街で迷惑行為を目撃…「動画をSNSで晒す」のは法的に大丈夫なの?

J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ・寺岡歩美)のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」。10月3日(木)のオンエアでは、SNS上で問題になっている晒し投稿動画に注目しました。


■SNSでの“晒し動画”…違法になるの?

電車内でマナー違反をしている人をスマートフォンで撮影してSNSに投稿したり、ドライブレコーダーに記録された迷惑運転の証拠映像を動画サイトに投稿したりと、ここ数年、一般人による“晒し動画”が物議を醸しています。この行為は、正義なのか悪なのか。レイ法律事務所の弁護士・河西邦剛さんにお話を伺いました。

とあるネットユーザーが、電車内で大音量の音楽をかけてビール片手に大騒ぎする外国人の集団を撮影してツイッターに投稿したところ、そのツイッターアカウントがロックされ、動画が削除された……というニュースが8月にありました。河西さんはこの内容をどう考えられているのでしょうか。

河西:「電車内にこういう人たちがいるんだ」「これだけ迷惑を被ったんだ」ということで、ネットに動画をアップしたくなる気持ちはわかりますが、法的にはいろいろな問題が生じます。迷惑行為をしている人であっても、肖像権やプライバシー権があるので、それを勝手に撮ってネットにアップすると、違法と判断されてしまう可能性があります。

もし、プライバシーの侵害を防ぐために顔や車のナンバーなどをモザイク処理してアップした場合は、違法にならないのでしょうか?

河西:プライバシーや肖像権は、特定できるかどうかに関わってきます。なので動画に映り込むナンバーや顔を隠した状態でアップロードすれば、それは違法にはなりにくいです。特定できない状態で、迷惑行為の事実があったんだと動画で公表することについては、プライバシーや肖像権の問題にはなりません。


■撮影自体は問題なし…警察への証拠になる

撮影すること自体は、問題ないのでしょうか。

河西:撮影して証拠を残しておく行為と、それをネットにアップロードすることは違う行為です。撮ること自体は問題ありません。特に公衆の場において、犯罪行為かどうか明確な判断基準が付かないときに、とりあえず現場の証拠を残しておこうという観点から録音や録画することは問題ありません。
サッシャ:その記録をあとで、警察や裁判などに提示する証拠になるわけですね。
河西:その通りです。警察官を呼んだときに、状況証拠として動画を見せれば納得されやすいわけです。証拠を残す観点から動画を撮ることは、積極的にやるべきかと思います。

ただし、その証拠をネットにアップロードしてしまうと、あとから違法だと言われることはあり得るとのことでした。

河西さんは、何かあったら躊躇せず警察へ、と話します。

河西:自分自身で何とかしようとすると、逆にトラブルに巻き込まれてしまう可能性もあります。そのため、警察に行くことを躊躇せず、その証拠を動画で残しておくことが何より大事です。

迷惑行為の動画を撮影した際は、ウェブへアップするのではなく、警察へ届けましょう。

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【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/

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