J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:藤田琢己)。12月25日(火)のオンエアでは、DAOKOとのコンビでお届けしました。
注目の新譜・いま注目すべき名盤・話題の来日アーティストなど、週替わりで1組のアーティストを4日間かけて掘り下げていくコーナー「FEATURE TOPICS」。この週は12月19日に3年ぶりとなる5枚目の『POP VIRUS』をリリースした星野 源を特集。「シンガー」「俳優」「最新アルバム」の3つの項目に分け、全3回でお送りします。
■もともとはSAKEROCKでギターとマリンバを担当
初日はシンガーとしての星野 源さんの魅力に迫りました。DAOKOにとって星野さんの歌は、受験シーズンで悩んでいた頃に支えてくれた存在であり、ライブにも何度も足を運ぶほど大好きで、「J-POPの中のキーパーソンとして尊敬しています」とのこと。
星野さんは、高校の同級生で結成したインストゥルメンタル・バンド、SAKEROCKのリーダーとして音楽活動をしていました。ソロデビューは2010年、アルバム『ばかのうた』。SAKEROCKではギターとマリンバを担当していた星野さんらしく、イントロからマリンバの音色が特徴的な『ばらばら』をはじめ、何気ない日常をそのまま真空パックしたような、温かみのあるサウンドが並ぶ作品です。
俳優としての星野さんのファンや、早耳の音楽ファンの間で大きな話題を集めた『ばかのうた』。注目すべきはその歌詞です。たとえば『ばらばら』は、「人類みな兄弟」「世界はひとつ」のような普遍的なテーマを真っ向から否定。しかし実はそれこそが健全で、みんなひとりだからこそ誰かと繋がることができるのだ……という説得力を感じさせるものです。
DAOKO:この歌詞はめっちゃ哲学を感じますね。ニヒリズム的な、虚無主義的な……私は好きです。
藤田:その視点、プラス、独特のワードセンスが、すでに垣間見えていますね。音楽、歌、演技だけじゃなくて、執筆業でも活躍する星野さんの多彩っぷりが感じ取れます。
2011年3月にリリースされた1stシングル『くだらないの中に』は星野さんが初めて真正面から書いたラブソングですが、「愛している」とは伝えずに想いを届ける曲として書かれています。DAOKOは「愛に対して切実な解釈のある人なんだろうなあ、って歌詞から感じる」と語りました。
■くも膜下出血で倒れたものの…完全復活!
2011年はFUJI ROCK FESTIVALなど大きなフェスに出演し、9月には早くも2枚目のアルバム『エピソード』をリリース。翌2012年に入るとシングルを3枚リリースするなど精力的な活動を続けていった星野さん。多忙なスケジュールのなか、2012年末に行っていたレコーディングの最中に倒れてしまい、くも膜下出血と診断されます。
藤田:『化物』という曲が、倒れる直前に書いていたという話なんですね。曲の中の主人公が「誰かこの声を聞いてよ」と歌っています。忙しさに追われる中で、自分の声を聞いてほしい、自分のことをわかってほしい、という星野さんの心の声が曲の中にこぼれ出てきたようにも聞こえますね。
その後、2度に渡る手術と活動休止、復帰を繰り返し、2014年2月に自身初となる日本武道館ライブを敢行。星野さんの登場を心配気味に待つファンたちを前に、ミニスカートのナースに抱えられて登場し会場を爆笑の渦に変えるなど、星野節全開なコミカルな演出で完全復活を果たしました。
■観客が「裏拍」で踊っているスゴさ
復帰の翌年2015年に、『SUN』をリリースしました。DAOKOはこの曲のライブ演奏について、こう話します。
DAOKO:これ何回か言ってるんですけど、源さんのライブってもう規模が大きいじゃないですか。アリーナとか。アリーナで裏拍でお客さんが踊ってるっていう状況はすっごい泣ける。泣けるっていうか、すごいな、みたいな。
藤田:表拍子じゃないやつね。
DAOKO:日本人って、クラップがけっこう表じゃないですか。「ドン チッ」の「チッ」でノるのって難しいんですよね。でもこの曲は、それを自然とさせてしまうのがいいですよね。
ちなみにDAOKOは『SUN』が好きすぎて、初回限定版に付いていたインスト・バージョンにオリジナルでラップをつけ、星野さん本人に直接聴いてもらったこともあるそうです。
■自身の音楽を「イエローミュージック」と表現
『SUN』『時よ』などを収録した、通算4枚目のアルバム『YELLOW DANCER』は初のオリコンチャート1位を獲得。兼ねてから星野さんは、自身が目指す音楽を「イエローミュージック」と表現してきました。
藤田:自身が影響を受けてきたR&Bやソウルなど、いわゆるブラックミュージックといわれるサウンドをルーツに持ちつつ、「星野 源」というフィルターを通していろんな国の音楽を吸収し、自分たちならではのサウンドを目指してきた星野さん。この『YELLOW DANCER』というタイトルには、その精神が表れているのかもしれませんね。
次回は、俳優としての星野さんの活動を振り返ります。
【2回目】星野 源、心の中には寂しさがある? 「逃げ恥」で国民的な人気を博したあとも…
【この記事の放送回をradikoで聴く】
PC・スマホアプリ『radiko.jpプレミアム』(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は『radiko.jpタイムフリー』機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 21時-24時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/
注目の新譜・いま注目すべき名盤・話題の来日アーティストなど、週替わりで1組のアーティストを4日間かけて掘り下げていくコーナー「FEATURE TOPICS」。この週は12月19日に3年ぶりとなる5枚目の『POP VIRUS』をリリースした星野 源を特集。「シンガー」「俳優」「最新アルバム」の3つの項目に分け、全3回でお送りします。
■もともとはSAKEROCKでギターとマリンバを担当
初日はシンガーとしての星野 源さんの魅力に迫りました。DAOKOにとって星野さんの歌は、受験シーズンで悩んでいた頃に支えてくれた存在であり、ライブにも何度も足を運ぶほど大好きで、「J-POPの中のキーパーソンとして尊敬しています」とのこと。
星野さんは、高校の同級生で結成したインストゥルメンタル・バンド、SAKEROCKのリーダーとして音楽活動をしていました。ソロデビューは2010年、アルバム『ばかのうた』。SAKEROCKではギターとマリンバを担当していた星野さんらしく、イントロからマリンバの音色が特徴的な『ばらばら』をはじめ、何気ない日常をそのまま真空パックしたような、温かみのあるサウンドが並ぶ作品です。
俳優としての星野さんのファンや、早耳の音楽ファンの間で大きな話題を集めた『ばかのうた』。注目すべきはその歌詞です。たとえば『ばらばら』は、「人類みな兄弟」「世界はひとつ」のような普遍的なテーマを真っ向から否定。しかし実はそれこそが健全で、みんなひとりだからこそ誰かと繋がることができるのだ……という説得力を感じさせるものです。
DAOKO:この歌詞はめっちゃ哲学を感じますね。ニヒリズム的な、虚無主義的な……私は好きです。
藤田:その視点、プラス、独特のワードセンスが、すでに垣間見えていますね。音楽、歌、演技だけじゃなくて、執筆業でも活躍する星野さんの多彩っぷりが感じ取れます。
2011年3月にリリースされた1stシングル『くだらないの中に』は星野さんが初めて真正面から書いたラブソングですが、「愛している」とは伝えずに想いを届ける曲として書かれています。DAOKOは「愛に対して切実な解釈のある人なんだろうなあ、って歌詞から感じる」と語りました。
■くも膜下出血で倒れたものの…完全復活!
2011年はFUJI ROCK FESTIVALなど大きなフェスに出演し、9月には早くも2枚目のアルバム『エピソード』をリリース。翌2012年に入るとシングルを3枚リリースするなど精力的な活動を続けていった星野さん。多忙なスケジュールのなか、2012年末に行っていたレコーディングの最中に倒れてしまい、くも膜下出血と診断されます。
藤田:『化物』という曲が、倒れる直前に書いていたという話なんですね。曲の中の主人公が「誰かこの声を聞いてよ」と歌っています。忙しさに追われる中で、自分の声を聞いてほしい、自分のことをわかってほしい、という星野さんの心の声が曲の中にこぼれ出てきたようにも聞こえますね。
その後、2度に渡る手術と活動休止、復帰を繰り返し、2014年2月に自身初となる日本武道館ライブを敢行。星野さんの登場を心配気味に待つファンたちを前に、ミニスカートのナースに抱えられて登場し会場を爆笑の渦に変えるなど、星野節全開なコミカルな演出で完全復活を果たしました。
■観客が「裏拍」で踊っているスゴさ
復帰の翌年2015年に、『SUN』をリリースしました。DAOKOはこの曲のライブ演奏について、こう話します。
DAOKO:これ何回か言ってるんですけど、源さんのライブってもう規模が大きいじゃないですか。アリーナとか。アリーナで裏拍でお客さんが踊ってるっていう状況はすっごい泣ける。泣けるっていうか、すごいな、みたいな。
藤田:表拍子じゃないやつね。
DAOKO:日本人って、クラップがけっこう表じゃないですか。「ドン チッ」の「チッ」でノるのって難しいんですよね。でもこの曲は、それを自然とさせてしまうのがいいですよね。
ちなみにDAOKOは『SUN』が好きすぎて、初回限定版に付いていたインスト・バージョンにオリジナルでラップをつけ、星野さん本人に直接聴いてもらったこともあるそうです。
■自身の音楽を「イエローミュージック」と表現
『SUN』『時よ』などを収録した、通算4枚目のアルバム『YELLOW DANCER』は初のオリコンチャート1位を獲得。兼ねてから星野さんは、自身が目指す音楽を「イエローミュージック」と表現してきました。
藤田:自身が影響を受けてきたR&Bやソウルなど、いわゆるブラックミュージックといわれるサウンドをルーツに持ちつつ、「星野 源」というフィルターを通していろんな国の音楽を吸収し、自分たちならではのサウンドを目指してきた星野さん。この『YELLOW DANCER』というタイトルには、その精神が表れているのかもしれませんね。
次回は、俳優としての星野さんの活動を振り返ります。
【2回目】星野 源、心の中には寂しさがある? 「逃げ恥」で国民的な人気を博したあとも…
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【番組情報】
番組名:『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 21時-24時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/
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