J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。番組では、毎回ゲストを迎え、様々なテーマを掘り下げていく。
2月15日(月)のオンエアでは、音楽ジャーナリストの柴那典とデジタル音楽ジャーナリストのジェイ・コウガミがゲストに登場。「2021! 音声コンテンツ最前線!!」をテーマにお届けした。
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柴:前提として、ここ数年、世界で音声コンテンツ市場が急拡大しています。それを受けて、いろんなタイプのプラットフォームやアプリが登場しています。
あっこゴリラ:へえ~!
柴:「ストック型かライブ型」、「一方向か双方向」など、僕が考えた分類手段で紹介したいと思います。
1:Podcast系(ストック型で一方向)
柴:まずは、Podcastです。Apple、Google、Spotifyなどいろんなところでやっていますし、いろんな分野の専門家や有名人などがパーソナリティになって定期的に番組を配信しています。これに関して一番馴染みで言えば、ラジオですよね。そして、最近では誰でもチャンネルを持てるようになってきています。Voicy、Stand.fm、REC.などいろんなアプリが出てきています。
2:朗読系(ストック型で一方向)
柴:こちらも最近増えてきています。Spoonや、Stand.fmやRadiotalkにもライブ機能が入ってきます。一人でずっと生で喋って、投げ銭をもらったり、インスタライブとか17LIVEの音声版みたいなイメージです。
4:音声SNS系(ライブ型で双方向)
柴:ライブで一人じゃなくていろんな人がわいわいがやがや喋れる、これがClubhouseです。
あっこゴリラ:こうやってわけるとClubhouseが新しいって言われているのがわかりますね。
柴:そうですね。このライブで双方向ってなかなかなかったんですよね。雑談SNSみたいな感じですね。
あっこゴリラ:いろんな番組がある中で、どんな番組が流行っているのかも聞いていきたいのですが、まずはムーブメントが確立している海外の現状は、ジェイさん、どうでしょうか?
ジェイ:やっぱりClubhouse以前から音声コンテンツっていうのは非常に盛んでした。それこそPodcastとかAudiobookとかもすごく人気がありましたね。
あっこゴリラ:PodcastもClubhouseもアメリカではもう一般化してますもんね。音声コンテンツを聴くということの日本とのマインドの違いでいうと、やっぱり一般化してるかしてないかってことなんですかね。
ジェイ:そこは大きいと思いますね。どれだけそのアプリを普段使いするか、音声コンテンツを聴く時間が長いか、あとは頻度ですね。毎週連ドラを見るような感覚で音声コンテンツ聴いたり、そういう消費があるのがすでに確立されているなとは思います。
あっこゴリラ:音楽好きが特に使っているコンテンツって何だと思いますか?
ジェイ:やっぱりPodcastも多いですし、トーク系やインタビュー系、あとカルチャー系とかも多いですね。
アメリカに対して、日本ではどうなのだろうか。
あっこゴリラ:柴さん、日本ではどうですか?
柴:Podcastのランキング上位を見ると、実はわりとラジオと同じで、芸人さんやインフルエンサーの方の番組が最近どんどん増えてきています。
あっこゴリラ:へえ~!
柴:音楽好きの中だと、『POP LIFE: The Podcast』みたいなカルチャー語り系Podcastも好まれていますね。海外に比べると、日本ではまだ注目度も市場もこれからですけど、増えてきてるんじゃないかなって肌感はあります。
あっこゴリラ:確かに私が『POP LIFE: The Podcast』に出演させていただいて、それがきっかけで書籍化しましょうって話になったんですよね。だから、それくらい『POP LIFE: The Podcast』って番組の影響力が大きいってことでもあるし、Podcastというコンテンツ自体の影響力も大きくなっているからなのかなって個人的には思いました。
柴:Podcastで言うと、雑談っていうよりは一貫したテーマで喋ることが多いので、そうするとファンも視聴する習慣がつくんですよね。
あっこゴリラ:これから徐々にもっともっと影響力が出てくるってことですよね。
柴:僕はそう思っています。例えば、アンソニー・ファンタノの『The Needle Drop』みたいに、新作を掘り下げる系の番組が海外では影響力を持ち始めていて、日本でも少しずつ増えてきましたね。
あっこゴリラ:このClubhouseというアプリ、一体どういうものなのか、ジェイさん、教えてください。
ジェイ:iPhone用のアプリで、完全招待制になっています。誰もが使えるわけではなくて、招待してもらわないと使えません。最大の特徴は、音声で完結しているというところです。コメントなど、テキストでのコミュニケーションツールはなく、会話に参加したい場合は手を上げて、モデレーター(主催者)が招待すれば会話に参加できるというシステムになっています。
あっこゴリラ:これって、履歴も残らないんですよね?
ジェイ:はい。Instagramのストーリーズのようにアーカイブなども残りません。なので、部屋を閉じれば記録も残らないですし、データのアーカイブも取られません。
あっこゴリラ:なるほど~! じゃあ、いい意味で好き放題できるし、でもちょっと諸刃の剣というか、無法地帯になりがちみたいな。
ジェイ:今は、いろんな人が使っているので、それが無法地帯っていうレベルになる時もありますし、ちゃんとテーマを作って部屋を作る人とか、自分の知り合いだけを招待するとか、ちゃんとモデレーションしている方たちも中にはいるので、人がどう使うかによるところが大きいかなと思います。
あっこゴリラ:アメリカではいつから使われてるんですか?
ジェイ:2020年の春ごろからなので、まだ一年も経ってないですね。日本では今年1月から使えるようになって、その頃から招待が飛び交うようになりました。
Clubhouseが広まったのは「招待制」がひとつの理由ではないか、と分析する。
ジェイ:やっぱり招待制が、参加したくなる欲を駆り立てるっていうのが一つの要因かなと思います。さらに、Clubhouseは入った時には招待されてるわけですからその人とは必ず繋がっていますし、電話番号で自分の知り合いの誰がやってるのかを見れるので、またそこで繋がりやすくなるし、自然と自分の知ってる人間関係でのネットワーク形成っていうのがすぐできるようになるっていうのも理由だと思います。
あっこゴリラ:一人で「SNS立ち上げましたー!」みたいな気合い、いらないですもんね。アメリカでは、大体何人ぐらいのユーザーがいるんですか?
ジェイ:いまだと200万人と言われています。実は、アメリカでは音楽業界やIT業界、あとはハリウッドの方たちとか、結構クリエイターが使っているアプリなんです。
あっこゴリラ:そうなんだ~。いろんな情報をシェアし合うような使い方なんですかね?
ジェイ:そうですね。
あっこゴリラ:アーカイブも残らないから、みんないつもより気楽に話せるだろうしね。 Clubhouseとミュージシャンには、どのような繋がりがあるのか。
ジェイ:初期に使い始めたのがミュージシャンが多かったり、特にHIP HOPやR&Bのアーティストたちが結構使っています。そういう人たちが音楽の話だけじゃなくて、社会問題などについて音楽業界の中でどうやって高めていくかみたいな話をしたりする場所として使っていたっていうのはありました。
あっこゴリラ:去年、日本に来てほしかったな(笑)。去年はそういうのをZoomでやってたんですよ。だからClubhouseなら手軽にパってできますもんね。
アユニ:顔が映らないっていうのもいいですよね。何かしながらでもできますもんね。
あっこゴリラ:海外では、フリースタイルラップバトルをしたり、業界人へのアピールの場としても使われていると聞いたんですけど。
ジェイ:ビートを紹介するオーディションの場だったり、ラップのバースを交換し合うような部屋だったり、クリエイティブのプロセスを解説しながら曲を作っていくなど、実際に専門家からのアドバイスを受けたり、レッスンを受ける場として利用されていることもあります。
あっこゴリラ:すごいな~。他にはどんな活用法があるんですか?
ジェイ:おもしろかったのは、『ライオンキング』のミュージカルの舞台俳優さんたちが、Clubhouse内で自分たちの曲を歌ったり、最近だと、スーパーボウルのアフターパーティーをClubhouse内でやったりとか。
あっこゴリラ:おお~! アフターパーティーとかは今後一般化しそうですよね。
あっこゴリラ:昨年はPodcast元年などとも言われていましたが、今後、音声コンテンツはどうなっていくと思われますか?
柴:音声コンテンツ自体はこれから先も伸びると思います。常時接続するというのがスタンダードになってくるんじゃないかな。スマホのギガ放題など今後は制限が無くなっていくと思うので、つなぎっぱなしのSNSが増えるんじゃないかなと思います。
あっこゴリラ:ジェイさんはどうですか?
ジェイ:僕も音声コンテンツは今年も注目しています。僕が思うのは、聴く人も増える一方で、喋る側、ホストになる人たちから音声のインフルエンサーみたいな方が今年は出てくるんじゃないかなと思います。声で勝負できるって新しいと思うんですよね。
あっこゴリラ:確かに! 音楽含め、ここからどういうコンテンツが残っていくのかは、まだ見えていない状況でしょうか?
ジェイ:大きなトレンドは2021年に見えてくると思います。常時接続する事で音楽を聴く時間が減り、これから先は音楽の再生回数が減る流れになるかもしれません。現にアメリカでは、音楽のサブスク時代というのがピークを迎えて頭打ちになっています。
あっこゴリラ:ええ~!
柴:やっぱり音声コンテンツと音楽ってかち合うんですよね。音声コンテンツを聴いてる時は、なかなか音楽を聴けないので、そうすると今度は音楽を聴く時間が減ってくるんです。
音声コンテンツの発達は、音楽市場にとっては大ダメージになるのだろうか。
ジェイ:今までのようにはライブやフェスなどの起爆剤がないと考えると、サブスクで音楽を聴き続けられるようにならないといけないので、音楽の中だけで競うだけではなく、ゲームやPodcastなど他のコンテンツとも闘っていかなければなりません。
あっこゴリラ:なるほど~。すごく分かりやすい!
柴:プラスに考えるなら、現時点ではClubhouse上で音楽をかけるのは著作権的にNGですが、TikTokのように楽曲のライセンス契約を結んで、ライブラリから使用できるようになれば、「ジュークボックスのようにおすすめの曲を教え合ってかける」ということが可能になりますし、そうなっていけば「TikTok発のヒット曲」のように「Clubhouse発のヒット曲」なども生まれていくはずです。これが相乗効果になっていったらいいなと思います。
最後に、昨今の音声コンテンツブームは、音楽業界にどのような影響を与えると思うかを訊いた。
ジェイ:アーティストがファンのみなさんと繋がれるコンテンツになればいいなと思います。そういうのができれば、今まで以上にいい関係を築けるようになりますし、そういうやり方もあるんじゃないかなと思います。
柴:やっぱりこういうものって広まってなんぼですし、TikTokもYouTubeもそうなんですけど、最初はグレーだけどだんだん整備されていくみたいなものなんで、ネガティブばかりに捉えないで、このコミュニケーションっていうのを音楽のために使って、音楽を盛り上げて、そして、たくさんアイディアが生まれてくればすごくプラスになると思います。
J-WAVE『SONAR MUSIC』は月~木の21:00-24:00にオンエア。4月5日(月)からは22:00スタートとなる。
2月15日(月)のオンエアでは、音楽ジャーナリストの柴那典とデジタル音楽ジャーナリストのジェイ・コウガミがゲストに登場。「2021! 音声コンテンツ最前線!!」をテーマにお届けした。
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音声コンテンツを3つに分類すると?
注目を集める「音声コンテンツ」。番組では柴那が「3つの分類」に分けて紹介した。柴:前提として、ここ数年、世界で音声コンテンツ市場が急拡大しています。それを受けて、いろんなタイプのプラットフォームやアプリが登場しています。
あっこゴリラ:へえ~!
柴:「ストック型かライブ型」、「一方向か双方向」など、僕が考えた分類手段で紹介したいと思います。
1:Podcast系(ストック型で一方向)
柴:まずは、Podcastです。Apple、Google、Spotifyなどいろんなところでやっていますし、いろんな分野の専門家や有名人などがパーソナリティになって定期的に番組を配信しています。これに関して一番馴染みで言えば、ラジオですよね。そして、最近では誰でもチャンネルを持てるようになってきています。Voicy、Stand.fm、REC.などいろんなアプリが出てきています。
2:朗読系(ストック型で一方向)
柴:こちらも最近増えてきています。Spoonや、Stand.fmやRadiotalkにもライブ機能が入ってきます。一人でずっと生で喋って、投げ銭をもらったり、インスタライブとか17LIVEの音声版みたいなイメージです。
4:音声SNS系(ライブ型で双方向)
柴:ライブで一人じゃなくていろんな人がわいわいがやがや喋れる、これがClubhouseです。
あっこゴリラ:こうやってわけるとClubhouseが新しいって言われているのがわかりますね。
柴:そうですね。このライブで双方向ってなかなかなかったんですよね。雑談SNSみたいな感じですね。
あっこゴリラ:いろんな番組がある中で、どんな番組が流行っているのかも聞いていきたいのですが、まずはムーブメントが確立している海外の現状は、ジェイさん、どうでしょうか?
ジェイ:やっぱりClubhouse以前から音声コンテンツっていうのは非常に盛んでした。それこそPodcastとかAudiobookとかもすごく人気がありましたね。
あっこゴリラ:PodcastもClubhouseもアメリカではもう一般化してますもんね。音声コンテンツを聴くということの日本とのマインドの違いでいうと、やっぱり一般化してるかしてないかってことなんですかね。
ジェイ:そこは大きいと思いますね。どれだけそのアプリを普段使いするか、音声コンテンツを聴く時間が長いか、あとは頻度ですね。毎週連ドラを見るような感覚で音声コンテンツ聴いたり、そういう消費があるのがすでに確立されているなとは思います。
あっこゴリラ:音楽好きが特に使っているコンテンツって何だと思いますか?
ジェイ:やっぱりPodcastも多いですし、トーク系やインタビュー系、あとカルチャー系とかも多いですね。
アメリカに対して、日本ではどうなのだろうか。
あっこゴリラ:柴さん、日本ではどうですか?
柴:Podcastのランキング上位を見ると、実はわりとラジオと同じで、芸人さんやインフルエンサーの方の番組が最近どんどん増えてきています。
あっこゴリラ:へえ~!
柴:音楽好きの中だと、『POP LIFE: The Podcast』みたいなカルチャー語り系Podcastも好まれていますね。海外に比べると、日本ではまだ注目度も市場もこれからですけど、増えてきてるんじゃないかなって肌感はあります。
あっこゴリラ:確かに私が『POP LIFE: The Podcast』に出演させていただいて、それがきっかけで書籍化しましょうって話になったんですよね。だから、それくらい『POP LIFE: The Podcast』って番組の影響力が大きいってことでもあるし、Podcastというコンテンツ自体の影響力も大きくなっているからなのかなって個人的には思いました。
柴:Podcastで言うと、雑談っていうよりは一貫したテーマで喋ることが多いので、そうするとファンも視聴する習慣がつくんですよね。
あっこゴリラ:これから徐々にもっともっと影響力が出てくるってことですよね。
柴:僕はそう思っています。例えば、アンソニー・ファンタノの『The Needle Drop』みたいに、新作を掘り下げる系の番組が海外では影響力を持ち始めていて、日本でも少しずつ増えてきましたね。
Clubhouseとミュージシャンの関わり
ここからは、いま日本においてものすごい速さで広がっている音声コンテンツ「Clubhouse」について伺った。さらに、ゲストにPEDROのアユニ・Dも登場。あっこゴリラ:このClubhouseというアプリ、一体どういうものなのか、ジェイさん、教えてください。
ジェイ:iPhone用のアプリで、完全招待制になっています。誰もが使えるわけではなくて、招待してもらわないと使えません。最大の特徴は、音声で完結しているというところです。コメントなど、テキストでのコミュニケーションツールはなく、会話に参加したい場合は手を上げて、モデレーター(主催者)が招待すれば会話に参加できるというシステムになっています。
あっこゴリラ:これって、履歴も残らないんですよね?
ジェイ:はい。Instagramのストーリーズのようにアーカイブなども残りません。なので、部屋を閉じれば記録も残らないですし、データのアーカイブも取られません。
あっこゴリラ:なるほど~! じゃあ、いい意味で好き放題できるし、でもちょっと諸刃の剣というか、無法地帯になりがちみたいな。
ジェイ:今は、いろんな人が使っているので、それが無法地帯っていうレベルになる時もありますし、ちゃんとテーマを作って部屋を作る人とか、自分の知り合いだけを招待するとか、ちゃんとモデレーションしている方たちも中にはいるので、人がどう使うかによるところが大きいかなと思います。
あっこゴリラ:アメリカではいつから使われてるんですか?
ジェイ:2020年の春ごろからなので、まだ一年も経ってないですね。日本では今年1月から使えるようになって、その頃から招待が飛び交うようになりました。
Clubhouseが広まったのは「招待制」がひとつの理由ではないか、と分析する。
ジェイ:やっぱり招待制が、参加したくなる欲を駆り立てるっていうのが一つの要因かなと思います。さらに、Clubhouseは入った時には招待されてるわけですからその人とは必ず繋がっていますし、電話番号で自分の知り合いの誰がやってるのかを見れるので、またそこで繋がりやすくなるし、自然と自分の知ってる人間関係でのネットワーク形成っていうのがすぐできるようになるっていうのも理由だと思います。
あっこゴリラ:一人で「SNS立ち上げましたー!」みたいな気合い、いらないですもんね。アメリカでは、大体何人ぐらいのユーザーがいるんですか?
ジェイ:いまだと200万人と言われています。実は、アメリカでは音楽業界やIT業界、あとはハリウッドの方たちとか、結構クリエイターが使っているアプリなんです。
あっこゴリラ:そうなんだ~。いろんな情報をシェアし合うような使い方なんですかね?
ジェイ:そうですね。
あっこゴリラ:アーカイブも残らないから、みんないつもより気楽に話せるだろうしね。 Clubhouseとミュージシャンには、どのような繋がりがあるのか。
ジェイ:初期に使い始めたのがミュージシャンが多かったり、特にHIP HOPやR&Bのアーティストたちが結構使っています。そういう人たちが音楽の話だけじゃなくて、社会問題などについて音楽業界の中でどうやって高めていくかみたいな話をしたりする場所として使っていたっていうのはありました。
あっこゴリラ:去年、日本に来てほしかったな(笑)。去年はそういうのをZoomでやってたんですよ。だからClubhouseなら手軽にパってできますもんね。
アユニ:顔が映らないっていうのもいいですよね。何かしながらでもできますもんね。
あっこゴリラ:海外では、フリースタイルラップバトルをしたり、業界人へのアピールの場としても使われていると聞いたんですけど。
ジェイ:ビートを紹介するオーディションの場だったり、ラップのバースを交換し合うような部屋だったり、クリエイティブのプロセスを解説しながら曲を作っていくなど、実際に専門家からのアドバイスを受けたり、レッスンを受ける場として利用されていることもあります。
あっこゴリラ:すごいな~。他にはどんな活用法があるんですか?
ジェイ:おもしろかったのは、『ライオンキング』のミュージカルの舞台俳優さんたちが、Clubhouse内で自分たちの曲を歌ったり、最近だと、スーパーボウルのアフターパーティーをClubhouse内でやったりとか。
あっこゴリラ:おお~! アフターパーティーとかは今後一般化しそうですよね。
音楽サブスクにとっては「闘う相手」が増える
ここからは、音声コンテンツの今後について伺った。あっこゴリラ:昨年はPodcast元年などとも言われていましたが、今後、音声コンテンツはどうなっていくと思われますか?
柴:音声コンテンツ自体はこれから先も伸びると思います。常時接続するというのがスタンダードになってくるんじゃないかな。スマホのギガ放題など今後は制限が無くなっていくと思うので、つなぎっぱなしのSNSが増えるんじゃないかなと思います。
あっこゴリラ:ジェイさんはどうですか?
ジェイ:僕も音声コンテンツは今年も注目しています。僕が思うのは、聴く人も増える一方で、喋る側、ホストになる人たちから音声のインフルエンサーみたいな方が今年は出てくるんじゃないかなと思います。声で勝負できるって新しいと思うんですよね。
あっこゴリラ:確かに! 音楽含め、ここからどういうコンテンツが残っていくのかは、まだ見えていない状況でしょうか?
ジェイ:大きなトレンドは2021年に見えてくると思います。常時接続する事で音楽を聴く時間が減り、これから先は音楽の再生回数が減る流れになるかもしれません。現にアメリカでは、音楽のサブスク時代というのがピークを迎えて頭打ちになっています。
あっこゴリラ:ええ~!
柴:やっぱり音声コンテンツと音楽ってかち合うんですよね。音声コンテンツを聴いてる時は、なかなか音楽を聴けないので、そうすると今度は音楽を聴く時間が減ってくるんです。
音声コンテンツの発達は、音楽市場にとっては大ダメージになるのだろうか。
ジェイ:今までのようにはライブやフェスなどの起爆剤がないと考えると、サブスクで音楽を聴き続けられるようにならないといけないので、音楽の中だけで競うだけではなく、ゲームやPodcastなど他のコンテンツとも闘っていかなければなりません。
あっこゴリラ:なるほど~。すごく分かりやすい!
柴:プラスに考えるなら、現時点ではClubhouse上で音楽をかけるのは著作権的にNGですが、TikTokのように楽曲のライセンス契約を結んで、ライブラリから使用できるようになれば、「ジュークボックスのようにおすすめの曲を教え合ってかける」ということが可能になりますし、そうなっていけば「TikTok発のヒット曲」のように「Clubhouse発のヒット曲」なども生まれていくはずです。これが相乗効果になっていったらいいなと思います。
最後に、昨今の音声コンテンツブームは、音楽業界にどのような影響を与えると思うかを訊いた。
ジェイ:アーティストがファンのみなさんと繋がれるコンテンツになればいいなと思います。そういうのができれば、今まで以上にいい関係を築けるようになりますし、そういうやり方もあるんじゃないかなと思います。
柴:やっぱりこういうものって広まってなんぼですし、TikTokもYouTubeもそうなんですけど、最初はグレーだけどだんだん整備されていくみたいなものなんで、ネガティブばかりに捉えないで、このコミュニケーションっていうのを音楽のために使って、音楽を盛り上げて、そして、たくさんアイディアが生まれてくればすごくプラスになると思います。
J-WAVE『SONAR MUSIC』は月~木の21:00-24:00にオンエア。4月5日(月)からは22:00スタートとなる。
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