ONE OK ROCK・Takaが語る、「日本のロックバンド」だから作れたサウンドとは【特集】

J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:藤田琢己)。2月20日(水)のオンエアは、Licaxxxとのコンビでお届けしました。

注目の新譜・いま注目すべき名盤・話題の来日アーティストなど、週替わりで1組のアーティストを4日間かけて掘り下げていくコーナー「FEATURE TOPICS」。この週は、2月に通算9枚目となるアルバム『Eye of the Storm』をリリースしたONE OK ROCKの特集です。

【1回目】ONE OK ROCK、Takaが振り返る! バンドの転機とは?
【2回目】ONE OK ROCK・Taka、初のアメリカツアーは「悔しさも感じながら」

ONE OK ROCKはエド・シーランのアジアツアー全10公演のサポートアクトとしての出演が決定。さらに、アメリカツアーに加えて、ヨーロッパツアーも発表。ワンオク旋風が世界中を駆け巡っています。この週は、これまでの歴史から、数々のヒット曲に加えて、ボーカルのTakaさんのコメントを交えながらお届け。

1、2日目のオンエアでは、通算6枚目のアルバム『人生×僕=(ジンセイカケテボクハ)』をリリースしたあと、ヨーロッパ、アジア、アメリカでの公演を経て、より海外での活動を視野に入れるようになったところまでを紹介。3日目はその続きから。


■『35xxxv』は海外制作の知識を手に入れるためのアルバムだった

ONE OK ROCKはこの時期から、シンプル・プランの曲にTakaさんがボーカルで参加したり、フォール・アウト・ボーイやトゥエンティ・ワン・パイロッツ、アヴリル・ラヴィーン やスクリレックスなどと対談を行い、明らかに海外を意識した活動が増えていきます。

2014年にはアメリカ最大級フェス「VANS WARPED TOUR」に参加したのち、同年末には南米・ヨーロッパツアーと、海外でさらなる活動を展開。

2015年にリリースした7枚目のアルバム『35xxxv』でONE OK ROCKは、これまでの作品作りと大きく異なる手法を取りました。

Taka:『35xxxv』の制作で、はじめて海外で全曲をレコーディングしました。右も左もわからない状況からアメリカに飛び込み、ヨーロッパに飛び込み、アジアに飛び込み、そして今度は長い期間をかけて音楽を制作していくという、バンドとしてまた違ったジャンルの仕事をやっていきました。レコーディングではプロデューサーをたて、いろいろなバンドマンに会い、いろいろなアドバイスをもらいました。

そうは言っても海外でのレコーディングは難しく、コミュニケーションを克服しながら作ったアルバムでした。

Taka:日本とアメリカの文化は全く違うものなので、アメリカ人が好んで作る曲と日本人が好んで作る曲は全く違います。そこをうまく融合して、まずはアメリカの文化や音楽をONE OK ROCKがこのアルバムに取り込んでいく作業だったような気がします。このアルバム自体はONE OK ROCKにとって、いちばん最初に海外でレコーディングした代表作ではなくて、ONE OK ROCKが海外でレコーディングをするための知識を手に入れるアルバムだったと感じています。


■日本と海外の要素を融合させたアルバム『Ambitions』

『35xxxv』を海外でレコーディングしたのがきっかけで、いろいろなことを学んだとTakaさんは振り返ります。アメリカのレコーディングのやり方、どんなものが世界やアメリカで流行っているのか。これらを理解したうえで8枚目のアルバム『Ambitions』の制作に取りかかりました。

Taka:『Ambitions』もアメリカでレコーディングして発売しました。このアルバムはプロデューサーをたてて1曲1曲を作る手法ではなく、アメリカのレコーディングなどで得た何かを表現するために、あえてセルフプロデュースという形をとりました。そして、1人のプロデューサーをたてて、一緒に音楽をディスカッションしながら作りました。僕としては十数年かけてONE OK ROCKをやってきて、かき鳴らせる激しいサウンドと、少しロックサウンドからかけ離れたバンド以外の音を積極的に取り込んで、それをミックスして出していくというテーマをすごく大事にして作り上げた作品です。

いまロックシーンはアメリカではなかなか厳しい環境にあり、ほとんどのロックバンドがバンド活動をしていくうえで困難な状況にあるなか、日本人だからこそ『Ambitions』のようなアルバムを出せた部分があったと続けます。

Taka:日本はいまだにロックカルチャーが根強くあるし、ファンもしっかりしています。その意味では自分たちがいま求められているものと、自分たちが得たものをしっかりとロックサウンドとして吐き出す、その2つの要素がたまたますごくいいタイミングで出会った作品じゃないかなと思います。日本人はメロディアスな哀愁のあるものが好きなので、激しいロックサウンドにそういった要素をのせながら新しい音を入れていくという新たな挑戦が、ONE OK ROCKにとって非常にいい経験になって、これでツアーをまわって世界のいろいろな人の反応を見て日本に戻ってきました。『Ambitions』を作るタイミングくらいから、「次の作品は間違いなく違うステップに行かなければいけない」と明確に自分のなかで感じたことを覚えています。


■2015年にはアメリカ、ワーナー・ブラザース・レコードと契約

Takaさんのコメントを聞いて、日本人にしかできない音楽について非常に納得した様子のLicaxxx。

Licaxxx:ロックがこんなに流行っているのって日本だけですよね。なぜか日本だけタテノリ文化じゃないですか。ある種ガラパゴス化したものが、逆輸入的に海外で面白いと思われるのはすごく納得します。
藤田:ユニークなもので「すごく面白いものが日本にある」と注目されるのか、完全に海外のフィールドで同じようにやるのか。ONE OK ROCKは後者を選んだわけですね。

ONE OK ROCKは、『35xxxv』をリリースしたのち、2015年にアメリカのワーナー・ブラザース・レコードと契約。2016年にその傘下のレーベル、フュエルド・バイ・ラーメンに移籍するなど、アメリカのバンドとしてのスタンスを持ちながら音楽活動を進めていきました。そして、2017年に『Ambitions』をリリース。海外経験で得た知識をどれだけフィードバックできるかという明確なビジョンを表現した作品になりました。

この続きは、2月にリリースした最新アルバム『Eye of the Storm』について深掘りします。

【4回目】ONE OK ROCK・Taka、“学生ノリ”から卒業して…ワンオクの今を語る

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【番組情報】
番組名:『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 21時-24時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/

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