J-WAVEで放送中の番組『SUNRISE FUNRISE』(ナビゲーター:レイチェル・チャン)のワンコーナー「SARAYA ENJOY! NATURAL STYLE」。9月16日(日)のオンエアでは、フードディレクターの野村友里が、代々木八幡「PATH」のパティシエ・後藤裕一さんをお迎えし、仕事についてお話を伺いました。
■アルバイトがきっかけでお菓子の世界へ
後藤さんは、ずっとお菓子を手がけてきました。
後藤:大学に行って2年生くらいのときに、「そろそろ進路を考えないと」って思い、メイクやデザインに興味があったんですけど、デパ地下のケーキ売り場でバイトをしていて、情報誌に「ケーキつくれます」と書いてり「できるかな」という興味がありました。僕のなかでお菓子というのがデザイン性があるもので、「パティシエという道もあるな」と思いはじめた感じですね。
野村:最初はどちらで仕事をしたんですか?
後藤:アルバイトというのが「オテル・ドゥ・ミクニ」だったんですよ。大学3年生くらいのときに授業も少なくなってきて。いろいろできるなというときに、四谷の本店でお菓子の部門で週に1回研修をさせてもらったというのがきっかけです。四谷には3年いました。そのあと、新宿にある「キュイジーヌ[s] ミッシェル・トロワグロ」に行きました。
■フランス料理の名店で修行
その後、フランスに行った後藤さん。
後藤:フランスはよかったですね。仕事をしている感覚と、自分が人生を歩んでいるという感覚がリンクしたというか。日本にいる間は「仕事は仕事」、「休みは休み」という感覚だったんですけど、フランスにいたときは生きていることと仕事をしていることが混ざっている感じがして、気持ちよかったですね。まあまあ田舎というのもよかったんですけど、「メゾン・トロワグロ」が家族経営のお店なので、あたたかさがあったというか、団らんしつつもみんなプロとしてやることはしっかりやる、メリハリができていました。
野村:生活と仕事が延長上にみえたんですかね。
後藤:休みの日もお店の人と会ってバーベキューをしたり、仕事終わりに飲んでいるとシェフが来て一緒に飲んだり、日本にいるとなかなかないじゃないですか。三ツ星の憧れのシェフが、しがないバーみたいなところで飲んでるときに来ちゃうという感覚が嬉しかったですね。4年間どっぷりしていましたね。
野村:よく帰ろうというタイミングを掴みましたね。
後藤:時間がなくて、急ぎでパパっと終わらせて、試作をシェフに持っていって、持っていく前に「時間なかったね。シェフにこことここを変えろと言われるから準備しとこうか」という話をして試食をしてもらったら、思ったとおりのことを言われたんです。それを聞いて「もうこれで俺は日本に帰ろう」と思ったんです。僕はシェフパティシエで、お菓子部門ではトップにいたので、3代目オーナーシェフ、ミッシェル・トロワグロに学ばせてもらうことはたくさんあったのですが、彼は料理人で、テクニカルなことを学ぶのではなく、感覚やセンスなどを学ばせてもらっている感じでした。僕が4年間働いて、彼といた意味を見出すことができて、「ここが区切りかな」という感覚でした。
■フランスの雰囲気を日本に
フランスから帰国し、2015年に「PATH」をオープン。友人の「ビストロ ロジウラ」(渋谷)の原 太一シェフとともに、「朝食屋をやろう」と決めてスタートしたそうです。
野村:パティシエの後藤さんとシェフの原さん。役割分担は?
後藤:朝はクロワッサンがあったり焼き菓子があったり、サンドイッチがあるんですけど、お菓子パンに関しては僕がレシピを作って、料理に関しては原がレシピを作って、夜のコース料理は彼がやって、デザートは僕が考える感じです。
野村:パティシエの顔がわかるというのが、「PATH」は新鮮でした。
後藤:僕は自分のことを、レストランパティシエ、デザートをつくる職人と思っています。でも、日本で飲食店にいくと、デザートはシェフの管轄で、パティシエの子は言われたものを作っているという感じだと思うんです。フランスだとデザートはデザートで、それを作る職人さんがいるというのが確立されているんです。僕はそういう雰囲気を日本に持っていきたいというのがありました。
「PATH」では、「朝チーム」と「夜チーム」の2チーム制で、長時間労働にならないよう、働き方を工夫しています。昼の終わりに両チームが合流し、15時過ぎにまかないを全員で食べて、チームで時間を共有しています。
最後に、後藤さんに今後の展望を訊きました。
後藤:パティシエ=お菓子屋さんというイメージを崩したいです。パティシエがお菓子屋さんをすること自体は素晴らしいと思いますが、パティシエをやって、お菓子を学んだ技術のある人間が、職業の幅を広げていろいろな選択肢ができるといいなと、コンサルティングなども積極的にやっていきたいです。
パティシエの枠にとらわれない活動を続けている後藤さん。今後の活躍にも注目してみてください。
【番組情報】
番組名:『SUNRISE FUNRISE』
放送日時:毎週日曜 6時-9時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sunrise/
■アルバイトがきっかけでお菓子の世界へ
後藤さんは、ずっとお菓子を手がけてきました。
後藤:大学に行って2年生くらいのときに、「そろそろ進路を考えないと」って思い、メイクやデザインに興味があったんですけど、デパ地下のケーキ売り場でバイトをしていて、情報誌に「ケーキつくれます」と書いてり「できるかな」という興味がありました。僕のなかでお菓子というのがデザイン性があるもので、「パティシエという道もあるな」と思いはじめた感じですね。
野村:最初はどちらで仕事をしたんですか?
後藤:アルバイトというのが「オテル・ドゥ・ミクニ」だったんですよ。大学3年生くらいのときに授業も少なくなってきて。いろいろできるなというときに、四谷の本店でお菓子の部門で週に1回研修をさせてもらったというのがきっかけです。四谷には3年いました。そのあと、新宿にある「キュイジーヌ[s] ミッシェル・トロワグロ」に行きました。
■フランス料理の名店で修行
その後、フランスに行った後藤さん。
後藤:フランスはよかったですね。仕事をしている感覚と、自分が人生を歩んでいるという感覚がリンクしたというか。日本にいる間は「仕事は仕事」、「休みは休み」という感覚だったんですけど、フランスにいたときは生きていることと仕事をしていることが混ざっている感じがして、気持ちよかったですね。まあまあ田舎というのもよかったんですけど、「メゾン・トロワグロ」が家族経営のお店なので、あたたかさがあったというか、団らんしつつもみんなプロとしてやることはしっかりやる、メリハリができていました。
野村:生活と仕事が延長上にみえたんですかね。
後藤:休みの日もお店の人と会ってバーベキューをしたり、仕事終わりに飲んでいるとシェフが来て一緒に飲んだり、日本にいるとなかなかないじゃないですか。三ツ星の憧れのシェフが、しがないバーみたいなところで飲んでるときに来ちゃうという感覚が嬉しかったですね。4年間どっぷりしていましたね。
野村:よく帰ろうというタイミングを掴みましたね。
後藤:時間がなくて、急ぎでパパっと終わらせて、試作をシェフに持っていって、持っていく前に「時間なかったね。シェフにこことここを変えろと言われるから準備しとこうか」という話をして試食をしてもらったら、思ったとおりのことを言われたんです。それを聞いて「もうこれで俺は日本に帰ろう」と思ったんです。僕はシェフパティシエで、お菓子部門ではトップにいたので、3代目オーナーシェフ、ミッシェル・トロワグロに学ばせてもらうことはたくさんあったのですが、彼は料理人で、テクニカルなことを学ぶのではなく、感覚やセンスなどを学ばせてもらっている感じでした。僕が4年間働いて、彼といた意味を見出すことができて、「ここが区切りかな」という感覚でした。
■フランスの雰囲気を日本に
フランスから帰国し、2015年に「PATH」をオープン。友人の「ビストロ ロジウラ」(渋谷)の原 太一シェフとともに、「朝食屋をやろう」と決めてスタートしたそうです。
野村:パティシエの後藤さんとシェフの原さん。役割分担は?
後藤:朝はクロワッサンがあったり焼き菓子があったり、サンドイッチがあるんですけど、お菓子パンに関しては僕がレシピを作って、料理に関しては原がレシピを作って、夜のコース料理は彼がやって、デザートは僕が考える感じです。
野村:パティシエの顔がわかるというのが、「PATH」は新鮮でした。
後藤:僕は自分のことを、レストランパティシエ、デザートをつくる職人と思っています。でも、日本で飲食店にいくと、デザートはシェフの管轄で、パティシエの子は言われたものを作っているという感じだと思うんです。フランスだとデザートはデザートで、それを作る職人さんがいるというのが確立されているんです。僕はそういう雰囲気を日本に持っていきたいというのがありました。
「PATH」では、「朝チーム」と「夜チーム」の2チーム制で、長時間労働にならないよう、働き方を工夫しています。昼の終わりに両チームが合流し、15時過ぎにまかないを全員で食べて、チームで時間を共有しています。
最後に、後藤さんに今後の展望を訊きました。
後藤:パティシエ=お菓子屋さんというイメージを崩したいです。パティシエがお菓子屋さんをすること自体は素晴らしいと思いますが、パティシエをやって、お菓子を学んだ技術のある人間が、職業の幅を広げていろいろな選択肢ができるといいなと、コンサルティングなども積極的にやっていきたいです。
パティシエの枠にとらわれない活動を続けている後藤さん。今後の活躍にも注目してみてください。
【番組情報】
番組名:『SUNRISE FUNRISE』
放送日時:毎週日曜 6時-9時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sunrise/