劇団ゴジゲンの主宰である松居大悟がナビゲートする、J-WAVEで放送中の『JUMP OVER』。ラジオ、映画、演劇、音楽などの枠を越えた企画を発信し続けている。
同番組では、リスナーから意見を募りながら、バイノーラル・ラジオ・ドラマを制作。「バイノーラル」というのは、360度が音響空間となる録音方式で、役者が目の前にいるかのようなバーチャル体験ができることが特徴だ。
同作のメインキャストは、上白石萌歌、稲葉 友、花澤香菜、村上 航。7月5日(日)22時~22時54分に特番『J-WAVE SELECTION JUMP OVER SPECIAL ~バイノーラル・ラジオ・ドラマ ファミリーサマービュー~』としてオンエアされた。
【音源はこちら】『ファミリーサマービュー』をradikoで聴く
作品をより楽しめるよう、オンエアに先駆けた6月25日、7月2日の『JUMP OVER』では、上白石萌歌×稲葉友×松居大悟の座談会をオンエア。ここでは、2日のトーク内容をお届けしよう。花澤香菜、村上 航のコメントも。
【前回の放送】上白石萌歌×稲葉 友、新感覚の「バイノーラル・ラジオ・ドラマ」収録を振り返る
■『ファミリーサマービュー』タイトルへのこだわり
前回は、収録の感想を語った三人。後編では、ストーリーやタイトルについてトークを展開した。
松居:『ファミリーサマービュー』の台本はどうでしたか?
上白石:おもしろかったです!
松居:ほんとに! もうちょっとほしいな。
稲葉:褒めのところばっかり取り入れようとする(笑)。
松居:(笑)。音の世界だからこそ「ビュー(視覚・景色などの意味)」というタイトルにするという……こだわり。
稲葉:あんまり僕を見ながら言わないでください(笑)。
松居:あはは!
稲葉:わりとよく喋ってるんだから、僕らは! 松居さんと萌歌さんが喋ってくれたほうが楽しいですよ(笑)。
上白石:(笑)。確かに、目をつぶったら見えます。そういうことですよね?
松居:そうそうそう! それがほしかったの。
上白石:あはは(笑)。
稲葉:現場でもそうだったかもしれない。その風景が、小道具も用意してくれていたけど、勝手に頭の中で匂いが浮かんだり、時間設定もちゃんと書いてくれているから明るさとか、部屋の広さとか、このスタジオ以上に感じられました。
松居:たぶん、音の広がりとお芝居ということで、これから足すであろうSEとかがまだ入っていないのに、空が見えたり、お肉が焼けている匂いがしたりすると思って、グッときたんだよね。それプラス、シンプルに「バイノーラルってすごいな」ということもそうだけど、家族の、ちょっとだけいびつな人たちの物語を、聞いたあとに楽しんでもらえたらなと思いました。
■松居から稲葉へ送られた、ただごとじゃないメール
松居は物語を書く際に、稲葉が演じる兄役が「何を抱えているか」が思いつかず、稲葉にメールを送ったそうだ。
稲葉:あの、穏やかじゃないメールが届いて(笑)。
上白石:どんな感じですか?
稲葉:何気ない連絡もするんですけど、そのときは「両親やきょうだいに対して葛藤や心配していることなどはありますか?」みたいな、番組のアンケートみたいなメールがきて「ただごとじゃねえ」と思って。
松居:あはは(笑)。
稲葉:電話するのもなんか違うなと思って、文字で返して。「これってそういうこと?」「どういうこと?」「俺はこういうふうに思ってる」みたいな、他の人には話したことがないような……。
松居:すごく繊細な話。
稲葉:そう。いまさら松居さんと文面でやり合って、それがちょっと台本に反映されていて。しかもそのとき、出演することをまだ知らなかったです。
松居:そうなんだ!
稲葉:俺も『またね家族』(松居の執筆した小説/講談社)を読んだから「松居さんの何かになるんだろうな」と思って「何かになったら幸いです」みたいに終わったら、すぐに「なった!」「俺のだ!」と思って(笑)。
上白石:実体験が入っているんですね。知らなかった。
稲葉:きょうだいに対する、単純じゃない感情というか、嫌い好き、憎いとかじゃなくて、どうしても対比しちゃったり。そういう話をこまごまとしたら、それがいい感じに収まっていました。
松居:これを聴いてもらったら、どういうことに悩んでいたかを感じてもらえると思います。
■村上 航、花澤香菜からもメッセージ
稲葉と上白石が、リスナーへメッセージをおくった。
稲葉:本当に楽しい、おもしろい企画に参加させていただけて幸せでした。リスナーのみなさんが、いつもよりドラマにのめり込めると思います。そっちもこっちも交わる部分が増えているのかなと思うので、そういうところを楽しんでいただけたら幸いです。
上白石:とても楽しくて充実した時間でした。今のこんな状況下で、なかなか演劇を純粋に、まだ安全に楽しめない部分があったり、芸術を楽しむことに戸惑いがあったりする方も多いと思うんです。でも今回の「バイノーラル・ラジオ・ドラマ」は、ドラマや演劇など、いろいろな要素が組み合わさって、とても新しい感覚の作品になっていると思います。こんなときだからこそ、私もとても楽しく演じることができたので、ぜひ楽しんで聴いていただけると嬉しいです。ありがとうございました。
さらに、父役の村上 航と、母役と美容師役の花澤香菜からのメッセージもオンエアされた。
村上:「バイノーラル・ラジオ・ドラマ」は初めてやらせていただきました。僕がやらせていただいたのは不器用な父みたいな役どころです。どこにでもあるような家族のワンシーンのような気もしているというか。松居監督の世界観、ちょっと変態チックなところが入っていたり、彼のすばらしいイメージ、『またね家族』を彷彿とさせるような世界観もある、いい本(台本)だなと思いました。バイノーラルの音像の世界観みたいなものを楽しんでいただければと思います。びっくりしますので、ヘッドフォンでがっつり聴いていただきたいです。感覚に萌える感じも期待しながら楽しみにしていただければと思います。
花澤:バイノーラルで収録をすることはけっこうあるんですよ。主人公の男の子を惑わすようなことを耳元で言ったりとか(笑)。でも、そういうときって、だいたいダミーヘッドマイクと呼ばれる、マネキンの両耳にマイクがついているものでやったりするんです。なので、今回はすごくやりがいがあって、とっても楽しかったです。声優のお仕事をやっていると「想像力がいるな」と、いつも思うんです。だけど、今回のように動いてやれればもっといろいろとできることがある、いろいろと気づくことがあると勉強させていただきました。めちゃくちゃ楽しかったです。ありがとうございます。
花澤は、松居の小説『またね家族』も読んで、自分の家族について思いを巡らせたそうだ。
花澤:私は父とすごく仲良しなんですけど、父と初めて2人でお墓参りにいったことを思い出しました。真冬だったんですけど、冷たい水でジャーってやりながら、雑巾で手がかじかむ中、手際よくやっていて「これをずっと父はやり続けてきたんだな」「それを私が引き継いでいくんだな」とか、『またね家族』はそういう、人に話すわけではないけれど、とっても身近で大事なものが詰まった作品なんです。咀嚼音とかもね(笑)。主に咀嚼音が聴けるのは母視点のお話なんですけど、そのときに私の両耳にマイクが仕込まれていまして、そこにむかってみんなでご飯を食べてくれるという不思議な体験をしました(笑)。みなさんの耳にも心地いいんじゃないかと思います。
『ファミリーサマービュー』は、radikoで7月12日(日)28時59分まで聴くことができる。
【音源はこちら】『ファミリーサマービュー』をradikoで聴く
また、7月10日(金)からは、J-WAVEのインターネットオーディオ事業を担うJAVEによるデジタル音声コンテンツ配信サービス「SPINEAR」でも配信が開始される。
SPINEAR【 https://spinear.com/ 】
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年7月9日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『JUMP OVER』
放送日時:木曜 26時-26時30分
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/jumpover/
同番組では、リスナーから意見を募りながら、バイノーラル・ラジオ・ドラマを制作。「バイノーラル」というのは、360度が音響空間となる録音方式で、役者が目の前にいるかのようなバーチャル体験ができることが特徴だ。
同作のメインキャストは、上白石萌歌、稲葉 友、花澤香菜、村上 航。7月5日(日)22時~22時54分に特番『J-WAVE SELECTION JUMP OVER SPECIAL ~バイノーラル・ラジオ・ドラマ ファミリーサマービュー~』としてオンエアされた。
【音源はこちら】『ファミリーサマービュー』をradikoで聴く
作品をより楽しめるよう、オンエアに先駆けた6月25日、7月2日の『JUMP OVER』では、上白石萌歌×稲葉友×松居大悟の座談会をオンエア。ここでは、2日のトーク内容をお届けしよう。花澤香菜、村上 航のコメントも。
【前回の放送】上白石萌歌×稲葉 友、新感覚の「バイノーラル・ラジオ・ドラマ」収録を振り返る
■『ファミリーサマービュー』タイトルへのこだわり
前回は、収録の感想を語った三人。後編では、ストーリーやタイトルについてトークを展開した。
松居:『ファミリーサマービュー』の台本はどうでしたか?
上白石:おもしろかったです!
松居:ほんとに! もうちょっとほしいな。
稲葉:褒めのところばっかり取り入れようとする(笑)。
松居:(笑)。音の世界だからこそ「ビュー(視覚・景色などの意味)」というタイトルにするという……こだわり。
稲葉:あんまり僕を見ながら言わないでください(笑)。
松居:あはは!
稲葉:わりとよく喋ってるんだから、僕らは! 松居さんと萌歌さんが喋ってくれたほうが楽しいですよ(笑)。
上白石:(笑)。確かに、目をつぶったら見えます。そういうことですよね?
松居:そうそうそう! それがほしかったの。
上白石:あはは(笑)。
稲葉:現場でもそうだったかもしれない。その風景が、小道具も用意してくれていたけど、勝手に頭の中で匂いが浮かんだり、時間設定もちゃんと書いてくれているから明るさとか、部屋の広さとか、このスタジオ以上に感じられました。
松居:たぶん、音の広がりとお芝居ということで、これから足すであろうSEとかがまだ入っていないのに、空が見えたり、お肉が焼けている匂いがしたりすると思って、グッときたんだよね。それプラス、シンプルに「バイノーラルってすごいな」ということもそうだけど、家族の、ちょっとだけいびつな人たちの物語を、聞いたあとに楽しんでもらえたらなと思いました。
■松居から稲葉へ送られた、ただごとじゃないメール
松居は物語を書く際に、稲葉が演じる兄役が「何を抱えているか」が思いつかず、稲葉にメールを送ったそうだ。
稲葉:あの、穏やかじゃないメールが届いて(笑)。
上白石:どんな感じですか?
稲葉:何気ない連絡もするんですけど、そのときは「両親やきょうだいに対して葛藤や心配していることなどはありますか?」みたいな、番組のアンケートみたいなメールがきて「ただごとじゃねえ」と思って。
松居:あはは(笑)。
稲葉:電話するのもなんか違うなと思って、文字で返して。「これってそういうこと?」「どういうこと?」「俺はこういうふうに思ってる」みたいな、他の人には話したことがないような……。
松居:すごく繊細な話。
稲葉:そう。いまさら松居さんと文面でやり合って、それがちょっと台本に反映されていて。しかもそのとき、出演することをまだ知らなかったです。
松居:そうなんだ!
稲葉:俺も『またね家族』(松居の執筆した小説/講談社)を読んだから「松居さんの何かになるんだろうな」と思って「何かになったら幸いです」みたいに終わったら、すぐに「なった!」「俺のだ!」と思って(笑)。
上白石:実体験が入っているんですね。知らなかった。
稲葉:きょうだいに対する、単純じゃない感情というか、嫌い好き、憎いとかじゃなくて、どうしても対比しちゃったり。そういう話をこまごまとしたら、それがいい感じに収まっていました。
松居:これを聴いてもらったら、どういうことに悩んでいたかを感じてもらえると思います。
■村上 航、花澤香菜からもメッセージ
稲葉と上白石が、リスナーへメッセージをおくった。
稲葉:本当に楽しい、おもしろい企画に参加させていただけて幸せでした。リスナーのみなさんが、いつもよりドラマにのめり込めると思います。そっちもこっちも交わる部分が増えているのかなと思うので、そういうところを楽しんでいただけたら幸いです。
上白石:とても楽しくて充実した時間でした。今のこんな状況下で、なかなか演劇を純粋に、まだ安全に楽しめない部分があったり、芸術を楽しむことに戸惑いがあったりする方も多いと思うんです。でも今回の「バイノーラル・ラジオ・ドラマ」は、ドラマや演劇など、いろいろな要素が組み合わさって、とても新しい感覚の作品になっていると思います。こんなときだからこそ、私もとても楽しく演じることができたので、ぜひ楽しんで聴いていただけると嬉しいです。ありがとうございました。
さらに、父役の村上 航と、母役と美容師役の花澤香菜からのメッセージもオンエアされた。
村上:「バイノーラル・ラジオ・ドラマ」は初めてやらせていただきました。僕がやらせていただいたのは不器用な父みたいな役どころです。どこにでもあるような家族のワンシーンのような気もしているというか。松居監督の世界観、ちょっと変態チックなところが入っていたり、彼のすばらしいイメージ、『またね家族』を彷彿とさせるような世界観もある、いい本(台本)だなと思いました。バイノーラルの音像の世界観みたいなものを楽しんでいただければと思います。びっくりしますので、ヘッドフォンでがっつり聴いていただきたいです。感覚に萌える感じも期待しながら楽しみにしていただければと思います。
花澤:バイノーラルで収録をすることはけっこうあるんですよ。主人公の男の子を惑わすようなことを耳元で言ったりとか(笑)。でも、そういうときって、だいたいダミーヘッドマイクと呼ばれる、マネキンの両耳にマイクがついているものでやったりするんです。なので、今回はすごくやりがいがあって、とっても楽しかったです。声優のお仕事をやっていると「想像力がいるな」と、いつも思うんです。だけど、今回のように動いてやれればもっといろいろとできることがある、いろいろと気づくことがあると勉強させていただきました。めちゃくちゃ楽しかったです。ありがとうございます。
花澤は、松居の小説『またね家族』も読んで、自分の家族について思いを巡らせたそうだ。
花澤:私は父とすごく仲良しなんですけど、父と初めて2人でお墓参りにいったことを思い出しました。真冬だったんですけど、冷たい水でジャーってやりながら、雑巾で手がかじかむ中、手際よくやっていて「これをずっと父はやり続けてきたんだな」「それを私が引き継いでいくんだな」とか、『またね家族』はそういう、人に話すわけではないけれど、とっても身近で大事なものが詰まった作品なんです。咀嚼音とかもね(笑)。主に咀嚼音が聴けるのは母視点のお話なんですけど、そのときに私の両耳にマイクが仕込まれていまして、そこにむかってみんなでご飯を食べてくれるという不思議な体験をしました(笑)。みなさんの耳にも心地いいんじゃないかと思います。
『ファミリーサマービュー』は、radikoで7月12日(日)28時59分まで聴くことができる。
【音源はこちら】『ファミリーサマービュー』をradikoで聴く
また、7月10日(金)からは、J-WAVEのインターネットオーディオ事業を担うJAVEによるデジタル音声コンテンツ配信サービス「SPINEAR」でも配信が開始される。
SPINEAR【 https://spinear.com/ 】
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年7月9日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『JUMP OVER』
放送日時:木曜 26時-26時30分
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/jumpover/