フリーランスとして働く人を対象としたハラスメントに関するアンケート調査で、回答者1218人のうち62パーセントがパワハラを、37パーセントがセクハラを受けた経験があるという結果が出た。このアンケートを行ったプロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会の代表理事・平田麻莉さんに詳しく訊いた。
【10月2日(火)『STEP ONE』の「BEHIND THE SCENE」(ナビゲーター:サッシャ、増井なぎさ)】(2019年10月9日28時59分まで)
■相談窓口がないため、多くが泣き寝入りの状況に...
これほど多くのフリーランスがパワハラやセクハラを受けている要因は、どういったものが考えられるのだろうか。
平田:人間関係の中で仕事があったりすると、仕事を失ってしまう、干されることを恐れて、交渉力が弱くなりがちだったりするので、パワハラやセクハラが横行しやすいです。
もうひとつの大きな問題として、法的に無法地帯だということが挙げられる。
平田:会社員であれば、ハラスメントの防止措置やハラスメントを訴えたときの報復を禁じるような法律が労働基準法やいくつかの法律の中にあるんですけれども、フリーランスの場合はいっさい対象外になっているのが現状です。無法地帯なのをいいことに、やりたい放題といえばやりたい放題の状況になってしまっている。
サッシャ:つまり、刑事事件になるなら別だけれど、民事にしにくいということですか?
平田:おっしゃる通りです。相談窓口などもない。公的な窓口はだいたいが労働者対象と明記されているので門前払いにあってしまったり、企業内の相談窓口もなかなか使えなかったりということで、誰にも相談できないという方が45パーセント以上います。
プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会では、報酬のトラブルに関して弁護士に相談でき、弁護士費用もカバーしてもらえるという画期的な保険商品を、8月から会員向けサービスとして提供している。
平田:労働組合自体はたくさんありますが、フリーランスの組合というのは、もともとが労働基準法の対象外ですから、日本ではこれまで存在していなかったんです。我々の協会も少しずつこの状況を変えていきたいと思っているところです。
■自己防衛策は「取引先を分散すること」
パワハラやセクハラを受けないようにするために、個人でできる対策はあるのだろうか。
平田:守ってくれる法律がない中で自己防衛するしかない状況に追い込まれているのがフリーランスなんですけれども、ひとつは交渉力を持つこと。その仕事以外の選択肢がないと思うと、どうしても交渉力が弱くなってつけ込まれてしまうので、対等に渡り合えるだけのスキルや知見を持てるのが一番です。そこまでいかないにしても、ひとつの取引先に依存しないで、なるべく分散していくつもクライアントを持っておくというのは大事です。取引先の数が少ないと、それだけ依存度が高まっていびつな力関係が生じてしまうのかなと思います。
取引先がひとつしかない場合、不当な扱いをされているのかどうか、自分で見極めることが難しいという側面もあるだろう。
平田:今回のアンケートの選択肢を見て、初めてそれがハラスメントだと認識したという人もいます。狭い業界で仕事をしていると、それ以外の世界がないように感じてしまうので、取引先を絶つというのはとても勇気がいることだとは思いますが、本当につらいときは取引先の契約を切るというのも一手です。本来は自分で仕事を選べるというのがフリーランスのよさというか醍醐味でもありますので、世界は広いということをお伝えしたいです。
■フリーランスとして働く上で大事なこと
平田さんに、フリーランスとして長く続けていくための心構えを訊いた。
平田:ハラスメントの防衛策ということにも通じますが、セルフディスカウントをしないでほしいと思います。自分を評価してあげられるのは自分だけですので、きちんと自分の立場や身を守ることが大事です。その自信を持つためにも自己投資を惜しまず、常に成長したりアップデートしたりしていく姿勢が、フリーランスにとって大事なこと。私が個人的に意識しているのは、なるべく笑顔でいること。笑顔の人の周りには仕事が集まるというか、フリーランスにとって仕事のきっかけは人とのつながりであることが多いので、この人と仕事してみたいと思える存在になるということが、一番楽しく仕事を続けられる秘訣かと思います。
フリーランスとして働く方は、平田さんのアドバイスを参考にしてみてほしい。プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会のホームページでは、会員の入会登録ができる。興味を持った方は、ぜひチェックしてみて。
『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」では、気になるニュースの裏側から光を当てる。放送は月曜~木曜の10時10分頃から。お聴き逃しなく!
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PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/
【10月2日(火)『STEP ONE』の「BEHIND THE SCENE」(ナビゲーター:サッシャ、増井なぎさ)】(2019年10月9日28時59分まで)
■相談窓口がないため、多くが泣き寝入りの状況に...
これほど多くのフリーランスがパワハラやセクハラを受けている要因は、どういったものが考えられるのだろうか。
平田:人間関係の中で仕事があったりすると、仕事を失ってしまう、干されることを恐れて、交渉力が弱くなりがちだったりするので、パワハラやセクハラが横行しやすいです。
もうひとつの大きな問題として、法的に無法地帯だということが挙げられる。
平田:会社員であれば、ハラスメントの防止措置やハラスメントを訴えたときの報復を禁じるような法律が労働基準法やいくつかの法律の中にあるんですけれども、フリーランスの場合はいっさい対象外になっているのが現状です。無法地帯なのをいいことに、やりたい放題といえばやりたい放題の状況になってしまっている。
サッシャ:つまり、刑事事件になるなら別だけれど、民事にしにくいということですか?
平田:おっしゃる通りです。相談窓口などもない。公的な窓口はだいたいが労働者対象と明記されているので門前払いにあってしまったり、企業内の相談窓口もなかなか使えなかったりということで、誰にも相談できないという方が45パーセント以上います。
プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会では、報酬のトラブルに関して弁護士に相談でき、弁護士費用もカバーしてもらえるという画期的な保険商品を、8月から会員向けサービスとして提供している。
平田:労働組合自体はたくさんありますが、フリーランスの組合というのは、もともとが労働基準法の対象外ですから、日本ではこれまで存在していなかったんです。我々の協会も少しずつこの状況を変えていきたいと思っているところです。
■自己防衛策は「取引先を分散すること」
パワハラやセクハラを受けないようにするために、個人でできる対策はあるのだろうか。
平田:守ってくれる法律がない中で自己防衛するしかない状況に追い込まれているのがフリーランスなんですけれども、ひとつは交渉力を持つこと。その仕事以外の選択肢がないと思うと、どうしても交渉力が弱くなってつけ込まれてしまうので、対等に渡り合えるだけのスキルや知見を持てるのが一番です。そこまでいかないにしても、ひとつの取引先に依存しないで、なるべく分散していくつもクライアントを持っておくというのは大事です。取引先の数が少ないと、それだけ依存度が高まっていびつな力関係が生じてしまうのかなと思います。
取引先がひとつしかない場合、不当な扱いをされているのかどうか、自分で見極めることが難しいという側面もあるだろう。
平田:今回のアンケートの選択肢を見て、初めてそれがハラスメントだと認識したという人もいます。狭い業界で仕事をしていると、それ以外の世界がないように感じてしまうので、取引先を絶つというのはとても勇気がいることだとは思いますが、本当につらいときは取引先の契約を切るというのも一手です。本来は自分で仕事を選べるというのがフリーランスのよさというか醍醐味でもありますので、世界は広いということをお伝えしたいです。
■フリーランスとして働く上で大事なこと
平田さんに、フリーランスとして長く続けていくための心構えを訊いた。
平田:ハラスメントの防衛策ということにも通じますが、セルフディスカウントをしないでほしいと思います。自分を評価してあげられるのは自分だけですので、きちんと自分の立場や身を守ることが大事です。その自信を持つためにも自己投資を惜しまず、常に成長したりアップデートしたりしていく姿勢が、フリーランスにとって大事なこと。私が個人的に意識しているのは、なるべく笑顔でいること。笑顔の人の周りには仕事が集まるというか、フリーランスにとって仕事のきっかけは人とのつながりであることが多いので、この人と仕事してみたいと思える存在になるということが、一番楽しく仕事を続けられる秘訣かと思います。
フリーランスとして働く方は、平田さんのアドバイスを参考にしてみてほしい。プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会のホームページでは、会員の入会登録ができる。興味を持った方は、ぜひチェックしてみて。
『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」では、気になるニュースの裏側から光を当てる。放送は月曜~木曜の10時10分頃から。お聴き逃しなく!
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番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/