善に向けて、日本に足りないと思うことや、誰でもできるアクションを訊いた。

ストップウォッチで時間を測りながら…ラジオは新しいチャレンジ

──『STEP ONE』は、“今日を頑張る、働くリスナー”に向けた番組です。ナビゲーターに就任してみて、いかがですか?

ノイハウス:今までインタビューなどで自分について話すことはあったんですけど、人の話を聞き出す仕事はしたことがなかったので、ナビゲーターは私の中では新しいチャレンジです。ラジオは自分が全く知らない分野を扱うこともあるので、常に新しい情報をインプットしなきゃと感じています。

──相棒のサッシャさんはベテランのナビゲーターですね。毎日共演してみて、オンエア以外ではどんなやりとりをしていますか。

ノイハウス:すごくいろいろなことを教えてくださいます。例えば、曲まで13秒トークでつなぐときに、サッシャさんはストップウォッチを見ずに、「13秒か、わかった」とぴったりでお話できるんですよ。それでも、「初めはストップウォッチをカチカチやっていたよ」と励ましてくださって。それで私もストップウォッチ見ながら話したりとか、リラックスして番組にのぞめています。初めてのナビゲーターが自分だけのラジオじゃなくてよかったなと正直思いました(笑)。どんな失敗をしてもサッシャさんがカバーしてくださるという安心感があるので、失敗する勇気をもってどんどんチャレンジしていきたいです。

──これから『STEP ONE』で、何かやってみたいことはありますか。

ノイハウス:食レポをうまくできるようになりたいです。ラジオは映像がないので、「おいしさを伝えるのってこんなに難しいのか!」と思いました。まだ言葉でおいしさを表現することが全然できないので、スキルを高めていきたいですね。あとは、お店や企業を紹介する「CHEER UP WORKERS」というコーナーが好きなので、もっと新しいお店などを発掘して取り上げていけたらと思っています。

──番組を聴いていると、初めてナビゲーターを務めるとは思えないくらい、すごく落ち着いている印象を受けました。ノイハウスさんは普段からラジオを聴かれていたんですか?

ノイハウス:イギリスで暮らしていた頃は車に乗る機会が今より多く、そのときは自然とラジオでしたね。金曜の夜にダンス系の音楽番組が放送されていて、それを翌日に聴くこともありました。日本で会社員として働く上では、オフィスではいつ話しかけられてもいいように何も聴かないようにしていたんです。ただ、育休中は手がふさがっていることも多いから、イヤホンをつけて、音楽やラジオ、Podcastを聴いていました。いま番組に届くコメントを読むと、「みなさんいろんなシチュエーションで聴いているんだなあ」と感じます。ナビゲーターを始めてからラジオの魅力を知ることができました。

日本は「私の選択に意味がある」という意識が低いかも

──ノイハウスさんは環境問題について積極的に発信されています。ご自身の活動について詳しく教えてください。

ノイハウス:3年ほど前から「のーぷら No Plastic Japan」というステンレスストローの販売を起点に、環境問題について情報発信するプロジェクトを運営しています。きっかけは、好きだったオーガニック系のカフェが、使い捨てのカップで水を出していたこと。そのお店が発信する理念とやっていることの矛盾に違和感を覚えて、メールをしたんです。でも、文章の最後に名前しか書くことがないと、お店の方は「この人は何者?」と思いますよね。自分以外にも同じ思いを抱いている人は周囲にいたから、「こういう思いを持っている人がいるんだよ」と可視化するために、「のーぷら」をスタートしました。

そんな中、「のーぷら」を通じて環境問題を知っていただいた方から、「何かしなきゃとはわかったけれど、まず何をすればいいの?」っていう声をいただいたんです。ひとつの提案として、使い捨てないステンレスストローを販売し始めました。

──日本でも、レジ袋が有料化されたり、紙ストローが普及したりと、変化を感じます。しかし海外に比べると、日本はまだ環境問題への取り組みが遅れていると言われています。ノイハウスさんも、日常生活の中で「遅れているな」と思ったことはありますか?

ノイハウス:日本は、消費者一人ひとりの責任みたいなものを感じている方が少ないと感じます。特に、お店対消費者というと、どうしても「消費者が神様」じゃないですけど、責任を持たなくていい側になっているのかなと。例えば、お店でポリ袋を何重にもして野菜を入れてあげるのって、「消費者に迷惑をかけないように」っていうお店側の心配であって、消費者の選択とは限らないですよね。

海外は、お客さんだからという感覚が、そもそもあまりないと思うんです。失礼な人だったらお店から出されちゃうし、普通に店員さんと会話が弾むときもある。店員と消費者の関係がちょっとラフなんですかね。そんな背景もあって、海外のほうが「私の選択に意味がある」と思っている人が多い気がします。

──具体的にどういったアクションをしてみるとよいでしょうか。プラスチックストローの他に、日常に取り入れやすい行動はありますか?

ノイハウス:環境にいいことをしなきゃと気負いすぎず、楽しいことから始めるといいと思います。例えば、オフィスで使う紙コップをマイボトルに替えてみる。自分のマグでコーヒーを飲んだほうがおいしく感じたり、ちょっとワクワクしたりする、そういう気持ちで行動をスタートするといいんじゃないでしょうか。

私も会社員として勤めていた頃、マイカップやストローを使っているのを見た同僚が「私も買ったよ!」と声をかけてくれたことがありました。環境問題とはぜんぜん関係のない会社でしたが、意外と周囲は見ているし、影響を与えるものだと思います。

「環境」に思いを馳せる、ビリー・アイリッシュの一曲

──『STEP ONE』は音楽トピックスを多く紹介する番組です。普段からノイハウスさんは音楽をよく聴きますか?

ノイハウス:よく聴きます。今は、ポップが好きですが、もともとはラップとか、グライムとかが好きです。昔はクラブによく行っていたので、その名残でアップテンポのものをよく聴いています。今は子育てもあって、なかなかイベントに行ったりはできないのですが、仕事をやらなきゃいけないときに、そういった音楽を聴いてテンションを上げています。これから、番組で自分の好きな曲をどんどんかけていけたらなと思います。

──ノイハウスさんといえば「環境問題」ということで、地球や自然に思いを馳せたくなる、おすすめの一曲を教えてください。

ノイハウス:ビリー・アイリッシュの『all the good girls go to hell』は、環境問題について歌っていて興味深いと思います。これから若いアーティストたちがどんどん社会問題に関する作品を発表していくと思うので、とても楽しみです。
番組情報
STEP ONE
月・火・水・木曜
9:00-13:00

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