初期投資0円の“インスタ起業”から、ZOZOグループへジョインした株式会社yutori代表の片石貴展。ファッション業界で注目される若手起業家が、「ユニクロ1強」である業界の問題点や、洋服作りをオープンにできる戦略を語った。
片石をゲストに招いたのは、J-WAVEで放送中の『VISION TO THE FUTURE』(ナビゲーター:中道大輔)。日本のカルチャーを創り出す、モノ、コト、ヒトの魅力を引き出し、世界に向けての価値観を共有するクリエイティブプログラムだ。ここで紹介するのは、1月26日(火)のオンエア。
2020年7月からは51%の株式譲渡によりZOZOグループへジョインした株式会社yutori。中道から現状を訊かれると「最高」と感想を漏らす。
片石: 僕らの好きなことや自由度は全く変わっていません。でも、上場企業から見た強化すべき経営面は、向こうの水準に合わせて頑張っています。単純に会社としてすごく強くなっていますね。ZOZOの方々もファッションが好きで優しいので、会社同士のお付き合いとしても仲良くしていただいて、うまくハマっていますね。
中道:それはいいですね。僕はまだ上場に関してひとつのトラウマが抜けないんだよね。リーバイスにいた頃に、株主のための動きやキャッシュを生むものに変わっていかなければいけない組織の流れについていけなかった。
片石:それ、刺さるなあ(笑)。
中道:だから上場って難しいと思う。でも片石さんは上場を目指してるんだもんね。それをハッキリ言えることは本当にすごい。そういう意味でZOZOはファッション業界では、今の流れで一番近いし理解している集団だよね。
片石:そうですね。ZOZOは間違いなくファッション業界ではトップレベルで成功している会社なので、学ぶことは大きいですね。
片石:ファッション業界のダメな部分は、オフラインが前提で成り立っていることだと思っています。1個のブランドを多数の店舗に出店して、オフラインで拡大させていく。そうすると当然在庫が発生して、各ブランドから在庫と破棄が出て固定費もかかるので、お客さんが来なければ赤字になります。今、黒字になっている上場ブランドはほとんどなく、ユニクロが1強みたいな現状です。でも僕らは、D2C(Direct to Consumer/消費者直接取引)でオンラインが前提なので、在庫を持たずに受注生産で大丈夫ですし、固定費がない分、消化率と利益率も全く異なってきます。アパレルの中でも僕らが取り組むビジネスは、アフターコロナでも一定の評価は受けるかなと思っています。
中道:実際にロジックとして難しいわけじゃないよね。でも今までの人たちができなくて、なぜ自分たちができていると思う?
片石:時代ですね。SNSがない時代に生まれたアパレル会社ばかりですが、僕らはSNSがある時代に生まれました。単純にビジネスとしてスマートなのは、ネットで伸ばしていく方法。たまたま時代的なタイミングかなと思います。
中道:僕らからすると、やり方を変えようとする勇気とアクションが必要だけど、片石さんは当たり前にやるんだろうね。でも変えていかないと取りこぼされて、置いていかれる感じはすごく思うな。
InstagramなどのSNSも、ハックの視点とビジネスの視点で運用していると語る片石。上場した後は洋服作りをオープンにできるような戦略も想定している。
片石:今、洋服は限られた人しか作れません。作りたいと思っても、工場への連絡やロットの確認、原資などのハードルが出てくると難しい。でも、インターネットの歴史を見ても、サービスの中間事業者はどんどんオープンになってフリーアクセスができるようになっています。一般の人でも簡単に洋服を作って、そこから生まれた数字が伸びているブランドを買って取り込むとか、サービスと社内のインキュレーションを兼ね備えたビジネスならやる意味がある。周りを見ても洋服を作っている若い子がすごく多いので、洋服を作るサービスが求められていることは明らかなのでやりたいですね。また、そういうビジネスはインフラに近いので上場後も評価されやすいというのも理由です。
中道:言葉よりもビジュアルイメージを持っているとのことだったので、海外からの引き合いも多いんじゃないですか?
片石:「古着女子」もベトナムや台湾などから見られているんですけど、まだビジネス的には打てていないのでもっとやっていきたいですね。やっぱりSNSの中で海外の認知を取って、日本に来たときも観光名所を訪れて木刀を買っていくように、僕らのTシャツを買っていくような流れにしたいです。インバウンドと紐づけてアジアの認知を取って、日本の中でしっかり数字を取っている先輩のブランドもあるので、勉強しながらやっていきたいですね。
片石の意気込みを聞いて中道も「世界は日本を待っていると思うから、ぜひ海外に出てね」とエールを送っていた。
片石をゲストに招いたのは、J-WAVEで放送中の『VISION TO THE FUTURE』(ナビゲーター:中道大輔)。日本のカルチャーを創り出す、モノ、コト、ヒトの魅力を引き出し、世界に向けての価値観を共有するクリエイティブプログラムだ。ここで紹介するのは、1月26日(火)のオンエア。
上場を目指す株式会社yutori
1993年生まれの片石は明治大学卒業後、株式会社アカツキにて新規事業部の立ち上げに従事。2017年12月には個人的にInstagramアカウント「古着女子」を立ち上げ、2018年4月に初期投資0円の“インスタ起業”として株式会社yutoriを創業。複数のD2Cブランドやバーチャルインフルエンサー事務所を手掛けるなどして、2020年のフォーブス『30 UNDER 30 JAPAN』(世界に多大なる影響を与える30歳未満の30人)も受賞した。2020年7月からは51%の株式譲渡によりZOZOグループへジョインした株式会社yutori。中道から現状を訊かれると「最高」と感想を漏らす。
片石: 僕らの好きなことや自由度は全く変わっていません。でも、上場企業から見た強化すべき経営面は、向こうの水準に合わせて頑張っています。単純に会社としてすごく強くなっていますね。ZOZOの方々もファッションが好きで優しいので、会社同士のお付き合いとしても仲良くしていただいて、うまくハマっていますね。
中道:それはいいですね。僕はまだ上場に関してひとつのトラウマが抜けないんだよね。リーバイスにいた頃に、株主のための動きやキャッシュを生むものに変わっていかなければいけない組織の流れについていけなかった。
片石:それ、刺さるなあ(笑)。
中道:だから上場って難しいと思う。でも片石さんは上場を目指してるんだもんね。それをハッキリ言えることは本当にすごい。そういう意味でZOZOはファッション業界では、今の流れで一番近いし理解している集団だよね。
片石:そうですね。ZOZOは間違いなくファッション業界ではトップレベルで成功している会社なので、学ぶことは大きいですね。
「ユニクロが1強」のファッション業界を変えるビジネス
現実的な最速時期として、2023年に上場を目指しているという片石。上場を目指す理由としては、ブランドビジネスだけではなく、生産に関わる新規事業に投資したいと意気込みを語った。コロナ禍で暗い話題が多いファッション業界だが、片石は一定の希望を持っている。片石:ファッション業界のダメな部分は、オフラインが前提で成り立っていることだと思っています。1個のブランドを多数の店舗に出店して、オフラインで拡大させていく。そうすると当然在庫が発生して、各ブランドから在庫と破棄が出て固定費もかかるので、お客さんが来なければ赤字になります。今、黒字になっている上場ブランドはほとんどなく、ユニクロが1強みたいな現状です。でも僕らは、D2C(Direct to Consumer/消費者直接取引)でオンラインが前提なので、在庫を持たずに受注生産で大丈夫ですし、固定費がない分、消化率と利益率も全く異なってきます。アパレルの中でも僕らが取り組むビジネスは、アフターコロナでも一定の評価は受けるかなと思っています。
中道:実際にロジックとして難しいわけじゃないよね。でも今までの人たちができなくて、なぜ自分たちができていると思う?
片石:時代ですね。SNSがない時代に生まれたアパレル会社ばかりですが、僕らはSNSがある時代に生まれました。単純にビジネスとしてスマートなのは、ネットで伸ばしていく方法。たまたま時代的なタイミングかなと思います。
中道:僕らからすると、やり方を変えようとする勇気とアクションが必要だけど、片石さんは当たり前にやるんだろうね。でも変えていかないと取りこぼされて、置いていかれる感じはすごく思うな。
InstagramなどのSNSも、ハックの視点とビジネスの視点で運用していると語る片石。上場した後は洋服作りをオープンにできるような戦略も想定している。
片石:今、洋服は限られた人しか作れません。作りたいと思っても、工場への連絡やロットの確認、原資などのハードルが出てくると難しい。でも、インターネットの歴史を見ても、サービスの中間事業者はどんどんオープンになってフリーアクセスができるようになっています。一般の人でも簡単に洋服を作って、そこから生まれた数字が伸びているブランドを買って取り込むとか、サービスと社内のインキュレーションを兼ね備えたビジネスならやる意味がある。周りを見ても洋服を作っている若い子がすごく多いので、洋服を作るサービスが求められていることは明らかなのでやりたいですね。また、そういうビジネスはインフラに近いので上場後も評価されやすいというのも理由です。
SNSで海外認知を広め「お土産で買う」ような存在なりたい
片石は海外展開も見据え、特にアジアのマーケットをチェックしている。中道:言葉よりもビジュアルイメージを持っているとのことだったので、海外からの引き合いも多いんじゃないですか?
片石:「古着女子」もベトナムや台湾などから見られているんですけど、まだビジネス的には打てていないのでもっとやっていきたいですね。やっぱりSNSの中で海外の認知を取って、日本に来たときも観光名所を訪れて木刀を買っていくように、僕らのTシャツを買っていくような流れにしたいです。インバウンドと紐づけてアジアの認知を取って、日本の中でしっかり数字を取っている先輩のブランドもあるので、勉強しながらやっていきたいですね。
片石の意気込みを聞いて中道も「世界は日本を待っていると思うから、ぜひ海外に出てね」とエールを送っていた。
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