山崎努の紹介で映画化を決意! 画家・熊谷守一の晩年を描いた『モリのいる場所』

J-WAVEの番組『GOOD NEIGHBORS』(ナビゲーター:クリス智子)のワンコーナー「MORI BUILDING TOKYO PASSPORT」。5月17日(木)のオンエアでは、5月19日(土)から公開中の映画『モリのいる場所』を紹介しました。

■監督「僕が観たかったから映画化」

まず、監督・脚本の沖田修一さんに作ったきっかけと見どころを訊きました。

沖田:画家・熊谷守一さんをモデルに、山崎 努さんが演じるというのを、僕が観たいと思ったのが最初のきっかけです。長い間、家を出ずに庭で生きものを眺めるという生活が、一体どういうものなのか。映画の中ですごく狭い庭を、熊谷さんの目線じゃないですけど、豊かに見せられる、面白い庭だと思えるようなところが、映画のひとつの見どころです。

熊谷さんは、1880年(明治13年)に生まれて、1977年(昭和52年)に亡くなるまで、ネコや花、昆虫など、好きな絵を描き続けた画家です。今年3月まで、大回顧展も開催されており、話題となっていました。熊谷さんは、42歳で結婚し、絵で家族を養えるようになってから、豊島区に自宅を新築。その家から30年間ほぼ外に出ることなく、庭にいる小さな命を眺めながら絵を描いていたと言われています。

映画『モリのいる場所』は、昭和49年、結婚52年目の熊谷さんと妻の夏の1日を描いています。妻は樹木希林さんが演じます。沖田さんは、熊谷さんを知らなかったそうですが、2011年に映画『キツツキと雨』の現場で一緒になった山崎さんから熊谷さんの話を聞き、後日作品を観に行き、作品と人生に惚れ込んで映画にすることを決めたそうです。

沖田:「どんな人がどんな生活をして描いているんだろう?」という興味が湧きました。あと、藤森 武さんの『独楽 熊谷守一の世界』という、ちょうど晩年の熊谷さんのところに3年間くらい通って撮られた写真集。その写真集が不思議だったんですよね。庭の緑に紛れているような写真や、天狗の腰掛けと言われるところに座っていたり、仙人と言われるのを嫌がってるけれど、どこからみても仙人だし……。そういうユーモアがあった。

■虫が自然と集まる現場

映画の中では、多くの自然や虫が登場します。沖田さんは、身近な生きものたちから、熊谷さんの生き方が垣間見えたと言います。

沖田:熊谷さんの絵のモチーフになっているような生きものは、どうしても出したいと思って用意したものもあるんですけど、あの家で撮影していると寄ってくる虫とか生きものがけっこう多くて。家にいる虫のほうがいい芝居をしてくれるというか、いたら撮るという感じでした。たくさん生きものを出したかったので、スタッフのみんなにも「見つけたら言って」と、撮れるタイミングを見計らって撮るという感じだったと思います。いろいろ考えてみると、自分の住んでいる身の回りのことを、「気づいて見る」ということは、忘れちゃうことが多いので、自分に正直に生きていた方なのかなと、それはすごくいいなと思いました。

映画『モリのいる場所』は、5月19日(土)シネスイッチ銀座、ユーロスペース、シネ・リーブル池袋他全国ロードショー。

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【番組情報】
番組名:『GOOD NEIGHBORS』
放送日時:月・火・水・木曜 13時-16時30分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/neighbors/

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