J-WAVEで放送中の番組『TRUME TIME AND TIDE』(ナビゲーター:市川紗椰)。6月8日(土)のオンエアでは、アーティストの宮沢和史さんが登場。歌手活動を休止してからの話、沖縄民謡との出逢いや魅力について話しました。
【『TRUME TIME AND TIDE』(毎週土曜 21時-21時54分)】
■立ち止まって見えてきたもの
THE BOOMのボーカリストとして活躍した宮沢さん。2014年にバンドが解散し、2016年には一度シンガーとしての引退を宣言しました。その理由のひとつには、首を悪くしてしまったことがあるそうですが、首の調子が良くなってきたこともあり、今年に入ってからはソロアルバムをリリースするなどしています。
大学時代にTHE BOOMを結成し、卒業したのと同時にデビューしたため、宮沢さんにとっては“社会=ステージ”だったと言います。それから長く音楽活動を続けてきたので、引退をしてからの約3年間はとても新鮮でした。
宮沢:今までと同じものを見ても、「俺はこんなに見てなかったのか」ということが多くて。すごく新鮮な3年間でした。
市川:立ち止まって見えてきたものは何ですか?
宮沢:一度歌を辞めてマイクを置いたときは、歌うどころか聴くのも嫌で、「音楽から離れると音楽って聴こえてこないものなんだ」と感じました。
市川:そうなんですね。
宮沢:でも離れてみて、音楽は形がないし重さもないし、3、4分で終わってしまうけど、聴く者に物凄い想像力を与えてくれて、自分の感情が呼び覚まされて涙が溢れたり、笑顔になったり、「存在しないのに何でこんなに力があるんだろう」と、改めて偉大さに気が付きました。
5月にリリースされた全編オリジナルのニューアルバム『留まらざること 川の如く』。完成に至るまでの経緯は?
宮沢:昨年に「もう一度人前に立ってみよう」と思って、そのためには新曲があったほうがいいと思って、原点に帰る意味で出身地でもある山梨県の山の中に小屋を借りて、ギターだけ持って行って2週間くらい籠もりました。それは僕にとって貴重な体験でした。今まではTHE BOOMでもソロにしても、音楽的なコンセプトを伝えたかったんです。例えば、ブラジル音楽とロックの融合であったり、どうすれば沖縄の音楽をポップスに変えられるかとか。サウンド面での勝負が僕の音楽人生でした。今回は、ギターとドラムとベースだけでミドルテンポでも言いたいことが伝えられて、自分の身の丈を表現できることに気付いた2週間でした。それがアルバムにも上手くパッケージできたかなと思っています。
■沖縄民謡との出逢い
沖縄民謡に造詣が深い宮沢さん。J-WAVEで、沖縄の音楽を紹介する番組『MESSAGE FROM UTAKATA』(毎週水曜/26:00-26:30)のナビゲーターもつとめています。好きになったきっかけは、どのようなものだったのでしょうか。
宮沢:三線の音色、独特のメロディ、美しい言葉に魅了されたんです。坂本龍一さん、細野晴臣さん、久保田麻琴さんなど尊敬する先輩たちが、70年代80年代に沖縄にアプローチして影響を受けた曲を聴いていた布石があったんです。自分としては特別なものとしてではなく、スムーズに入っていけました。
その後、どういう人たちがどのような想いで美しい音楽を作るのか、沖縄民謡が生まれた島を見たいと思うようになり、実際に足を運びました。
宮沢:行ってみると、想像以上に戦争の爪痕が残っていることを知ったんです。当時、戦後40数年経った頃でかなり昔の話だと思い込んでいたけど、そうではなくて、たった40数年前だなと。それから沖縄の戦跡を周るようになって、沖縄戦というものを自分がいかに知らなかったかということに気付いて、恥ずかしさと怒りがこみ上げてきました。曲を作ることで自分の高ぶった感情を抑え、“自分が無知だ”と知ったことをほかの人にも伝えて、沖縄戦のことを知らない人にも知ってもらいたいという想いからできたのが『島唄』でした。
■「忙しい」は言い訳
最後に、今後の歌手活動の展望を訊きました。宮沢さんは、「いろんな歌手の歩き方があっていい」と言うようにマイペースに活動していくとのこと。
宮沢:「この歌を歌いたい」という想いや意欲がMAXになっているときにステージに立つのが一番いいと思うんです。ルーティーンになってしまうと自分自身が楽しめないし。自分に一番合った歩幅、歩き方、ペースを見つけつつあって、人から見たら多分「ゆっくりでのんびりだね」と思われるでしょうけど、それでいいかなと思っています。
市川:自分と向き合うことって、意外とできないですよね。
宮沢:「忙しい」と言って、逆に怠けて見えなくしているという自覚もあって。「忙しい」というのは人生にとって言い訳だなと、少し思っています。
番組では、「沖縄民謡の魅力を知ってもらいたい」と宮沢さんがセレクトした大城美佐子さんの『片思い』をオンエアしました。
【この記事の放送回をradikoで聴く(2019年6月15日23:59まで)】
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『TRUME TIME AND TIDE』
放送日時:毎週土曜 21時-21時54分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/timeandtide/
【『TRUME TIME AND TIDE』(毎週土曜 21時-21時54分)】
■立ち止まって見えてきたもの
THE BOOMのボーカリストとして活躍した宮沢さん。2014年にバンドが解散し、2016年には一度シンガーとしての引退を宣言しました。その理由のひとつには、首を悪くしてしまったことがあるそうですが、首の調子が良くなってきたこともあり、今年に入ってからはソロアルバムをリリースするなどしています。
大学時代にTHE BOOMを結成し、卒業したのと同時にデビューしたため、宮沢さんにとっては“社会=ステージ”だったと言います。それから長く音楽活動を続けてきたので、引退をしてからの約3年間はとても新鮮でした。
宮沢:今までと同じものを見ても、「俺はこんなに見てなかったのか」ということが多くて。すごく新鮮な3年間でした。
市川:立ち止まって見えてきたものは何ですか?
宮沢:一度歌を辞めてマイクを置いたときは、歌うどころか聴くのも嫌で、「音楽から離れると音楽って聴こえてこないものなんだ」と感じました。
市川:そうなんですね。
宮沢:でも離れてみて、音楽は形がないし重さもないし、3、4分で終わってしまうけど、聴く者に物凄い想像力を与えてくれて、自分の感情が呼び覚まされて涙が溢れたり、笑顔になったり、「存在しないのに何でこんなに力があるんだろう」と、改めて偉大さに気が付きました。
5月にリリースされた全編オリジナルのニューアルバム『留まらざること 川の如く』。完成に至るまでの経緯は?
宮沢:昨年に「もう一度人前に立ってみよう」と思って、そのためには新曲があったほうがいいと思って、原点に帰る意味で出身地でもある山梨県の山の中に小屋を借りて、ギターだけ持って行って2週間くらい籠もりました。それは僕にとって貴重な体験でした。今まではTHE BOOMでもソロにしても、音楽的なコンセプトを伝えたかったんです。例えば、ブラジル音楽とロックの融合であったり、どうすれば沖縄の音楽をポップスに変えられるかとか。サウンド面での勝負が僕の音楽人生でした。今回は、ギターとドラムとベースだけでミドルテンポでも言いたいことが伝えられて、自分の身の丈を表現できることに気付いた2週間でした。それがアルバムにも上手くパッケージできたかなと思っています。
■沖縄民謡との出逢い
沖縄民謡に造詣が深い宮沢さん。J-WAVEで、沖縄の音楽を紹介する番組『MESSAGE FROM UTAKATA』(毎週水曜/26:00-26:30)のナビゲーターもつとめています。好きになったきっかけは、どのようなものだったのでしょうか。
宮沢:三線の音色、独特のメロディ、美しい言葉に魅了されたんです。坂本龍一さん、細野晴臣さん、久保田麻琴さんなど尊敬する先輩たちが、70年代80年代に沖縄にアプローチして影響を受けた曲を聴いていた布石があったんです。自分としては特別なものとしてではなく、スムーズに入っていけました。
その後、どういう人たちがどのような想いで美しい音楽を作るのか、沖縄民謡が生まれた島を見たいと思うようになり、実際に足を運びました。
宮沢:行ってみると、想像以上に戦争の爪痕が残っていることを知ったんです。当時、戦後40数年経った頃でかなり昔の話だと思い込んでいたけど、そうではなくて、たった40数年前だなと。それから沖縄の戦跡を周るようになって、沖縄戦というものを自分がいかに知らなかったかということに気付いて、恥ずかしさと怒りがこみ上げてきました。曲を作ることで自分の高ぶった感情を抑え、“自分が無知だ”と知ったことをほかの人にも伝えて、沖縄戦のことを知らない人にも知ってもらいたいという想いからできたのが『島唄』でした。
■「忙しい」は言い訳
最後に、今後の歌手活動の展望を訊きました。宮沢さんは、「いろんな歌手の歩き方があっていい」と言うようにマイペースに活動していくとのこと。
宮沢:「この歌を歌いたい」という想いや意欲がMAXになっているときにステージに立つのが一番いいと思うんです。ルーティーンになってしまうと自分自身が楽しめないし。自分に一番合った歩幅、歩き方、ペースを見つけつつあって、人から見たら多分「ゆっくりでのんびりだね」と思われるでしょうけど、それでいいかなと思っています。
市川:自分と向き合うことって、意外とできないですよね。
宮沢:「忙しい」と言って、逆に怠けて見えなくしているという自覚もあって。「忙しい」というのは人生にとって言い訳だなと、少し思っています。
番組では、「沖縄民謡の魅力を知ってもらいたい」と宮沢さんがセレクトした大城美佐子さんの『片思い』をオンエアしました。
【この記事の放送回をradikoで聴く(2019年6月15日23:59まで)】
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『TRUME TIME AND TIDE』
放送日時:毎週土曜 21時-21時54分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/timeandtide/