半袖よりも長袖のほうが涼しい? 日焼けは体にいい? 医師が解説

「厳しい暑さには半袖ではなく長袖がいい?」「白は日焼けしやすい?」など、これからの暑い季節の服装に関する疑問を、さとうクリニック院長で、皮膚科・形成外科医の佐藤拓二さんに訊きました。

【7月8日(月)『STEP ONE』の「BEHIND THE SCENE」(ナビゲーター:サッシャ、増井なぎさ)】
http://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20190708101042


■半袖 or 長袖、どっちがいい?

皮膚は呼吸と発汗で体温を調節しています。半袖は空気にふれる面積が多く、熱が発散しやすいため涼しく感じます。しかし、最近になって「半袖より長袖がいい」という説も聞かれるようになりました。J-WAVEのスタッフからも、30度前後ある日に長袖のリネンシャツを着て体感的な涼しさを感じたという報告がありました。果たして、根拠はあるのでしょうか。

佐藤:服の素材やそのときの状況にもよります。例えば、服の袖口が風が入りやすい広い袖であったり、素材が空気を通しやすいものだったり、または強い日差しをブロックする意味では、長袖のほうが熱に対する効果が強いかもしれません。
サッシャ:気温が体温以上になるときは長袖のほうがいい、などの関係はあるのでしょうか。
佐藤:暑すぎると汗を蒸発させて気温を下げる調節ができなくなり、熱を吸収してしまうので、肌を露出して半袖を着る意味がないかもしれません。理屈からいうと、体温よりも気温が高くなった場合は、露出した肌から放散する熱より、吸収する熱のほうが多くなると思います。
サッシャ:では、長袖を着るメリットはありますか?
佐藤:紫外線の害を防ぐのがひとつ。また、都会生活をしているとクーラーが十分に効いているので半袖だと体温調節が難しい場合もありますね。

半袖のほうが長袖より涼しいものの、屋内はクーラーがあるし、体温調節が難しいため、「都会の人にとっては長袖で生活するのがいい」とのことでした。


■白い服は紫外線をブロックする効果が低い

日焼けを防ぐなら、白より黒の服がいいと言われますが、本当なのでしょうか。

佐藤:白い色の服は、紫外線の点ではオススメできません。白は紫外線をブロックする効果は低いです。
サッシャ:では、何色がいいですか?
佐藤:(日焼けに関して)オススメの色は、ほとんど全ての波長を吸収する黒です。ただし黒は赤外線、遠赤外線の吸収もするので、暑くはなります。
サッシャ:夏場の黒い車とか、地獄ですもんね。なるほど、黒いと日焼けはしにくいけれど、暑いと。 増井:私はリネンや麻の素材の長袖を羽織ることが多いのですが、そういう服だと涼しく感じますか?
佐藤:麻は生地の目が厚いのと凹凸があるので、風通しがいいですね。


■多少の日焼けは健康にいい! ただし10分まで

「ビタミン摂取のためには太陽を浴びたほうがよく、精神的な健康につながる」という説もある一方で、日焼けを気にする人もたくさんいます。日焼けについては、ここ数十年で考え方も大きく変わっているそうです。

佐藤:かつては日焼けは富と健康の象徴でしたが、その後、美容的にはシミができてよくない、高齢になると発ガンの可能性など、日焼け有害説が優勢になりました。日焼けをしなくていいという説もありましたが、最近は多少の日焼けはいいという話が出ていますね。紫外線を浴びると、ビタミンDが生成されるためです。高齢でカルシウムが不足しがちな方にとっても、多少、日差しに当たることはいいことです。また、生活のリズムが整うというメリットがあるので、夜に眠れない方にもいいでしょう。ただし、数分から10分位でOKです。今の季節だと、10分でも日差しを浴びる場合は、いちおう日焼け止めを塗っておいたほうがいいでしょう。

普段、日焼けをしていない人が急に日焼けすると免疫力が下がって、日焼けしたあとに帯状疱疹や免疫の病気になるケースも多いそうです。

日差しとうまく付き合って、夏を乗り越えましょう。

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【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/

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