J-WAVEで放送中の番組『INNOVATION WORLD』(ナビゲーター:川田十夢)。5月3日(金・祝)のオンエアでは、ゲストに川谷絵音さんが登場。ゲスの極み乙女。や indigo la Endなど、多数のバンドを手がける川谷さんの作品作りに迫りました。
■メンバーによって曲が変わる
まずは、川谷さんの性格を番組のアシスタント AI Tommy が分析したところ「鋭敏で哲学的なタイプ。芸術への理解があり、美を楽しみ、創造的な経験を追求します。自らの能力への信念や変化共用性が高い傾向にあるようです」という結果が出ました。これに対して川谷さんは「合ってるとも言えないし、合ってないとも思えないですね」と言います。
川田:バンドごとに一人称も変わってくるし、操るボキャブラリーも変わってくるなかで、どうやって分けてますか?
川谷:そんなに分けてなくて、行った現場で作ってるだけなんです。
川田:ゲスの極み乙女。やindigo la Endは、明らかに歌の世界は違いますよね?
川谷:違うと思います。indigo la Endは恋愛モノが多くて、サウンドは鍵盤がメイン。ゲスの極み乙女。は、ギターが2本あるので作り方が変わってきます。歌詞の内容はあまり分けなくなったけど、僕の中ではメンバーが違うから分かれるっていう感じです。メンバーの空気によっても曲を変えてます。
番組では、indigo la End の新曲『はにかんでしまった夏』をオンエアしました。
川谷:BPM181くらいあって、久しぶりにテンポが速い曲です。indigo la Endは最近、あまりロックの曲がなかったけど、たまにやってみようかなって。でも、ただロックなだけというわけではなくて、いろいろな展開があったりして。チャレンジしている曲なので、気づいてほしいです。
■indigo la Endがなかったらゲスの極み乙女。はない
川谷さんは長い間、お笑い芸人を目指していました。そのため、今も音楽を聴いている時間より、お笑いを観ている時間のほうが長いと言います。
川田:それが音楽に影響しているところがありますよね。川谷さんは歌詞の世界のレトリックや言葉の選び方などが、どこか悲劇的で喜劇的で、そこの境界線を行き来するイメージがあります。悲しいことってウケるじゃないですか。
川谷:楽しい曲ってあまり売れないし、僕は応援ソングとかが書けないんです。誰かを応援したいと思ったことがあまりなくて、体育祭も3年連続、出てないんです。みんなで頑張るという意味がよくわからないです。「体育祭に出たところで何になるんだろう」と思ってたから。
川田:バンドごとにメンバーも空気も違うということでしたが、張り詰めたものとかユーモアとか、空気感からしてお笑い的ですよね。
川谷:ゲスの極み乙女。という名前にしたときもそういう感じでした。ドラムの名前も「ほな・いこか」ですから。普通はそんな名前にしたら売れませんよ(笑)。
川田:僕はそこに、漫画『ハイスクール!奇面組』イズムを感じますね。登場人物の一堂 零みたいな。ゲスの極み乙女。は、最初に入れ物を作ったのがよかったんですかね?
川谷:あまり何も考えずに組んだバンドです。肩の荷が下りてるときが一番仕事がはかどるタイプなので、ゲスの極み乙女。は本当にそのタイプだったというか、趣味だったから。
川田:どれもやりたい音楽だと思うけど、直列つなぎでやると、indigo la End がしっくりくるんですか?
川谷:indigo la End から音楽が始まりました。活動時期が長いというのもあって、indigo la End が凝り固まったから、ゲスの極み乙女。を組んで。それがなかったらゲスの極み乙女。もなかったと思うし、そういう意味では“根本”というのはあります。
■サカナクション・山口一郎が絶賛したセンス
川谷さんが作る曲のタイトルは、とても印象的だと川田。
川田:『私以外私じゃないの』とかは、テクノロジーの進化とか社会の流れとかとピタッと合ったようなタイトルで、ドキっとします。
川谷:『私以外私じゃないの』は、パルコの広告コピーのような、絶対に他にはないコピーっぽいタイトルにしたかったんです。サカナクションの(山口)一郎さんにも「絵音くんは広告コピーをやらせたらめちゃくちゃうまいと思うよ」って言われました。
川田は「タイトルは最後に決めますか?」と問いかけます。
川谷:タイトルから決めることが多いですね。タイトルが浮かぶとサビが浮かぶんです。
川田:天才ですね。
川谷:タイトルを決めるほうが作りやすいっていうのはありますね。ただ、『はにかんでしまった夏』はタイトルを決めてなくて、曲から作ってあとでタイトルを付けました。
■説明のつかなさが才能?
人工知能がめざましく発達していますが、今後、ヒット曲を生み出すなどクリエイティブな分野でも活用されるのでしょうか。
川田:人工知能が曲を作るのは僕も無理だと思っていて、言語化できるところとできないところがあって、言語化できないところをメロディーが補っているから、テクノロジーは何かを作ることに関しては敵わないって思いますね。
川谷:ヒット曲の分析はできるでしょうけど、それだけじゃないですからね。実際に歌う人の声とかも関わってきますから。
川田:川谷さんは雑誌の連載でヒット曲の分析をしていますが、それはコンピューティングではできないですよね。分析しているのが音だけじゃないですもんね。
川谷:あれは普通の人が読んでもわかりやすいように書いてるんで、もっと深いことはあるといえばあるんですけど、それを説明するとなると、誰もわからないだろうなと思います。
川田:説明のつかなさが“才能”と呼ばれるものかもしれないですね。
最後に、川谷さんが注目しているアーティストとお笑い芸人を訊きました。
川谷:ブラック・ミディです。ロンドンのバンドで、2曲しか出してないけど、久しぶりに「お!」ってなりましたね。僕はなんだかんだギターが好きなので。最近はバンドを探すのも難しいんですよ。シンガーソングライターとかR&Bが増えちゃって。
川田:こういうのってどうやって見つけるんですか?
川谷:僕は海外のサイトばかり見てます。
川田:注目のお笑い芸人はいますか?
川谷:一周まわって笑い飯が最強だなって。あとは金属バットが好きです。
川田:本当にお笑いが好きなんですね。
indigo la Endは、「indigo la End ONEMAN TOUR 2019『街路樹にて』」を6月16日(日)に昭和女子大学人見記念講堂、6月30日(日)に日比谷野外大音楽堂でワンマンライブを行います。こちらも要チェックです!
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【番組情報】
番組名:『INNOVATION WORLD』
放送日時:毎週金曜日 20時-22時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/innovationworld/
■メンバーによって曲が変わる
まずは、川谷さんの性格を番組のアシスタント AI Tommy が分析したところ「鋭敏で哲学的なタイプ。芸術への理解があり、美を楽しみ、創造的な経験を追求します。自らの能力への信念や変化共用性が高い傾向にあるようです」という結果が出ました。これに対して川谷さんは「合ってるとも言えないし、合ってないとも思えないですね」と言います。
川田:バンドごとに一人称も変わってくるし、操るボキャブラリーも変わってくるなかで、どうやって分けてますか?
川谷:そんなに分けてなくて、行った現場で作ってるだけなんです。
川田:ゲスの極み乙女。やindigo la Endは、明らかに歌の世界は違いますよね?
川谷:違うと思います。indigo la Endは恋愛モノが多くて、サウンドは鍵盤がメイン。ゲスの極み乙女。は、ギターが2本あるので作り方が変わってきます。歌詞の内容はあまり分けなくなったけど、僕の中ではメンバーが違うから分かれるっていう感じです。メンバーの空気によっても曲を変えてます。
番組では、indigo la End の新曲『はにかんでしまった夏』をオンエアしました。
川谷:BPM181くらいあって、久しぶりにテンポが速い曲です。indigo la Endは最近、あまりロックの曲がなかったけど、たまにやってみようかなって。でも、ただロックなだけというわけではなくて、いろいろな展開があったりして。チャレンジしている曲なので、気づいてほしいです。
■indigo la Endがなかったらゲスの極み乙女。はない
川谷さんは長い間、お笑い芸人を目指していました。そのため、今も音楽を聴いている時間より、お笑いを観ている時間のほうが長いと言います。
川田:それが音楽に影響しているところがありますよね。川谷さんは歌詞の世界のレトリックや言葉の選び方などが、どこか悲劇的で喜劇的で、そこの境界線を行き来するイメージがあります。悲しいことってウケるじゃないですか。
川谷:楽しい曲ってあまり売れないし、僕は応援ソングとかが書けないんです。誰かを応援したいと思ったことがあまりなくて、体育祭も3年連続、出てないんです。みんなで頑張るという意味がよくわからないです。「体育祭に出たところで何になるんだろう」と思ってたから。
川田:バンドごとにメンバーも空気も違うということでしたが、張り詰めたものとかユーモアとか、空気感からしてお笑い的ですよね。
川谷:ゲスの極み乙女。という名前にしたときもそういう感じでした。ドラムの名前も「ほな・いこか」ですから。普通はそんな名前にしたら売れませんよ(笑)。
川田:僕はそこに、漫画『ハイスクール!奇面組』イズムを感じますね。登場人物の一堂 零みたいな。ゲスの極み乙女。は、最初に入れ物を作ったのがよかったんですかね?
川谷:あまり何も考えずに組んだバンドです。肩の荷が下りてるときが一番仕事がはかどるタイプなので、ゲスの極み乙女。は本当にそのタイプだったというか、趣味だったから。
川田:どれもやりたい音楽だと思うけど、直列つなぎでやると、indigo la End がしっくりくるんですか?
川谷:indigo la End から音楽が始まりました。活動時期が長いというのもあって、indigo la End が凝り固まったから、ゲスの極み乙女。を組んで。それがなかったらゲスの極み乙女。もなかったと思うし、そういう意味では“根本”というのはあります。
■サカナクション・山口一郎が絶賛したセンス
川谷さんが作る曲のタイトルは、とても印象的だと川田。
川田:『私以外私じゃないの』とかは、テクノロジーの進化とか社会の流れとかとピタッと合ったようなタイトルで、ドキっとします。
川谷:『私以外私じゃないの』は、パルコの広告コピーのような、絶対に他にはないコピーっぽいタイトルにしたかったんです。サカナクションの(山口)一郎さんにも「絵音くんは広告コピーをやらせたらめちゃくちゃうまいと思うよ」って言われました。
川田は「タイトルは最後に決めますか?」と問いかけます。
川谷:タイトルから決めることが多いですね。タイトルが浮かぶとサビが浮かぶんです。
川田:天才ですね。
川谷:タイトルを決めるほうが作りやすいっていうのはありますね。ただ、『はにかんでしまった夏』はタイトルを決めてなくて、曲から作ってあとでタイトルを付けました。
■説明のつかなさが才能?
人工知能がめざましく発達していますが、今後、ヒット曲を生み出すなどクリエイティブな分野でも活用されるのでしょうか。
川田:人工知能が曲を作るのは僕も無理だと思っていて、言語化できるところとできないところがあって、言語化できないところをメロディーが補っているから、テクノロジーは何かを作ることに関しては敵わないって思いますね。
川谷:ヒット曲の分析はできるでしょうけど、それだけじゃないですからね。実際に歌う人の声とかも関わってきますから。
川田:川谷さんは雑誌の連載でヒット曲の分析をしていますが、それはコンピューティングではできないですよね。分析しているのが音だけじゃないですもんね。
川谷:あれは普通の人が読んでもわかりやすいように書いてるんで、もっと深いことはあるといえばあるんですけど、それを説明するとなると、誰もわからないだろうなと思います。
川田:説明のつかなさが“才能”と呼ばれるものかもしれないですね。
最後に、川谷さんが注目しているアーティストとお笑い芸人を訊きました。
川谷:ブラック・ミディです。ロンドンのバンドで、2曲しか出してないけど、久しぶりに「お!」ってなりましたね。僕はなんだかんだギターが好きなので。最近はバンドを探すのも難しいんですよ。シンガーソングライターとかR&Bが増えちゃって。
川田:こういうのってどうやって見つけるんですか?
川谷:僕は海外のサイトばかり見てます。
川田:注目のお笑い芸人はいますか?
川谷:一周まわって笑い飯が最強だなって。あとは金属バットが好きです。
川田:本当にお笑いが好きなんですね。
indigo la Endは、「indigo la End ONEMAN TOUR 2019『街路樹にて』」を6月16日(日)に昭和女子大学人見記念講堂、6月30日(日)に日比谷野外大音楽堂でワンマンライブを行います。こちらも要チェックです!
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【番組情報】
番組名:『INNOVATION WORLD』
放送日時:毎週金曜日 20時-22時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/innovationworld/