ジョン・レノンは皮肉屋だけど、儚く美しい…堀込泰行が魅力を語る

J-WAVE『STEP ONE』と、雑誌『Pen』(2020年2月1日号/1月15日発売)の特集「ジョン・レノンを語れ!」がコラボレーションした「PEN TALK ABOUT JOHN」。ジョンが亡くなって40年のいま、あらためて、彼の残した功績や魅力を、ミュージシャンや著名人が語る。

1月16日(木)のオンエアではシンガーソングライターの堀込泰行が登場した。


■厭世的なジョン・レノンに共感した大学時代

堀込は幼い頃から音楽好きの父親の影響で、家にあったザ・ビートルズやジョン・レノンのアルバムを聴いて育った。かつて在籍したキリンジは、2002年開催の「ジョン・レノン音楽祭2002 Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライヴ」に出演するなど、堀込との所縁は深い。

堀込:僕が好きなジョン・レノンは『Nowhere Man』や『I'm Only Sleeping』など、ちょっと厭世的なところを持っているところです。子どもの頃から家でビートルズはかかっていたけれども、意識して聴くようになった大学に入ってから本当のすごさに気づいてハマっていきました。そういう時期って、自分自身も多感じゃないですか。大学のキャンパスも嫌いだったし、サークルに入ってなかったのもあるけど、「みんな、俺のことをレイジー(怠け者)だと言うけど、あいつらのほうが忙しく動き回ってクレイジーだと思うぜ」とか、自分の居場所がない感じに共感を受けましたね。


■どれもが儚く美しいメロディライン

メロディの魅力は「儚い美しさ」だと語る。

堀込:ポールの整合性のあるポップスも最高ですが、ジョンの場合は手グセでなんとなく作っていったものが多いんです。しかし、そのどれもが美しい。音楽をお勉強して上達したのではなく、ごく自然に吸収して感銘を受けたものが形になってミュージシャンとしても成熟していく感じ。またバラードも『Isolation』という曲なんかは、ロックンロールマナーなんだけど、どこか美しいんですよね。儚い美しさがいつもある。かつ、皮肉屋でもある。そのアンバランスさがすごく魅力ですね。それが人間性にも出ているし音楽にも表れている。そういうところが一番かっこいいところかなと僕は思いますね。

ジョン・レノンの数々の名曲の中から、堀込が選んでお届けしたナンバーは『Watching The Wheels』。ジョンが隠遁生活をした後にカムバックした生前最後のアルバム『Double Fantasy』に収録されている曲だ。

堀込:(同アルバムには)『(Just Like) Starting Over』などやる気に満ちた曲もありますが、相変わらず「俺は引退して人生を投げ出したとか言われるけど、メリーゴーランドがぐるぐる回っているのをただ眺めているのが好きなんだよ」と歌っているんです。『Imagine』なども作ったけれど、最後まであのときの厭世的なジョンが残っていた。それがすごく人間的でやっぱり好きですね。

2020年はジョン・レノン生誕80年、そして没後40年という節目を迎える。この機会にぜひ、ビートルズおよびジョン・レノンの曲を聴き直してみてはいかがだろう。

【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年1月23日28時59分まで)
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【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/stepone

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