J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ・杉山セリナ)のワンコーナー『BEHIND THE SCENE』。9月13日(木)のオンエアでは、生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんをお迎えして、多種多様化する子供の習い事事情や、その背後に潜む問題などに迫りました。
■いつしか増えてしまう? 子供の習い事
最近では個々のニーズに合わせる形で、教える内容が細分化され、急速な多様化が進む子供の習い事。まずはそうした最新の習い事事情について、柏木さんに伺いました。
サッシャ:自分の頃に比べて、「子供たちがむちゃくちゃ習い事をしてるな」っていう印象があります。
柏木:まず、お母さんたちが、他の人もやってるからっていうことで通わせています。また、「遅れさせたくない」というようなことに巻き込まれているなと思います。これには、少子化が1つの問題になっていて、習い事を主催する側も、1人1人の子供たちに合わせなければいけなくなってきているために、さらに多様化、細分化してきています。
サッシャ:「うちの子こういうことやりたいんだけど」「あ、じゃあそういう教室」みたいなのものが増えてきていると?
柏木:そうですね。今は学校でバイオリンやギターも習うところもあります。また、大勢が習い事をしているクラスのなかで、鉄棒ができない、または前回り後ろ周りのマットができないといった子が2~3人出てくると、子供も納得して「じゃあ、習い事をしよう」ということもあります。その個人個人の需要が、子供の特徴や長所に合わせた需要ではなく、できない子をできさせる、授業に合わせて細分化したものになっています。
サッシャ:“塾化してる”っていうことですね。
柏木:もう1つの特徴は、少子化で公園に子供がいないために、サッカーで遊ぼうと思っていても、人数が足りない。ですので、お金を払ってみんなでできるように、サッカーチームも習い事として通う。少子化がこういったことをもたらしています。
サッシャ:あとボール蹴れないしね。ただ、親の立場で言うと、習い事も多様化して増えてると思うから、「子供にいろんなことをやらせてみて、好きなものを見つけてもらいたい」っていう想いもあるんです。だからやめたかったら別にやめていいけど、「やってみない? とりあえず」みたいなところはありますね。
柏木:「1つだけやらせてみよう」と最初は思っていても、いろいろやらせていって、結局週に5日になってしまうことも。親が期待しているので、小学校の時期が一番習い事をさせていますが、中学、高校になってくると、だんだんと絞られてきます。
サッシャ:なるほど、好きなことも決まってくるしね。
■小学校6年生で100万円単位! 家計を圧迫する“習い事”
子供の成長や周囲の変化に合わせる形で、習い事を詰め込んでしまいがちだという現代の保護者たち。しかしそうした習い事の詰め込みは、実に深刻な形で家計を圧迫するという現実も存在しています。
サッシャ:意外とお金もかかるんですよね?
柏木:公立の小学校で、年間22万円かかります。習い事をしていない子を除くと、月3万から4万ほどです。週に3回ぐらいが平均です。私立だと、5、6万かかっていますので、年間60万。4年生になると、さらに塾の値段が入ってきます。
サッシャ:高学年になるとね、値段があがるんですよ。低学年と高学年で、値段が違う習い事、結構ありますよね。
柏木:塾でも、4年生だと5~60万ですけど、6年生になると100万単位でかかってくることも。
サッシャ:えー!
柏木:夏期講習だとか、志望校に合わせた特訓などですね。4年生から受験のための勉強が入ってくるので、それで高額になってきます。
サッシャ:今、人気の習い事ってどういうものが多いんですか?
柏木:女子だったら新体操とかチアダンス。男子だったらサッカーです。男子でもピアノをやってる子もいますし、バイオリンや太鼓、ギターなど、細かいものに入っていったりもします。学校で進級テストがあるので、それに追いつけるように水泳などもですね。水泳は東大生が一番習っていたようで、頭も良くなるのではないかということで、すごく人気も高まっています。
サッシャ:あともう1つ、友達がみんな習い事してるから、習い事しないと、1人ぼっちになっちゃうんですよね。習い事をしてないと孤独なんですよね、子供がたぶんね。
柏木:親も1人で家に置くのは心配ですし、学童に入れない子供もいます。公園に行っても誰もいないから、習い事にいくと、とりあえずは親が安心するというふうになってきています。
■まずは好きなこと1つに絞ること
子供たちが卑屈になったり、孤独な状態になることを回避する目的としても活用されているという習い事。こうした習い事を巡る流れに巻き込まれず、子育てをしていくためには、好きなこと1つだけに絞って習い事するといった工夫のほか、場合によっては、保護者同士が連携をとったり、学校側に体制の改善を促していくことも必要であると柏木さんは言います。
サッシャ:どういうふうに親として考えたらいいんですか?
柏木:今は“脱・ゆとり教育”で、学校が学力テストを公開するようになり、クラスのなかでレベルを上げるようになってきています。そのため、全員が進級テストを受け、音楽もできた人だけ鍵盤ハーモニカから次の歌に進めることになります。できる人に合わせているわけです。また、できる人たちの多くは習い事をしているため、習い事してない人は、ついていけないような授業内容になっているんです。親たちは、長所を見出していってあげたり、習い事も自分が好きなこと1つに絞るなどして長所を見出してください。また、親も周りに振り回されないようにすることですね。できれば、学校も学力テストを公開しないで改革を起こしてほしいなと思います。
サッシャ:外で習い事をしている人が、授業で先に進む。外でお金を使うことが前提で学校の教育が進むと、すごい本末転倒ですよね。
柏木:先生もそれをやってくれるほうが本音としては有難いという雰囲気になってきているので、親同士やPTAなどで抑えることも必要ですね。私も「公園で遊んで」と、子供同士で遊ばせています。
柏木さんによると、習い事にかける費用は小学生が一番高く、中学生になると公立・私立問わず平均で30万円ほど。家計のやりくりという意味でも、やはり柏木さんの言う「好きなこと1つに絞る」ということは、大切であると言えそうです。
【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/
■いつしか増えてしまう? 子供の習い事
最近では個々のニーズに合わせる形で、教える内容が細分化され、急速な多様化が進む子供の習い事。まずはそうした最新の習い事事情について、柏木さんに伺いました。
サッシャ:自分の頃に比べて、「子供たちがむちゃくちゃ習い事をしてるな」っていう印象があります。
柏木:まず、お母さんたちが、他の人もやってるからっていうことで通わせています。また、「遅れさせたくない」というようなことに巻き込まれているなと思います。これには、少子化が1つの問題になっていて、習い事を主催する側も、1人1人の子供たちに合わせなければいけなくなってきているために、さらに多様化、細分化してきています。
サッシャ:「うちの子こういうことやりたいんだけど」「あ、じゃあそういう教室」みたいなのものが増えてきていると?
柏木:そうですね。今は学校でバイオリンやギターも習うところもあります。また、大勢が習い事をしているクラスのなかで、鉄棒ができない、または前回り後ろ周りのマットができないといった子が2~3人出てくると、子供も納得して「じゃあ、習い事をしよう」ということもあります。その個人個人の需要が、子供の特徴や長所に合わせた需要ではなく、できない子をできさせる、授業に合わせて細分化したものになっています。
サッシャ:“塾化してる”っていうことですね。
柏木:もう1つの特徴は、少子化で公園に子供がいないために、サッカーで遊ぼうと思っていても、人数が足りない。ですので、お金を払ってみんなでできるように、サッカーチームも習い事として通う。少子化がこういったことをもたらしています。
サッシャ:あとボール蹴れないしね。ただ、親の立場で言うと、習い事も多様化して増えてると思うから、「子供にいろんなことをやらせてみて、好きなものを見つけてもらいたい」っていう想いもあるんです。だからやめたかったら別にやめていいけど、「やってみない? とりあえず」みたいなところはありますね。
柏木:「1つだけやらせてみよう」と最初は思っていても、いろいろやらせていって、結局週に5日になってしまうことも。親が期待しているので、小学校の時期が一番習い事をさせていますが、中学、高校になってくると、だんだんと絞られてきます。
サッシャ:なるほど、好きなことも決まってくるしね。
■小学校6年生で100万円単位! 家計を圧迫する“習い事”
子供の成長や周囲の変化に合わせる形で、習い事を詰め込んでしまいがちだという現代の保護者たち。しかしそうした習い事の詰め込みは、実に深刻な形で家計を圧迫するという現実も存在しています。
サッシャ:意外とお金もかかるんですよね?
柏木:公立の小学校で、年間22万円かかります。習い事をしていない子を除くと、月3万から4万ほどです。週に3回ぐらいが平均です。私立だと、5、6万かかっていますので、年間60万。4年生になると、さらに塾の値段が入ってきます。
サッシャ:高学年になるとね、値段があがるんですよ。低学年と高学年で、値段が違う習い事、結構ありますよね。
柏木:塾でも、4年生だと5~60万ですけど、6年生になると100万単位でかかってくることも。
サッシャ:えー!
柏木:夏期講習だとか、志望校に合わせた特訓などですね。4年生から受験のための勉強が入ってくるので、それで高額になってきます。
サッシャ:今、人気の習い事ってどういうものが多いんですか?
柏木:女子だったら新体操とかチアダンス。男子だったらサッカーです。男子でもピアノをやってる子もいますし、バイオリンや太鼓、ギターなど、細かいものに入っていったりもします。学校で進級テストがあるので、それに追いつけるように水泳などもですね。水泳は東大生が一番習っていたようで、頭も良くなるのではないかということで、すごく人気も高まっています。
サッシャ:あともう1つ、友達がみんな習い事してるから、習い事しないと、1人ぼっちになっちゃうんですよね。習い事をしてないと孤独なんですよね、子供がたぶんね。
柏木:親も1人で家に置くのは心配ですし、学童に入れない子供もいます。公園に行っても誰もいないから、習い事にいくと、とりあえずは親が安心するというふうになってきています。
■まずは好きなこと1つに絞ること
子供たちが卑屈になったり、孤独な状態になることを回避する目的としても活用されているという習い事。こうした習い事を巡る流れに巻き込まれず、子育てをしていくためには、好きなこと1つだけに絞って習い事するといった工夫のほか、場合によっては、保護者同士が連携をとったり、学校側に体制の改善を促していくことも必要であると柏木さんは言います。
サッシャ:どういうふうに親として考えたらいいんですか?
柏木:今は“脱・ゆとり教育”で、学校が学力テストを公開するようになり、クラスのなかでレベルを上げるようになってきています。そのため、全員が進級テストを受け、音楽もできた人だけ鍵盤ハーモニカから次の歌に進めることになります。できる人に合わせているわけです。また、できる人たちの多くは習い事をしているため、習い事してない人は、ついていけないような授業内容になっているんです。親たちは、長所を見出していってあげたり、習い事も自分が好きなこと1つに絞るなどして長所を見出してください。また、親も周りに振り回されないようにすることですね。できれば、学校も学力テストを公開しないで改革を起こしてほしいなと思います。
サッシャ:外で習い事をしている人が、授業で先に進む。外でお金を使うことが前提で学校の教育が進むと、すごい本末転倒ですよね。
柏木:先生もそれをやってくれるほうが本音としては有難いという雰囲気になってきているので、親同士やPTAなどで抑えることも必要ですね。私も「公園で遊んで」と、子供同士で遊ばせています。
柏木さんによると、習い事にかける費用は小学生が一番高く、中学生になると公立・私立問わず平均で30万円ほど。家計のやりくりという意味でも、やはり柏木さんの言う「好きなこと1つに絞る」ということは、大切であると言えそうです。
【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/