J-WAVEの新番組『DIALOGUE RADIO-in the Dark-』(ナビゲーター:志村季世恵/板井麻衣子)。この番組は、暗闇のソーシャルエンターテイメント『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』を主催するバースセラピストの志村季世恵が、暗闇のバーに毎回ゲストを迎え、一切、光のない空間で語り合います。
第2回となる8月12日(日)のゲストは、脳科学者の茂木健一郎さん。脳と心の関係を探究する茂木さんは、これまで何度か『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』を体験しているとのことです。
■暗闇の動作で、脳が活性化
真っ暗闇の中、志村の声を頼りに手探りで近づいていく茂木さん。ようやく、志村のいるバーカウンターにたどり着き、ドリンクを注文します。すると、アテンダント・みきティが暗闇でドリンクを注ぐことに、茂木さんは感心した様子。それに対して志村は「私もけっこう練習してるんです」と明かします。
志村:(練習すると注ぎ方が)わかってくるんですよね。なんでも練習だなって思いますね。
茂木:脳の視覚野を使わないと、他の感覚野で補おうとするから、間違いなく脳は活性化するし、回路が変わってくると思うんです。脳が変わってきたって実感はありますか?
志村:脳が変わったというより、目を使わないと違うことが出てきますね。たとえば、私はドリンクを注ぐときに鳴る音もそうですけど、コップの温度が変わっていくことがわかってきました。
茂木:へー!
志村:指をコップにあてて注ぐんです。そうすると温度が上がってくるとか、重さがわかります。
茂木:そうか。注ぐと重くなっていくことがわかってくるのか。
志村:そうそう。それは脳のどの場所を使っているんですか?
茂木:体性感覚野ですね。視覚野から後頭葉を中心として30パーセントくらい占めているので、その30パーセントを使わないことによって、他の回路が使われるってことで、潜在能力が(引き出されていると思います)。
■『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』的SNSが必要?
『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』を経験すると、「言葉を大事にするようになるかも」と茂木さん。
茂木:たとえば、思春期の子どもは「わかってるよ!」って言って、親に言葉でちゃんと伝えないけど、『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』は、全て言葉で伝えないと伝わらないじゃない。「これ」「それ」「わかるだろ!」って言っても伝わらない。今、社会がギスギスしたりしているけど、みんな『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』的なツイッターとかインスタグラムをやったらいいんじゃないかな。
志村:それはどういうこと?
茂木:前提にしていることから丁寧に説明するっていうか。
志村:なるほど。あったことを最初から説明するようなこと?
茂木:そうそう。「判断する前にちゃんと全部を見ようね」っていう“マインドフルネス”が脳科学で今すごく注目されてます。社会のいろんなことも、社会的マインドフルネスが必要な気がして、何かについて「賛成!」「反対!」って言うんじゃなくて、「そのことって、こういうことと、こういうことがあって、こうだよね」って、全体を見渡してからものを伝えるようにすると、意外と炎上もしないし、ケンカもしないで済むような気がします。
■「怖い」と思う先に真実がある
茂木さんは、初めて『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』に参加したときは「すごく怖かった」と振り返ります。
茂木:暗闇の中で「どういう経験をするんだろう」って怖かったけど、そこを超えるとすごく安心するっていうか、逆にすごく安らいでるんですよね。人は不安とか恐怖があって、本当の自分とか本当の相手を見ることがなかなかできないんですよね。年齢とか見た目で分類しちゃったほうが楽じゃないですか。でも本当は、その先にいる本当のその人を見たほうが恵みは大きいっていう経験を、どれだけ積み重ねられるかってことだと思うんだけどね。だから、僕は大抵「怖い」って思うものの向こうに真実がある気がします。脳は自分を守るために、脳の免疫系みたいなものがあって、「こういう安心した世界にいるから、そこから先に行くのはやめよう」って思うんだけど、実はその先に行くと、より深い安心とか安らぎがあったりする。『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』って、裸になるイメージがあるんですよね。世の中のいろんな方と話してると、年齢、性別、社会的役割、組織、肩書きとかで、がんじがらめになっている方がすごく多い。そういう方にこそ『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』に参加してもらいたい。そういうことを取っ払ったときの安心感や楽な感じを経験すると、とってもいいと思います。
志村:そう思います。『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』で、みんなが“裸ん坊”になってる感じがするんですよ。そうなると、いいことがたくさんあるだろうなって思います。
■温かさを感じられる“暗闇のウエディング”
また、「暗闇の中で出会って結婚する人もいる」と話す志村に、「それ、どういうこと!?」と驚く茂木さん。
志村:お客さん同士が(『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』で)出会って恋に落ちて結婚するので、「この暗闇で結婚式を挙げてもいいですか?」って人がいるんですよ。
茂木:暗闇でウエディングをやったことがあるんですか?
志村:あります。
茂木:どうやってやるの?
志村:見えないけどドレスを着て、触ったら「ちゃんとドレスなんだな」って思ったりとか。
茂木:親戚の人とかも来るの?
志村:来ますよ。友だちも。
茂木:へえー、“ウエディング・イン・ザ・ダーク”! いいかも。
志村:すごく素敵なんです。たとえば、指輪を全員で回したりとかして「この指輪が相手の指に入るんだな」とか、その質感をちゃんと味わって「この指輪がぐるっと回って相手の人に渡るんだな」とか、しみじみ感じたりしますよ。
茂木:へえー。
志村:すごく素敵です。みんなが温かさを感じられるんですよ。モノとか形じゃなくて、「みんながほんとに祝ってくれてるんだな」とか、「みんなが想ってくれてるんだな」とかってね。
暗闇のなかでおこなわれた今回の放送。茂木さんは、志村との会話で驚きや発見を感じながら楽しい時間を過ごしました。『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』が気になった方は、ぜひホームページをチェックしてみてください!
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【番組情報】
番組名:『DIALOGUE RADIO-in the Dark-』
放送日時:毎月第2日曜日25時-26時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/dialogue/
第2回となる8月12日(日)のゲストは、脳科学者の茂木健一郎さん。脳と心の関係を探究する茂木さんは、これまで何度か『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』を体験しているとのことです。
■暗闇の動作で、脳が活性化
真っ暗闇の中、志村の声を頼りに手探りで近づいていく茂木さん。ようやく、志村のいるバーカウンターにたどり着き、ドリンクを注文します。すると、アテンダント・みきティが暗闇でドリンクを注ぐことに、茂木さんは感心した様子。それに対して志村は「私もけっこう練習してるんです」と明かします。
志村:(練習すると注ぎ方が)わかってくるんですよね。なんでも練習だなって思いますね。
茂木:脳の視覚野を使わないと、他の感覚野で補おうとするから、間違いなく脳は活性化するし、回路が変わってくると思うんです。脳が変わってきたって実感はありますか?
志村:脳が変わったというより、目を使わないと違うことが出てきますね。たとえば、私はドリンクを注ぐときに鳴る音もそうですけど、コップの温度が変わっていくことがわかってきました。
茂木:へー!
志村:指をコップにあてて注ぐんです。そうすると温度が上がってくるとか、重さがわかります。
茂木:そうか。注ぐと重くなっていくことがわかってくるのか。
志村:そうそう。それは脳のどの場所を使っているんですか?
茂木:体性感覚野ですね。視覚野から後頭葉を中心として30パーセントくらい占めているので、その30パーセントを使わないことによって、他の回路が使われるってことで、潜在能力が(引き出されていると思います)。
■『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』的SNSが必要?
『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』を経験すると、「言葉を大事にするようになるかも」と茂木さん。
茂木:たとえば、思春期の子どもは「わかってるよ!」って言って、親に言葉でちゃんと伝えないけど、『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』は、全て言葉で伝えないと伝わらないじゃない。「これ」「それ」「わかるだろ!」って言っても伝わらない。今、社会がギスギスしたりしているけど、みんな『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』的なツイッターとかインスタグラムをやったらいいんじゃないかな。
志村:それはどういうこと?
茂木:前提にしていることから丁寧に説明するっていうか。
志村:なるほど。あったことを最初から説明するようなこと?
茂木:そうそう。「判断する前にちゃんと全部を見ようね」っていう“マインドフルネス”が脳科学で今すごく注目されてます。社会のいろんなことも、社会的マインドフルネスが必要な気がして、何かについて「賛成!」「反対!」って言うんじゃなくて、「そのことって、こういうことと、こういうことがあって、こうだよね」って、全体を見渡してからものを伝えるようにすると、意外と炎上もしないし、ケンカもしないで済むような気がします。
■「怖い」と思う先に真実がある
茂木さんは、初めて『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』に参加したときは「すごく怖かった」と振り返ります。
茂木:暗闇の中で「どういう経験をするんだろう」って怖かったけど、そこを超えるとすごく安心するっていうか、逆にすごく安らいでるんですよね。人は不安とか恐怖があって、本当の自分とか本当の相手を見ることがなかなかできないんですよね。年齢とか見た目で分類しちゃったほうが楽じゃないですか。でも本当は、その先にいる本当のその人を見たほうが恵みは大きいっていう経験を、どれだけ積み重ねられるかってことだと思うんだけどね。だから、僕は大抵「怖い」って思うものの向こうに真実がある気がします。脳は自分を守るために、脳の免疫系みたいなものがあって、「こういう安心した世界にいるから、そこから先に行くのはやめよう」って思うんだけど、実はその先に行くと、より深い安心とか安らぎがあったりする。『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』って、裸になるイメージがあるんですよね。世の中のいろんな方と話してると、年齢、性別、社会的役割、組織、肩書きとかで、がんじがらめになっている方がすごく多い。そういう方にこそ『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』に参加してもらいたい。そういうことを取っ払ったときの安心感や楽な感じを経験すると、とってもいいと思います。
志村:そう思います。『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』で、みんなが“裸ん坊”になってる感じがするんですよ。そうなると、いいことがたくさんあるだろうなって思います。
■温かさを感じられる“暗闇のウエディング”
また、「暗闇の中で出会って結婚する人もいる」と話す志村に、「それ、どういうこと!?」と驚く茂木さん。
志村:お客さん同士が(『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』で)出会って恋に落ちて結婚するので、「この暗闇で結婚式を挙げてもいいですか?」って人がいるんですよ。
茂木:暗闇でウエディングをやったことがあるんですか?
志村:あります。
茂木:どうやってやるの?
志村:見えないけどドレスを着て、触ったら「ちゃんとドレスなんだな」って思ったりとか。
茂木:親戚の人とかも来るの?
志村:来ますよ。友だちも。
茂木:へえー、“ウエディング・イン・ザ・ダーク”! いいかも。
志村:すごく素敵なんです。たとえば、指輪を全員で回したりとかして「この指輪が相手の指に入るんだな」とか、その質感をちゃんと味わって「この指輪がぐるっと回って相手の人に渡るんだな」とか、しみじみ感じたりしますよ。
茂木:へえー。
志村:すごく素敵です。みんなが温かさを感じられるんですよ。モノとか形じゃなくて、「みんながほんとに祝ってくれてるんだな」とか、「みんなが想ってくれてるんだな」とかってね。
暗闇のなかでおこなわれた今回の放送。茂木さんは、志村との会話で驚きや発見を感じながら楽しい時間を過ごしました。『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』が気になった方は、ぜひホームページをチェックしてみてください!
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【番組情報】
番組名:『DIALOGUE RADIO-in the Dark-』
放送日時:毎月第2日曜日25時-26時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/dialogue/
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