GLAYが迎えた危機… HISASHIが赤裸々に明かす「好きなように活動できなかったんです」

J-WAVEで放送中の番組『RINREI CLASSY LIVING』(ナビゲーター:村治佳織)。3月28日(土)のオンエアでは、GLAYのギタリスト・HISASHIが登場。デビュー25周年を記念したベストアルバムの話題や、メンバーとの出会いの他、バンドに訪れた危機を赤裸々に語った。


■メンバーそれぞれの個性が表れた4枚組のベストアルバム

GLAYは3月11日に、デビュー25周年を記念したベストアルバム『REVIEW II ~BEST OF GLAY~』をリリースした。このアルバムは各メンバーがそれぞれ選曲した「TERU盤」「TAKURO盤」「HISASHI盤」「JIRO盤」とディスク4枚組で構成。新曲や新たに録音した楽曲も収録している。

村治:各メンバーのディスクにしたのは誰の発案だったんですか?
HISASHI:僕から提案しました。ベストアルバムって、ネガティブな印象があったんですよ。アーティストのレーベル移籍後に出される、みたいな。だから出すのを渋っていたんですよ。でも、去年のアリーナツアーのリハーサル中に、僕がTAKUROに「もし、再録できるんだったら、ベストアルバムの曲を選びますよ」と言ったんです。アリーナツアーのリハーサル中だから、そんな日なんて1日もないのに、あいつ(TAKURO)が時間を捻出しやがって(笑)。
村治:(笑)。 HISASHI:それで引くに引けなくなりましたね。それで、こういったベストアルバムができました。メンバーには1日時間をいただいて、ありがとうございますという。

HISASHIはメンバーごとに選曲したディスクそれぞれの特徴を紹介した。

HISASHI:「HISASHI盤」の特徴は「STUDIO LIVE inspired by HOTEL GLAY ギター爆盛ミックス」という名前にしているんですけど、ベストアルバムの選曲をするなかで、こういった遊びもできたらバンドの楽しさが伝わるんじゃないかなと思って、ギターの音を大きめにしてもらいました。

他のメンバーのバージョンも、それぞれの性格が出ているという。

HISASHI:最近、TERUは地元・函館にスタジオを作って、そこで自分の音楽と向き合っているみたいなんです。今回は函館の風景を照らし合わせて曲を選んだみたいですね。僕らは函館で育ったので、育った環境や見たものが一緒なメンバーが演奏すると、それが音に表れるんですよね。だから、函館って地形上、曇りの日が多くて低い雲もあるのでどんなに明るい曲でもちょっと陰が出たりして。
村治:雲の低さって言っても、低い感覚って人それぞれ違うじゃないですか。でも、みんなが同じ街で育って同じものを見ていたから(そういったことが音に表れるんですね)。

「TAKURO盤」については、「TAKUROは変なシード権を持っていて、新曲2曲を持ってたんですよ。だから『ズルくない?』って(笑)」と話しながら、こう続ける。

HISASHI:TAKUROがGLAYを一番愛している男なので、王道のベストディスクを作ってくれました。
村治:愛を感じますね。
HISASHI:TAKUROとは高校時代から学校も一緒だったんです。「よくこんな女々しい曲を作るな」と思っていたけど(笑)、その曲をTERUが歌うことによって、化学変化が起きているんですよね。俺はTAKUROを知っているから、「この曲はわかるけどさ、元気出そうぜ」みたいなね。そういった曲もたくさんありますね。

「JIRO盤」は、理論立てて作られたそうだ。

HISASHI:JIROは真面目で、ライブのセットリストを選ぶときも本当にシビアに考えているんです。バンドが好きな曲だけじゃなくて、お客さんから聴きたい曲のアンケートを取ったものも反映させてたりして、「ここ何年かは演奏していない曲」とかの統計を取っているんです。
村治:ちゃんと理論立てて。
HISASHI:そうです。次のツアーでこういう曲をやりたいのかなって選曲にもなっていると思います。


■音楽だったら僕の言葉を代弁してくれるんじゃないか

村治は同じギタリストとして、HISASHIのギター遍歴に興味津々だ。

村治:何歳からギターを始めたんですか?
HISASHI:15、16歳くらい、中学生のときですね。当時、僕はすごく内向的で、勉強もあんまりできないし、スポーツも興味ないし、バイクも高くてって感じでした。でも、音楽だったら僕の言葉を代弁してくれるんじゃないかなと思って。当時洋楽のバンドがCMとかでもガンガン流れていた頃で、こんな攻撃的な音が出たら自分は満足できるなと思って、それで中学のときに誰にも言わないでエレキギターを買いました。
村治:貯めたおこづかいで?
HISASHI:そうですね(笑)。でも、いざ弾いてみると、理想の音が出なかったんですよね。ヴァン・ヘイレンみたいなロック的な音が。だから「俺は間違ったものを買ってしまった」と思って、そこから1年くらいギターは押し入れの中にしまっていました。でも高校に入学したらバンドをやろうと思っていました。

高校時代に、TAKUROとTERUに出会うことになる。

HISASHI:高校2年のときにクラス替えでTAKUROと一緒になって。僕は極悪な音楽をやってたんですけど、TAKUROたちはすごく青春な活力溢れるような明るい音楽をやっていました。水と油みたいな存在だったけど、実はお互いに興味があったみたいで「どうしたらそんな音が出るの?」とか話して仲良くなって。
村治:TERUさんも同じクラスですか?
HISASHI:TERUは別の高校でした。
村治:GLAYが今のかたちになったのはいつなんですか?
HISASHI:JIROは僕たちと学年がひとつ下だったので、彼が上京して今のかたちになりました。


■光線銃を使った曲!? ギターの可能性

村治が好きなギタリストを訊くと、HISASHIはイメージを変えてくれたギタリストとして、アメリカのロックバンド・Extremeのヌーノ・ベッテンコートをあげた。

HISASHI:洋楽のアーティストってギターをわりと高い位置で弾くんだけど、ヌーノは低い位置で弾きつつ、すごく正確なピッキングをしていて。
村治:見た目のカッコよさも研究してるんですかね。
HISASHI:おそらくそうですね。非常にカッコいいアーティストですよね。

番組ではHISASHIが選曲したExtreme『More Than Words』をオンエアした(再生はradikoで2020年4月4日28時59分まで)。

村治:GLAYの楽曲はたくさんありますが、「この曲のギターを聴いてほしい!」という曲はありますか?
HISASHI:『黒く塗れ!』ですね。光線銃をギターに近づけると電子音でピックアップが拾うんですよね。それがギャーみたいにおもちゃみたいな音になるんです。そういうのを使うとギターの可能性ってたくさんあるんじゃないかと思います。


■GLAYの音楽を嫌いになりそうで辞めようと話がでて…

デビュー25周年を経たGLAY。音楽シーンの第一線を走り抜けてきたが、実は苦しさを感じる時期もあったそうだ。

HISASHI:GLAYの音楽を嫌いになりそうなので、辞めようと2000年くらいに思いました。
村治:やり尽くしたとは違う感覚ですか?
HISASHI:当時、好きなように活動できなかったんですよね。その頃の雑誌の表紙巻頭の取材になると、1日かけてやるので、レコーディングもリハーサルもできない状態で。昔みたいにみんなと一緒に楽しみながら音楽を作りたいから、ちょっとレーベルを抜けてまた違うバンド名でまた最初からやろう、みたいなことをメンバー4人で1999年の終わりくらいに話しました。
村治:でも、引き留められますよね(笑)。
HISASHI:「俺はあそこのレーベル好きだから、あそこから出たいな」とか話していたら、逆にそっちで盛り上がっちゃって、また4人でGLAYをやろうってかたちになって(笑)。でも、さすがに当時の事務所もちゃんと音楽を作る時間を作ってくれて、2000年以降かな、ようやく真剣に音楽ができたのは。
村治:じゃあ、今後はさらに25年、30年と。
HISASHI:もう、さすがにメンバーの誰にも腹が立たないですからね。いきなり「10年後にここでライブをやりたいんだ」って言われても、「そっか、10年あればできるかな」と思って「やりましょう」って(笑)。最近、TAKUROは「好きなことをやっていい」って言いますからね。

GLAYの 25周年を締めくくるドームツアー「GLAY DOME TOUR 2020 DEMOCRACY 25TH “HOTEL GLAY GRAND FINALE”」が、5月16日(土)に 愛知・ナゴヤドームで、5月30日(土)・31日(日)に東京ドームで、12月19日(土) 北海道・札幌ドームでそれぞれ開催予定。

HISASHI:GLAYは去年の元日に、デビュー25周年のアニバーサリーイヤーとして、「7つの公約」を発表しました。その6つ目がデビュー25周年ベストアルバムを発売することで、7つ目がドームツアーの開催なんです。でも、7つ目の公約はもうひとつあって、ドームツアーの中に「海外ロングツアーの開催」も入っていて、それがまだできていないんですよね。いろいろな海外公演から声をかけていただくので、まだまだ僕たちが見ていない文化があるなかで、GLAYの音楽がどう鳴るのかは見てみたいですね。

果たして、海外ロングツアーは実現するのか? ますます活躍の場を広げるGLAYに目が離せない。

『RINREI CLASSY LIVING』はリラクシングミュージックとともに、さまざまなフィールドで活躍するゲストを迎え、リラックス・トークをお届けしている。放送は毎週土曜日20時から。次回もお楽しみに!

【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年4月4日28時59分まで)
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【番組情報】
番組名:『RINREI CLASSY LIVING』
放送日時:毎週土曜 20時-20時54分
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/classyliving/

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