J-WAVE(81.3FM)×「MUSIC FUN !」連動企画である、深夜の音楽座談プログラム『WOW MUSIC』。“すごい”音楽をつくるクリエイターが“WOW”と思ういい音楽とは? 毎月1人のクリエイターがマンスリープレゼンターとして登場し、ゲストとトークを繰り広げる。
6月のマンスリープレゼンターは、ギタリスト、キーボーディスト、音楽プロデューサーなどさまざまな活動を行っている川谷絵音。川谷の担当の初回である6月5日(金)は、マルチアーティストのVaundy (バウンディ)がリモートでゲスト出演。Vaundyの魅力やこれからの音楽、評価についてなどのトークを展開した。
■歌を褒めてもらうのがうれしくて音楽を始めた
川谷はYouTubeでたまたまVaundyの『東京フラッシュ』を目にして、一気にその世界観に引き込まれたという。
川谷:ギターのイントロが僕の中でヒットして、「なんだろう?」と思いながら聴いていたら、声がそれを上回ってきて、メロディーも全部いいし、アレンジもいい。でも情報が出てなかったから「なんだろう、この人?」ってなって、いろいろ調べたりして、Vaundyくんの動画が出てきて、たくさん観ました。
Vaundy:本当にうれしいです。僕は川谷さんの音楽を聴いていた側なので、夢があるなって感じます(笑)。
川谷はVaundyを見て、今はシンガーソングライターの時代だと感じたそうだ。米津玄師や藤井 風らの名前も挙げ、「僕はずっとバンドをやってきたから、シンガーソングライターにものすごく憧れがあって」と明かした。
川谷:(楽曲を聴いて)普通に「めっちゃいいな」と思うことはあるけど、Vaundyくんは久々に目が覚めるような曲だったというか。
川谷の称賛に、Vaundyは「えーっ、そんなことあります!? そんなことを思わせ……ていいのか!?という変な言葉を使ってしまいそう」と喜びをあらわにした。
川谷:そもそも、どんなきっかけで音楽を始めたの?
Vaundy:今は歌中心の音楽が多いんですけど、小さいときから歌うのが好きで、褒めてもらうのがうれしくて音楽を始めたのかな。でも、始まりがわからないくらい古くて。
川谷:じゃあ、初めて曲を作ったのはいつ?
Vaundy:中学3年生のときにまともな音源をDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)を使って友だちと作った記憶があります。
■音楽を、アーティストではなく曲で聴くようになった世代
Vaundyは5月にファーストアルバム『strobo』をリリース。川谷は「いろんなジャンルの曲が入っていて、たくさん音楽を聴いているんだなと思った」と伝え、その上で「今のニーズもちゃんとわかっているし、海外のトレンドも押さえているんだなって。曲作りに抜け目がない」という印象を受けた。
Vaundy:そんなべた褒めされると恥ずかしいです(笑)。
川谷:(笑)。藤井 風くんは、Vaundyくんと逆のベクトルに見えていて。トレンドもちゃんとあるんだけど、自分が「こうだ」と決めたものが、いい意味でブレずにあって。Vaundyくんはいろんなものを取り入れている感じがする。どんな音楽がルーツなの?
Vaundy:ルーツを表現するのは難しくて。僕は現代的な聴き方というか、音楽をアーティストではなく曲で聴くようになった世代だと思っています。だから、ルーツっていうのが明確じゃなくて、その時々で好きなアーティストが違って、吸収するものが違うので、なんとも言えないなって感じですね。
川谷:そっか。俺らのときは、CDを買う時代だったから。音楽を作り始めた中学3年のときにはサブスクがあったんですか?
Vaundy:ニコニコ動画とかですね。僕はいったん歌い手を経由してるんで、そこでDAWとかを覚えました。でも、そもそも音楽はそんなに聴いていなくて。本当に取り入れられそうな曲を分析しながら聴くことが多かったので、人よりすごく音楽を聴いているというよりは、人よりその音楽を分析しているのかなと思います。
川谷:なるほどね。その感じも聴いていてわかるかも。
Vaundyは好きなアーティストとしてサカナクションを挙げた。
Vaundy:めちゃくちゃ好きで。あのサウンド感というか、作り込まれているところに、バンドとしてもサウンドとしても憧れる部分がありますね。
川谷:サカナクションは長い時間をかけて作るタイプで、ものすごくいろいろ考えているだろうなって思う。
Vaundy:伝わってきますよね。
川谷:サカナクションはマスにもウケるし、音楽のコアなファンにもウケるから、それ以上のバンドっていないなって思うからね。
Vaundy:本当に作られているものが良質ですよね。
■流行を分析して作った『東京フラッシュ』
Vaundyは『東京フラッシュ』の制作経緯を明かす。昨年、作った月にすぐ発表した楽曲だそうだ。同曲から楽曲制作が変わったという。世間のニーズを吸収し、解読しながら作ったと振り返る。
Vaundy:レコメンドの曲を分析してると、コード進行がだいたい似てるんですよね。今の流行りはこういうサウンドなんだと感じて、試しに作ってみようと思って作った曲でもあります。それと、ラジオで流してもらいたいなって思って作ってみたのもあります。
川谷:へえ。ラジオで流れてほしいという気持ちがあったんだ。
Vaundy:ラジオはいろんなところに展開しやすいかなと。ラジオはいろんな人が聴いていて、コアな音楽ファンも聴いているので、J-WAVEで流れたらいいなって思っていました(笑)。
川谷:たしかに、『東京フラッシュ』はめちゃくちゃラジオで流れてたよね。
Vaundy:本当に嬉しいです。
川谷は『東京フラッシュ』のミュージックビデオも素晴らしいと絶賛した。
川谷:すごく若い監督が撮ってるんだよね。
Vaundy:僕と同じ19歳の監督で、昔から仲がよくて、すごい映像を作ることは知っていたからお願いしたら、本当によかったですね。新宿、上野、渋谷、浅草とか、東京を感じさせるところで撮ったので、コンセプトはしっかりあったと思います。
川谷:すごく絶妙で、電話ボックスに入っているのもなんかいい。映像も入ってくるのに、曲もすごく入ってくるから、素晴らしいミュージックビデオ。あのミュージックビデオの存在も大きかったですね。
Vaundy:今はサブスクがすごく発展してるんですけど、YouTubeで視覚的にも音的にも楽しみたい時代なんだなって気がします。それは、これからますます加速していくと思うんですけど、音楽を耳だけで聴く時代じゃなくなったなと思います。
■新しいものは、時代に逆行したときに生まれる
川谷はVaundyのアルバム『strobo』を聴いて、『Audio 001』『Audio 002』など、インタールード(間奏曲)が入っていることが新鮮だったと語る。
川谷:昔はよくあった、短いインタールードをオープニングに入れるというのが、逆に新鮮で。今、みんなそこに勇気が出せないと言うか。サブスクで一曲目にガツンと曲が始まらないと飛ばされるんじゃないかっていう(不安があるから)。しかも、『Audio 001』っていう「絶対そうだろ」っていう曲名で(笑)。いろいろ分析しているであろう人が、ここにこれを持ってくるということは、アルバムとしての流れを考えているんだと思って、僕はすごく好きでしたね。
Vaundyは、リバイバルという面もあるとしながら、理由をこう述べた。
Vaundy:(収録曲は)シングルとして扱ってきた曲が多いので、ベストアルバムに近くて。『strobo』というアルバムイメージ『Audio 001』『Audio 002』で出していますね。アルバムとしても楽しんでもらいたいなって。
川谷は、ドラマ『東京ラブストーリー』の主題歌に起用された『灯火』を聴いときに、こういう曲も作れるのか、と驚いたそうだ。
川谷:『strobo』はいろんな曲が入ってたから、「この人はいろんな曲が作れるんだな」と思って。今はBGM文化でもあるから、アルバム全体を通して、同じ温度感で作っている人が多いですよね。海外でもそうだし。全部テーマがあって、同じ温度感の短い曲が並んでいる感じが多い。でも、僕もいろんなことをやりたいタイプだから、(『strobo』のように)いろんなことをやってくれると飽きないというか。僕は同じ温度感のアルバムを最後まで集中して聴けないっていう悪いクセがあって。
Vaundy:僕もそうなんですよね。そこが原因でこういう曲ができたんだと思います(笑)。
川谷:それがすごくいいし、時代に逆行している感じがして。でも、逆行したときに時代は作られると思う。
Vaundy:そうですよね。新しいものをやりたいってことはあります。
■作品への反応、どう受け止めている?
作品を世の中に出すと、さまざまな評価を突きつけられる。Vaundyは川谷に、どう受け止めているかを相談した。
Vaundy:賛否あるじゃないですか。いろんな意見があると思うんですけど、そういうのってどういうふうに受けとめてますか? 気になっちゃって。初めてアルバムを出したからいろんなことを言われて、「そうだな」と思う部分もあるんですけど、なんだかんだ言っても19歳なので、気にしちゃうこともあります。
川谷:俺は最初のほうは「何言ってんだよ」とか「全然わかってねえな」みたいに思ったりしてたけど、今は逆にそういう意見を全部見ていって「こう思う人もいるな」とか、そう思っている人のパーソナルを知ろうとして、その人のツイートを全部見たりするかも。
Vaundyは「ちょっとわかる気がする」と川谷に同調する。
川谷:絶対にわかり合えなさそうな人間ってTwitterにたくさんいるけど、そういう人たちを無視するとポップスは作れないというか、商業音楽自体がグレーゾーンにも届いてなんぼのものだと思うから。近年また気づき始めたというか。人間って自分の音楽だけが人生だけじゃないから、いろんな要素によって自分が変わってくる。Vaundyくんもいろいろあるかもしれないけどね。
Vaundy:今めちゃくちゃ自信つきました。ありがとうございます。僕もそういう意見を見ちゃうから、「この人はどう思ってこう言ってるんだろう」と思っちゃうんですよね。「この人はどんな音楽を聴いているんだろう」とか、どこがダメなのか教えてほしいって気持ちになるタイプ。でも、川谷さんの話を聞いて、僕のそういう考えは大丈夫だったんだと思えたから安心しました。
番組では他にも、Vaundyが気になる海外のアーティストや、LAUVのグローバルリミックスアルバムに参加した経緯を話す場面もあった。
深夜の音楽座談プログラム『WOW MUSIC』はJ-WAVEと、MUSIC FUN !のコラボ。『MUSIC FUN !』のYouTubeページには、同番組のトーク動画のほか、ミュージシャンやプロデューサーによる音楽の話が数多く配信されている。
・『MUSIC FUN !』のYouTubeページ
https://www.youtube.com/c/musicfun_jp
次回、6月12日(金)はサカナクションのボーカル・山口一郎が登場。川谷と音楽談義を繰り広げる。放送は金曜24時30分から。お楽しみに!
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年6月12日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『WOW MUSIC』
放送日時:毎週金曜24時30分-25時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/wowmusic/
6月のマンスリープレゼンターは、ギタリスト、キーボーディスト、音楽プロデューサーなどさまざまな活動を行っている川谷絵音。川谷の担当の初回である6月5日(金)は、マルチアーティストのVaundy (バウンディ)がリモートでゲスト出演。Vaundyの魅力やこれからの音楽、評価についてなどのトークを展開した。
■歌を褒めてもらうのがうれしくて音楽を始めた
川谷はYouTubeでたまたまVaundyの『東京フラッシュ』を目にして、一気にその世界観に引き込まれたという。
川谷:ギターのイントロが僕の中でヒットして、「なんだろう?」と思いながら聴いていたら、声がそれを上回ってきて、メロディーも全部いいし、アレンジもいい。でも情報が出てなかったから「なんだろう、この人?」ってなって、いろいろ調べたりして、Vaundyくんの動画が出てきて、たくさん観ました。
Vaundy:本当にうれしいです。僕は川谷さんの音楽を聴いていた側なので、夢があるなって感じます(笑)。
川谷はVaundyを見て、今はシンガーソングライターの時代だと感じたそうだ。米津玄師や藤井 風らの名前も挙げ、「僕はずっとバンドをやってきたから、シンガーソングライターにものすごく憧れがあって」と明かした。
川谷:(楽曲を聴いて)普通に「めっちゃいいな」と思うことはあるけど、Vaundyくんは久々に目が覚めるような曲だったというか。
川谷の称賛に、Vaundyは「えーっ、そんなことあります!? そんなことを思わせ……ていいのか!?という変な言葉を使ってしまいそう」と喜びをあらわにした。
川谷:そもそも、どんなきっかけで音楽を始めたの?
Vaundy:今は歌中心の音楽が多いんですけど、小さいときから歌うのが好きで、褒めてもらうのがうれしくて音楽を始めたのかな。でも、始まりがわからないくらい古くて。
川谷:じゃあ、初めて曲を作ったのはいつ?
Vaundy:中学3年生のときにまともな音源をDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)を使って友だちと作った記憶があります。
■音楽を、アーティストではなく曲で聴くようになった世代
Vaundyは5月にファーストアルバム『strobo』をリリース。川谷は「いろんなジャンルの曲が入っていて、たくさん音楽を聴いているんだなと思った」と伝え、その上で「今のニーズもちゃんとわかっているし、海外のトレンドも押さえているんだなって。曲作りに抜け目がない」という印象を受けた。
Vaundy:そんなべた褒めされると恥ずかしいです(笑)。
川谷:(笑)。藤井 風くんは、Vaundyくんと逆のベクトルに見えていて。トレンドもちゃんとあるんだけど、自分が「こうだ」と決めたものが、いい意味でブレずにあって。Vaundyくんはいろんなものを取り入れている感じがする。どんな音楽がルーツなの?
Vaundy:ルーツを表現するのは難しくて。僕は現代的な聴き方というか、音楽をアーティストではなく曲で聴くようになった世代だと思っています。だから、ルーツっていうのが明確じゃなくて、その時々で好きなアーティストが違って、吸収するものが違うので、なんとも言えないなって感じですね。
川谷:そっか。俺らのときは、CDを買う時代だったから。音楽を作り始めた中学3年のときにはサブスクがあったんですか?
Vaundy:ニコニコ動画とかですね。僕はいったん歌い手を経由してるんで、そこでDAWとかを覚えました。でも、そもそも音楽はそんなに聴いていなくて。本当に取り入れられそうな曲を分析しながら聴くことが多かったので、人よりすごく音楽を聴いているというよりは、人よりその音楽を分析しているのかなと思います。
川谷:なるほどね。その感じも聴いていてわかるかも。
Vaundyは好きなアーティストとしてサカナクションを挙げた。
Vaundy:めちゃくちゃ好きで。あのサウンド感というか、作り込まれているところに、バンドとしてもサウンドとしても憧れる部分がありますね。
川谷:サカナクションは長い時間をかけて作るタイプで、ものすごくいろいろ考えているだろうなって思う。
Vaundy:伝わってきますよね。
川谷:サカナクションはマスにもウケるし、音楽のコアなファンにもウケるから、それ以上のバンドっていないなって思うからね。
Vaundy:本当に作られているものが良質ですよね。
■流行を分析して作った『東京フラッシュ』
Vaundyは『東京フラッシュ』の制作経緯を明かす。昨年、作った月にすぐ発表した楽曲だそうだ。同曲から楽曲制作が変わったという。世間のニーズを吸収し、解読しながら作ったと振り返る。
Vaundy:レコメンドの曲を分析してると、コード進行がだいたい似てるんですよね。今の流行りはこういうサウンドなんだと感じて、試しに作ってみようと思って作った曲でもあります。それと、ラジオで流してもらいたいなって思って作ってみたのもあります。
川谷:へえ。ラジオで流れてほしいという気持ちがあったんだ。
Vaundy:ラジオはいろんなところに展開しやすいかなと。ラジオはいろんな人が聴いていて、コアな音楽ファンも聴いているので、J-WAVEで流れたらいいなって思っていました(笑)。
川谷:たしかに、『東京フラッシュ』はめちゃくちゃラジオで流れてたよね。
Vaundy:本当に嬉しいです。
川谷は『東京フラッシュ』のミュージックビデオも素晴らしいと絶賛した。
川谷:すごく若い監督が撮ってるんだよね。
Vaundy:僕と同じ19歳の監督で、昔から仲がよくて、すごい映像を作ることは知っていたからお願いしたら、本当によかったですね。新宿、上野、渋谷、浅草とか、東京を感じさせるところで撮ったので、コンセプトはしっかりあったと思います。
川谷:すごく絶妙で、電話ボックスに入っているのもなんかいい。映像も入ってくるのに、曲もすごく入ってくるから、素晴らしいミュージックビデオ。あのミュージックビデオの存在も大きかったですね。
Vaundy:今はサブスクがすごく発展してるんですけど、YouTubeで視覚的にも音的にも楽しみたい時代なんだなって気がします。それは、これからますます加速していくと思うんですけど、音楽を耳だけで聴く時代じゃなくなったなと思います。
■新しいものは、時代に逆行したときに生まれる
川谷はVaundyのアルバム『strobo』を聴いて、『Audio 001』『Audio 002』など、インタールード(間奏曲)が入っていることが新鮮だったと語る。
川谷:昔はよくあった、短いインタールードをオープニングに入れるというのが、逆に新鮮で。今、みんなそこに勇気が出せないと言うか。サブスクで一曲目にガツンと曲が始まらないと飛ばされるんじゃないかっていう(不安があるから)。しかも、『Audio 001』っていう「絶対そうだろ」っていう曲名で(笑)。いろいろ分析しているであろう人が、ここにこれを持ってくるということは、アルバムとしての流れを考えているんだと思って、僕はすごく好きでしたね。
Vaundyは、リバイバルという面もあるとしながら、理由をこう述べた。
Vaundy:(収録曲は)シングルとして扱ってきた曲が多いので、ベストアルバムに近くて。『strobo』というアルバムイメージ『Audio 001』『Audio 002』で出していますね。アルバムとしても楽しんでもらいたいなって。
川谷は、ドラマ『東京ラブストーリー』の主題歌に起用された『灯火』を聴いときに、こういう曲も作れるのか、と驚いたそうだ。
川谷:『strobo』はいろんな曲が入ってたから、「この人はいろんな曲が作れるんだな」と思って。今はBGM文化でもあるから、アルバム全体を通して、同じ温度感で作っている人が多いですよね。海外でもそうだし。全部テーマがあって、同じ温度感の短い曲が並んでいる感じが多い。でも、僕もいろんなことをやりたいタイプだから、(『strobo』のように)いろんなことをやってくれると飽きないというか。僕は同じ温度感のアルバムを最後まで集中して聴けないっていう悪いクセがあって。
Vaundy:僕もそうなんですよね。そこが原因でこういう曲ができたんだと思います(笑)。
川谷:それがすごくいいし、時代に逆行している感じがして。でも、逆行したときに時代は作られると思う。
Vaundy:そうですよね。新しいものをやりたいってことはあります。
■作品への反応、どう受け止めている?
作品を世の中に出すと、さまざまな評価を突きつけられる。Vaundyは川谷に、どう受け止めているかを相談した。
Vaundy:賛否あるじゃないですか。いろんな意見があると思うんですけど、そういうのってどういうふうに受けとめてますか? 気になっちゃって。初めてアルバムを出したからいろんなことを言われて、「そうだな」と思う部分もあるんですけど、なんだかんだ言っても19歳なので、気にしちゃうこともあります。
川谷:俺は最初のほうは「何言ってんだよ」とか「全然わかってねえな」みたいに思ったりしてたけど、今は逆にそういう意見を全部見ていって「こう思う人もいるな」とか、そう思っている人のパーソナルを知ろうとして、その人のツイートを全部見たりするかも。
Vaundyは「ちょっとわかる気がする」と川谷に同調する。
川谷:絶対にわかり合えなさそうな人間ってTwitterにたくさんいるけど、そういう人たちを無視するとポップスは作れないというか、商業音楽自体がグレーゾーンにも届いてなんぼのものだと思うから。近年また気づき始めたというか。人間って自分の音楽だけが人生だけじゃないから、いろんな要素によって自分が変わってくる。Vaundyくんもいろいろあるかもしれないけどね。
Vaundy:今めちゃくちゃ自信つきました。ありがとうございます。僕もそういう意見を見ちゃうから、「この人はどう思ってこう言ってるんだろう」と思っちゃうんですよね。「この人はどんな音楽を聴いているんだろう」とか、どこがダメなのか教えてほしいって気持ちになるタイプ。でも、川谷さんの話を聞いて、僕のそういう考えは大丈夫だったんだと思えたから安心しました。
番組では他にも、Vaundyが気になる海外のアーティストや、LAUVのグローバルリミックスアルバムに参加した経緯を話す場面もあった。
深夜の音楽座談プログラム『WOW MUSIC』はJ-WAVEと、MUSIC FUN !のコラボ。『MUSIC FUN !』のYouTubeページには、同番組のトーク動画のほか、ミュージシャンやプロデューサーによる音楽の話が数多く配信されている。
・『MUSIC FUN !』のYouTubeページ
https://www.youtube.com/c/musicfun_jp
次回、6月12日(金)はサカナクションのボーカル・山口一郎が登場。川谷と音楽談義を繰り広げる。放送は金曜24時30分から。お楽しみに!
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PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『WOW MUSIC』
放送日時:毎週金曜24時30分-25時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/wowmusic/