J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ・寺岡歩美)のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」。11月27日(火)のオンエアでは、横浜の人気チョコレート工房「CHOCOLABO(ショコラボ)」に注目しました。
同工房は、主に知的障がいや精神障がいのある人々が30人ほど働いています。商品はとなり、高級スーパーや百貨店での取り扱いも増加中。人気の秘密を、同工房を運営する一般社団法人AOHの代表理事、伊藤紀幸さんに伺いました。
■福祉事務所で働いても「月給3000円」という衝撃
伊藤さんは、30歳のときに息子さんが障がいをもって生まれました。7歳で国立付属養護学校に入ったとき、こう言われたそうです。
「高校まで12年間ワンストップでお預かりしますが、基本的には就職はできないと思ってください。就職できたとしても月給は3000円です」
衝撃を受けた伊藤さんは、「障がいのあるひとの働く場を作り、賃金を上げたい」と思い、現在の活動をはじめました。
月給3000円というのは、驚きの給料です。なぜ、まかりとおってしまうのでしょうか。
伊藤:通常は労働基準法の適用で「最低賃金」がありますが、福祉事務所の場合は、それが適用外になっています。単純に時間給だけの生産性を求められてしまうと、社会に参画できない障がいのある方もいて、いろいろな意味があると思います。現実としては、全国平均で1ヶ月の給料、1万5000円というのが、福祉事務所の実態です。
サッシャ:CHOCOLABOさんではどのようになっていますか?
伊藤:CHOCOLABOでは10万円を目指しています。障害年金約7万円をもらえると計17万円で、初任給くらいになる。ただ、これは目標で、現在は3万1000円が今年3月の実績です。これからまだまだ頑張らないといけないところです。
寺岡:障がい者の方がお菓子やパンを作る工房も多くあると思いますが、なぜチョコレートだったのですか?
伊藤:4年間、何をしようか考えたのですが、結局、自分が好きなチョコレートにしました。どんなビジネスも、やろうと思うといろいろ大変なので、やるなら自分が好きなことを真剣にやろうと。当時、福祉事務所でも全国初のチョコレート工房だったので試行錯誤はありましたが、本当にみなさんの応援で6年間経つことができました。
■プロとのコラボレーションで、本当においしいものを
CHOCOLABOのチョコレートは、高級スーパーの紀伊国屋や近鉄百貨店、マルイ、阪急阪神百貨店や日本航空の通販カタログなど広がりをみせています。ここまで発展した背景を伺いました。
伊藤:プロの方とコラボレーションして、障害の有無に関係なくおいしいものを作ることに努めました。また、CHOCOLABOの起業ストーリーを応援してくださる方がいたから、ここまでこれたと思います。嬉しかったのは、2015年に『おとなの週末』という雑誌のホワイトデー企画のランキング2位に選んでいただいたこと。「お涙頂戴ではなくて、食べておいしい」というのが第一声で、その背景でストーリーにも共感してもらえたことですね。
サッシャ:味のクオリティに関してはすごくこだわったということですね。
伊藤:はい。チョコレートの結晶をなめらかにしてツヤを出す“テンパリング”という作業も、普通は機械でやるところを、うちは手でかきまわしています。梱包など全ての作業も手でやって、百貨店のプロのバイヤーの方には、「コンプライアンス的にも正真正銘“手作り”というシールが貼れます」とお言葉をいただきました。
最後に障がい者の方の「CHOCOLABO」への採用基準を訊きました。
伊藤:誰でもウエルカムですが、3つだけあります。食品工場なので、清潔な方です。爪を噛むなど不衛生な方は難しいです。次に床の下が硬いので、てんかんの方は万が一の事故になると大変なので、申し訳ないのですが、お断りしています。最後に、基本的には就労を目指してほしいので、自力通勤できる方。最初は親御さんにフォローしていただいてけっこうですが、自力で通勤できる方が、CHOCOLABOを通して世に出ていってもらいたいなと考えています。
CHOCOLABOの商品は、ホームページや常設店などで購入可能です。店舗は横浜市営地下鉄・センター南駅の近くにあります。ぜひ公式サイトをチェックしてみてください!
【この記事の放送回をradikoで聴く】
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【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/
同工房は、主に知的障がいや精神障がいのある人々が30人ほど働いています。商品はとなり、高級スーパーや百貨店での取り扱いも増加中。人気の秘密を、同工房を運営する一般社団法人AOHの代表理事、伊藤紀幸さんに伺いました。
■福祉事務所で働いても「月給3000円」という衝撃
伊藤さんは、30歳のときに息子さんが障がいをもって生まれました。7歳で国立付属養護学校に入ったとき、こう言われたそうです。
「高校まで12年間ワンストップでお預かりしますが、基本的には就職はできないと思ってください。就職できたとしても月給は3000円です」
衝撃を受けた伊藤さんは、「障がいのあるひとの働く場を作り、賃金を上げたい」と思い、現在の活動をはじめました。
月給3000円というのは、驚きの給料です。なぜ、まかりとおってしまうのでしょうか。
伊藤:通常は労働基準法の適用で「最低賃金」がありますが、福祉事務所の場合は、それが適用外になっています。単純に時間給だけの生産性を求められてしまうと、社会に参画できない障がいのある方もいて、いろいろな意味があると思います。現実としては、全国平均で1ヶ月の給料、1万5000円というのが、福祉事務所の実態です。
サッシャ:CHOCOLABOさんではどのようになっていますか?
伊藤:CHOCOLABOでは10万円を目指しています。障害年金約7万円をもらえると計17万円で、初任給くらいになる。ただ、これは目標で、現在は3万1000円が今年3月の実績です。これからまだまだ頑張らないといけないところです。
寺岡:障がい者の方がお菓子やパンを作る工房も多くあると思いますが、なぜチョコレートだったのですか?
伊藤:4年間、何をしようか考えたのですが、結局、自分が好きなチョコレートにしました。どんなビジネスも、やろうと思うといろいろ大変なので、やるなら自分が好きなことを真剣にやろうと。当時、福祉事務所でも全国初のチョコレート工房だったので試行錯誤はありましたが、本当にみなさんの応援で6年間経つことができました。
■プロとのコラボレーションで、本当においしいものを
CHOCOLABOのチョコレートは、高級スーパーの紀伊国屋や近鉄百貨店、マルイ、阪急阪神百貨店や日本航空の通販カタログなど広がりをみせています。ここまで発展した背景を伺いました。
伊藤:プロの方とコラボレーションして、障害の有無に関係なくおいしいものを作ることに努めました。また、CHOCOLABOの起業ストーリーを応援してくださる方がいたから、ここまでこれたと思います。嬉しかったのは、2015年に『おとなの週末』という雑誌のホワイトデー企画のランキング2位に選んでいただいたこと。「お涙頂戴ではなくて、食べておいしい」というのが第一声で、その背景でストーリーにも共感してもらえたことですね。
サッシャ:味のクオリティに関してはすごくこだわったということですね。
伊藤:はい。チョコレートの結晶をなめらかにしてツヤを出す“テンパリング”という作業も、普通は機械でやるところを、うちは手でかきまわしています。梱包など全ての作業も手でやって、百貨店のプロのバイヤーの方には、「コンプライアンス的にも正真正銘“手作り”というシールが貼れます」とお言葉をいただきました。
最後に障がい者の方の「CHOCOLABO」への採用基準を訊きました。
伊藤:誰でもウエルカムですが、3つだけあります。食品工場なので、清潔な方です。爪を噛むなど不衛生な方は難しいです。次に床の下が硬いので、てんかんの方は万が一の事故になると大変なので、申し訳ないのですが、お断りしています。最後に、基本的には就労を目指してほしいので、自力通勤できる方。最初は親御さんにフォローしていただいてけっこうですが、自力で通勤できる方が、CHOCOLABOを通して世に出ていってもらいたいなと考えています。
CHOCOLABOの商品は、ホームページや常設店などで購入可能です。店舗は横浜市営地下鉄・センター南駅の近くにあります。ぜひ公式サイトをチェックしてみてください!
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【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/