忌野清志郎の曲は一度聴いたら忘れられない! その理由を音楽ライターが分析

J-WAVEで放送中の番組『MITSUBISHI JISHO MARUNOUCHI MUSICOLOGY』(ナビゲーター:グローバー)。5月5日(土)のオンエアでは、忌野清志郎&RCサクセションをテーマに、クラムボン・原田郁子さん、音楽ライター・今井智子さんをゲストにお迎えし、お送りしました。

忌野清志郎さんがRCサクセションを結成したのは高校生のとき。1970年に『宝くじは買わない』でデビューし、『ぼくの好きな先生』『雨上がりの夜空に』『スローバラード』など、多くのヒット曲を生み出しました。

1991年にRCサクセションは無期限の活動休止を表明し、忌野さんはソロ活動をスタート。音楽だけではなく、俳優や絵本作家など、様々なジャンルに活動を広げていくなか、2006年に喉頭癌であることを公表。その後、活動休止したのちに復活を遂げますが、2009年5月2日(土)に58歳の若さで亡くなりました。

■ 一度聴いたら忘れられない理由

今井さんは、忌野さんとRCサクセションの30年間の活動を追ったインタビュー&ルポ『Dreams to Remember 清志郎が教えてくれたこと』(飛鳥新社)を執筆しました。今井さんが初めて忌野さんの音楽に出会ったのは、深夜のラジオ番組だったと言います。

今井:そこで彼らの代表曲である、『ぼくの好きな先生』という曲を聴いて、「なんておもしろい曲でしょう」って思って。『ぼくの好きな先生』って、いかにも「学校にそういう先生がいたらいいな」って思える歌じゃないですか。落ちこぼれの自分のこともちゃんと理解してくれる先生がいたらいいなって思う気持ちを、本当に上手く歌にしてくれているって感じがしたので、一気に好きになりましたね。

忌野さんの作る曲を繰り返し聴きたくなるのは、「非常にシンプルなメロディながら、一度聴いたら忘れられないところ」と今井さんは続けます。

今井:歌詞と曲が常にセットになっている感じがして、一回聴いたらすぐに憶えられちゃうっていう、そういう感じがしてたんですよね。

そして、忌野さんの魅力のひとつといえば、「歌声」。原田さんは以下のように話します。

原田:やっぱり清志郎さんを好きで音楽を始めた方とか、その影響を受けた方って、いっぱいいると思うんですけど、誰もこの声を出せない。この声を出せるのは、本当に清志郎さんだけなんだなと思いますね。

メロディと歌詞を強くリスナーに届けられるのは、その独特な歌声にあるのかもしれません。そんな原田さんが一番好きな曲は『スローバラード』です。

原田:車の中とか、市営グラウンドの駐車場とかが歌詞に出てきますけど、そこに行ったことなんかないのに、聴きすぎて、「自分の記憶だったっけ?」っていうぐらい(笑)。すごく鮮明にその情景が、歌を聴いてるだけでありありと伝わってくるのが、本当にすごいなと思います。

■バンドイベントのセッションで定番となった名曲

RCサクセションには、日本のロックシーンを代表する曲がたくさんあります。中でも『雨上がりの夜空に』は、「ロックスタンダードのひとつと言ってもいい」と今井さんは言います。

バンドが集まるイベントなどでは、最後にみんなで曲をセッションすることがあります。昔はザ・ローリング・ストーンズなどの曲が選ばれていましたが、RCサクセションの人気が高まったバンドブーム以降は、『雨上がりの夜空に』が定番となりました。

原田さんは、忌野さんが亡くなってから行われたイベントに参加したときに、『雨上がりの夜空に』をみんなでセッションしたそうです。

原田:あのイントロは、たぶんギターを弾く人は全員弾きたいんじゃなかな(笑)。仲井戸“CHABO”麗市さんに全員なりたいと思うんですよね。あれでスイッチが入るというか。ちょっと歌詞がセクシーじゃないですか。色気もあるし、ロックの本質をすごくシンプルに歌ってる。

次回、5月12日(土)のオンエアでも、おふたりの忌野清志郎&RCサクセション談義をお送りします。ぜひ続けてお聴きください!

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【番組情報】
番組名:『MITSUBISHI JISHO MARUNOUCHI MUSICOLOGY』
放送日時:土曜 17時-17時54分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/musicology/

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