カムラミカウ「今の時代に沿った歌詞になった」“嫉妬”という言葉でくくれる新作EP

J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)のワンコーナー「SONAR TRAX」。J-WAVEがプッシュしている楽曲の中から毎日1曲をピックアップして掘り下げ、今聴くべきアーティスト、ネクストブレイクアーティストを紹介。8月6日(火)のオンエアでは、カムラミカウの『scandal arts』をピックアップした。


■音楽を始めたきっかけは、三線

大阪出身、作詞作曲からプログラミングまで行う注目のシンガーソングクリエイター・カムラミカウ。『SONAR MUSIC』では、昨年9月に『はるたちのぼる』という曲がSONAR TRAXに選出。今回二度目の選出となる。まずは、彼が音楽を始めたきっかけをうかがった。

カムラ:両親が鹿児島県の喜界島出身で、家に三線という三味線のような楽器が置いてありました。両親が弾いてるのを見て「僕も弾いてみたい」と思い、小学校3年生くらいのときに初めて弾いたのが、楽器と触れ合うきっかけでした。その後、家の屋根裏でアコースティックギターを見つけて、中学1年生くらいのときから弾き語りを始めました。

音楽的なルーツや影響を受けた音楽はどんなものなのでしょうか。

カムラ:中学校くらいのときにBUMP OF CHICKENを好きになって、高校で軽音学部に入って邦楽ロックをやるようになりました。ギターを弾いて、ちゃんと歌メロがあるロックが好きっていうのがあって。だから、ルーツはそこにありますね。高校を卒業して19歳くらいのとき、パソコンを使って一人で曲を作ってみようと思って。せっかくパソコンを使うなら、電子音楽を取り入れていこうと思いました。エレクトロニカなどの、レイ・ハラカミさんとか、バンドとエレクトロニカを融合させてるサカナクションさんとか、そうゆう音楽が好きになってだんだん聴くようになりました。


■姿を変えるトリックアートのような歌詞を目指す

カムラさんは、どのように楽曲を制作しているのでしょうか。

カムラ:今はDTMで曲作りをしてます。まずパソコンに向かって歌メロやトラック、オケの音色など頭に浮かんだものから先にパソコンに入力していって、あとからリズム、ベース、シンセなどを重ねて作っています。音のインスパイアとかは今まで聴いてきた音楽から引き出していく......音楽家にはありがちな感じです。

さらに、歌詞のこだわりについてもうかがった。

カムラ:音はもちろんですが、注目してほしいのは歌詞。ただ音にはめていくだけでは面白くないと思っていて......どれが一番意味をもった言葉になるのか、正解のないジグソーパズルをできるだけ美しくつなげていくみたいな感じで歌詞を作ってます。歌詞をよくよく見てみると、見れば見るほど実はこうゆうことを歌ってたんだなとか、そうゆう発見のある歌詞を書くのを心がけています。見方によっては姿を変えるトリックアートのような歌詞を目指しているので、その辺を評価してもらえたらすごく嬉しいです。


■手法「ブレイクビーツ」を使って制作

そんなカムラの新作EP『ENVY』が、8月7日(水)にリリースされた。EPにはどんなテーマがあるのだろう。

カムラ:今回のEP『ENVY』の収録曲6曲が全部揃ったときに、「嫉妬」という言葉でまとめられるなと思ってます。「ジェラシー」だとありありとし過ぎてると思い、同じ「嫉妬」とか「うらやましい」という意味のある、一瞬聞き馴染みのない「ENVY」というタイトルにしました。

今回SONAR TRAXに選出された『scandal arts』は、EP『ENVY』の収録曲だ。どんな楽曲に仕上がっているのだろうか。

カムラ:この曲は、もとある音を切って、また新しいリズムとか新しい音を作っていく「ブレイクビーツ」という手法を初めて使って作りました。その結果、音の部分は軽快な疾走感のある感じになりました。注目してほしいところはやっぱり歌詞の部分で、芸能人とか全く関係のない他人に対して、世間にみられるSNSで"よくそんなに怒れるよな~"と思っていて、自分が他人を罵倒して、言葉でぶん殴ってるというのを想像できていないんじゃないかなと感じて書いた曲です。今の時代に沿った歌詞になったんじゃないかなと思います。

【radikoで聴く】カムラミカウ『scandal arts』

曲を聴いたあっこゴリラは「歌詞に注目してほしいと言っていたので、一所懸命歌詞を追ってみたんですけど、今のSNS社会において、みんなが思っていることを代弁してくれてるリリックなんじゃないかなと思いました」と、楽曲の感想を述べた。

今後の目標についてカムラは「偉い人に、"令和は君の時代だよ"なんて言われるように動き回りたいなと思います。あとは個人的なことなんですけど、今年中に少しでも英語を喋れるようになりたいので、勉強を頑張ってみようかなと思っています」と述べた。

【この記事の放送回をradikoで聴く】
PC・スマホアプリ『radiko.jpプレミアム』(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は『radiko.jpタイムフリー』機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 21時-24時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/

関連記事