CDを買う時代から動画を観る時代へ…2010年代の「J-POP」を考察【特集】

J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:藤田琢己)。10月10日(水)のオンエアでは、Licaxxxとのコンビでお届けしました。

注目の新譜・いま注目すべき名盤・話題の来日アーティストなど、週替わりで1組のアーティストを掘り下げていくコーナー「FEATURE TOPICS」。この週は、J-WAVEから生まれた言葉でもある「J-POP」を特集。5回目は、2010年代の「J-POP」の動きを掘り起こしました。

【1回目】「J-POP」という言葉、J-WAVEが生みの親って知ってた? その意味は…
【2回目】ドリカムの曲、J-WAVEでは『LOVE LOVE LOVE』より『サンキュ.』が好まれたワケ
【3回目】宇多田ヒカルの登場で激変した「J-POP」1999年~2000年代の軌跡
【4回目】DAOKOが「音楽の革命児。大好き」と語った音楽プロデューサーは?


■フェスやライブが「J-POP」の流れを変える

AKB48や嵐がヒットチャートを席巻する一方で、日本のインディーロックシーンからバンドがフックアップする時代に突入。アイドル勢がチャートを独占するなかで、2013年にはSEKAI NO OWARIがヒット。もともと自分たちで小さなライブハウスを作って活動を続けていた彼らは、のちに「NHK紅白歌合戦」に出演するなど大衆に支持される、大きな存在となっていきます。

そして、SEKAI NO OWARIだけではなく、サカナクション、ONE OK ROCK、back numberなどもチャートインしていきます。

藤田:歌番組やCMなどのメディアがある一方で、フェスブームが起こりました。今となっては4日間で20万人を超す動員がある「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」をはじめ、東京近郊だけでなく地方でも大型フェスが増えてきたのも、この時代じゃないですかね。フェスでいきなり3万人のステージでパフォーマンスができるようになるから、フェスで盛り上がる音楽性もフィーチャーされはじめて、そうなると今までの雰囲気とは違う音楽やバンドたちがどんどんエネルギッシュに活躍していく部分も時代として切り取れるんじゃないかなと思います。

ライブの現場に通う音楽好きが支持するアーティストが、アイドル路線とは別のラインで活躍していきます。すでに有名だったRADWIMPSは映画『君の名は。』の大ヒットで、国民的な支持を獲得しました。

藤田:星野 源さんもそう。僕がやっていた番組では200人キャパのライブイベントに弾き語りで出てもらっていたんですよ。
Licaxxx:すごいなー。
藤田:それが、もはや(大人気アーティストですからね)。すでに星野さんのコアなファンはいたけど、連続ドラマに出るようになり、エンターテイナーとしての存在感を獲得していきました。WANIMAやSuchmos、SHISHAMOなどのように、ライブ現場から音楽チャートにランクインし、スタジアム規模のライブを開催したり、「NHK紅白歌合戦」に出場したりする流れが、2000年代、2010年代を象徴するものではないかと思います。


■「CDが売れている」から「動画が再生されている」時代へ

最近では「J-POP」を取り巻く動きに変化が生じ、米津玄師さんのように動画サイトやインターネットを通じてスターが生まれてきました。

藤田:「J-POP」は出自を問わず、みんなそこのフィールドにやってくることができるというか。米津玄師さんの特徴は、彼のミュージックビデオがインターネット経由で多く再生されていることで、それは今までの「J-POP」が持つアーティストの要素とは違うものだと思います。「CDが売れている」ではなく「動画が再生されている」ということを特徴的に語られるアーティストもこのフィールドに入ってきました。
Licaxxx:多くの人に聴かれたら「J-POP」って定義に入ってきますからね。私と同世代で頑張っているアーティストたちは、「『J-POP』をどこまでカッコよくできるか」ってところに立たされていると思います。
藤田:「J-POP」を毛嫌いする人もいれば、それをなるべく押し広げてやろうと思ったり、すごく尖っているけどあえて「J-POP」で勝負するという存在もあるから、「J-POP」がもたらす影響力は本当に大きいと感じます。

【6回目】現在のJ-POPは星野 源? いきものがかり・水野が選んだ「起源と言える曲」は

【番組情報】
番組名:『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 21時-24時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/

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