「ソウルの女王」と呼ばれた米黒人女性歌手のアレサ・フランクリンさんが、米現地時間の8月16日(木)にデトロイトの自宅で亡くなりました。享年76。すい臓がんと闘っており、今週に入って危篤であると伝えられていました。8月17日(金)オンエアのJ-WAVEで放送中の番組『〜JK RADIO〜TOKYO UNITED』(ナビゲーター:ジョン・カビラ)では、アレサ・フランクリンさんについて急遽特集を組み、彼女の軌跡を辿りました。
■オバマ前大統領の就任式でも歌を披露
1987年、女性として初のロックの殿堂入りを果たしたアレサ・フランクリンさん。グラミー賞を18回受賞。ソウル、R&B、ポップミュージックに多大なる影響を与えた偉大なアーティストです。さまざまなアーティストにカバー、サンプリングされるヒット曲の数々を世に送り出しました。また「HOT 100」チャートには100曲近いヒットを送り込み、オバマ前大統領の一期目の就任式でも歌を披露しました。
■「史上最も偉大なシンガー100人」のひとり
カビラは、アレサ・フランクリンさんへの「最大限のリスペクトを込めて」ということで、1曲目の楽曲に『Respect』をオンエア。1967年2月、シングル『貴方だけを愛して(原題:I Never Loved A Man (The Way I Love You) )』でデビューした彼女。シングル3作目である『Respect』で、全米チャート初No.1を獲得しました。グラミー賞最優秀R&Bレコーディング賞、最優秀女性R&Bボーカル&パフォーマンス賞などを受賞しています。7500万枚のレコードセールスを誇り、米カルチャー雑誌『Rolling Stones』の「史上最も偉大なシンガー100人」でトップにも選ばれたアレサ・フランクリンさん。圧倒的な存在感を放っていたアーティストで、2005年には大統領自由勲章を授与されています。
■アメリカ人にとって、どういう存在だったか
オンエアでは、米西海岸の独立系レコードショップ「アメーバミュージック(Amoeba Music)」でブロガーとして活動するビリー・ジャムさんに電話をつなぐ時間も。お店のホームページには、「Respect To The Late Great Queen of Soul: Aretha Franklin」というタイトルの記事がトップを飾っています。また、ビリーさん本人は、NYの60年の歴史を誇るFMラジオ局で『Put The Needle To The Record(レコード盤に針を下ろせ)』というタイトルの番組でDJもしています。アレサ・フランクリンさんの訃報について、現地ではどのように報じられているのかを伺いました。
ビリー:ドナルド・トランプのストーリーの数々よりも大きく報じられています。
カビラ:アメリカ人にとって、アレサ・フランクリンとはどんな存在ですか?
ビリー:日本でも「ソウルの女王」と呼ばれていますが、特にアメリカではそう言われています。日本ではアレサ・フランクリンはジャズ、ソウル、ゴスペルなどすべてを代表しています。実は日本の皆さんのほうが、ひょっとしたら彼女のことを、オールドファンはリスペクトをもって聴いてくださっている印象があります。ジョージ・マイケルとのヒット『I Knew You Were Waiting For Me(愛のおとずれ)』がナンバーワンヒットでした。そのほかも数々のシングルでヒットを飛ばす、素晴らしい存在感を持つシンガーでした。『Respect』もそうです。公民権運動の60年代、人権のために立ち上がったマーティン・ルーサー・キングが暗殺されましたが、そのメモリアルで歌った曲が『Respect』なんですよ。
■「ビヨンセのようなシンガーが活躍できる道筋を作った」
文化の象徴(Cultual Icon)として、公民権運動やベトナム戦争など、アメリカの暗い時期を生き抜きぬいたアレサ・フランクリンさん。しかし、70年代のディスコブーム以降、それほどヒットチャートには恵まれませんでした。しかし、その後の数多くのアーティストに影響を与えています。
ビリー:70年代以降、ヒットチャートに恵まれなかったのは正しいですが、ジョージ・マイケルと一緒に87年ヒットさせましたよね。アルバム的には、よいセールスを記録しました。そして皆さん、ヒップホップアーティストのことを忘れていませんか? かなりすごいサンプリングをしています。Mos Defやアウトキャスト、ドクター・ドレーやアリシア・キーズなど。ビヨンセに関してもアレサ・フランクリンの影響を受けていると言えます。デトロイトでビヨンセがアリーナでコンサートに立ったときも、トリビュートをしています。ビヨンセのようなシンガーが活躍できる道筋を作ったのが、アレサ・フランクリンなのです。過去何十年かはヒットには恵まれていませんが、女性のアーティストたちをインスパイアする存在感としては圧倒的なものがあります。
カビラ:今後はレコードセールスの上昇も期待できると思いますか?
ビリー:たまたまですが、彼女の功績を称えるコンピレーションが9月末に予定されています。これからデータが出てくると思いますが、ビルボードのヒットチャートでナンバーワンに踊り出ると思われます。また、ジェニファー・ハドソンがアレサ・フランクリンさんを演じる自伝映画も予定されています。ですので、来年のグラミー賞も彼女のトリビュートを確実にお届けすると思われます。
■アメーバミュージックのアレサ・フランクリンさん、トリビュート記事はコチラ
■遺族は「私たちの人生において最も暗い瞬間」
7時台には、アレサの遺族が発表した声明をカビラが紹介しました。
「デトロイトの自宅で、家族や友人に見守られながら亡くなったアレサ・フランクリン。遺族が声明を発表しており、「私たちの人生において最も暗い瞬間であり、心の痛みを表現する言葉が見つかりません。私たちは家族の核であり、強い女性リーダーをなくしました。アレサは子どもや孫、甥や姪、いとこたちに限りない愛を注いできました。親しい友人、応援してくれる人、世界中のファンが私たちにおくってくれた愛と支援の言葉に深く感動しています。皆さんの心と祈りに感謝しています。皆さんのアレサへの愛を感じています。皆さんの愛から、アレサの残したものが永遠に生き続けることがわかり、私たちは慰められています」
数多くのアーティストに多大なる影響を与えたアレサ・フランクリンさん。特集第2弾では、音楽ジャーナリストの吉岡正晴さんに、アレサの軌跡について詳しく伺います。
【後編】アレサ・フランクリンは「神としか言いようがない」 女性解放運動の先頭に立ち、パワフルな歌声で勇気を与えた
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【番組情報】
番組名:『〜JK RADIO〜TOKYO UNITED』
放送日時:毎週金曜 6時-11時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/tokyounited/
■オバマ前大統領の就任式でも歌を披露
1987年、女性として初のロックの殿堂入りを果たしたアレサ・フランクリンさん。グラミー賞を18回受賞。ソウル、R&B、ポップミュージックに多大なる影響を与えた偉大なアーティストです。さまざまなアーティストにカバー、サンプリングされるヒット曲の数々を世に送り出しました。また「HOT 100」チャートには100曲近いヒットを送り込み、オバマ前大統領の一期目の就任式でも歌を披露しました。
Aretha helped define the American experience. In her voice, we could feel our history, all of it and in every shade—our power and our pain, our darkness and our light, our quest for redemption and our hard-won respect. May the Queen of Soul rest in eternal peace. pic.twitter.com/bfASqKlLc5
— Barack Obama (@BarackObama) 2018年8月16日
■「史上最も偉大なシンガー100人」のひとり
カビラは、アレサ・フランクリンさんへの「最大限のリスペクトを込めて」ということで、1曲目の楽曲に『Respect』をオンエア。1967年2月、シングル『貴方だけを愛して(原題:I Never Loved A Man (The Way I Love You) )』でデビューした彼女。シングル3作目である『Respect』で、全米チャート初No.1を獲得しました。グラミー賞最優秀R&Bレコーディング賞、最優秀女性R&Bボーカル&パフォーマンス賞などを受賞しています。7500万枚のレコードセールスを誇り、米カルチャー雑誌『Rolling Stones』の「史上最も偉大なシンガー100人」でトップにも選ばれたアレサ・フランクリンさん。圧倒的な存在感を放っていたアーティストで、2005年には大統領自由勲章を授与されています。
■アメリカ人にとって、どういう存在だったか
オンエアでは、米西海岸の独立系レコードショップ「アメーバミュージック(Amoeba Music)」でブロガーとして活動するビリー・ジャムさんに電話をつなぐ時間も。お店のホームページには、「Respect To The Late Great Queen of Soul: Aretha Franklin」というタイトルの記事がトップを飾っています。また、ビリーさん本人は、NYの60年の歴史を誇るFMラジオ局で『Put The Needle To The Record(レコード盤に針を下ろせ)』というタイトルの番組でDJもしています。アレサ・フランクリンさんの訃報について、現地ではどのように報じられているのかを伺いました。
ビリー:ドナルド・トランプのストーリーの数々よりも大きく報じられています。
カビラ:アメリカ人にとって、アレサ・フランクリンとはどんな存在ですか?
ビリー:日本でも「ソウルの女王」と呼ばれていますが、特にアメリカではそう言われています。日本ではアレサ・フランクリンはジャズ、ソウル、ゴスペルなどすべてを代表しています。実は日本の皆さんのほうが、ひょっとしたら彼女のことを、オールドファンはリスペクトをもって聴いてくださっている印象があります。ジョージ・マイケルとのヒット『I Knew You Were Waiting For Me(愛のおとずれ)』がナンバーワンヒットでした。そのほかも数々のシングルでヒットを飛ばす、素晴らしい存在感を持つシンガーでした。『Respect』もそうです。公民権運動の60年代、人権のために立ち上がったマーティン・ルーサー・キングが暗殺されましたが、そのメモリアルで歌った曲が『Respect』なんですよ。
■「ビヨンセのようなシンガーが活躍できる道筋を作った」
文化の象徴(Cultual Icon)として、公民権運動やベトナム戦争など、アメリカの暗い時期を生き抜きぬいたアレサ・フランクリンさん。しかし、70年代のディスコブーム以降、それほどヒットチャートには恵まれませんでした。しかし、その後の数多くのアーティストに影響を与えています。
ビリー:70年代以降、ヒットチャートに恵まれなかったのは正しいですが、ジョージ・マイケルと一緒に87年ヒットさせましたよね。アルバム的には、よいセールスを記録しました。そして皆さん、ヒップホップアーティストのことを忘れていませんか? かなりすごいサンプリングをしています。Mos Defやアウトキャスト、ドクター・ドレーやアリシア・キーズなど。ビヨンセに関してもアレサ・フランクリンの影響を受けていると言えます。デトロイトでビヨンセがアリーナでコンサートに立ったときも、トリビュートをしています。ビヨンセのようなシンガーが活躍できる道筋を作ったのが、アレサ・フランクリンなのです。過去何十年かはヒットには恵まれていませんが、女性のアーティストたちをインスパイアする存在感としては圧倒的なものがあります。
カビラ:今後はレコードセールスの上昇も期待できると思いますか?
ビリー:たまたまですが、彼女の功績を称えるコンピレーションが9月末に予定されています。これからデータが出てくると思いますが、ビルボードのヒットチャートでナンバーワンに踊り出ると思われます。また、ジェニファー・ハドソンがアレサ・フランクリンさんを演じる自伝映画も予定されています。ですので、来年のグラミー賞も彼女のトリビュートを確実にお届けすると思われます。
■アメーバミュージックのアレサ・フランクリンさん、トリビュート記事はコチラ
■遺族は「私たちの人生において最も暗い瞬間」
7時台には、アレサの遺族が発表した声明をカビラが紹介しました。
「デトロイトの自宅で、家族や友人に見守られながら亡くなったアレサ・フランクリン。遺族が声明を発表しており、「私たちの人生において最も暗い瞬間であり、心の痛みを表現する言葉が見つかりません。私たちは家族の核であり、強い女性リーダーをなくしました。アレサは子どもや孫、甥や姪、いとこたちに限りない愛を注いできました。親しい友人、応援してくれる人、世界中のファンが私たちにおくってくれた愛と支援の言葉に深く感動しています。皆さんの心と祈りに感謝しています。皆さんのアレサへの愛を感じています。皆さんの愛から、アレサの残したものが永遠に生き続けることがわかり、私たちは慰められています」
数多くのアーティストに多大なる影響を与えたアレサ・フランクリンさん。特集第2弾では、音楽ジャーナリストの吉岡正晴さんに、アレサの軌跡について詳しく伺います。
【後編】アレサ・フランクリンは「神としか言いようがない」 女性解放運動の先頭に立ち、パワフルな歌声で勇気を与えた
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【番組情報】
番組名:『〜JK RADIO〜TOKYO UNITED』
放送日時:毎週金曜 6時-11時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/tokyounited/