J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。8月25日(土)のオンエアでは、シンガーソングライターの藤原さくらさんをゲストにお迎えし、音楽との出会いや、大好きだというワールドミュージックについて伺いました。
■YUIに憧れてCDを買った小学生時代
YUIさんに憧れたことがキッカケで、シンガーソングライターになったという藤原さん。もともとは、お姉さんと、お父さんの影響でした。
クリス:お父さん、ミュージシャンなの?
藤原:お父さんは、普通に音楽好きなおじさんなんですけど、今でも福岡でバンドしたりしてますね。でも、もともと東京に上京したこともあって、プロになりたいっていう人だったんですけど。
クリス:じゃあ、お父さん嬉しくてしょうがないんじゃない?
藤原:お父さんは相当嬉しがってますね。でも小学校5年生ぐらいから「シンガーソングライターになりたい!」って私が言い出して、「どうせそんなこと言って、すぐ違うことやるんでしょ?」って思ってたらしいんですけど、「なんか意外と本気そうだぞ」って。
クリス:そうなんだ、いつから本気になったの?
藤原:ギターを始めたときから、もうギタリストになりたいって思いだして。誰も周りに弾いてる人がいなくて。私たちの世代って、ホントに、YUIさんとかが“神”って崇められていた時期で。ギターを弾いてる人が周りにまだそこまでいなかったので、「ギター弾ける自分かっこいい!」っていうのが、小学校の頃ですよね。
クリス:YUIもたしか福岡でしょ?
藤原:そうですそうです。
クリス:じゃあもう、“スーパー憧れ”の。
藤原:“スーパー憧れ”ですね。
クリス:だって、「彼女のおかげでアコギのセールスが上がった」って言うもんね。それまでは“ギタジョ”っていうのが、まだそんなに普及してない。
藤原:存在してたけど、数は多くなかったですよね。「YUIみたいになりたい!」って思った子はたくさんいたと思いますね。
クリス:なるほど。最初に買ったCDがYUIちゃんなんだ?
藤原:そうですね。
クリス:それ、いくつぐらいだったの?
藤原:私がまだ小学校5、6年だったと思うんですけど。お姉ちゃんがけっこうJ-POPとか聴くんで、YUIがすごく好きになって、CDが欲しいけど、自分のお小遣いでたくさん買わなきゃいけなくなるじゃないですか。だから、私にハマらせたら私が買うだろうと。私に漫画とか音楽を教えて、「さくらが買って」って言ってくるような小癪な姉で(笑)。
クリス:いや、小癪じゃないですよ。私も弟に同じことをしましたからね。やっぱり資金源が限られてるから(笑)、「よし、弟も趣味に引き込んじまえ」っていうことで、お互いにシェアするような。
藤原:そうでした(笑)。それで初めて買いましたね。
クリス:その前はどんな女の子だったの?
藤原:スパイごっことかしてましたね。鬼ごっことか、そういうみんなで外で遊ぶ感じの子でした。
クリス:どっちかっていうと男勝りな女の子だった? おままごとを女の子とやるよりかは、男の子と一緒に外で走りまわっていたりとか。
藤原:そうですね。
クリス:なるほど。それがギターにハマっちゃったっていう。
藤原:ギターにハマりましたね。上達するじゃないですか、練習すればするほど。だから「みんなの前で弾きたい」って思いはじめましたね。
■ギターの練習を通して感じた、ザ・ビートルズの魅力
YUIさんへの憧れから、やがてはギターを練習するようになったという藤原さん。お父さんが好きだったというザ・ビートルズ の楽曲を練習するところからスタートしました。
クリス:(ギターは)お父さんが教えてくれたの?
藤原:最初にお父さんが教えてくれて。それこそお父さんも趣味がBEATLESとか、ロックが好きな人だったから、ずっとザ・ビートルズ のリフを練習して。
クリス:曲は何だったの?
藤原:『BirthDay』が最初に練習した曲でした。
クリス:(曲が流れて)これだ。有名な。これを最初に練習してたの?
藤原:「これ練習させられるんだ!?」って思いましたね(笑)。
クリス:アコギで?
藤原:一番最初に買ったギターがクラシックギターで。クラシックギターで最初やってたんですけど、デッカいじゃないですか。ネックも太いので。家にFenderのJazzmasterがあったので、リフをやるときはJazzmaster弾いて。
クリス:アンプぶっこんで? 10歳で? かっこいいっすね。
藤原:お父さんの影響すごいあるなぁと思う。ホントに小さい頃、それこそ音楽まだ全然興味も持ってない時期から、ずっと流れてて、刷り込まれてるから、もう嫌いだったんですよ、“ザ・ビートルズ ”という響きが。車に乗ったらお父さんがずっとザ・ビートルズ を流すのが気に食わなくて、「全然違う曲流してよ!」って思ってたんですけど、自分でギターをやって曲を作りだした頃から、「天才だ!」っていうことに気づいて。ずっと刷り込みで覚えてるから、歌えるじゃないですか。英語が歌えないですけど、メロディは全部入ってるから、ビートルズの曲はけっこうやってましたね。
クリス:あまりにも聴きすぎちゃって、ちょっと自分の中が飽和状態だった感じなのかもね。わかるような気がする。でもやっぱりザ・ビートルズって後追いの人多いね。
藤原:もう私なんて完全に後追いじゃないですか。だから、曲名と曲が一致しなかったりもするじゃないですか。どっちが最初にリリースされたのかもわからないから。全部聴き終わって、歴史を学ぶみたいな気持ちで聴く。
クリス:でもたぶん、お父さんもリアルタイムじゃないんじゃない?
藤原:全然リアルタイムじゃないです。お父さんがリアルタイムだったのはウイングスの方で。
クリス:あとほかに、お父さんの影響でどんなの聴いてたの?
藤原:デヴィッド・ボウイだったりとか。でも、お父さんに教えてもらったものがすごく多くて。ちっちゃい頃に、ギターってデカいし、押さえづらいし、弾けないみたいなちょっと挫折する時期ってあって。Fとか。「いやぁ、Fがキツい」ってなったときに、お父さんがジャンゴ・ラインハルトの動画を見せてくれたんですよね。ジプシージャズの。指が火事で焼けちゃって、使える指が3本ぐらいしかない。その動画を観せてもらって、「この人がこんだけ弾けるんだから、そんなハンデなんてないのに女の子で手が小さいなんて言ってられないよ」みたいなことを言われて。それですごい感動して。「ジャンゴ・ラインハルトってかっこいい!」って小学生のときに思って。
クリス:それも恐ろしいね。小学生のときにジャンゴ・ラインハルトがすごいっていう。
藤原:すごい好きで。でも忘れていたんですよ、ジャンゴ・ラインハルトの存在を。自分が高校生になって、ワールドミュージックがすごく好きになったときに、また改めてジャンゴの曲に出会って、「あ、これ、お父さんが教えてくれた人だ!」とガチッとはまったときに、自分が好きなフランスのワールドミュージックの人とかのテイストが、だいたいジプシージャズの要素が入ってる人だってことがわかって。だから、昔聴いてた、聴かされてた音楽っていうのは残るもんなんだな、って思いましたね。
クリス:でもよかったね。お父さんがいなかったら、今ないかもしれないと言っても過言ではないっていう。
藤原:全然音楽の趣味も違ったと思いますね。
クリス:けっこうギターは練習するほう?
藤原:ギターは好きですね。ジャンルによって全然違う違う楽器みたいになる楽器だなって思うので。ジプシージャズもそうだし、フラメンコもそうだし、「同じ楽器なのにこんなに見せ方が変わるんだ」って思うし。
クリス:アコースティックが好きですか? それともエレキが好きですか?
藤原:私はアコースティックですね。ギターもたくさん買っちゃうんですけど、アコースティックギターばっかり買っちゃいますね。
クリス:エレキは持ってないんだ?
藤原:エレキはGretschを1本だけ持ってます。
クリス:シブいね! それもお父さんのGretschなの?
藤原:それはお父さんが中学校のときに買ってくれて。made in Japanのそんなすごい高価なものではなくて。でも、かわいいGretschを買ってくれて。
クリス:シブいっすね、Gretsch。Fender、Gibson行かずに、Gretschのお父さんって。シブい家族だよね。
■ワールドミュージックの魅力
高校1年生のときに、見事、オーディションに合格した藤原さんは、この頃から、海外の楽曲にも魅了されていきました。使用される珍しい楽器も含めて、現在もワールドミュージックが大好きだという彼女に、どんなところに惹かれるかを伺いました。
藤原:ワールドミュージックを聴いて「これは何の音なんだろう?」と考えるのが好きですね。だからクレジットを見るのが大好きなんですよ。「この曲は何を誰が弾いてるんだろう」って。今って、サブスクもすごい発達してますし、私もサブスクでたくさん聴くようになったんですけど、それがわかんないじゃないですか。だからクレジットのためにCDは買いますね。それが面白いと思えるアーティストがすごく好きで、AMMさんもいろんな楽器使ってるし、それこそムッシュ・ペリネっていうコロンビアのバンドは……。
クリス:え、知らない。誰この人? バンドなんだ?
藤原:バンドなんですよ。その人たちがまた、すごいかっこよくて。使ってる楽器が、もう民族音楽みたいな楽器をたくさん使ってて、それで面白いと思ってチャランゴっていう楽器も、私買いましたね。
クリス:何? チャランゴって。
藤原:チャランゴは、弾き方はウクレレと同じなんですけど、全部副弦になってて、すごいかわいい音が鳴るんですよね。それも「この音なんなんだろう」って気になって、ブックレット見たら書いてあって、調べたんです。
クリス:何弦なの?
藤原:ウクレレは4弦じゃないですか。それが全部副弦になってて、8弦なんですけど、オマケの弦がもう1個ついていて、全部で10弦です。
クリス:そのオマケの弦っていうのは、弾かないでただ鳴らすだけって感じ? 藤原:鳴らすだけですね。
クリス:おもしろいね。じゃあけっこう、そういった変わった楽器も、おうちにはいっぱいあるの?
藤原:最近買ったのはそのチャランゴ。あとは、カナダにこの前行ったときに、マウンテン・ダルシマーっていう楽器があって、お琴みたいに膝に乗せて弾く楽器なんですけど、それをギターみたいに持って立って弾けるようにしたシーガルっていう楽器がカナダで売ってて、それを買ってきましたね。
クリス:へー、それを我流で鳴らすの? それともYouTubeか何か観てやり方覚えるの?
藤原:めちゃめくちゃ変な楽器で、一番下の弦だけ副弦で、あと何もない弦が2つあるんですけど、それを弾かずに、押さえずに、ただ鳴らすだけなんですよ。副弦の弦だけ押さえて、だからすごい制限あるんですけど、スライドみたいな感じでやる楽器で。
クリス:けっこう、好きなんですね、そういう。
藤原:「楽器が好きなんだな」って、すごく感じてきました。
クリス:いいことじゃないですか。最近、影響を受けたアーティストや、「この人もすごいな」って思ったのは?
藤原:最近、ライブ観にいった人は……チャボロ・シュミットっていう人、観に行って。
クリス:チャボロ・シュミット?
藤原:チャボロ・シュミットも、ジャンゴ・ラインハルトの次みたいな。ジプシージャズのすごい人なんですけど、その人がビルボード来てたときに観に行ったときは、めちゃくちゃ感動しましたね。ギター2本でやるんですけども、ずっと飲みながら。 クリス:チャボロ・シュミットが飲んでたの?
藤原:チャボロ・シュミットも飲んでましたし、もうその場でチューニングどんどん変えながら弾いたりとか、“ブチ”って弦が切れても関係ないんですよね。「じゃあ弦が切れたってことは、ここが使えるから」っていう弾き方をするんです。かっこいい。
クリス:じゃあ弾き始めたら止まらない、何が起きようがっていう。
藤原:そうなんです。かっこいいんです、チャボロ・シュミット。
音楽談義に花を咲かせるふたりでした。今年6月にリリースされた『green』に続き、9月19日にはEP『red』をリリース。9月29日からは、ファン待望のツアー『Sakura Fujiwara tour 2018 yellow』もスタートする藤原さくらさん。その活躍に注目したいところです。
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【番組情報】
番組名:「SAPPORO BEER OTOAJITO」
放送日時:土曜18時-18時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/
■YUIに憧れてCDを買った小学生時代
YUIさんに憧れたことがキッカケで、シンガーソングライターになったという藤原さん。もともとは、お姉さんと、お父さんの影響でした。
クリス:お父さん、ミュージシャンなの?
藤原:お父さんは、普通に音楽好きなおじさんなんですけど、今でも福岡でバンドしたりしてますね。でも、もともと東京に上京したこともあって、プロになりたいっていう人だったんですけど。
クリス:じゃあ、お父さん嬉しくてしょうがないんじゃない?
藤原:お父さんは相当嬉しがってますね。でも小学校5年生ぐらいから「シンガーソングライターになりたい!」って私が言い出して、「どうせそんなこと言って、すぐ違うことやるんでしょ?」って思ってたらしいんですけど、「なんか意外と本気そうだぞ」って。
クリス:そうなんだ、いつから本気になったの?
藤原:ギターを始めたときから、もうギタリストになりたいって思いだして。誰も周りに弾いてる人がいなくて。私たちの世代って、ホントに、YUIさんとかが“神”って崇められていた時期で。ギターを弾いてる人が周りにまだそこまでいなかったので、「ギター弾ける自分かっこいい!」っていうのが、小学校の頃ですよね。
クリス:YUIもたしか福岡でしょ?
藤原:そうですそうです。
クリス:じゃあもう、“スーパー憧れ”の。
藤原:“スーパー憧れ”ですね。
クリス:だって、「彼女のおかげでアコギのセールスが上がった」って言うもんね。それまでは“ギタジョ”っていうのが、まだそんなに普及してない。
藤原:存在してたけど、数は多くなかったですよね。「YUIみたいになりたい!」って思った子はたくさんいたと思いますね。
クリス:なるほど。最初に買ったCDがYUIちゃんなんだ?
藤原:そうですね。
クリス:それ、いくつぐらいだったの?
藤原:私がまだ小学校5、6年だったと思うんですけど。お姉ちゃんがけっこうJ-POPとか聴くんで、YUIがすごく好きになって、CDが欲しいけど、自分のお小遣いでたくさん買わなきゃいけなくなるじゃないですか。だから、私にハマらせたら私が買うだろうと。私に漫画とか音楽を教えて、「さくらが買って」って言ってくるような小癪な姉で(笑)。
クリス:いや、小癪じゃないですよ。私も弟に同じことをしましたからね。やっぱり資金源が限られてるから(笑)、「よし、弟も趣味に引き込んじまえ」っていうことで、お互いにシェアするような。
藤原:そうでした(笑)。それで初めて買いましたね。
クリス:その前はどんな女の子だったの?
藤原:スパイごっことかしてましたね。鬼ごっことか、そういうみんなで外で遊ぶ感じの子でした。
クリス:どっちかっていうと男勝りな女の子だった? おままごとを女の子とやるよりかは、男の子と一緒に外で走りまわっていたりとか。
藤原:そうですね。
クリス:なるほど。それがギターにハマっちゃったっていう。
藤原:ギターにハマりましたね。上達するじゃないですか、練習すればするほど。だから「みんなの前で弾きたい」って思いはじめましたね。
■ギターの練習を通して感じた、ザ・ビートルズの魅力
YUIさんへの憧れから、やがてはギターを練習するようになったという藤原さん。お父さんが好きだったというザ・ビートルズ の楽曲を練習するところからスタートしました。
クリス:(ギターは)お父さんが教えてくれたの?
藤原:最初にお父さんが教えてくれて。それこそお父さんも趣味がBEATLESとか、ロックが好きな人だったから、ずっとザ・ビートルズ のリフを練習して。
クリス:曲は何だったの?
藤原:『BirthDay』が最初に練習した曲でした。
クリス:(曲が流れて)これだ。有名な。これを最初に練習してたの?
藤原:「これ練習させられるんだ!?」って思いましたね(笑)。
クリス:アコギで?
藤原:一番最初に買ったギターがクラシックギターで。クラシックギターで最初やってたんですけど、デッカいじゃないですか。ネックも太いので。家にFenderのJazzmasterがあったので、リフをやるときはJazzmaster弾いて。
クリス:アンプぶっこんで? 10歳で? かっこいいっすね。
藤原:お父さんの影響すごいあるなぁと思う。ホントに小さい頃、それこそ音楽まだ全然興味も持ってない時期から、ずっと流れてて、刷り込まれてるから、もう嫌いだったんですよ、“ザ・ビートルズ ”という響きが。車に乗ったらお父さんがずっとザ・ビートルズ を流すのが気に食わなくて、「全然違う曲流してよ!」って思ってたんですけど、自分でギターをやって曲を作りだした頃から、「天才だ!」っていうことに気づいて。ずっと刷り込みで覚えてるから、歌えるじゃないですか。英語が歌えないですけど、メロディは全部入ってるから、ビートルズの曲はけっこうやってましたね。
クリス:あまりにも聴きすぎちゃって、ちょっと自分の中が飽和状態だった感じなのかもね。わかるような気がする。でもやっぱりザ・ビートルズって後追いの人多いね。
藤原:もう私なんて完全に後追いじゃないですか。だから、曲名と曲が一致しなかったりもするじゃないですか。どっちが最初にリリースされたのかもわからないから。全部聴き終わって、歴史を学ぶみたいな気持ちで聴く。
クリス:でもたぶん、お父さんもリアルタイムじゃないんじゃない?
藤原:全然リアルタイムじゃないです。お父さんがリアルタイムだったのはウイングスの方で。
クリス:あとほかに、お父さんの影響でどんなの聴いてたの?
藤原:デヴィッド・ボウイだったりとか。でも、お父さんに教えてもらったものがすごく多くて。ちっちゃい頃に、ギターってデカいし、押さえづらいし、弾けないみたいなちょっと挫折する時期ってあって。Fとか。「いやぁ、Fがキツい」ってなったときに、お父さんがジャンゴ・ラインハルトの動画を見せてくれたんですよね。ジプシージャズの。指が火事で焼けちゃって、使える指が3本ぐらいしかない。その動画を観せてもらって、「この人がこんだけ弾けるんだから、そんなハンデなんてないのに女の子で手が小さいなんて言ってられないよ」みたいなことを言われて。それですごい感動して。「ジャンゴ・ラインハルトってかっこいい!」って小学生のときに思って。
クリス:それも恐ろしいね。小学生のときにジャンゴ・ラインハルトがすごいっていう。
藤原:すごい好きで。でも忘れていたんですよ、ジャンゴ・ラインハルトの存在を。自分が高校生になって、ワールドミュージックがすごく好きになったときに、また改めてジャンゴの曲に出会って、「あ、これ、お父さんが教えてくれた人だ!」とガチッとはまったときに、自分が好きなフランスのワールドミュージックの人とかのテイストが、だいたいジプシージャズの要素が入ってる人だってことがわかって。だから、昔聴いてた、聴かされてた音楽っていうのは残るもんなんだな、って思いましたね。
クリス:でもよかったね。お父さんがいなかったら、今ないかもしれないと言っても過言ではないっていう。
藤原:全然音楽の趣味も違ったと思いますね。
クリス:けっこうギターは練習するほう?
藤原:ギターは好きですね。ジャンルによって全然違う違う楽器みたいになる楽器だなって思うので。ジプシージャズもそうだし、フラメンコもそうだし、「同じ楽器なのにこんなに見せ方が変わるんだ」って思うし。
クリス:アコースティックが好きですか? それともエレキが好きですか?
藤原:私はアコースティックですね。ギターもたくさん買っちゃうんですけど、アコースティックギターばっかり買っちゃいますね。
クリス:エレキは持ってないんだ?
藤原:エレキはGretschを1本だけ持ってます。
クリス:シブいね! それもお父さんのGretschなの?
藤原:それはお父さんが中学校のときに買ってくれて。made in Japanのそんなすごい高価なものではなくて。でも、かわいいGretschを買ってくれて。
クリス:シブいっすね、Gretsch。Fender、Gibson行かずに、Gretschのお父さんって。シブい家族だよね。
■ワールドミュージックの魅力
高校1年生のときに、見事、オーディションに合格した藤原さんは、この頃から、海外の楽曲にも魅了されていきました。使用される珍しい楽器も含めて、現在もワールドミュージックが大好きだという彼女に、どんなところに惹かれるかを伺いました。
藤原:ワールドミュージックを聴いて「これは何の音なんだろう?」と考えるのが好きですね。だからクレジットを見るのが大好きなんですよ。「この曲は何を誰が弾いてるんだろう」って。今って、サブスクもすごい発達してますし、私もサブスクでたくさん聴くようになったんですけど、それがわかんないじゃないですか。だからクレジットのためにCDは買いますね。それが面白いと思えるアーティストがすごく好きで、AMMさんもいろんな楽器使ってるし、それこそムッシュ・ペリネっていうコロンビアのバンドは……。
クリス:え、知らない。誰この人? バンドなんだ?
藤原:バンドなんですよ。その人たちがまた、すごいかっこよくて。使ってる楽器が、もう民族音楽みたいな楽器をたくさん使ってて、それで面白いと思ってチャランゴっていう楽器も、私買いましたね。
クリス:何? チャランゴって。
藤原:チャランゴは、弾き方はウクレレと同じなんですけど、全部副弦になってて、すごいかわいい音が鳴るんですよね。それも「この音なんなんだろう」って気になって、ブックレット見たら書いてあって、調べたんです。
クリス:何弦なの?
藤原:ウクレレは4弦じゃないですか。それが全部副弦になってて、8弦なんですけど、オマケの弦がもう1個ついていて、全部で10弦です。
クリス:そのオマケの弦っていうのは、弾かないでただ鳴らすだけって感じ? 藤原:鳴らすだけですね。
クリス:おもしろいね。じゃあけっこう、そういった変わった楽器も、おうちにはいっぱいあるの?
藤原:最近買ったのはそのチャランゴ。あとは、カナダにこの前行ったときに、マウンテン・ダルシマーっていう楽器があって、お琴みたいに膝に乗せて弾く楽器なんですけど、それをギターみたいに持って立って弾けるようにしたシーガルっていう楽器がカナダで売ってて、それを買ってきましたね。
クリス:へー、それを我流で鳴らすの? それともYouTubeか何か観てやり方覚えるの?
藤原:めちゃめくちゃ変な楽器で、一番下の弦だけ副弦で、あと何もない弦が2つあるんですけど、それを弾かずに、押さえずに、ただ鳴らすだけなんですよ。副弦の弦だけ押さえて、だからすごい制限あるんですけど、スライドみたいな感じでやる楽器で。
クリス:けっこう、好きなんですね、そういう。
藤原:「楽器が好きなんだな」って、すごく感じてきました。
クリス:いいことじゃないですか。最近、影響を受けたアーティストや、「この人もすごいな」って思ったのは?
藤原:最近、ライブ観にいった人は……チャボロ・シュミットっていう人、観に行って。
クリス:チャボロ・シュミット?
藤原:チャボロ・シュミットも、ジャンゴ・ラインハルトの次みたいな。ジプシージャズのすごい人なんですけど、その人がビルボード来てたときに観に行ったときは、めちゃくちゃ感動しましたね。ギター2本でやるんですけども、ずっと飲みながら。 クリス:チャボロ・シュミットが飲んでたの?
藤原:チャボロ・シュミットも飲んでましたし、もうその場でチューニングどんどん変えながら弾いたりとか、“ブチ”って弦が切れても関係ないんですよね。「じゃあ弦が切れたってことは、ここが使えるから」っていう弾き方をするんです。かっこいい。
クリス:じゃあ弾き始めたら止まらない、何が起きようがっていう。
藤原:そうなんです。かっこいいんです、チャボロ・シュミット。
音楽談義に花を咲かせるふたりでした。今年6月にリリースされた『green』に続き、9月19日にはEP『red』をリリース。9月29日からは、ファン待望のツアー『Sakura Fujiwara tour 2018 yellow』もスタートする藤原さくらさん。その活躍に注目したいところです。
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PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
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番組名:「SAPPORO BEER OTOAJITO」
放送日時:土曜18時-18時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/