J-WAVEで放送中の番組『~JK RADIO~TOKYO UNITED』(ナビゲーター:ジョン・カビラ)。10月4日(金)のオンエアでは、松任谷由実が登場。新曲『深海の街』を語った。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2019年10月11日28時59分まで)
■「脳内リゾート」が体験できる新曲『深海の街』
先日、リリースされた松任谷の新曲『深海の街』の制作は、松任谷がドイツ・ベルリンを訪れたときの体験に、間接的に影響されたと話す。
松任谷:初めてベルリンに行きました。ずっと行ってみたかったんです。超ハードなテクノを浴びるほど聴きました。その後、アテンドしてくれたDJの男の子が車のなかで、チルアウト系の曲を聴いていて、それがすごく染みたんです。「こういう曲をやってみたいな」と思って。それがなんとなくエレクトロフュージョンみたいな感じだったんです。かつて私も作っていたし「新しい形でできるかもしれないな」とひらめきました。アーバンなものを作りたくてね。今の子たちは車に全く興味ないじゃないですか? でも車の浮遊感とか疾走感は、景色が全然違って見えて気持ちがいいですよね。車を持ってなかったとしても、こういう曲を聴いて体感してほしいなと思います。
その場にいながらリゾートのような体験ができる「脳内リゾート」と銘打った『深海の街』。松任谷は「車の中でなくてもいいんです。通勤電車の中の世界が全く違って見えると思いますよ」とおすすめした。
さらに、作詞について詳しく掘り下げた。
ジョン:作詞のためにメモを取ったりするんですか?
松任谷:ストックしておくほうじゃないんですけど「さあ書くぞ」というときに、それまでの生活態度が問われますね。『深海の街』には「ストローク」という言葉が出てくるんですけど、「泳ぐ」というストロークと、たまたま詞で悩んでいるときに、大坂なおみさんの全仏オープンか何かをやってたんですよ。
ジョン:テニスの「ストローク」。「ストローク」は他にも、一撃、叩く、鐘を鳴らすなどの意味がありますよね。
松任谷:そうなんですね。「ストローク」っていろいろな意味があるんだなあと思って、描きたかったビジュアルにピッタリでした。
ジョン:描きたかったビジュアルって、音楽ですよね。
松任谷:私の音楽は絵画的と言われて47年。自分でも映像を思い描きながら、あるいは作っているときにその風景に入りながら、何かを掴んで戻ってくるみたいな感覚です。
ジョン:ラジオのことを「Theater of the mind」と言いますので、まさにその世界。
松任谷:いっぱい勉強になるわ。それですね。
■「ステージに立つ自分」と「曲を作る自分」の違い
「松任谷由実 TIME MACHINE TOUR Traveling through 45years」では、象に乗って登場するなど、さまざまな演出で観客に衝撃を与えた。そして、延べ80台を超えるカメラで収録された横浜アリーナ公演の映像『TIME MACHINE TOUR Traveling through 45 years』が11月6日(水)にBlu-ray/DVDとして発売される。
松任谷:ステージは主人(松任谷正隆)が演出なので、自分で言うのもなんですが、私はF1ドライバーみたいな立場です。決めごとが多くて酔っている暇はないです。着替えも数秒で全く違うルックになりますから。タイヤ交換と言っています。計算され尽くしています。そうじゃないと危険ですし。
ステージへの想いを訊くと、松任谷は「少し負荷がかかってもモチベーションを持つこと。作り笑いも笑顔のうち。転がり出すと、もう少し大きいモチベーションになっていく」と明かした。一方で「いま、精神状態が悪いんです」とも。
松任谷:創作中で、オリジナルアルバムの前哨戦で『深海の街』以外の締切りもみっつくらい抱えています。曲を書くときの自分って、ステージに立っている自分と全く違うんですよ。「TIME MACHINE TOUR」が、私のキャリアにおいても激しすぎて、派手すぎて、半年くらい経っているけど、どこかにステージに立つ大きい自分がいるんですよ。大きく見せる自分。でも、曲を書く自分というのは、すごく小さい小さい自分なんです。もっと繊細なんです。そうじゃないと、同じ言葉を使っても共感してもらえないから。いまは失恋しているような状態。きついんですよ。
ジョン:それをずっと続けているんですね。どうやって癒やされているんですか?
松任谷:作品ができることで癒やされるんですよ。そこしか癒やしが、救いがないんですね。そういう職業なんです、シンガーソングライターって。
トーク後半では、交流のある若手ミュージシャンのSuchmosやサカナクションから刺激を受けていることを明かす場面もあった。詳しくはradikoでチェックしてみてほしい。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2019年10月11日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『~JK RADIO~TOKYO UNITED』
放送日時:毎週金曜 6時-11時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/tokyounited
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■「脳内リゾート」が体験できる新曲『深海の街』
先日、リリースされた松任谷の新曲『深海の街』の制作は、松任谷がドイツ・ベルリンを訪れたときの体験に、間接的に影響されたと話す。
松任谷:初めてベルリンに行きました。ずっと行ってみたかったんです。超ハードなテクノを浴びるほど聴きました。その後、アテンドしてくれたDJの男の子が車のなかで、チルアウト系の曲を聴いていて、それがすごく染みたんです。「こういう曲をやってみたいな」と思って。それがなんとなくエレクトロフュージョンみたいな感じだったんです。かつて私も作っていたし「新しい形でできるかもしれないな」とひらめきました。アーバンなものを作りたくてね。今の子たちは車に全く興味ないじゃないですか? でも車の浮遊感とか疾走感は、景色が全然違って見えて気持ちがいいですよね。車を持ってなかったとしても、こういう曲を聴いて体感してほしいなと思います。
その場にいながらリゾートのような体験ができる「脳内リゾート」と銘打った『深海の街』。松任谷は「車の中でなくてもいいんです。通勤電車の中の世界が全く違って見えると思いますよ」とおすすめした。
さらに、作詞について詳しく掘り下げた。
ジョン:作詞のためにメモを取ったりするんですか?
松任谷:ストックしておくほうじゃないんですけど「さあ書くぞ」というときに、それまでの生活態度が問われますね。『深海の街』には「ストローク」という言葉が出てくるんですけど、「泳ぐ」というストロークと、たまたま詞で悩んでいるときに、大坂なおみさんの全仏オープンか何かをやってたんですよ。
ジョン:テニスの「ストローク」。「ストローク」は他にも、一撃、叩く、鐘を鳴らすなどの意味がありますよね。
松任谷:そうなんですね。「ストローク」っていろいろな意味があるんだなあと思って、描きたかったビジュアルにピッタリでした。
ジョン:描きたかったビジュアルって、音楽ですよね。
松任谷:私の音楽は絵画的と言われて47年。自分でも映像を思い描きながら、あるいは作っているときにその風景に入りながら、何かを掴んで戻ってくるみたいな感覚です。
ジョン:ラジオのことを「Theater of the mind」と言いますので、まさにその世界。
松任谷:いっぱい勉強になるわ。それですね。
■「ステージに立つ自分」と「曲を作る自分」の違い
「松任谷由実 TIME MACHINE TOUR Traveling through 45years」では、象に乗って登場するなど、さまざまな演出で観客に衝撃を与えた。そして、延べ80台を超えるカメラで収録された横浜アリーナ公演の映像『TIME MACHINE TOUR Traveling through 45 years』が11月6日(水)にBlu-ray/DVDとして発売される。
松任谷:ステージは主人(松任谷正隆)が演出なので、自分で言うのもなんですが、私はF1ドライバーみたいな立場です。決めごとが多くて酔っている暇はないです。着替えも数秒で全く違うルックになりますから。タイヤ交換と言っています。計算され尽くしています。そうじゃないと危険ですし。
ステージへの想いを訊くと、松任谷は「少し負荷がかかってもモチベーションを持つこと。作り笑いも笑顔のうち。転がり出すと、もう少し大きいモチベーションになっていく」と明かした。一方で「いま、精神状態が悪いんです」とも。
松任谷:創作中で、オリジナルアルバムの前哨戦で『深海の街』以外の締切りもみっつくらい抱えています。曲を書くときの自分って、ステージに立っている自分と全く違うんですよ。「TIME MACHINE TOUR」が、私のキャリアにおいても激しすぎて、派手すぎて、半年くらい経っているけど、どこかにステージに立つ大きい自分がいるんですよ。大きく見せる自分。でも、曲を書く自分というのは、すごく小さい小さい自分なんです。もっと繊細なんです。そうじゃないと、同じ言葉を使っても共感してもらえないから。いまは失恋しているような状態。きついんですよ。
ジョン:それをずっと続けているんですね。どうやって癒やされているんですか?
松任谷:作品ができることで癒やされるんですよ。そこしか癒やしが、救いがないんですね。そういう職業なんです、シンガーソングライターって。
トーク後半では、交流のある若手ミュージシャンのSuchmosやサカナクションから刺激を受けていることを明かす場面もあった。詳しくはradikoでチェックしてみてほしい。
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番組名:『~JK RADIO~TOKYO UNITED』
放送日時:毎週金曜 6時-11時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/tokyounited
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