音楽原作キャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』。いったい、どんな魅力があるのか? 4月23日(火)にオンエアされた、J-WAVE『STEP ONE』でフォーカスしました。ゲストは、マンガの研究者で、ラップも大好きだという岩下朋世さん(相模女子大学学芸学部メディア情報学科准教授)です。
『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』(以下、『ヒプノシスマイク』)は、2017年にスタートしたプロジェクト。男性声優12人が、キャラクターに扮して楽曲やMCバトルを収録したCDをリリースするというものです。「イケブクロ・ディビジョン」「ヨコハマ・ディビジョン」「シブヤ・ディビジョン」「シンジュク・ディビジョン」の4チームにわかれています。
■ラップ×キャラクター、なぜ相性がいい?
『ヒプノシスマイク』が登場したとき、ラップ好きはどのような印象を受けたのでしょうか。
岩下:2015年からテレビで『フリースタイルダンジョン』が始まり、ラップをこれまで聴いてこなかった人たちにも評判で、SNSでも大きな反響がありました。僕はもともと、アニメやマンガ、キャラクター文化が好きな人たちは、ヒップホップと相性がいいんじゃないかと考えていたんです。実際にそういう人たちがどんどん『フリースタイルダンジョン』にハマっていっているのを見て、「そのうち、そういうコンテンツが流行るんじゃないか」と思いました。でもまさか、アニメやゲームではなく、真正面から曲を売りにしているものが出てくるとは。そして、こんなにいきなり人気が出るとは予想外で、驚きましたね。
ラップとオタクカルチャーの相性がいいと感じていた理由は、「ラップもキャラクターを押し出していくもの」だから。
岩下:他の音楽に比べて、ラッパーは圧倒的に自分の名前やユニット名を言い、「俺はこういうやつなんだ」と、とにかくよく喋ります。また、「セルフボースト」という、自慢をする曲も多い。自己紹介が得意な人たちで、「こういう人なんだ」と楽しむところがある。そもそもキャラクターソング的だから、キャラクターソングから出発するプロジェクトがしっくりくるんだな、というのが大きいですね。曲だけ聴いてどんな奴だかわかる、というコンテンツを作りにあたり、ラップはぴったり合うんだなと。
サッシャ:なるほど。歌だと難しいですもんね。
■ファンはどこに魅力を感じている?
『ヒプノシスマイク』のファンは、どんなところに魅力を感じているのでしょうか。渋谷でインタビューしました。
「キャラクターごとに、いろんな声で曲をよく聴かせるところ。声優さんたちも、ラッパーさんをリスペクトして歌っているので、それが魅力だと思います。もうひとつは、私たちが一緒にストーリーを作れるところ。ファンがTwitterに書いたことが現実になって、わあ!って」(マリナ/16歳)
「グループごとの個性だと私は思います。ラップをそれまで聴いたことはなかったけど、このコンテンツに出会って、楽しいものんだなって実感できました。12人が一緒に歌う代表曲みたいなものがあるんですけど、それをひとりでカラオケで歌うのも楽しいです」(ナナ/17歳)
■声優のラップに「新しさ」がある
インタビューを聴いたサッシャと岩下さんは……。
サッシャ:街なかには、「サイファー」と呼ばれるストリートラップをする人が、渋谷だと「QFRONT」とか、いろんなところにいて。ラップが身近になっていたというのも、ひとつの理由ですよね。
岩下:そうですね。それまでは「韻を踏むってなに?」といった感じだった若い人が、例えば『フリースタイルダンジョン』で「こういうことなんだ」と聴いて知る。ラップがなんとなくわかる人が増えたことが、ブームの背景にあると思います。
サッシャ:トラックのクオリティに“なんちゃって”感があると支持されないと思うんですけど、『ヒプノシスマイク』は質が高いですよね。そのあたりはどう思われますか?
岩下:クオリティも高いですし、声優さんのスキルの高さも感じます。声を演じながら、きっちりラップしているのがすごいです。「声を作るだけで精一杯にならないのか!」と。また、声優さんのかっこいい声、いわゆる“イケボ”とか“ショタ声”って、ラップ的にはかっこいい声の種類では本来はないんですよね。ダミ声とか、カン高い声がイケてるとされるじゃないですか。だから「こういう声のラップ聴いたことなかった!」という新しさがありましたね。
ラップは、Zeebra、ラッパ我リヤ、サイプレス上野、KEN THE 390などが、トラックは□□□・三浦康嗣など“本物”が制作に参加しています。
岩下:「ヨコハマ・ディビジョン」の曲は、サイプレス上野がソング・ライティングしています。サイプレス上野は横浜のラッパーなので、ツボをおさえているなあと感じますね。ラッパーの人は、手を抜かないというか、難しいラップを入れてくるんです。声優がそれにガッチリ応えてくる、というおもしろさもありますね。
オンエアでは、ラッパ我リヤのコメントもお届けしました。ぜひradikoで聴いてみてください。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
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【番組情報】
番組名:『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』
放送日時:月・火・水・木曜 6時-9時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/tmr
『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』(以下、『ヒプノシスマイク』)は、2017年にスタートしたプロジェクト。男性声優12人が、キャラクターに扮して楽曲やMCバトルを収録したCDをリリースするというものです。「イケブクロ・ディビジョン」「ヨコハマ・ディビジョン」「シブヤ・ディビジョン」「シンジュク・ディビジョン」の4チームにわかれています。
■ラップ×キャラクター、なぜ相性がいい?
『ヒプノシスマイク』が登場したとき、ラップ好きはどのような印象を受けたのでしょうか。
岩下:2015年からテレビで『フリースタイルダンジョン』が始まり、ラップをこれまで聴いてこなかった人たちにも評判で、SNSでも大きな反響がありました。僕はもともと、アニメやマンガ、キャラクター文化が好きな人たちは、ヒップホップと相性がいいんじゃないかと考えていたんです。実際にそういう人たちがどんどん『フリースタイルダンジョン』にハマっていっているのを見て、「そのうち、そういうコンテンツが流行るんじゃないか」と思いました。でもまさか、アニメやゲームではなく、真正面から曲を売りにしているものが出てくるとは。そして、こんなにいきなり人気が出るとは予想外で、驚きましたね。
ラップとオタクカルチャーの相性がいいと感じていた理由は、「ラップもキャラクターを押し出していくもの」だから。
岩下:他の音楽に比べて、ラッパーは圧倒的に自分の名前やユニット名を言い、「俺はこういうやつなんだ」と、とにかくよく喋ります。また、「セルフボースト」という、自慢をする曲も多い。自己紹介が得意な人たちで、「こういう人なんだ」と楽しむところがある。そもそもキャラクターソング的だから、キャラクターソングから出発するプロジェクトがしっくりくるんだな、というのが大きいですね。曲だけ聴いてどんな奴だかわかる、というコンテンツを作りにあたり、ラップはぴったり合うんだなと。
サッシャ:なるほど。歌だと難しいですもんね。
■ファンはどこに魅力を感じている?
『ヒプノシスマイク』のファンは、どんなところに魅力を感じているのでしょうか。渋谷でインタビューしました。
「キャラクターごとに、いろんな声で曲をよく聴かせるところ。声優さんたちも、ラッパーさんをリスペクトして歌っているので、それが魅力だと思います。もうひとつは、私たちが一緒にストーリーを作れるところ。ファンがTwitterに書いたことが現実になって、わあ!って」(マリナ/16歳)
「グループごとの個性だと私は思います。ラップをそれまで聴いたことはなかったけど、このコンテンツに出会って、楽しいものんだなって実感できました。12人が一緒に歌う代表曲みたいなものがあるんですけど、それをひとりでカラオケで歌うのも楽しいです」(ナナ/17歳)
■声優のラップに「新しさ」がある
インタビューを聴いたサッシャと岩下さんは……。
サッシャ:街なかには、「サイファー」と呼ばれるストリートラップをする人が、渋谷だと「QFRONT」とか、いろんなところにいて。ラップが身近になっていたというのも、ひとつの理由ですよね。
岩下:そうですね。それまでは「韻を踏むってなに?」といった感じだった若い人が、例えば『フリースタイルダンジョン』で「こういうことなんだ」と聴いて知る。ラップがなんとなくわかる人が増えたことが、ブームの背景にあると思います。
サッシャ:トラックのクオリティに“なんちゃって”感があると支持されないと思うんですけど、『ヒプノシスマイク』は質が高いですよね。そのあたりはどう思われますか?
岩下:クオリティも高いですし、声優さんのスキルの高さも感じます。声を演じながら、きっちりラップしているのがすごいです。「声を作るだけで精一杯にならないのか!」と。また、声優さんのかっこいい声、いわゆる“イケボ”とか“ショタ声”って、ラップ的にはかっこいい声の種類では本来はないんですよね。ダミ声とか、カン高い声がイケてるとされるじゃないですか。だから「こういう声のラップ聴いたことなかった!」という新しさがありましたね。
ラップは、Zeebra、ラッパ我リヤ、サイプレス上野、KEN THE 390などが、トラックは□□□・三浦康嗣など“本物”が制作に参加しています。
岩下:「ヨコハマ・ディビジョン」の曲は、サイプレス上野がソング・ライティングしています。サイプレス上野は横浜のラッパーなので、ツボをおさえているなあと感じますね。ラッパーの人は、手を抜かないというか、難しいラップを入れてくるんです。声優がそれにガッチリ応えてくる、というおもしろさもありますね。
オンエアでは、ラッパ我リヤのコメントもお届けしました。ぜひradikoで聴いてみてください。
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※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』
放送日時:月・火・水・木曜 6時-9時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/tmr