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別所哲也も短歌にチャレンジ! ドゥマゴ文学賞を受賞した歌人・九螺ささらのユニークな世界

別所哲也も短歌にチャレンジ! ドゥマゴ文学賞を受賞した歌人・九螺ささらのユニークな世界

J-WAVEで放送中の番組『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー『MORNING INSIGHT』。11月5日(月)のオンエアでは、『神様の住所』で第28回(2018年度)Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞した歌人・九螺(くら)ささらさんをお迎えし、新たな短歌の世界についてお話を訊きました。


■「前頭葉と脊髄がクーッとなる短歌!」

短歌は5・7・5・7・7の合計31文字で構成される、和歌の一種。その短歌で、革新的な世界を表現したと話題になっているのが九螺さんです。

『神様の住所』(朝日出版社)は、構成も工夫された一冊。各章ごとに短歌が一首あり、その短歌の解説、そして最後に締めの一首、全部で84首で構成されています。テーマも「ゲシュタルト崩壊」「レーズンバター」などユニークなもの。帯に書かれた「短歌が入り口で、宇宙が出口。」というキャッチコピーからは、その世界のひろがりが伝わってくるようです。

別所は「前頭葉と脊髄がクーッとなる短歌!」と語ります。別所がお気に入りの一首は、「温めたレーズンバターのバター溶けレーズンの本名は干しブドウ」とのこと。こういった短歌はどのように生まれるのでしょうか。

別所:レーズンバターはレーズンの入ったバターであり、バターの入ったレーズンではない、と書かれていますね。さまざまなものの“概念”について書かれている。
九螺:どこがどこに含まれているか、ということですね。
別所:九螺さんのなかには、短歌を作る前に、概念があるのでしょうか。
九螺:「短歌で哲学する」というコンセプトのもとにやっています。概念を表現するのは難しいことだと思っていて、そういうことを短歌でやるという革新的な本……であるはずなんですけど、最初から最後まで爆笑してくださっても全然かまわないです(笑)。
別所:最初クスリとするけど、徐々に引き込まれてしまいますよね。

九螺さんの名前の由来についてもお訊きしました。

九螺:万葉集に「神楽良」と書いて「ささら」と読ませる言葉があり、そこから取らせていただいてます。「九螺」は「九」が一番大きな数字ということと、横にしても縦にしても彫刻のように美しい形がいいなと思って、「螺」は立てると『ミロのビーナス』の胸に当たるような、デザイン的に私がこれがいいと思って決めました。

オンエアでは、別所も短歌にチャレンジ!

「ドーナツをあげパンと呼ぶ愚か者 似た者同士 食べれば一緒」

別所いわく、ドーナツとあげパンは何が違うの? 分けられない、という長年のモヤモヤを詠ったものだとか。九螺さんからは「素敵です。100万点です。他の方には作れない価値観」とお褒めの言葉をいただきました!


■ネットでも短歌ブーム?

若い人たちの間では今、インターネット短歌が人気だそうです。短歌の盛り上がりについて伺いました。

九螺:面積的にハマるというのがあると思います。(ツイッターの)140字のところにつぶやきじゃなくてそれを置くという。みんな何かを伝えたくてツイッターで呟くのだと思うんですけど、「俺って世界一」「私って世界一」と投稿されても、(そういう人とは)お付き合いしたくないですよね。でも短歌にすると客観視がなされる。「俺って世界一と思っちゃった」と客観視して作品にした段階で、常にその感情に溺れない人なんだとわかる。短歌は人間の高いレベルのコミュニケーションに向いているということに、意識的か無意識的か……たぶん、気づいてやってらっしゃるんだと思います。
別所:深い!

インターネットの短歌の世界、ぜひ覗いてみてはいかがでしょうか。九螺さんの不思議な世界が詰まっている『神様の住所』も、ぜひ手にとってみてください。

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【番組情報】
番組名:『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』
放送日時:月・火・水・木曜 6時-9時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/tmr/

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