ビジネスからライフスタイルまで、さまざまなアプローチから世界の“今”を紐解く「KONICA MINOLTA GLOBAL SCALE」。『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナーだ。
12月14日(月)のオンエアは「サイバー犯罪の傾向」がテーマ。増加している「ランサムウェア」について、ロンドンを拠点に活動するサイバーセキュリティの専門家でCyber DD代表の足立照嘉さんが解説した。
一方で、このワクチンの開発をめぐり、先日アメリカの国土安全保障省、サイバーインフラ安全局前局長のクレッブス氏は、「イラン、ロシア、中国、北朝鮮はワクチンに関する知的財産を盗もうとしている」と発言。ワクチン確保に躍起の国々が、海外の有用情報を狙ったサイバー攻撃を激化させている可能性を指摘した。
世界に限らず、国内でも新型コロナウイルス感染症の影響によりリモートワークが増加し、サイバーセキュリティへの関心がこれまで以上に高まっている。最近のサイバー犯罪の傾向について、足立さんは以下のように語った。
足立:通信会社などが発表したデータでは、欧州で最初のロックダウンが始まった第一四半期には、インターネットを流れるデータが対前月比で30%増えています。通常は、だいたい月3%ずつ増えていますので、これがどれだけ驚異的な変化だったのかということをうかがい知ることができるのではないでしょうか。そしてもうひとつ、同じ期間で30%増えたものがありました。これは暗号通貨の取引に用いる講座の新規開設数です。この時期に開設された口座の多くが、商品やサービスの支払いに用いる決済目的の利用だったということがわかっています。
足立:ランサムウェアに感染すると、システムやファイルを開けなくされてしまい、それらを取り返すために身代金を要求されてしまう、ということが発生します。また、詐欺メールなども多く届いたのではないでしょうか。このランサムウェアの被害による身代金の支払い手段としても、暗号通貨が用いられています。また、ロックダウンによって外出ができなくなったため、これまで路上で行われていた違法薬物の売買もネット通販に移行してしまいました。その決済手段としても用いられています。
「withコロナ」という新時代、多くの方がインターネットと共に過ごす時間を増やした1年、言うなればネットに依存する1年を過ごしたと予想されるが、それは犯罪行為も同様だったようだ。
ランサムウェアにより身代金を要求する具体的な手口とは?
足立:今年の春ごろから増えた手口は、システムを停止させたり、ファイルを開けなくさせたりするだけではなく、「一連の行為から一緒に盗み出したデータを公開されたくなかったら、さらに高い身代金を支払うように」と要求してくる二重恐喝です。私たちの顧客の事例ではありませんが、先日、日本のゲーム会社さんがランサムウェア被害に遭われた、という事件が発生しています。この際も、数十億円の身代金の要求や、大量の情報漏洩が発生しています。そしてこのランサムウェア被害により、数千台ものIT機器にまで感染が広がったという情報も出ています。つまり、これらの機器が復旧するまでの間、事業の一部、または多くを中断する必要が生じてしまいます。ですから遺失利益など、直接的な経済的損失も莫大なものとなってしまいます。私たちの仕事や生活はますますITへの依存度を高めることとなった1年でしたが、残念ながらサイバー犯罪の規模や影響も、より大きなものとなってしまっています。
便利になる一方で増加、新たに生まれる犯罪。一人ひとりがサイバーセキュリティについて知ること、対策を行うことが必要だ。
12月14日(月)のオンエアは「サイバー犯罪の傾向」がテーマ。増加している「ランサムウェア」について、ロンドンを拠点に活動するサイバーセキュリティの専門家でCyber DD代表の足立照嘉さんが解説した。
インターネットに流れるデータ量が驚異的に増加している
欧米では新型コロナウイルスのワクチンの開発が「接種」というフェーズに入り、各国安定供給に向けたアクションがはじまっている。また、アメリカではバイデン次期大統領が政権発足を待たず、関連予算の承認に向けてスタートした。一方で、このワクチンの開発をめぐり、先日アメリカの国土安全保障省、サイバーインフラ安全局前局長のクレッブス氏は、「イラン、ロシア、中国、北朝鮮はワクチンに関する知的財産を盗もうとしている」と発言。ワクチン確保に躍起の国々が、海外の有用情報を狙ったサイバー攻撃を激化させている可能性を指摘した。
世界に限らず、国内でも新型コロナウイルス感染症の影響によりリモートワークが増加し、サイバーセキュリティへの関心がこれまで以上に高まっている。最近のサイバー犯罪の傾向について、足立さんは以下のように語った。
足立:通信会社などが発表したデータでは、欧州で最初のロックダウンが始まった第一四半期には、インターネットを流れるデータが対前月比で30%増えています。通常は、だいたい月3%ずつ増えていますので、これがどれだけ驚異的な変化だったのかということをうかがい知ることができるのではないでしょうか。そしてもうひとつ、同じ期間で30%増えたものがありました。これは暗号通貨の取引に用いる講座の新規開設数です。この時期に開設された口座の多くが、商品やサービスの支払いに用いる決済目的の利用だったということがわかっています。
データを人質に身代金を要求する「ランサムウェア」
コンピューターウイルスの一種であるランサムウェアによる被害も増加している。システムやファイルを人質にとって身代金を要求するものだ。足立:ランサムウェアに感染すると、システムやファイルを開けなくされてしまい、それらを取り返すために身代金を要求されてしまう、ということが発生します。また、詐欺メールなども多く届いたのではないでしょうか。このランサムウェアの被害による身代金の支払い手段としても、暗号通貨が用いられています。また、ロックダウンによって外出ができなくなったため、これまで路上で行われていた違法薬物の売買もネット通販に移行してしまいました。その決済手段としても用いられています。
「withコロナ」という新時代、多くの方がインターネットと共に過ごす時間を増やした1年、言うなればネットに依存する1年を過ごしたと予想されるが、それは犯罪行為も同様だったようだ。
ランサムウェアにより身代金を要求する具体的な手口とは?
足立:今年の春ごろから増えた手口は、システムを停止させたり、ファイルを開けなくさせたりするだけではなく、「一連の行為から一緒に盗み出したデータを公開されたくなかったら、さらに高い身代金を支払うように」と要求してくる二重恐喝です。私たちの顧客の事例ではありませんが、先日、日本のゲーム会社さんがランサムウェア被害に遭われた、という事件が発生しています。この際も、数十億円の身代金の要求や、大量の情報漏洩が発生しています。そしてこのランサムウェア被害により、数千台ものIT機器にまで感染が広がったという情報も出ています。つまり、これらの機器が復旧するまでの間、事業の一部、または多くを中断する必要が生じてしまいます。ですから遺失利益など、直接的な経済的損失も莫大なものとなってしまいます。私たちの仕事や生活はますますITへの依存度を高めることとなった1年でしたが、残念ながらサイバー犯罪の規模や影響も、より大きなものとなってしまっています。
便利になる一方で増加、新たに生まれる犯罪。一人ひとりがサイバーセキュリティについて知ること、対策を行うことが必要だ。
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2020年12月21日28時59分まで
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